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目の疲れ

つらい“目の疲れ”に。血を補い、気を巡らせる東洋医学的ケアとは?|田中友也さん 季節の養生法

神戸にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」田中友也さんが、“季節の養生法”をお届けする連載。今月は「目の疲れ」がテーマ。東洋医学的セルフケアで、眼精疲労をすっきりさせる方法を紹介します。

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東洋医学からみる目の疲れの原因とは?

目がショボショボする、乾きやすい、目の奥が痛いなど、「目の疲れ」を慢性的に感じていませんか。自覚がなくても、スマホやパソコンを長時間使う人は、眼精疲労が溜まっているかもしれません。

東洋医学で、「肝(かん)は目に開竅(かいきょう)する」という言葉があります。これは、五臓(肺・心・脾〈ひ〉・肝・腎〈じん〉の五つの内臓)のうち、目が「肝」と関係が深いことをあらわしています。肝には、循環や代謝、解毒など体のあらゆる機能をコントロールする、血液を貯蔵する、感情を司るといった働きがあります。目の疲れの原因は、この「肝」にあり、次の二つが考えられます。

血が不足する「肝血虚」

目の疲れ

目の疲れの一つ目の原因は、肝の血が不足している「肝血虚(かんけっきょ)」。肝は“血のタンク”でもあり、気(エネルギー)を巡らせる働きもあります。睡眠不足や目・頭の使い過ぎにより、慢性的に肝の血が足りなくなり眼精疲労に。女性は、産後や生理中も血が不足します。このタイプは、目のかすみやドライアイ、まぶたがピクピクするといった症状があらわれやすくなります。

「肝血虚」タイプの目の疲れ以外の代表的な症状

目の疲れ以外に次のような症状はありませんか。当てはまる人は「肝血虚」タイプといえます。

  • 不安になりやすい
  • 心配性
  • 生理不順
  • 足をつりやすい など

気の巡りが悪い「肝鬱気滞」

目の疲れ

二つ目の原因は、気の巡りが悪い「肝鬱気滞(かんうつきたい)」。ストレスが多く、常に緊張が続くことで気巡りが低下。すると目の周りの筋肉が硬くなり、眼精疲労がおこります。仕事や家事でいつもイライラしっぱなし、毎日バタバタして過緊張が続いている人は要注意。目の奥が痛い、頭痛がするといった症状につながります。

「肝鬱気滞」タイプの目の疲れ以外の代表的な症状

目の疲れ以外に次のような症状がある場合は、「肝鬱気滞」タイプといえます。

  • イライラ
  • 頭痛
  • 胸やお腹が張る
  • のどが詰まった感じ
  • PMS(月経前症候群)がある など

現代人の生活は眼精疲労に直結

目の疲れ

ご紹介したように、目の疲れの原因は「肝血虚」、「肝鬱気滞」の二つ。現代人の生活は、どちらにも当てはまりやすく、血が不足して気が滞りやすい状態です。

例えばスマホやパソコンの使用で常に目を酷使したり、考えごとや悩みごとを多く抱えていたりすると、血が不足。また、ストレスが多くうまく発散できていない、忙しすぎて休む暇がないとなると気が滞りやすくなります。

目の疲れを改善・予防する東洋医学的セルフケア

目の疲れには、血虚や気滞を改善する食事をとること、生活習慣を改善することから始めましょう。即効性はありませんが、続けることで根本から体質を改善することができます。

「肝血虚」「肝鬱気滞」のどちらか一方に多く当てはまる場合は、それぞれのセルフケアを参考に。どちらも当てはまる場合は、両方の養生を取り入れてみてください。

目の疲れ

肝血虚タイプ:血を補う食べ物がおすすめ

目の疲れの原因となる血の不足を補うには、赤い食べ物や黒い食べ物を食事に取り入れましょう。目の疲れだけでなく、生理不順やメンタルが不安定な人にも効果的です。

赤い食べ物…ぶどう、干しぶどう、ブルーベリー、プルーン、いちご、なつめ、クコの実 など

黒い食べ物…黒ゴマ、きくらげ、ひじき、のり、黒豆 など

その他、血を補う食べ物…レバー、ほうれん草、小松菜 など

肝鬱気滞タイプ:気の巡りを良くする食べ物がおすすめ

気の滞りを改善するには、巡りを良くする香りのいい食べ物が効果的です。リラックスできるお気に入りのハーブティーを常備しておくのもおすすめ。イライラしたり忙しくなったときこそ、香り豊かな食材でホッとしましょう。

