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卵粥

うどん以外の胃腸に優しい食べ物は?外食やコンビニで選ぶときのコツ

胃腸の調子がよくないと、何を食べたらいいか迷いますよね。今回は、胃腸に優しい食べ物の選び方、反対に調子を悪化させる食べ物を解説します。外食やコンビニでメニューを選ぶときに、参考にしてみてください。

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胃腸の調子を崩す原因は?

胃腸の調子が悪いと、食事を楽しめないだけでなく、一日中すっきりしなくてつらいですよね。まずは、胃腸の調子を崩す原因を解説します。胃腸に負担がかかる生活をしている自覚がある方は、この機会に見直してみましょう。

ストレス

一つ目は、現代人の多くが感じている、ストレスです。ストレスは自律神経を乱れさせ、胃腸の調子を狂わせる原因のひとつです。

内臓は、自律神経によってコントロールされています。そのため自律神経が乱れると、内臓の動きが悪化。「食べ物を消化して腸へ運ぶ」という流れが滞ることで胃腸に負担がかかり、胃もたれを感じます。

また、ストレスが原因で胃粘膜が薄くなったり、胃酸がたくさん分泌されたりすると、胃痛を感じることも。

精神的なものだけでなく、疲れや睡眠不足が続くことでも身体的なストレスになります。心はもちろん、体の疲れも溜めないようにすることが大切です。

食べすぎ

お腹を抑える女性

暴飲暴食も胃腸の調子を悪化させます。そもそも「胃腸に優しい」といわれる食べ物は、消化のよいもの、胃から腸へ短い時間でスムーズに運ばれていくものをさします。

食べ物は、時間をかけて胃の中でやわらかく変化し、その後腸へと運ばれていきますが、一度に大量に食べると、腸へ送り出すのに時間がかかります。その結果、胃の中に食べ物が残ってしまい、胃に負担がかかりやすくなるのです。

ストレスが溜まると、ジャンクフードや甘いものをたくさん食べずにはいられないという方もいるでしょう。ストレスで胃の動きが悪化しているところに、さらに消化の悪いものを食べすぎると、ますます胃腸の負担が大きくなります。どうしても食べたいときは、量を抑えるか、少し消化の良いものを選んでみてください。

嗜好品

胃腸の負担軽減のために、コーヒーやアルコール、タバコといった嗜好品は、楽しみ方に工夫が必要です。

コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」という成分には、健康効果がたくさんあるのですが、胃酸の分泌をさかんにし、胃腸を刺激してしまう特徴も。そのため空腹時や、胃腸が疲れている自覚のあるときには、コーヒーを避けましょう。カフェインレスコーヒーにもクロロゲン酸は含まれています。

アルコールは、大量に摂取していると胃の粘膜が破壊されてしまい、潰瘍ができることがあります。毎日のように多量に飲む、アルコール濃度の高いお酒を飲むことが多いという方は、注意が必要です。また、食道の筋肉をゆるませる働きがあるため、逆流性食道炎の原因になります。

タバコは、胃腸の動きを鈍くさせ、胃もたれや吐き気を引き起こす可能性があります。タバコを吸っているというだけで、胃や十二指腸に穴があく危険性が約10倍になることがわかっています。禁煙するとその危険性は下がりますので、胃が弱い方はタバコを減らすことも考えてみましょう(※1)。

胃腸の健康のためにも、これらの嗜好品はほどほどに楽しんでください。

(※1)Smoking and ulcer perforation.C Svanes et al.Gut. 1997 Aug; 41(2): 177–180.doi: 10.1136/gut.41.2.177

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胃の調子を崩す食べ物は?

