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脇腹が痛む女性

脇腹の痛みの原因は?考えられる病気と一時的な不調の違いを解説

突然やってきた脇腹の痛み。原因はストレスなのか、病気なのか…。病院へ行く必要があるのかも気になりますよね。緊急性の高い病気と心配しなくてもいい痛みの違い、痛みを和らげる対策を解説します。

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脇腹の痛みの原因は?

生理痛や下痢などで下腹部の痛みを感じることはあっても、脇腹の痛みは自分では原因が分からないことも多いのではないでしょうか。

急に脇腹の痛みがあらわれたときに、原因に心当たりがないと不安になりますよね。脇腹に痛みがあらわれたときは、どんなタイミングで痛みが出るか、どのような病気の可能性があるのかを知っておくと、慌てずに対処できるでしょう。

万が一、痛みの原因が重大な病気だった場合は、悪化すると痛み以外にも何らかの症状があらわれることがあります。まずは、脇腹の痛みのさまざまな原因についてご紹介します。

緊急性の高い痛みの原因

脇腹が痛む女性

脇腹の痛みで注意したいのが、緊急性の高い痛みの場合があるということ。脇腹の痛みが強く、痛み以外にも自覚症状がある場合には、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

腎臓や尿路の病気

脇腹の痛みの原因で考えられるのが、腎臓や尿路の病気です。腎臓は背中側の腰の高さの位置に左右1つずつあります。腎臓の病気は、左右どちらの脇腹にも痛みが出る可能性があります。例えば次のような病気が考えられます。

・腎盂腎炎(じんうえん)
腎盂腎炎とは、「腎盂(じんう)」という、尿が集まり腎臓と尿管が接続する部分に、細菌が付着することで炎症が起こる病気です。この病気は女性に多く、脇腹に痛みを感じる他に、高熱が出たり、吐き気や食欲の低下、排尿時の痛みを感じたりすることもあります。

・尿管結石(にょうかんけっせき)
強い痛みを伴うことで有名なのが尿管結石です。尿は、腎臓・尿管・膀胱・尿道などを通って体外に排出されます。この尿管に結石ができる病気が尿管結石です。尿の中に含まれる成分が結晶化してしまう症状で、結石がある側の脇腹が痛くなり、痛みの他、吐き気や血尿などの症状が出ることがあります。

消化器系の病気

次に考えられるのが、消化器系の病気です。右脇腹の違和感から始まり、痛みが強くなってきたら、消化器系に何かトラブルをかかえているかもしれません。

・急性膵炎(きゅうせいすいえん)
急性膵炎は、膵臓の急性炎症で、他の臓器にまで影響を及ぼす可能性があります。最初は軽い胃痛から始まり、症状が進むとみぞおちから脇腹にかけて痛みが出てきます。痛みが強く、嘔吐や発熱を伴うこともあり、悪化すると危険な病気です。

・急性胆のう炎(きゅうせいたんのうえん)、胆管炎(たんかんえん)
胆のうには、肝臓でつくられた胆汁が蓄えられています。その胆のうが炎症を起こしてしまうのが、急性胆のう炎という病気です。また、胆のうは肝臓と十二指腸をつなぐ管の途中にあり、胆のうの通り道である胆管が炎症を起こしてしまうのが、胆管炎という病気です。

右上腹や右脇腹あたりに痛みが出て、発熱や嘔吐、肌や白目が黄色くなる「黄疸」という症状が出ることもあります。黄疸は見た目でわかる症状なので、第三者から指摘されて気がつくこともあります。

このように、脇腹の痛みは重大な病気が隠れている可能性があり、いずれの病気も痛みが強く出る場合があります。我慢できないような脇腹の痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

経過を観察してもいい痛みの原因

ランニングする女性

続いて、緊急性がなく、経過を観察してもいい痛みについ解説します。とはいえ、自己判断は危険な場合もありますので、何かおかしいと感じるところがあったり、原因が特定できなかったりする場合には、医療機関の受診も視野に入れておいてください。