香りのいい食べ物…レモン、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系フルーツ、パクチー、パセリ、セロリ、ミント、しそ など

香りのいい飲み物…レモンティー、カモミールティー、ジャスミンティー など

肝血虚タイプ:目をなるべく使わない生活を

目の疲れ

肝血虚タイプは、目を使えば使うほど血が不足していきます。そのため、スマホやパソコンを使う時間を減らして、なるべく目を酷使しない生活を。そのかわりに、昼寝をする、少しの間目をつぶる、自然を見る、散歩をするなどして休め、血を補うために夜は睡眠を十分とってください。

また、これ以上血を消耗しないために、考えても仕方のないことを考えすぎない、悩みすぎないことも大切。そのためにもスマホを見ないでデジタルデトックスする時間を持ちましょう。

肝鬱気滞タイプ:ストレスをこまめに発散

肝鬱気滞の改善には、まずストレスを発散すること。読書やゲーム、映画などの静かな趣味よりも、人としゃべって笑う、歌を歌うといった自分の感情を外に出すことがおすすめ。バタバタが気滞につながるため、スケジュールに余裕を持つことも心がけてください。がんばり屋さんほど気が滞りがちになります。

また、体の側面に肝の経絡(けいらく=エネルギーの通り道)があります。そのため体側を伸ばすストレッチも効果的です。朝起きたらベッドの上でバナナのように伸びる「バナナストレッチ」を。

目の疲れ改善・予防に効果的なツボ

最後に、目の疲れを改善・予防するツボを紹介します。ツボを押す以外にも、「目が疲れた」と思ったら手の付け根部分で目の周りを温める、入浴中にお湯に浸したタオルを目元にのせるだけでも効果的。じんわり温まって気持ちいいですよ。毎日の習慣にしてみてください。

肝血虚に効果的なツボ:血海(けっかい)

血海

血海(けっかい):ひざのお皿の上、内側の角から指3本分上がったところ。

押し方:太ももを両手で包んで親指を重ね、深呼吸しながらゆっくり押し、指を離す。これを繰り返します。床に座って、ひざを曲げた状態で行いましょう。

肝鬱気滞に効果的なツボ:太衝(たいしょう)

太衝

太衝(たいしょう):足の甲の親指と人差し指の骨の間を、上に向けて指を滑らせて、指が骨と当たり、止まるところのへこんだ場所。

押し方:親指の腹を当てて、ズーンと響く強さで押します。

目がショボショボしたときに:眼精疲労に効果的なツボ5つ

目の疲れ_ツボ

攅竹(さんちく):眉頭のくぼんだ部分。

太陽(たいよう):こめかみより下のややくぼんでいる部分。

魚腰(ぎょよう):黒目の上と眉毛を結ぶあたり。

睛明(せいめい):眉頭の少し上にあるくぼんだ部分。

瞳子髎(どうしりょう):目尻から少し外側にあるくぼんだ部分。

押し方:どれも気持ち良い強さで押します。目の周りなので力いっぱい押さずに、気をつけながら押しましょう。蒸気の力で温める目元用の温熱グッズや、ホットタオルなどで温めるのもおすすめ。

今月の養生ポイント:貧乏ゆすりも“気の滞り”が原因だった!?

目の疲れの原因の一つ、気の滞り。気は、体内を流れる生命エネルギーで、流れがスムーズなほど、心も体も安定しています。

気は目には見えませんが、滞ると無意識に発散させようとして落ち着きがなくなることがあります。代表的なのが「貧乏ゆすり」。小刻みに一定の動きで体を揺らし、ストレスや緊張を追い出そうとしているのです。

貧乏ゆすりがクセになっている人はもちろん、忙しくなったり緊張したりすると体が動いてしまう、動かしていないと気が済まない人は、気滞のサイン。香りのいい食べ物や飲み物でリラックスする時間を持ちましょう。

このように気の滞りは、ふとしたときにあらわれているかもしれません。忙しくなるほど自分の内側に意識を向ける時間がなくなります。心と体からのサインに耳を傾けて、日々養生しましょう!

イラスト/植松しんこ

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