ストレスによる便秘には「腸押し」でリセット|ストレスオフ(6)
ストレスオフ・トレーナーの高橋昭子さんが心と体を軽くする方法を提案する「ストレスオフ」連載。第6回のテーマは「ストレスと腸」。女性に多い便秘とメンタルには深い関係が。「腸押し」でどちらからも解放されて。
目次
ストレスが腸の働きを鈍くする
誰でも日常生活の中でストレスを感じることがあるでしょう。人は、ストレスを感じると、「自律神経」の「交感神経」が優位になります。「自律神経」とは、私たちの意識とは関係なく、血流や心拍など、体の機能をコントロールしている神経のこと。
自律神経は、腸の働きにも関係しているため、ストレスで交感神経が優位な状態が続くと、便秘になったり、お腹が張ったりしやすくなります。ストレスを感じやすい人や、神経質で生真面目な人は、腸が影響を受けやすいといえるでしょう。
便秘はメンタルの悪循環
私たちがストレスを感じるのは脳。実は、脳と腸は、お互いに影響し合っています。
ストレスの多い人は、脳からそれが腸へと伝わります。すると、腸の動きが悪くなり、便秘になります。そして便が出ないという苦しい状態は、腸から脳に伝わり、脳がさらにストレスを感じ、悪循環に…。
ストレスが少なければ、その逆。脳はストレスを感じることがないため、腸の働きは安定し、いつも快便です。腸の動きがスムーズだと、便が出ないというイラだちを感じることもありません。
このように、ストレスと腸には深いつながりがあるのです。
“ストレス腸”をチェック
ストレスを感じているときの腸のサインは、次の4つ。「不調の原因はストレスによるものかも?」と思う人は、チェックしてみてください。
□便秘が続く、便秘体質だ
□下痢になりやすい
□お腹の不快感がある
□お腹や胃がキリキリする
□心拍数や血圧が上昇しやすい
このように腸が不安定な状態が続くと、便秘だけではなく、不安やイライラ、うつうつとした気分が大きくなる可能性も。日々のストレスが腸の不調に現れていると思ったら、ご紹介する「腸押し」を習慣にしましょう。
“ストレス腸”を元気に! 3つの「腸押し」
ここからはストレスで鈍った腸を元気にする、3つの「腸押し」をご紹介します。
【腸押し1】 “ながら”で簡単「ぐるぐる腸押し」
テレビを見ながらや仕事中にもできるのが「ぐるぐる腸押し」。これを毎日続けることで、スムーズに動ける腸に変わり、便秘体質がスッキリするでしょう。へその周りの5点を“のの字”に押し、腸を刺激します。座った状態でもOK。
押すポイントは、ここ。(A)の5点を基本に、(A)の5点よりひと周り小さく押す(B)、ひと回り大きく押す(C)も順番に。右下からおへその上を通って左下へ向かって押していきます。
【やり方】
両手の人さし指、中指、薬指の3本の指を重ねて、(A)の(1)(おへその右下)に当てます。3本の指で(1)のポイントを押し、(2)→(3)→(4)→(5)の順に、同じようにずらしながら押していきます。(A)→(B)→(C)の順に、5~10周繰り返してください。押す強さは、自分が気持ち良いと感じる程度で。
【動画】“ながら”で簡単「ぐるぐる腸押し」
【腸押し2】ながら「ゴロゴロ腸押し」
手で押すのがめんどうなら、丸めたバスタオルの上に寝転ぶ「ゴロゴロ腸押し」が一番楽ちん。リビングでリラックスしながらできる手軽な「腸押し」です。
【やり方】
(1)バスタオルの端を折って中に入れ込み、ボールのように丸めます。
(2)丸めたバスタオルが下腹部にくるようにうつぶせになります。お腹をバスタオルに押し付けるように時計回りに、ゆっくり動かします。これを2~3分間続けます。
【腸押し3】今すぐ出したいときは「トイレで押し出し」
最後は、便秘で悩んでいる人に特におすすめの「トイレで押し出し」です。「もう何日も出てない」「今すぐトイレで出したい」というときにやってみてください。呼吸に合わせながら行うので、副交感神経が優位になりスルッと出るでしょう。
「ぐるぐる腸押し」と同じように、右下から左下へ“のの字”に押していきます。
【やり方】
(1)手のひらを重ねてお腹の右下に置き、息を吸います。
(2)ゆっくり吐きながら、“のの字”を描くようにおへその上を通って左下へ向かってお腹を押します。このとき腹筋にも力を入れて、手のひらと腹筋で押し合うイメージで行います。
(3)左下まできたら前かがみになり、腸の出口に向かってグーッと出すように押します。詰まった便を絞り出すようなイメージで。
【動画】今すぐ出したいときに「トイレで押し出し」
これらの「腸押し」をするときは、バタバタと忙しい朝よりも家でゆっくり時間が取れるタイミングで行うのがベスト。また、どの腸押しも1日2~3分程度目安に行ってください。食後は1時間以上空けましょう。
毎朝の水やプチ断食もおすすめ
腸押し以外にも、腸を活性化して、便秘を防ぐ方法をご紹介します。
●起床後に一杯の水
毎朝起きてすぐにコップ一杯の水を飲むことで、胃腸が刺激を受けます。すると、副交感神経が高まり、腸を働きやすくします。
●17時間の「プチ断食」
腸を掃除できる「プチ断食」もおすすめ。断食といっても、何も食べないのではなく、夕食後から翌日の昼頃までの17時間の間、食べなければOK。例えば18時までに夕食を済ませて、翌朝11時に朝ごはんを食べればいいのです。胃腸が食べ物を消化するには、7~8時間かかります。「プチ断食」は胃腸を一旦休ませて、本来の機能を取り戻します。
●いつも美姿勢をキープ
姿勢改善も、腸を元気にすることにつながります。姿勢が良いと腹筋によって体が支えられ、腸がお腹の中でしっかりと伸び、正常に機能します。逆に姿勢が悪いと、腹筋が使われないので腸はダラリと垂れ落ちてしまい、本来の働きができません。便秘を防ぐために、キレイな姿勢を目指しましょう。
ストレスは腸の働きにダイレクトに関係します。「腸押し」でストレスの影響をリセットして快適な毎日を送りましょう。
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