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踏み台昇降

踏み台昇降のダイエット効果は?効率よく脂肪を減らす正しいやり方

自宅で手軽に取り組める「踏み台昇降」。簡単すぎて、本当に効果があるのか、疑問に思う人も多いのでは? プロのパーソナルトレーナー・大久保孝一が、踏み台昇降のダイエット効果と正しいやり方を解説します。

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踏み台昇降とは?

昔からある運動で、ダイエットや体力アップに効果的な「踏み台昇降」。自宅で簡単にできるダイエット法のため、手軽に始められるのが魅力です。女性や高齢者にもおすすめの踏み台昇降について、まずはどのような運動なのかを見ていきましょう。

踏み台の“昇り降り”を繰り返す有酸素運動

踏み台昇降とは、高さが10~30cm程度の踏み台を昇り降りする有酸素運動です。「ちょっとキツイ」と感じるくらいのペースで続けると、脂肪燃焼や筋力アップ、生活習慣病予防などの効果が期待できます。

また、踏み台の高さを変えることで、簡単に運動強度を調節できるので、運動不足の人や体力に自信がない人でも、自分に合わせたレベルで無理なく取り組むことができます。

必要なスペースは、たたみ一畳程度。そのため自宅のリビングや寝室など、好きな場所で好きな時間に運動ができ、テレビを見ながら行うこともできます。

消費カロリーはウォーキングよりも高い

踏み台昇降

踏み台昇降は、垂直に昇り降りする動作によって、太ももやお尻などの下半身の大きな筋肉に負荷がかかり、ウォーキングやゆっくり走るジョギングなどの運動に比べて消費カロリーが高くなります。

運動による消費カロリーは、運動や活動の強度をあらわす「メッツ」を使って算出できます。メッツとは、安静時を「1」として、その何倍のカロリーを消費するかを表す指数で、運動の種類ごとにメッツが示されています。

例えば、ウォーキング(速歩き)のメッツは「4.0」なので、安静時の4倍のカロリー消費量となります。また、ジョギング(通常スピード)のメッツは「7.0」なので、安静時の7倍のカロリー消費量となるわけです。

運動ごとのメッツについては、改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』に詳しく掲載されています(※1)。

(※1)国立健康・栄養研究所 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』(2012年4月11日改定)※pdfファイル

ただし、踏み台昇降のメッツについては掲載されていないため、踏み台昇降運動における運動強度の信頼性についての検討【J-STAGE/日本理学療法士協会】(※2)を参照すると、踏み台の高さが25cmの場合で「6.4」となっています。

(※2)J-STAGE/日本理学療法士協会 踏み台昇降運動における運動強度の信頼性についての検討

つまり、安静時の6.4倍のカロリー消費量となり、ウォーキングよりも高い消費量といえます。

運動による消費カロリーは、メッツと自分の体重が分かれば、以下に当てはめることで算出できます。

メッツ×体重×1.05×運動時間=消費カロリー

例えば、体重55kgの人が踏み台昇降を30分間行った場合の消費カロリーは、「6.4メッツ×55kg×1.05×0.5時間=184.8kcal」となります。同じ条件でのウォーキングの消費カロリーは115.5kcalです。そのため、踏み台昇降の消費カロリーは、ウォーキングよりも高いといえるのです。

主に下半身が引き締められる

女性の下半身

踏み台昇降を行うと、主に下半身の筋肉が引き締められます。なぜなら、踏み台の昇り降り動作によって、太ももやお尻、ふくらはぎなど、下半身の筋肉が動きやすくなり、血行が促進されるからです。

筋肉には血液を送り出すポンプ作用があり、筋肉が動きやすくなることで働きが強まり、血行が促進されます。特に、内ももや太ももの付け根付近には、太い血管やリンパ管が走っているため、余分な水分や脂肪が排出されやすくなります。その結果、脂肪燃焼やむくみ改善につながり、下半身が引き締まるというわけです。

踏み台昇降のダイエット効果は?

続いて、踏み台昇降のダイエット効果について解説します。筋肉に負荷をかけながらできる踏み台昇降は、ダイエットにも効果的。次から紹介する6つの効果をくわしく見ていきましょう。

(1)太ももが細くなる

女性の太もも

踏み台昇降を行うと、太ももが細くなります。ひざの屈伸動作によって太ももの筋肉に適度な負荷がかかり、脂肪の「分解」が促進されるからです。

脂肪は必ず「分解」されてから「燃焼」されます。私たちの体内では常に脂肪が分解されているのですが、運動をして筋肉に負荷がかかると、ホルモンの働きによって脂肪の分解スピードが加速し、分解量が増えます。

脂肪の分解量が増えれば、脂肪の燃焼量も増加。特に太ももは大きな筋肉であり、大量の脂肪を燃やしやすいのです。

(2)ふくらはぎが細くなる

踏み台昇降を行うと、ふくらはぎも細くなってきます。踏み台の昇り降りを繰り返すことで、ふくらはぎの筋肉に適度な負荷がかかり、脂肪の「分解→燃焼」が促進されます。

また、ふくらはぎは、血液を心臓へ送るポンプ作用が強く「第二の心臓」とも呼ばれています。そのため踏み台昇降によってふくらはぎの筋肉が強化されると、全身の血のめぐりがよくなり、ダイエット効果が出やすくなります。

