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老け顔を気にしている女性

間違った習慣が老け顔を加速させているかも!改善のコツとは?

毛穴パックの使用や、自己流の美顔マッサージ。良かれと思って続けている美容法が、実は老け顔を加速させているかもしれません。美容皮膚科医の上原恵理さんに、正しい老け顔対策を聞きました。

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老け顔に共通する特徴は?

30〜50代女性で実年齢より老けて見える人の多くは、肌がくすんでいます。

私のクリニックでは、診療で肌年齢を測定する特殊なカメラを使っているのですが、実年齢よりも高めに評価される人のほどんどは、肌の透明感や明るさが失われています。

肌がくすむと、顔全体のトーンが暗くなり、疲れた印象になってしまいます。

老け顔の特徴としてあげられるのは、シミやシワ、たるみ。年齢を重ねると共に気になり始めますが、正しいスキンケアをすることで、老け顔の進行を遅らせることができます。

老け顔を加速させてしまう原因は?

老け顔を加速させる大きな原因は、肌摩擦や雑菌です。具体的にどんなスキンケアが老化を進めているのかを解説します。

必要以上に肌を触る・こする

美顔ローラー

ふだんから美肌のために次のようなスキンケアをしていませんか?

・化粧水を染み込ませるために肌を叩く
・毛穴パックを使う
・美顔ローラーを使う
・洗顔用ブラシを使う
・美顔器を使う

これらのケアは一見肌に良さそうですが、刺激が強く悪影響をもたらします。結果として、くすみやシミ、シワの原因になってしまうことも。

必要以上に顔を触ったり、こすったりすると、その刺激に肌が反応して、シミの元になるメラニンを生成。メラニンが代謝されずに残ると、シミに変化します。

中でもシミの一種の肝斑(かんぱん)は、一度できたら、美容医療でもなかなか改善しにくいのが特徴。肝斑ができる原因ははっきりしていませんが、女性ホルモンの乱れや、それ以外に肌の摩擦も原因になると言われています。

また、肌はいくつかの層になっています。奥にある「真皮」という層は、マットレスのような役割があります。

マットレスを使い続けるとへたるように、肌を過剰に触ったりこすったりすると、次第にハリがなくなり、たるんでいきます。

紫外線ケアが不十分

日差し

肌老化の原因の約80%は、日焼けによるダメージが関係するといわれています。

外出しないで家にいる日は、日焼け止めを塗らない人も多いと思いますが、これはNG。紫外線はガラスを突き破って室内まで降り注ぎます。

そもそも、地表に到達する紫外線には、「UVB」「UVA」の2種類があり、UVBは、肌の表面を刺激してメラニン色素を定着させます。これが、シミやそばかすの原因に。

UVAは、肌の奥をじわじわと刺激し、ハリを作るコラーゲンやエラスチンを壊して、シワやたるみを加速させます。

室内で過ごすときはもちろん、天気が悪い日や秋冬でも、毎日欠かさず日焼け止めを塗るようにしましょう。

また、新型コロナウイルスの影響でマスクをつけることが当たり前になりました。マスクで隠れる部分は日焼け対策をおこたってしまいませんか?

紫外線はマスクの中にまで入ってくるので、気を抜かず顔全体に日焼け止めを塗るようにしてくださいね。

ブルーライトによる肌ダメージに要注意!

最近ではスマホやテレビのブルーライトも肌ダメージの原因になるといわれています。

すっぴんでスマホを触っていると、無防備な肌でブルーライトを浴びることに。

肌を守るために、スマホの設定でブルーライトを軽減することができます。iPhoneであれば、「設定」→「画面表示と明るさ」→「Night Shift」をオンにすると設定できます。Androidは、機種によって設定が異なりますので、くわしくは説明書をご覧ください。

スマホの保護フィルムをブルーライトカット仕様のものにするのもおすすめです。

雑菌まみれのものを肌に塗っている

メイク

メイクやスキンケアアイテムなど、肌に直接触れるものほど、清潔なものを使うようにしましょう。

次の3つに当てはまっていませんか?

・大容量のシートマスクを使っている
・メイク用ブラシやパフをあまり洗っていない
・枕カバーを洗っていない

これらは、肌に雑菌が繁殖する原因になります。肌ダメージや肌荒れにつながり、老け顔を進行させることに。

大容量のマスクシートは、使うたびにケースの中へ手を入れるため、雑菌が入り繁殖します。どうしても毎日パックをしたい場合は、個包装タイプがおすすめです。

メイク用ブラシやパフ、枕カバーも洗わないと雑菌の温床に。いずれも最低週1回は洗うのが理想的です。

老け顔の進行をストップ!正しいスキンケア方法

老化の進行をストップさせるには、「保湿」と「日焼け対策」が必須。そして、肌をこすらないことが重要です。では、具体的にはどんなことをすればいいのでしょうか?

