映画『違国日記』にダブル主演した新垣結衣さんは、映画化される前から原作のファンだったそう。お話を伺ううちに、原作への愛と、丁寧に作品と向き合った撮影の様子が見えてきました。

新垣結衣さん

餃子を作るシーンの3人の空気感が初見からとても好きでした

仲違いしていた亡き姉の娘・朝と、彼女を引き取った人見知りの小説家の槙生が、人生と向き合う姿を描くマンガ『違国日記』。槙生を演じた新垣結衣さんは、以前からこの原作が大好きだったそうです。

「言葉選びが好きです。吹き出しの外に書かれるユーモアも。境遇や抱えるものも違う人間が寄り添って、日々を丁寧に生きているところも大好きです」

新垣さんによると槙生は、 「ファーストコンタクトが苦手なだけで、関わることになれば相手と本気で向き合ってしまう人。だから疲れるし、1人の時間が必要なのかなと思いました」

原作・映画ともに重要なカギとして登場するのが「食べ物」。なかでも印象的なのは、朝（早瀬 憩）と槙生、親友の醍醐（夏帆）の3人で作る餃子です。

「出演作はどうしても自分の反省点から見てしまうのですが、餃子を作るシーンは初見から3人の空気感がとても好きだなと思いました」

槙生と醍醐、朝と醍醐、そして槙生と朝。それぞれの関係性が分かる、3人で『夢の中へ』を歌うシーンも見どころです。

「1歩踏み出せない朝ちゃんの気持ちを後押しするために歌うのですが、先に歌い始めた槙生と醍醐が、まだ少し照れくさそうな朝にも促すように耳に手を当てるのはアドリブです。恥ずかしいとか、自分のキャラじゃないと言っている朝ちゃんに、『やりたいならやればいいじゃん』という気持ちで動いてみたら応えてくれました。あの動きは自然と出てきたもので、まさに“関係性”ですね」

雑誌『からだにいいこと』８月号では新垣さんのインタビューを掲載！

発売中の雑誌『からだにいいこと』８月号では、新垣さんに「ルーティンにしているからだにいいこと」を伺いました。Web版とは異なる写真も必見！ あわせてお楽しみください。

【INFO】映画『違国日記』

人見知りな30代の小説家と亡き姉の15 歳の娘。性格も歳も異なる女性ふたりが互いの存在により、他者や社会との関わり方を再確認し、かけがえのない存在になるヒューマンドラマ。
全国にてロードショー中

【出演】新垣結衣、早瀬 憩 ほか　【原作】ヤマシタトモコ『違国日記』（祥伝社 FEEL COMICS）　【監督・脚本】瀬田なつき　【配給】東京テアトル ショウゲート

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撮影／近藤誠司　取材・文／関口裕子　スタイリスト／小松嘉章（nomadica） ヘアメイク／藤尾明日香（kichi）
（からだにいいこと2024年8月号より）