(3)お尻がキュッと引き締まる

踏み台昇降を行うと、お尻もキュッと引き締まります。垂直に昇り降りする動作によって、お尻の筋肉にも刺激が加わり、脂肪が燃えやすくなるのです。

また、お尻の筋肉には、骨盤を支える働きがあり、筋肉が強化されると、骨盤が安定して歪みが改善され始めます。すると、骨盤につながっているお腹の筋肉群も動きやすくなり、さらにダイエット効果が出やすくなります。

(4)下腹ポッコリが目立たなくなる

女性の引き締まった下腹部

踏み台昇降には、ポッコリ下腹の改善効果も期待できます。骨盤が安定すると、下腹の動きが活発になり、溜まった脂肪がエネルギーとして消費されやすくなります。

また、太ももを上下する動作では「腸腰筋(ちょうようきん)」も強化されます。腸腰筋とは、背骨から太ももの付け根にかけて左右対称に付着している深層筋で、いわゆる「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉。そして、腹筋と共に、体幹を安定させ内臓を正しい位置に保つ働きがあります。

踏み台昇降により腸腰筋が強化されると、前方にズリ落ちた内臓が正しい位置に戻りやすくなり、下腹ポッコリの改善につながるでしょう。

(5)基礎代謝がアップし太りにくくなる

踏み台昇降を行うと、太ももやお尻などの大きな筋肉群が強化されると共に、内臓の動きもよくなり、基礎代謝がアップ。太りにくい体質を目指せます。

基礎代謝とは、心拍や呼吸、体温調節などの生命活動を維持するための必要最低限のエネルギーで、基礎代謝の多くは、筋肉と内臓で消費されています。また、基礎代謝は1日の総消費エネルギーの約70%を占めていると言いわれます。

そのため、筋肉を強化して内臓の動きをよくすると、基礎代謝がアップ。消費エネルギーが高まるため、太りにくくなるのです。

太ももやお尻の筋肉はもともと大きいため、強化すれば、それだけ基礎代謝を上げやすくなります。体幹の安定にもつながり、腹筋や背筋によって、内臓が正しい位置に保たれ動きやすくなるのです。

(6)血糖値が下がり新たに脂肪ができにくくなる

白米を食べる女性

踏み台昇降には血糖値をゆるやかにして、新たな脂肪をできにくくする効果も期待できます。それには血糖値を下げる「インスリン」というホルモンが関係しています。

インスリンとは、膵臓(すいぞう)から常に分泌されているホルモンの一種であり、血糖値を一定に保つ働きをしています。しかし、脂肪細胞を増やす働きもあるため、過剰な分泌はダイエットの妨げになります。

炭水化物や甘い物に含まれる糖質が多い食事は、血糖値を急上昇させてインスリンの過剰分泌を招きます。そのため脂肪細胞の増大が促されてしまいます。新たな脂肪を増やさないためには、食後の血糖値を安定させ、インスリンの過剰分泌を防ぐ必要があるのです。

そのため食後に踏み台昇降のような軽い運動を行うことは、血糖値を下げるのに効果的。例えば、食事をとった後に踏み台昇降を10分程度行うだけでもOKです。

効率よく脂肪を減らす踏み台昇降のやり方

ここからは、効率よく脂肪を減らすための踏み台昇降のやり方を解説します。やり方次第で効果に違いが出ますので、正しい方法で継続することがダイエット成功のポイントになります。

脂肪燃焼に効果的な踏み台の高さは10~15cm

踏み台昇降の脂肪燃焼効果を高めるには、踏み台の高さを10~15cmに調節するとよいでしょう。高さが低い方が、筋肉にかかる負荷を抑えられ運動を長く続けやすくなるからです。

負荷が大きすぎると、筋肉がすぐに疲れ、運動を長く続けられなくなります。すると、脂肪燃焼効果が低下してしまいます。

腕を振りながら片脚ずつしっかりと動かす

踏み台昇降

昇り降りする際は、腕を前後に振りながら、片脚ずつ動かしましょう。腕を振りながら行うことで全身運動となり、消費エネルギーが高まります。

また、片脚ずつしっかりと動かすことで、下半身の筋肉に対して刺激が強まり、太ももやお尻を引き締めやすくなります。

背筋を伸ばして体幹を固定させる

動作中は背筋を伸ばして、体幹がグラグラしないよう安定させて行いましょう。体をまっすぐにして行うことで、腰やひざへの負担が軽減され、ケガを予防できます。

また、体幹が安定していると、下半身の筋肉に刺激が伝わりやすくなり、ダイエット効果が発揮されます。

息を吐きながら昇る→吸いながら降りる

動作中の呼吸は、息を吐きながら昇り、吸いながら降りるようにしましょう。「1、2で昇る」「3、4で降りる」という四拍子のリズムで繰り返し、呼吸は「吐く、吐く」で昇り、「吸う、吸う」で降りましょう。このリズム・呼吸で行うと、酸素を取り込みやすく、運動を長く続けられるようになります。