運動したことで起きる筋肉痛

運動した後や翌日などに脇腹が痛む場合は、筋肉痛が考えられます。筋肉痛になったら無理に動かさず、筋肉を休ませることが大切です。

入浴後、血行がよくなったタイミングで軽く脇腹をマッサージするのも効果的です。痛みが落ち着いてきたら、ストレッチをしてみましょう。また、筋肉痛を繰り返さないために、運動の前には準備運動を怠らないことも大切です。

生理痛などの婦人科系の痛み

脇腹が痛む女性

生理痛など、子宮や卵巣と関係する脇腹の痛みは、女性ならば自覚している方も多いでしょう。生理のたびに痛みが強く毎回薬を飲んでいたり、薬が手放せないのに病院を受診したことがない場合は、一度婦人科に相談することをおすすめします。

病気ではないけれどもなかなか生理痛が改善しない場合は、鎮痛剤を適切に使ったり、体を温めたりして上手に付き合っていける方法を見つけましょう。

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ストレスからくる痛み

ストレスで脇腹が痛むことがあります。その原因としてあげられるのが、過敏性腸症候群。自覚症状がなくてもストレスを感じているケースは多く、腸が過敏に反応して、脇腹が痛みます。また、ストレスは自律神経にも影響を及ぼし、便秘からくる脇腹の痛みも引き起こしやすくなります。

ランニング中の痛み

「ランニング中に脇腹の痛みを感じる」という方は多いのではないでしょうかしょうか。違和感程度の痛みならすぐに医療機関を受診する必要はありません。

なぜ走ると脇腹が痛むのかを、次からくわしく解説します。

走ると脇腹が痛くなるのはなぜ?

ランニングする女性

ランニング中のみならず、急いでいて急に走ったりすると、脇腹が痛くなることがあります。そもそも走ると脇腹が痛くなるのは、なぜなのでしょうか。

食べた直後だから

食事をする女性

食べた直後に突然全力で走ると、右脇腹が痛むことがあります。胃腸の周りの神経は、刺激により痙攣すると痛みを感じます。

食事の後は、胃や腸に多くの血液が必要で、神経を刺激しながら消化しています。そのタイミングで運動をしてしまうと、筋肉に血液が使われ、消化のための血液が不足。その結果、痙攣を起こすために脇腹の痛みにつながるといわれています。

予防するには、食事から時間を空け、運動前にしっかりウォーミングアップをすることが大切です。もし走っている最中に痛みを感じたら、ペースを落として、ゆっくり走ってみてください。日ごろから腹筋を鍛えておくことも、脇腹の痛み改善に効果的です。

準備運動が不足しているから

走る前の準備運動が不足していると、脇腹が痛くなることがあります。呼吸のたびに上下している横隔膜は、さまざまな臓器を支えています。

運動で呼吸をすると臓器もつられて一緒に動きます。そのときに横隔膜や呼吸に関係する筋肉が痙攣することで、脇腹が痛くなってしまうというわけです。ウォーミングアップを行うと、血流を促し運動前に筋肉を温めることができます。体の準備を整えてからランニングを始めることで、脇腹の痛みを防ぐことができるでしょう。

脇腹の痛みを和らげるセルフケア

腹痛で悩む女性

脇腹に痛みを感じたとき、緊急性の高い痛みの場合は、できるだけ早く病院へ。一方緊急性が高くないのであれば、痛みを和らげるためのセルフケアを試してみてください。少し痛みが楽になるはずです。

ストレッチでお腹を動かす

ストレッチする女性

ストレッチでお腹周りの筋肉を伸ばすと、少し楽になることがあります。おすすめは体側を伸ばすストレッチ。ラジオ体操第一の「体を横に曲げる運動」と同じ動きです。

やり方は、片方の手を腰にあて、反対側の腕を上げて体側を伸ばすように体を倒します。固まった体をほぐすことで柔軟性が高まり、消化器官の働きもアップ。お腹周りの筋肉がゆるんで脇腹の痛みが少し緩和できるでしょう。