胃腸の調子が悪いのは、最近の食習慣にあるかもしれません。胃の調子を崩す食べ物を知り、食生活を振り返ってみましょう。お腹の弱い人は、これから紹介する食べ物を摂る頻度を下げる、避けるなどして気をつけてみてください。

脂っこい食べ物

唐揚げ

胃の調子が悪いときには、脂っこい食べ物は控えましょう。

脂っこい食べ物は、もともと消化のために胃の中にとどまる時間が長く、胃腸の負担になります。白米や果物が30分〜1時間程度で消化できるのに対し、ステーキや天ぷらなどの脂っこい食べ物は4時間前後もかかります。

また、「夜ご飯は、寝る3時間前までに」と聞いたことはありませんか? これは消化の働きに悪影響だからです。横になって休んでいると、自律神経がリラックスモードに働くため、消化がゆっくりになり、胃の中に食べ物が長くとどまってしまいます。

そもそも脂っこい食べ物は消化に時間がかかるのに、夕飯後すぐに寝る生活をしていると、胃にとどまる時間がさらに長くなります。胃もたれを起こすだけでなく、逆流性食道炎になるリスクも高まります。

脂っこい食べ物は控え、食べるときは寝るまでに十分な時間を確保しましょう。

辛い食べ物

辛い食べ物は胃酸の分泌をさかんにするため、胃腸を弱らせる原因になります。「辛い」という感覚は、実は味覚ではありません。辛み成分の刺激で感じる痛みを、快感としてとらえているだけなのです。

特に胃腸が弱っているときは、辛み成分「カプサイシン」を感じるセンサーが増えるため、少しの刺激でいつも以上に痛みを感じます。

胃腸が弱い方は辛いものをなるべく避ける。辛い料理が好きなのに胃もたれを感じる方は、頻度を減らす、辛さを抑えるなど、胃腸の負担を減らす食べ方をしましょう。

食物繊維が豊富な食材

食物繊維は、消化されずに腸まで届くという働きで便通をよくするメリットがありますが、摂りすぎると胃腸に負担になります。

特に、胃の負担になるといわれるのは「不溶性食物繊維」です。不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維で、ごぼうや大根、きのこなど、スジのある食材に多く含まれます。便秘改善には効果的ですが、胃腸の調子が悪いときはこれらを避けましょう。

一方、水に溶けやすい性質の「水溶性食物繊維」は、不溶性食物繊維に比べると胃の負担になりにくいといえます。水溶性食物繊維は、果物、イモ類、海藻類、大麦などに多く含まれます。

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胃腸に優しい食べ物は?

胃の調子が悪いときは、ご紹介したような食材を避け、反対に胃腸をいたわる食べ物を摂りましょう。さっそく次から、胃腸に優しい食べ物や栄養素などをご紹介します。

コンビニやスーパーで買い物をするとき、外食でメニューを選ぶ際に参考にしてみてください。

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ポリフェノール豊富な食材

りんご

リンゴやブドウなど、ポリフェノールが豊富な食材は、胃の粘膜を守る働きをします。果物をそのまま食べるのもよいですし、ジュースやゼリーなど、果物を原料にした飲み物や食べ物でもOK。スーパーやコンビニでも手に入りやすくおすすめです。

緑茶にもポリフェノールの一種である「茶カテキン」が含まれますが、カフェイン含んでいるため、胃腸が疲れているときには向きません。お茶に含まれるタンニンには、吐き気を催す作用もあります。胃がムカムカしているときなどは避けたほうが良いでしょう。

豆腐などの大豆製品

少しでも食べられそうなときは、豆腐や納豆、味噌汁などの大豆製品がおすすめです。大豆はタンパク質、ビタミン、ミネラルなどが豊富で、胃の調子が悪くあまり量を食べられないときの栄養補給にぴったり。

豆腐はやわらかいので、消化の負担も少なく、胃腸に優しい食べ物といえます。豆腐をレンジで軽く温めたり、湯豆腐にしたりすれば、胃腸に負担なく食べられます。

コンビニやスーパーには、豆腐だけでなく「豆腐そうめん」などの商品も売られています。胃の調子が悪いときの外食やコンビニランチでは、豆腐メニューを活用しましょう。

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脂肪の少ない肉・魚

白身魚の煮魚

ささみや鶏むね肉などの脂肪が少ない肉、白身魚などは比較的消化がよく、胃腸に優しい食材です。食べられるようなら、こうしたあっさり食べられる動物性タンパク質を摂りましょう。

ささみや鶏むね肉は、コンビニやスーパーでサラダチキンとして売られていますので、体調が悪いときにおかゆやうどん、スープなどにトッピングして食べるのがおすすめです。白身魚は、シンプルに焼くか、あんかけなどにして食べやすい調理法でいただきましょう。

