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つらい「咳・ぜんそく」に。4タイプ別のセルフケアで体力回復を|田中友也さん 季節の養生法

神戸にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」田中友也さんが、“季節の養生法”をお届けする連載。今月は「咳・ぜんそく」がテーマ。止まらない咳、慢性化してつらいぜんそくの原因やセルフケアをお聞きしました。

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咳は邪気を追い出そうとするサイン。慢性化するとぜんそくに

寒い時期になると、“ゴホゴホ”“コンコン”と、突然咳が出て止まらない…ということはありませんか。いつもは元気なのに、咳からなんとなく体調不良が始まり、風邪をひいてしまうことも。

東洋医学で咳は、外から入る“邪気”が、体の内側の弱りに影響して起こると考えられます。咳は体の防衛反応で、侵入した邪気を追い出そうとしているサイン。体の正常な働きですが、同時に風邪の初期症状でもあります。

また、それが慢性化すると、“ヒューヒュー”“ゼーゼー”と呼吸の苦しさが続くぜんそくにつながります。そうならないためにも早めの対処が必要です。

4タイプ別「咳・ぜんそく」の原因と特徴

一見同じように思える咳ですが、東洋医学では冷えやうるおい不足など、原因によってあらわれる症状が違います。咳・ぜんそくのタイプに合った養生を心がけることで、なるべく早く体調を戻すことができます。原因別に次から4タイプを解説します。

寒邪(かんじゃ)が原因の「冷えの風邪タイプ」

1つ目は、外からの邪気=外邪(がいじゃ)のひとつで、寒邪(かんじゃ)による「冷えの風邪タイプ」。気温が下がったことや薄着によって体が冷え、風邪をひきはじめます。もともと冷え性の人や、寒さが苦手な人に多いタイプで、“ゴホゴホ”とした咳が出ます。透明の鼻水、痰が出る、悪寒がする、微熱が出るなどの症状が出たら要注意。

外からの邪気が影響して熱が出る「熱の風邪タイプ」

2つ目は外邪の影響で熱が出る「熱の風邪タイプ」。咳はもちろん、風邪のひきはじめから高熱が出るのがこのタイプの特徴。喉が痛い、黄色もしくは緑の痰が出る、呼吸が荒くなる、汗をかくなどの症状があらわれます。これらは体に熱がこもり、炎症が起きているサインです。

うるおい不足で起こる「空咳タイプ」

3つ目は体のうるおい不足の「空咳タイプ」。湿り気のない、乾いたような咳が続き、声もしわがれてガラガラしてきます。喉が渇きやすい、便秘になる、痰がねばっこい、手足がほてる、寝汗がひどいなどの症状も。普段から肌が乾燥しやすい人に多いタイプです。“コンコン”した咳が続く場合は、このタイプかもしれません。

咳が慢性化した「虚弱体質タイプ」

4つ目は、咳が慢性化した「虚弱体質タイプ」。このタイプが、いわゆるぜんそくに当たります。東洋医学で、呼吸と気の巡りに関与する「肺」、栄養吸収に欠かせない「脾(胃腸)」、生命エネルギーを司る「腎」が慢性的に弱ってしまった状態。夜に咳がひどくなる、そのせいで眠れない、食欲不振、疲労感が続くなど、体が消耗しきっているといえます。

大きく分けるとこの4タイプとなりますが、これ以外に食事の不摂生が原因で咳やぜんそくを引き起こす場合もあります。

「咳・ぜんそく」を早く改善するために。4タイプ別 食養生とアドバイス

咳やぜんそくといった呼吸器の症状があると、1日中つらいうえに、仕事や家事など日常生活に支障が出ます。東洋医学的セルフケアで、タイプに合う対処法を試してみてください。

「冷えの風邪タイプ」の食養生:体を温める食べ物を

寒邪が原因で起こる「冷えの風邪」には、体を中から温める食べ物を。温め食材や薬味をスープ、みそ汁などの汁物に入れるのも良いでしょう。また、咳が出るときはなるべく冷えたものを摂らないように。

体を温める食べ物…ネギ、ショウガ、シナモン、しそ など

「冷えの風邪タイプ」の生活アドバイス:体を温める

このタイプは体が冷え切っています。風邪の初期症状があらわれたらしっかり着込んで体を冷やさない服装を。靴下を履く、首元が出ない服を着るなど、室内でも体を温めましょう。十分な休息をとり、熱が高くなければ軽く汗をかく程度に入浴してもOK。