お腹周りを温める

生理痛などで脇腹が痛い場合は、お腹の周りを温めて、血行をよくすることで改善が見込めます。おへそまで隠れる下着を身につけて冷やさないようにしたり、お風呂で体を温めたりするのもいいでしょう。

また、普段から冷たい飲み物・食べ物を、摂りすぎないようにして、体を冷やさない生活を心がけることも大切です。

心と体を休めてリラックスする

お茶を飲む女性

ストレスからくる脇腹の痛みには、何よりリラックスできる時間を持つことが大切。ストレスの原因が明らかであっても、すぐに原因を取り除くことは難しいかもしれません。

例えば、好きな音楽を聴く、アロマテラピーで香りを楽しむ、お風呂にゆっくりと浸かるなど、自分が気持ちよく過ごせる時間を作ってみましょう。心と体を休めてリラックスすることで、脇腹の痛みが和らぐ場合もあります。

脇腹の痛みに効果が期待できる漢方薬

脇腹の痛みはセルフケアで改善する場合もあれば、病気ではないもののすぐにはおさまらない場合もあります。そんなときに効果が期待できるのが漢方薬です。漢方薬は実際に、病院などでも自然由来の治療薬として使われています。

脇腹の痛みの軽減には、筋肉の緊張を緩和し痙攣を抑える作用、血液のとどこおりを取る作用、鎮痛作用のある漢方薬がよく使われています。また、ストレスからくる自律神経の乱れが原因の痛みには、鎮静や抗ストレス作用のある漢方薬が使われます。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

筋肉の痙攣を伴う痛みに使用されることが多い漢方薬で、筋肉痛などが原因と考えられる脇腹の痛みに効果が期待できます。また、胃痛や尿管結石、生理痛にも応用されることがあり、痛みを和らげるのに一役買ってくれる漢方薬です。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

緊張性やストレスで起こる脇腹の痛みに効果の期待できる漢方薬です。そのほか、下腹部痛、肩こり、打ち身、皮膚炎など、多くの症状に効果が期待できます。

小柴胡湯(しょうさいことう)

風邪症状があるときに用いられます。脇腹やみぞおちにかけて苦しいときや、胃炎、胃痛、疲労感などがある場合にも取り入れたい漢方薬です。

漢方薬は体質に合ったものを選ぶことが大切

漢方薬を選ぶときは、体質に合ったものを選ぶことが大切です。合わないものを服用すると、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。服用前に、漢方にくわしい医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

最近では、症状と体質に合った漢方薬を、漢方に精通した薬剤師に選んでもらえる「あんしん漢方(オンラインAI漢方)」という、AIを活用したオンライン相談サービスも登場しているので、利用してみるのもいいでしょう。

スマホから、専門家への個別相談を気軽に申し込むことができます。

脇腹の痛みが我慢できないときは? 病院を受診するときの目安

病院を受診

我慢できないほどの痛みがある場合は、原因にかかわらず早めに医療機関を受診しましょう。また、脇腹の痛みは強くなくても、発熱や嘔吐、血尿などいつもと違う症状がある場合も、体からのサインを見逃さずに、病院に行くことが大切です。

消化器系の病気が疑われる場合は消化器内科、尿管結石の場合には泌尿器科を受診してください。原因がわからないときは、まず近所の内科で相談してみるのもいいでしょう。

まとめ:脇腹の痛みは原因に応じた対処を! 心と体のケアが大切

ご紹介したように脇腹の痛みには、さまざまな原因があります。最初は軽い痛みでも、放置していると痛みが強くなったり、重大な病気につながったりすることもあります。ストレスでも脇腹の痛みは感じやすくなりますので、体だけでなく心も休めてあげることが大切です。

また、ランニングの後の痛みや生理痛など、原因が明らかな場合には、ご紹介したようなセルフケアを試して、早めに痛みを和らげるようにしましょう。走る前は食事を軽くする、普段から腹筋を鍛えておくなど、脇腹が痛くならないように準備をすることも大切です。原因に応じた適切なケアで、今ある脇腹の痛みを改善しましょう。

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