踏み台昇降のような有酸素運動では、動作中に大量の酸素を取り込むことで、ミトコンドリアの働きが活発となり脂肪燃焼が加速します。ミトコンドリアとは、細胞中に存在し、脂肪からエネルギーを作り出す働きをしている小器官です。

つまり、酸素が大量に取り込まれミトコンドリアが元気になると、脂肪がドンドン燃焼されるのです。効果を高めるためにも呼吸も意識して続けてみてください。

ちょっとキツイと感じる運動強度で行う

踏み台昇降

踏み台昇降の運動強度は、「ちょっとキツイと感じる程度」が適しています。有酸素運動では、息が上がる程度の強度が、もっとも脂肪が燃焼しやすいといわれているのです。

心拍数が上がりすぎてしまうと、脂肪ではなく糖質が優先的にエネルギーとして消費されます。反対に、心拍数が低すぎても、脂肪は消費されにくくなります。

したがって、脂肪を効率よく燃やすには、ちょっとキツイと感じる程度の運動強度がよいでしょう。

1日に合計20分以上を目標にする

踏み台昇降は、1日に合計20分以上を目標に行うとよいでしょう。例えば、10分ずつ2回に分けて行ってもいいですし、7~8分ずつ3回に分けてもOKです。

一般的には、「有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃え出さない」といわれていますが、そんなことはありません。体では常に脂肪が分解されていますので、それより短時間でも脂肪を燃やすことができます。

ただし、20分以上連続して行った方が、脂肪の「分解→燃焼」スピードか加速するため、ダイエット効果が出やすくなります。体力的に無理がない人は、20分以上連続して行うとよいでしょう。

1~2日おきに週3~4日の頻度がおすすめ

踏み台昇降の頻度は、1~2日おきに週3~4日行うのがおすすめです。踏み台昇降を行うと、「アフターバーン効果」といって運動後48~72時間は脂肪が燃えやすい状態が続くので、毎日行う必要はありません。また、休日をはさんだ方が、疲労回復がスムーズに行われるため、その点からしても継続しやすくなります。

踏み台昇降では、特に下半身の大きな筋肉に負荷がかかります。毎日行うと体に疲労が溜まり、ケガをしやすくなるので注意してください。さらに、体が刺激に慣れてしまい、逆に脂肪が燃えにくくなる可能性もあります。休みをはさみながら挑戦してみましょう。

踏み台昇降を行う時間帯は食前が効果的

踏み台昇降

溜まった脂肪を減らす目的で踏み台昇降を行う場合には、空腹時が効果的です。空腹時は体内の糖質量が少ないため、脂肪が優先的にエネルギーとして使われます。ただし、空腹時に運動強度を高くしすぎると、脂肪と一緒に筋肉も消費されてしまうため注意してください。

もちろん、踏み台昇降は、食後の運動として行うこともできます。先にご説明した通り、食後に行えば血糖値が下がり、新たに脂肪ができにくくなるため、体型維持には効果的です。

食後に行う場合は、食事で摂った糖質の消費が優先されます。今よりも脂肪を減らしたいなら「食前」に行い、体型維持が目的ならば「食後」に行うのが効果的です。

踏み台昇降の効果が出るまでの期間は2~3カ月

鏡で体型をチェックする女性

踏み台昇降の消費カロリーをもとに考えた場合、1日30分×週3日行ったとしても、効果が出るまでには、2~3カ月はかかるでしょう。

例えば、体重55kgの人が、1日30分×週3日行った場合、1カ月の消費カロリーは約2218kcal。脂肪1g=約7kcalなので、これを脂肪量に換算すると、1カ月で約317gの脂肪が減ることになります。

しかし、300g程度の減少では、まだ見た目の変化はあまり期待できません。見た目が変わるには、もっと多くの脂肪を減らす必要があります。もし、同じ人が3カ月続けたとしたら、約951gの脂肪減少となり、見た目にも変化を確認しやすくなるでしょう。

なかなか効果か出ないからとあきらめないことが大切。気長に構えて、2~3カ月後を目標に取り組んでみてください。

まとめ:踏み台昇降はダイエットに効果的! 正しいやり方で下半身の引き締めを

下半身を重点的に引き締めながらダイエットしたいなら、踏み台昇降が効果的です。踏み台昇降はすぐれた有酸素運動であると同時に、主に太ももやお尻など、脂肪がつきやすい下半身の筋肉が強化されます。

踏み台昇降は、紹介したような正しいやり方で2~3カ月続けることがポイント。すると下半身を中心に脂肪が減って体が引き締まってくるでしょう。

テレビを見ながらでもできる踏み台昇降は、運動不足の人や体力に自信がない人でも、自宅で無理なく取り組めます。ぜひ、踏み台昇降にチャレンジして、ダイエット効果を高めてくださいね!

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