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むくみ対策

タイプ別「むくみ対策」 原因と対策を東洋医学で解説!|田中友也さん 季節の養生法

神戸にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」田中友也さんが、“季節の養生法”をお届けする連載。今月は「むくみ」がテーマ。手足や顔など、むくみやすい部位別に解消法を紹介します。

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むくみやすいのは手足? 顔? 3つの「むくみタイプ」と原因

夕方になるとパンプスがきつい…、朝起きて鏡を見たら顔がパンパン…。女性に多い、こうした「むくみ」のお悩み。すっきり見せたい足や顔がむくんでいると、気分が上がらないだけでなく、だるい、冷えるといった不調も感じませんか?

東洋医学からみる「むくみ」とは、体に「痰湿(たんしつ)」が溜まった状態のこと。痰はネバネバした汚れ、湿はサラサラした余分な水分を表します。

むくみは、部位別に3タイプに分けて考えられ、タイプにより、弱っている臓腑や原因が違います。

まずは、次から紹介する3タイプの特徴と原因をチェック。自分の体は自分でケアする、東洋医学の考えを取り入れて、むくみをすっきりさせましょう。

(1)顔・まぶたがむくむ→「肺」が弱っているタイプ

顔・まぶたがむくむ

手足よりも顔やまぶたのむくみが気になる人は、臓腑でいうと「肺」が弱り気味。本来、肺は呼吸によって伸縮することでしっかり使われますが、長引くマスク生活や慢性的な運動不足などにより、あまり使われず機能が低下していると考えられます。

また、肺は、暑さにも寒さにも弱い、繊細な臓器。気温が高いうえにマスクで蒸れるため、余計に息苦しくなり、呼吸が浅くなっています。デスクワークや姿勢の悪さ、スマホの使い過ぎなども原因に。こうした肺の弱りが、体の上の方(顔やまぶた)のむくみとして現れます。

(2)全身・手足がむくむ→「脾(胃腸)」が弱っているタイプ

全身・手足がむくむ

全身もしくは手足がむくみやすい人は、東洋医学で胃腸を表す「脾(ひ)」が弱っています。一番の原因は、食べすぎ、飲みすぎ。ファストフードを食べた日や、飲みすぎた翌日に手がむくんで指輪がきつくなった、といった経験はありませんか。

また、暑くなると冷たいものを食べたり飲んだりしたくなりますが、これも胃腸を弱らせる大きな原因に。そもそも胃腸は湿気を嫌う臓器。湿度の高い季節は、外からの「湿邪(しつじゃ・湿気の邪気)」が多いうえ、乱れた食生活でさらに全身や手足のむくみが悪化します。しかも、胃腸が弱ると、体も重だるくなります。

(3)下半身がむくむ→「腎」が弱っているタイプ

下半身がむくむ

下半身がむくみやすい人は、「腎」が弱っています。腎は、東洋医学で水を司る臓器で、膀胱とタッグを組んで働きます。体の中の水を胃が分配し、不要な水を尿として排出するのが、腎と膀胱の大事な役割。

腎は冷えにとても弱いため、冷房などで体が冷えると元気を失い、尿がうまく排出できません。また、寝不足や不摂生、ストレスの多い生活も苦手。こうした生活で腎を消耗させていると、体に水が溜まり、下半身がむくみやすくなります。

これらの3タイプのうち、むくみやすい部位が2タイプ以上にまたがる人は、両方の対策を参考にしてみてください。また、生活習慣や季節により、むくみやすい部位が変わる場合もあります。その日、そのときの体調にあわせてケアしましょう。

次からは、タイプ別に「むくみに効くツボと対策」を紹介します。

顔・まぶたのむくみに効くツボと対策は?

顔・まぶたのむくみに効くツボ

顔・まぶたのむくみに効くツボ

攅竹(さんちく):眉頭のくぼんだ部分。

太陽(たいよう):こめかみより下のややくぼんでいる部分。

承泣(しょうきゅう):黒目の真下にある骨の際。

魚腰(ぎょよう):黒目の上と眉毛を結ぶあたり。

睛明(せいめい):眉頭の少し上にあるくぼんだ部分。

瞳子髎(どうしりょう):目尻から少し外側にあるくぼんだ部分。

四白(しはく):黒目の下の頬骨より少し下のくぼんだ部分。

顔の中でも、特に目の周りのむくみが気になるときはこれらのツボが効果的です。指でツボを押すか、ホットタオルやホットアイマスクなどで温めましょう。時間がないときは両手をこすって温めるだけでもOK。

目を温める

顔はデリケートなので、強く押さないように、やさしく温めましょう。

顔・まぶたのむくみ対策に!「肺」を元気にするには?