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野菜なら白菜・ほうれん草・かぼちゃ

食物繊維が多いものは避けた方がよいといっても、健康のためには野菜も食べたいですよね。野菜の中では、白菜、ほうれん草、かぼちゃが比較的食物繊維が少なく消化によいのでおすすめです。

白菜はスープや鍋、ほうれん草は和え物、かぼちゃは煮物など、茹でたり煮込んだりして火を通した方が胃腸に優しく食べられます。コンビニやスーパー、外食する際もこれらの野菜を使ったメニューを選んでみましょう。

牛乳やヨーグルトなどの乳製品

牛乳とヨーグルト

牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、胃酸を中和して刺激をやわらげる働きがあります。ストレスがかかると胃酸がたくさん出るため、胃腸の調子を崩す原因になることがあります。ストレスによる胃の不調が考えられる方は、乳製品を試してみてください。

乳製品は、タンパク質と脂質が取れる点もポイント。脂質はカロリーが高いため、食事量が少ないときのエネルギー補給に役立ちます。牛乳で胃もたれを感じる方は、低脂肪乳を選ぶとよいでしょう。

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胃腸に優しい調理方法は?

胃の調子が悪いときは、食品選びだけでなく調理法にも注意したいもの。自炊はもちろん、外食の際や、コンビニやスーパーで総菜を買うときにも、胃腸に優しい調理法で作られたメニューを選ぶようにしましょう。

「茹でる・煮る・蒸す」調理法

胃腸に優しいのは、茹でる・煮る・蒸すといった調理法です。食物繊維がやわらかくなり、余分な脂肪が落ちて食べやすくなります。

反対に胃腸の調子が悪いときに避けたいのは、揚げる・焼くといった油を使うような調理法です。

胃腸の調子が悪いときは、おかゆやうどんが定番ですが、他にも鍋や野菜スープ、煮魚、卵豆腐、茶碗蒸しなど、茹でる・煮る・蒸す方法でさまざまな料理を食べることができます。胃腸をいたわりたいときに、ぜひ取り入れてみてください。

熱すぎる食べ物・冷たい食べ物はNG

胃腸の刺激になるのが、熱すぎる食べ物や、冷たい食べ物。熱いものは冷ましてから食べ、冷たいものは常温に戻してから食べるとよいでしょう。

また、40~60℃程度の温かい白湯は、冷たい水に比べて胃の動きを活発にすることがわかっています(※2)。食事の前に白湯を1杯飲む習慣もおすすめです。

(※2)The effects of water temperature on gastric motility and energy intake in healthy young men. Eur J  Nutr. 2020 Feb;59(1):103-109.

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ずっと調子が悪い方は胃炎などの病気かも?

問診

食べ物や生活習慣に気をつけているのに、ずっと胃腸の調子が悪いという方の中には、もしかすると胃炎などの病気が隠れている場合もあるかもしれません。

胃炎の原因として代表的なものは、ピロリ菌です。ピロリ菌は、胃の中に存在しているだけで粘膜にダメージを与えます。胃の粘膜が薄くなったり、うまくつくられなくなったりして、刺激に弱くなるのです。血液検査や呼気検査で調べられますので、気になる方は病院で調べてみるとよいでしょう。

また、胃炎以外にも、逆流性食道炎、食道アカラシア、機能性ディスペプシアなど、胃もたれや痛みを伴う病気はさまざまあります。胃腸の不調が長引いている方は、消化器内科などを受診してみてください。

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まとめ:胃腸に優しい食べ物や調理法で胃をいたわろう

胃腸の調子を改善するためには、「これだけやればいい」というものはありません。食べ物や生活習慣など、日常生活で負担になるものがないかを見直すことがおすすめです。

胃腸の調子を整えるには、ストレスを減らし、暴飲暴食を避ける。カフェインやアルコールなどの嗜好品は、胃腸の調子に合わせて楽しみましょう。

胃腸に優しい食べ物は、食物繊維や脂質が少なく、やわらかいもので、茹でる・煮る・蒸すといった調理法で食べましょう。

胃腸は食べ物を消化して、栄養を吸収するという人間にとって欠かせない働きがあります。常に健康的な胃腸を保てるように、胃腸に優しい生活を送りましょう。

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