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フェムテックと医療、両方を頼ればもっと快適に|私のためのフェムテック(3)

女性の健康課題を解決する「フェムテック」の連載。産婦人科医で一般社団法人メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)副理事長の稲葉可奈子さんに、フェムテックとの付き合い方や商品の選び方を聞きました。

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すべての女性が「快適に生きる」が大前提

快適な女性

目にしたり、耳にしたりする機会が増え、フェムテックブームとも言うべき昨今。女性が快適に生きるためのグッズやサービスに、ますます注目が集まっています。

この状況について、産婦人科医の稲葉可奈子さんは次のように話します。

「生理痛のあり・なしも、更年期症状のあり・なしも、自分でコントロールできるものではありません。女性の体はホルモンに振り回されがち。医療やフェムテックに頼ってそのつらさを取り除くのは、決して自然に反することではありません。フェムテックの流行によって、こうした女性特有の健康課題が注目されるようになったのは、すばらしいことだと思います」

フェムテックは、女性の快適さをサポートしてくれるもの。とはいえ、「絶対に取り入れるべき」とされるものでもなければ、医療と対立するものでもありません。

「治療でないと良くならない不調もあるので、『絶対にセルフケアで解決しなきゃ』と思い込まないで。不調と不快は表裏一体です。不快感を和らげるフェムテックと病気や不調を治療する婦人科の両方を頼り、より快適な毎日を過ごしてほしいと思います」

「フェムテックだけ」「医療だけ」ではなく、両方を頼って

フェムテックというと、種類が豊富な吸水ショーツを思い浮かべる人が多いかもしれません。「生理のときにナプキンのかわりに使うもの」と思われがちな吸水ショーツですが、実はそれ以外にも活用法があるといいます。

「生理用ナプキンだけでなく、尿漏れパッドやおりものシートを長時間つけ続けると、蒸れて肌がかぶれるなどのトラブルにつながります。そんなお悩みをお持ちの人が、代わりに吸水ショーツを使用することで、肌トラブルが改善したという例もあります」

一方、フェムテックでは解決できない不調も少なくありません。重くてつらい生理痛や、気分の激しい落ち込み、日中でも夜用ナプキンが必要なほどの出血があるときは、まずは婦人科の受診が必要です。

「『生理のことなんかで受診していいの?』と言う人もいますが、決して“なんか”ではありません。診察を受けるというよりも、気軽に相談するくらいの気持ちで受診してください。そのためにも、ぜひ、かかりつけの婦人科医を見つけてほしいですね」

自分に合うフェムテックを賢く選んで

商品を選ぶ女性

フェムテック市場では今、新製品が次々に登場しています。一方で、フェムテックに関する商品には、医療機器や医薬部外品ではないものも多数。ルールに沿っていない広告表現や、性能に疑問がある商品も少なくないのが現状です。

「たとえば『ナプキン○枚分の吸水量』『経血を吸収する』という表現ができるのは、生理用ナプキンのような医薬部外品だけ。雑品(雑貨)に分類される吸水ショーツの場合、こうした記載はあくまでも『自社調べ』にすぎません。ほかにも、他社製品と比較したり、大げさな表現になったりしている商品もあります。裏付けのない表現をする商品、メーカーには注意が必要です」

稲葉さんが副理事長をつとめる一般社団法人メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)では、業界団体や厚生労働省とともに、自主基準や広告表現のルール作りにも力を入れています。ルールの整備が進むことが期待されますが、これからも増え続けるフェムテックは今後も“選び方”が重要であることに変わりはありません。

「健康食品を選ぶときは、製造元や成分、価格などをしっかり確認する人も多いのでは。フェムテックに対しても同じように、ぜひ見る目を養っていってもらえればと思います。ただ、自分に合った商品が、誰にでも合うとは限りません。症状や悩み、ライフスタイルや志向は人それぞれ。健康課題を解決する手段も、人によって違って当然ということは覚えておいてくださいね」

からだにいいことLab発の連載は「からだにいいこと」本誌をチェック!

雑誌『からだにいいこと』では、「フェムテック」にまつわる連載を掲載。誌面でも、みなさまに役立つ情報をお届けします。

2023年4月号誌面でも、稲葉さんのインタビュー記事をお読みいただくことができます。ぜひご覧ください!

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4月号では連載に加え、『年代別最新フェムテック』も紹介しています。本記事に登場した増田美加さんが所属するフェムテック協会では、2月19日に「フェムテックの日」のイベントを開催します。

『JAPAN FEMTECH SUMMIT2023』と題するこのイベントでは、さまざまな分野で活躍する有識者が登壇。医療の視点、行政の視点、企業の視点などから、多角的にフェムテックについて学ぶことができます。興味のある方は、下記リンクをご覧ください。

取材・文/馬渕綾子 イラスト/桃色ポワソン

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