「熱の風邪タイプ」の食養生:熱を冷ます食べ物を

熱の風邪タイプは、体の外から侵入した邪気によって熱や咳が出ている状態なので、熱を冷ます食べ物が効果的。咳が出ているときは、体が弱っている証拠。あっさりした味付けで調理するのがおすすめです。

熱を冷ます食べ物…大根、白菜、ごぼう、バナナ、梨、くず など

「熱の風邪タイプ」の生活アドバイス:体を温めすぎず睡眠をしっかり

このタイプは、熱を冷まして炎症を抑える必要があります。そのため熱が出ているときは長風呂はやめましょう。半身浴もNG。体が温まると体力が奪われて逆効果になります。体を温めすぎず、まず睡眠をとること。仕事や家事を早めに切り上げて、休息をとって体を回復させましょう。

「空咳タイプ」の食養生:体をうるおす食べ物を

空咳は、体の中に乾燥した空気が侵入している状態。体をうるおす次のような食べ物を摂り、食事から積極的に水分を補給しましょう。

体をうるおす食べ物…りんご、梨、いちぢく、ビワ など

「空咳タイプ」の生活アドバイス:部屋を加湿して乾燥を防ぐ

空咳タイプは、まず加湿器を使って部屋の湿度を上げましょう。こまめに水分も補給して咳を鎮めます。お風呂はOKですが、熱がないからといって長風呂やサウナなど、汗をかきすぎる行動はダメ。さらにうるおい不足になります。体を休ませることを最優先に。

「虚弱体質タイプ」の食養生:肺・脾・腎を元気にする食べ物を

咳が慢性化してぜんそくになった虚弱体質タイプは、肺・脾(胃腸)・腎の働きが低下しています。そのため、肺をうるおす食べ物、胃腸と腎を元気にする食べ物を摂って、体力のベースを取り戻してください。

肺をうるおす食べ物…ゆり根、山芋、白きくらげ、はちみつそ など

胃腸を元気にする食べ物…かぼちゃ、米、小豆、トウモロコシ、くるみ など

腎を元気にする食べ物…山芋、黒ゴマ、きくらげ、ひじき、のり、黒豆 など

「虚弱体質タイプ」の生活アドバイス:軽く体を動かして胃腸を労わる生活を

このタイプは休んでばかりいるのではなく、体調が良い日はウォーキングや散歩を取り入れて軽く体を動かすことが大切。食事は暴飲暴食、脂っこいものを控えて消化のいいもの食べ、胃腸を労わってください。生命エネルギーに関わる腎を補うために、夜更かしせず早寝することもポイント。

「咳・ぜんそく」に効果的なツボ

咳・ぜんそくがつらいときは、ツボ押しも効果的です。ご紹介する2つのツボを押してみましょう。「尺沢(しゃくたく)」は、咳がつらいときに押すと痛みを感じる人もいます。

尺沢(しゃくたく)

尺沢(しゃくたく):手の平を上に向けてひじを曲げたときに出る腱の外側、凹みにあるツボ。シワの上ににあります。

押し方:ツボと反対の手でひじを包み込むようにして持ち、親指で少し強めにツボを押します。10~20回程度を目安に。

天突(てんとつ)

天突(てんとつ):左右の鎖骨を結んだ中央部のくぼみにあります。

押し方:指を当て、体の奥へ向けて静かに押します。のどはデリケートなので、ゆっくり「3秒押したら3秒離す」ペースで、2回程度を目安に。

今月の養生ポイント:外からの邪気を受け止める「肺」を元気にする過ごし方を

咳やぜんそくはご紹介したように、外からの邪気によって症状があらわれます。特に冷たい風が吹き始める秋は、燥邪(そうじゃ)という乾燥の邪気に気をつけたい季節。

臓器の中でも外からの邪気を真っ先に受け止めるのが「肺」です。肺は「嬌臓(きょうぞう)」と呼ばれ、「嬌(きょう)」には愛らしい、おとなしいという意味があります。唯一外につながっている臓器でもあり、五臓の中でも乾燥に“弱い”とされています。

咳やぜんそくなどの季節の不調を寄せ付けない体をつくるには、肺を元気にする生活がカギ。そのためにはふだんから軽く体を動かす習慣を持ち、新鮮な空気をたっぷり肺に届けることが大事です。

また、肺はうるおいを好み、乾燥を嫌います。室内を加湿する、寒い日は薄着をせずに外出する、体をうるおす食べ物を摂るなど、季節の体調管理もしっかり行いましょう。

イラスト/植松しんこ

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