メイク落としや洗顔は、とにかく優しく

洗顔

洗顔をするときは、極力肌に指が触れないように泡のクッションで洗うようにしましょう。

マッサージするように肌に触れながら洗うのは、言語道断。こすってしまうと、肌が乾燥してバリア機能が低下してしまいます。

洗うときは、メイク落としや洗顔料を顔全体にムラなくのせて、泡の弾力を利用して軽く押すだけでOK。

メイクが落ちにくい小鼻や頬の毛穴、目のキワだけ、優しく指先でなでながら洗ってください。これだけでたいていの汚れは落ちます。

多少汚れが残っていたとしても、肌のターンオーバーによって自然と剥がれ落ちるので、一生懸命「落とすこと」よりも「肌を優しく扱う」ことを心がけましょう。

また、時間をかけてじっくり洗うのもNG。メイク落としも洗顔も、30秒くらいで済ませてください。

メイク落としに時間がかかってしまう人は、アイメイクやリップ用の「ポイントメイクリムーバー」を使ったり、クレンジングで落としやすいメイク用品を使ったりして対策しましょう。

皮脂が多い鼻やおでこから先に洗うと、余分な皮脂をしっかり落とすことができるうえに、頬や目元などの刺激に弱い部分は、時間をかけずにサッと洗えます。

さらに、洗顔後に顔を拭くときも、肌をこすらずタオルを置くように優しく拭き取ってくださいね。

保湿は、「水分」を付けたら、すぐに「油分」を塗る

よく化粧水をつけてから少し時間を置いて乳液やクリームを塗る人がいますが、これはNG。この間に肌が乾燥してしまいます。

保湿でポイントになるのは、1日中、十分な肌の水分量を保っているかどうか。

洗顔後に保湿をするときは、必ず水分(化粧水など)をつけたら、すぐに油分(乳液やクリームなど)を塗るようにしましょう。

乳液やクリームなどの油分でふたをすることで、化粧水などの水分を逃がしません。

保湿をするときは、水分と油分のどちらも欠けないようにしてくださいね。

化粧水とクリーム乳液

化粧水をつけずに油分を先につけてしまうと、角質の水分が不足したままなので、肌の内部が乾燥状態に。

反対に、化粧水だけだと蒸発して肌が乾燥するので、必ず油分でふたをしましょう。

また、オイリー肌の人で「ニキビができやすいので乳液やクリームを塗りません」という人もいますが、かえって皮脂分泌を増やす原因になります。きちんと油分もセットで塗るようにしてください。

日焼け止めは顔全体に500円玉の量を使う

日焼け止めは顔全体に、ケチらず500円玉の量(約0.8グラム)を使ってください。実際にこの量を手に出してみると多く感じますが、これだけ使わないと十分な紫外線カット効果が得られません。ほとんどの人が、これより少ない量を使っているのではないでしょうか。

日焼け止めを使うときは、手のひらに取ってから塗る人が大半だと思いますが、これだと約40%(※1)が手のシワや溝に入り込んでしまいます。

おすすめは、手の甲側の親指と人差し指の付け根に取る方法。これだと無駄なく塗ることができます。

(※1…2019年 日本美容皮膚科学会より)

日焼け止めのつけ方と量

【塗り方】

手の甲に500円玉量の日焼け止めを出したら、それをスタンプのようにペタペタと顔の広い部分(頬、額、鼻、あごなど)に複数回置き、指で塗り広げます。

日焼け止めつけ方

次に、日焼け止めを塗れていない部分や、小鼻のわきや目のキワなどの細かい部分に優しく塗り広げます。ムラができないように心がけてください。仕上げに、紫外線を浴びやすい部位(鼻や頬、額)に二度づけしましょう。

脱・老け顔!若見えするメイクテクニック

次はくすみを消して、シミ、シワをカバーするメイクのコツを紹介します。

コントロールカラーを使う

老け顔の最大の要因はくすみ。顔色を若々しく見せるために手っ取り早いのはコントロールカラーです。

コントロールカラーとは、色がついた化粧下地のこと。くすみやクマをカバーして、肌に透明感を与えてくれます。

コントロールカラーがくすんだ肌を自然に明るく見せてくれて、シミや小ジワを目立ちにくくする効果もあります。

顔全体のくすみや色ムラをカバーしたいときは、イエローのコントロールカラーがおすすめ。自然にトーンアップが叶います。

コントロールカラーオレンジイエロ―

クマや茶ぐすみが気になる人はオレンジを使いましょう。くすんだ肌の色を薄めて、肌の表面をなめらかに整えてくれる効果があります。

パープル系のコントロールカラーは、血色感が失われて、不健康に見えるので要注意。

コントロールカラーは、日焼け止めを塗ったあとに使うようにしてくださいね。

メイクで「くすみカラー」を使わない

老け顔メイク

肌がくすんだり、トーンダウンしていると、どうしても老けて見えます。

アイシャドウやリップで人気のくすみカラーは、落ち着いた印象になりますが、肌全体の色を暗く見せてしまいます。これが「疲れた」印象になることも。

どうしても使いたいときは、「目元だけ」「リップだけ」など複数箇所に使わないように注意してください。

また、メイクだけでなく、くすみカラーの服を着るときも、全身に使わず、「トップスをくすみカラー、ボトムスは白」など、上下のどちらかは明るい色を使うことで、老けて見えにくくなります。

