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尿漏れを気にする女性

「尿漏れ」の原因を解説。漏れないための“腎にいい”生活とは?|田中友也さん 季節の養生法

神戸にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」田中友也さんが、“季節の養生法”をお届けする連載。今月は「尿漏れ」がテーマ。東洋医学で考えられる漏れる原因と、今日からできる対策を紹介します。

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尿漏れの原因は、生命エネルギーを司る“腎”の衰え

咳やくしゃみをしたとき、笑った瞬間などに「あっ!」…。ふいに起こる「尿漏れ」を経験したことのある女性も多いのではないでしょうか。

尿漏れは「尿失禁」ともいわれ、自分の意志とは関係なく尿が漏れてしまうことをいいます。主な原因は、尿道や膀胱、子宮などを下から支えている「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」の衰えと言われています。

一方東洋医学では、尿漏れの原因は「腎(じん)の衰え」によるものとされています。「腎」とは、成長や発育、生殖などに関わる機能のことで、人が生きるための生命エネルギーを司っています。その働きの中でも特に、腎と膀胱は関係が深く、腎が弱ると膀胱の働きも弱ります。腎は誰でも、加齢と共にゆるやかに低下しますが、不摂生な生活や出産などで腎のエネルギーを消耗すると、低下するスピードが加速してしまいます。

腎が衰えると、温める力と引き締める力が不足する

尿漏れ

腎の衰えの中には、細かくわけると「腎陽虚(じんようきょ)」「腎気虚(じんききょ)」「腎陰虚(じんいんきょ)」の3つがあります。このうち尿漏れに関係があるのが、腎陽虚と腎気虚。

腎陽虚は、温める力が不足した状態のこと。体をうまく温められず、冷えて頻尿気味になります。腎気虚は、引き締める力が不足した状態のこと。もともと「気」の働きには、血液や汗などの水分を外に漏れ出ないように“ギュッ”と引き締める働きがありますが、腎の衰えにより機能が低下して漏れやすくなるのです。

このような2つの働きが関係して尿漏れが起こります。誰にも相談できずに悩んでいる女性も多い尿漏れですが、“腎を補う生活”を送ることで徐々に改善が期待できるでしょう。

漏れないための対策とは? “腎を補う生活”で尿漏れストップ!

尿漏れでお悩みの人は、腎が日々消耗している状態です。そのため今よりも腎を労わることが大切。すぐには改善できるものではありませんが、食事や生活習慣を見直してお疲れ気味の腎の働きを補いましょう。

季節問わず、体を冷やさないこと

冷房冷え

腎が衰えている人は、常に温める力が不足しています。サウナや岩盤浴などの“温活”に一生懸命になるよりも、まずは日々の生活で冷やさないことのほうが大切。

体は自分が気付かないうちに冷えています。夏でも冷房冷え防止のためにストールを巻く、素足ではなく靴下を履く、カーディガンを羽織るなど、冷やさない習慣をクセづけましょう。また、冷たい飲み物・食べ物をやめて内臓を冷やさないことも大事です。

がんばりすぎ、バタバタ生活をやめる

腎は生命力のタンクです。消耗すればするほど、タンクからエネルギーが減ってしまいます。そのため、仕事や家事、育児など、何事もがんばりすぎをやめること。プライベートの予定も毎週末詰め込みすぎず、バタバタした生活をやめてみましょう。

また、睡眠不足も腎を消耗します。スケジュールにゆとりを持ち、夜はぐっすり眠ることも、腎を補う“補腎”生活のポイントです。

食養生:腎を補う黒い食べ物や体を温める食べ物を

食事では、腎を補う黒い食べ物や、体を温める作用のある食べ物を摂りましょう。そのほか、塩辛い海の物や、引き締める効果のある食べ物もおすすめです。

黒い食べ物…きくらげ、黒ゴマ、黒豆、ひじき、のり など

塩辛い食べ物…たこ、イカ、牡蠣、味噌 など

体を温める食べ物…海老、ニラ、ラム肉 など

引き締める効果のある食べ物…山芋、ぎんなんなどの渋みのあるもの

そのほか、腎を補う食べ物…松の実、くるみ、アーモンドなどの木の実類

尿漏れに効果的なツボ

ツボ押しは、尿漏れにも効果的です。慢性的に悩んでいる人は、次から紹介するツボを押して刺激してみましょう。

中極(ちゅうきょく)

中極

中極(ちゅうきょく):おへその下側で、人差し指から小指までを合わせた指幅4本分下がった位置。

押し方:両手の人差し指と中指を重ねて置き、垂直に5秒ほど押し、それを5回繰り返します。ツボ押しのときは、あお向けに寝て行うのがおすすめです。

八髎穴(はちりょうけつ)

八髎穴

八髎穴(はちりょうけつ):尾てい骨の「仙骨」に左右対称にあるくぼみ。上から、上髎(じょうりょう)、次髎(じりょう)、中髎(ちゅうりょう)、下髎(げりょう)といい、計8穴あるので「八髎穴」といいます。

押し方:お風呂で尾てい骨周りをしっかり温めたり、カイロやお灸などで温めるのもおすすめです。

湧泉(ゆうせん)

湧泉

湧泉(ゆうせん):足の指をグッと丸めて、シワが寄ってくぼみができるところ。

押し方:両手の親指を重ねて5秒押して離すのを5回繰り返します。やや強めに押してもOK。左右の足で同様に押します。

膀胱兪(ぼうこうゆ)

膀胱兪

膀胱兪(ぼうこうゆ):尾てい骨の上、骨盤の中央にある「仙骨」にあるツボ。八髎穴(はちりょうけつ)の「次髎(じりょう)」のやや外側。

押し方:八髎穴(はちりょうけつ)同様に、お風呂やカイロ、お灸などで骨盤周りを温めるのがおすすめ。

今月の養生ポイント:散歩で気・血・水を巡らせて“補腎”生活を!

腎を元気にするには、気(=エネルギー)、血(=血液など)、水(=体の潤い)の「気・血・水」のバランスが保たれていることが基本となります。

そのためにおすすめなのが、散歩で体を動かすこと。激しい運動をする必要はありません。歩くだけで、気・血・水すべてが体に巡り、衰えた腎を元気にすることができます。

かかとには、ご紹介したように「湧泉(ゆうせん)」のツボがあります。また体には、ツボとツボをつなぐ「経絡(けいらく)」という“エネルギーの通り道”が存在しています。湧泉は、腎に関係の深い経絡の始まりのツボ。歩くだけでかかとにある「湧泉」を刺激することができるため、散歩そのものが尿漏れ対策に効果的といえます。

散歩は、景色を見る、花や木々のにおいを嗅ぐ、自然の音を聞くなど、五感を刺激できる最高の時間です。天気のいい日は、心地いい風にあたりながら外で食事を楽しんでもいいでしょう。

休みの日にイヤホンを外して、30分歩くだけでもOK。日々のストレスから解放される散歩時間で、お疲れ気味の心と体をリラックスさせてください。それが腎に活力を与える“補腎”生活になります。

イラスト/植松しんこ

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