顔・まぶたがむくみやすい人は「肺」を労わる習慣を。肺は使わないとどんどん弱ってしまいます。朝、昼、夜、1日3回でもいいので、ゆっくりと大きく息を吸って吐く。深呼吸で肺をしっかり伸縮させる時間を作りましょう。

また、肺を鍛えるには運動が一番。少し息が上がる程度の有酸素運動がおすすめです。運動は、汗で余分な水分が排出されるため、湿気を嫌う「脾(胃)」や、冷えが苦手な「腎」にもいい習慣です。

「肺」を元気にする白い食べ物

肺は乾燥にも弱い臓器。湿度の高い梅雨時期や夏は乾燥しないため意識しなくても良いですが、空気が乾燥しやすい秋冬は、白い食べ物を摂り、肺に潤いを与えましょう。

白い食べ物…豆腐、大根、白菜、ゆり根、白きくらげ など

全身・手足のむくみに効くツボと対策は?

全身・手足のむくみに効くツボ

豊隆(ほうりゅう):すねの外側。ひざと足首の中間にあり、外側の筋肉が一番盛り上がっている場所。

押し方:親指をツボに当て、ゆっくりと肌が沈み込む程度に刺激。

豊隆

水分:おへそから親指1本分上の場所。余分な水分排出を助けるツボ。

押し方:左右の中指を重ねて、6秒押して、離す(苦しい場合は両手を重ねてもOK)。強く押すと気持ち悪くなる場合があるので、押しすぎないように注意。

水分

全身・手足のむくみ対策に!「脾(胃腸)」を元気にするには?

全身や手足がむくみやすい人は、「脾」=胃腸を労わることが大切。冷たい食べ物や飲み物を控えて、胃腸が冷えすぎないようにしましょう。夏でもみそ汁やスープ、ホットドリンクを飲む、氷入りドリンクは避けて、せめて常温にするなどの工夫を。

また、湿気が苦手な胃腸のために、室内や布団を除湿することも効果的。天気がいい日は布団を干す、布団乾燥機を使う、窓を開ける、エアコンの除湿機能を使うなど、空間の湿度を下げることも忘れずに。

「脾(胃腸)」を元気にする利尿作用のある食べ物

体に溜まった湿を追い出すためには、利尿作用のある食べ物を積極的に摂りましょう。

利尿作用のある食べ物…もやし、きゅうり、冬瓜、すいか、豆類、ハト麦、小豆 など

下半身のむくみに効くツボと対策は?

下半身のむくみに効くツボ

三陰交(さんいんこう):内くるぶしの頂点から指幅4本分上の場所。

押し方:足首の内側をつかむようにして、親指の腹で押す。

三陰交

承山(しょうざん):足の後ろ側。つま先立ちをしてアキレス腱をふくらはぎの方へなで上げていくと、へこみがある場所。

押し方:体育座りで両手の親指を重ね、ふくらはぎを包み込むように押す。イタ気持ちいい程度の強さで。

承山

下半身のむくみ対策に!「腎」を元気にするには?

下半身のむくみ解消には、「腎」の働きが決めて。冷えに弱い腎のためにも、常に体は冷やさないことが鉄則。夏場は熱中症対策に冷房を使うことをおすすめしますが、足首やお腹は温めてください。靴下やレッグウォーマーで足首を、薄手の腹巻でお腹を守るだけで、下半身のむくみ対策になります。

また、生命エネルギーに関わる腎のために、ストレスや疲れを日常的に溜め過ぎないように過ごすことも心がけましょう。

「腎」を元気にする黒い食べ物

腎の働きを高めるために、東洋医学では黒い食べ物が効果的と考えられています。

黒い食べ物…黒豆、きくらげ、黒ゴマ、海藻、海苔、きのこ など

今月の養生ポイント:“入れる”より“出す”ことで体調改善を

水は、そもそも「冷やす」性質があるため、むくみは冷えにもつながります。むくんだ足が冷たいのはそのせいです。体が冷えると、血の巡りが悪くなり、頭痛や肩こり、生理痛といった不調にも。はっきりとした症状がなくても、「なんとなくだるい」「体が重い、しんどい」のも、むくみが関係しているかもしれません。

飲みすぎ、食べすぎでむくんだ!と思ったら、早めに体を動かして水分の排出をしましょう。「運動が苦手」「できれば動きたくない」という人は、半身浴や岩盤浴で汗をかくのもOK。

体調が悪いと、あれこれ食べて元気を出さなくちゃ!と思いがちですが、その前に余分なものを体から出すことにも目を向けてみてください。湿度の高い日本の夏を、上手に乗り切りましょう!

イラスト/植松しんこ

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