なるべく自然光の明るい場所でメイクする

メイク

ふだんメイクをするときは、部屋の決まった場所でメイクする人が多いのではないでしょうか。

蛍光灯の下でメイクをしたあと、外で自分の顔を見たときにメイクの濃さにびっくりしたことはありませんか?

自然光と蛍光灯の下では、見え方が異なります。蛍光灯の下だとコスメの色味や発色加減がわからず、多めに塗ってしまうことも。

ファンデーションを厚塗りしたり、アイシャドウやチークをつけすぎたりすると、肌の透明感が失われ、老け顔に見えます。

反対に、窓際の自然光が入る場所でメイクすると、本来の発色がわかりやすいので、つけ過ぎることがなくなり、ナチュラルな仕上がりになります。

窓際でメイクすることが難しい人は、ライトつきの鏡を使ってメイクをしたり、仕上げだけ窓際でするなどの工夫が必要です。

老け顔を改善する生活習慣

老け顔を改善する手段は、メイクやスキンケアだけではありません。生活習慣や食事で行う老け顔対策や、コロナ禍で必需品になったマスクとの上手な付き合い方も解説します。

どれだけ忙しくても睡眠時間は死守する

成長ホルモン 肌

美容のために、あれこれ努力をしていても、そもそも睡眠時間が取れていない人は損をしています。

睡眠中は、代謝を促す「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンは、日中にダメージを受けた細胞の回復を促してくれる重要なホルモン。

紫外線や摩擦による肌ダメージを修復して、ターンオーバーを促進させます。

成長ホルモンは、入眠3時間後にピークを迎えます。そのため、最低3時間は眠るようにしましょう。

ぐっすり眠って成長ホルモンを分泌させるためにも、日中に適度な運動をすることをおすすめします。

バランスの良い食事が老け顔対策の近道

よく「美肌には○○がよい」と聞いて、ひとつの食材だけを食べる人がいますが、肌のためにはあまり意味がありません。

ひとつの食材を過剰に食べたり、ワンパターンの食事を続けていると、肌を作るのに必要な他の栄養素が足りなくなってしまいます。

食事は、炭水化物、タンパク質、ビタミンなどのバランスを考えて、栄養を摂取するようにしましょう。

そうはいっても栄養をまんべんなく摂ることは難しいので、私はたくさんの野菜、肉類、魚介類、豆類、チーズ、穀物が入ったチョップドサラダをよく食べるようにしています。

チョップドサラダは、具材を細かく切るのが特徴です。スプーンを使って手軽に食べられるので、よく仕事をしながら食べています。

マスクを使うときは毎回新品のものを

マスク荒れ

街でウレタンマスクや布マスクを使っている人をよく見かけます。“洗えるマスク”はエコの観点ではいいのですが、雑菌が繁殖して、肌トラブルの原因になってしまうことがあります。

長時間、素肌につけるものほど清潔なものを使いましょう。

毎日マスクを洗っていれば大丈夫だと思っていても、洗濯機や手洗い程度の洗浄力だと、なかなか雑菌は落ちてくれません。感染症対策の面でも使い捨てマスクの方が優秀です。

不織布のマスクで肌荒れする人は、マスクの中にコットンなどの肌に優しい素材でできたインナーマスクを入れる工夫を。

根拠のない美容法を試さない

美容のために

・長時間のパック
・自己流のマッサージや小顔エクササイズ など

を良かれと思ってしている人も多いのでは。

しかし、なぜ「効く」のわからないまま続けると、かえって肌のコンディションを悪化させてしまうことに。

例えば、長時間のパック。肌に水分を与えるためにやっているはずが、パックに肌の水分が吸収され、かえって乾燥することも。

肌は、ある一定の水分量があれば充分。長時間つけたからといって効果が現れるわけではないのです。

また、自己流の顔ヨガや顔エクササイズをやってしまうと、皮膚にクセがついて、それがシワのもとに。ゴリゴリと強くこする小顔マッサージは、肌を摩擦することになるので、かなりのダメージになりこれがたるみの原因になります。

特別なケアをしても、それは必ずしも肌にいいわけではありません。新しい美容法を取り入れるときは、「肌への刺激にならないか」「根拠があるかどうか」を吟味してから試すようにしてくださいね。

正しく保湿をして肌を守り、紫外線対策を徹底することが、老け顔改善への近道となります。

イラスト/早瀬あやき

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