
痩せているのに脚だけ太い原因とは。美脚を育てる筋トレ・ストレッチ
全体的に痩せているのに、なぜか脚だけが太く見えてしまう……。それは体質や骨格だけでなく、生活習慣が影響しているのかも。痩せているのに脚が太く見える原因や、美脚を目指すための対策について紹介します。
目次
細い体でも脚が太く見える理由
体が細いのに脚が太く見えてしまう場合、脂肪以外にも原因があるかもしれません。むくみや筋肉のつき方、そして骨格も関係している場合があります。
自分の脚がなぜ太く見えるのか、原因を知ることが美脚への第1歩です。
姿勢の乱れ

普段の姿勢が悪いと、体の特定の部分に負担がかかり、脚が太く見える原因になることがあります。
反り腰や猫背といった姿勢が習慣になっていると、太ももやふくらはぎの特定の部位に負担がかかり、筋肉が張って太く見えます。また、本来使われるべき筋肉が効率的に使えなくなることで筋力低下を起こし、その部分に脂肪がつきやすくなる可能性があります。
例えば、お尻の筋肉である「殿筋群(でんきんぐん)」が筋力低下を起こすと、そこに脂肪が蓄積。お尻が垂れて太ももとのメリハリがなくなり、脚が太く見えるので要注意です。
また、歩くときの姿勢が乱れていると、重心移動が不自然になり、ひざや腰の痛みを引き起こすおそれもあります。日頃から、立っているとき・歩いているときに正しい姿勢を意識すれば、脚だけでなく体全体のバランスを整えることにもつながるでしょう。
むくみ

朝と夕方とで脚の太さが変わると感じる場合は、むくみが原因となっている可能性が高いでしょう。むくみは、体内の余分な水分や老廃物がたまることで起こります。
運動不足などによって筋肉量が少なくなると、足元から心臓へと血液を戻す力が弱くなり、血液やリンパの流れが悪くなることでむくみやすくなります。デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいることで、重力の影響を受けやすいふくらはぎや足の甲にむくみが出る人もいます。
夕方になると靴がきつくなる人のほか、すねを指で5秒程度押し続けて、へこみの戻りが悪い人はむくみやすくなっていると言えるでしょう。
また、塩分やアルコールの摂取量が多い場合や、冷え性なども血液やリンパの流れを低下させ、むくみを引き起こす要因です。
一時的なむくみであれば、同じ姿勢を続けない、適度な運動、食生活の改善、温活といった生活習慣の見直しで改善が期待できます。一方、むくみが続く、または悪化する場合や他の症状を伴う場合は、下肢静脈瘤やほかの病気が隠れている可能性があるため、医療機関を受診してみましょう。
歩き方が間違っている

普段の歩き方も、脚の太さに影響を与えることがあります。日々の姿勢や習慣から筋肉のつき方がアンバランスになり、歩き方が崩れている人が多くいます。
つま先を上げずに引きずるように歩いたり、猫背で歩いたりといったクセがあると、特定の筋肉に偏った負担がかかったり、使わないといけない筋肉を使わなかったりで、脚が太く見える原因となることがあります。
また、ガニ股や内股で歩くことも、筋肉のつき方に偏りを生じさせ、負担がかかることで脚のラインを崩してしまう可能性があります。
正しい歩き方を意識すれば、脚にかかる負担が軽減。筋肉をバランスよく使うことができるため、美脚を目指すうえでは重要です。
30~50代になると歩き方のクセは無意識のうちに定着しており、自然に直ることはありません。しかし、崩れた歩き方を続けていると、将来的に股関節やひざ、足首の骨が変形して痛みが出現することも。美脚だけでなく、長く健康に歩ける状態を目指すためにも、今から意識づけを行ってみて。

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運動不足による筋力低下

運動不足は、仕事や家事・育児に忙しい30代~50代の人にも多くみられます。
運動不足が続くと、筋力はしだいに低下。脚の筋肉には、血液やリンパの流れを助けるポンプのような働きがありますが、筋力が衰えるとこのポンプ機能も弱まります。血液やリンパが脚にたまるために、むくみやすくなることがあるのです。
筋力は25~30歳から低下すると言われています。運動習慣がない人のほか、デスクワークや立ち仕事など常に同じ姿勢で仕事をしている人も、筋肉を使うことが少ないため、徐々に筋力低下を起こします。
また、運動不足は基礎代謝の低下にもつながり、消費カロリーが少なくなります。そんな状況で普段通り食べていると、余分なカロリーは脂肪として、お腹やお尻といった“使えていない部分”に蓄積しやすい状態に。これも、メリハリがなくなって脚が太く見える原因となります。
意識的に運動習慣を取り入れることは、脚のむくみや脂肪の蓄積を防ぎ、引き締まった脚を目指すうえで効果的です。
骨盤のゆがみ

「骨盤がゆがんでいる」とよく言われますが、これは厳密には、骨盤につく筋肉などがアンバランスになった状態。結果として、骨盤が傾いたりねじれたりしてしまうことを「骨盤のゆがみ」と言います。
骨盤のゆがみが起こると、筋肉は「過剰に使われる部分」と「うまく使えずに筋力低下を起こす部分」とにわかれます。続くうちに体の重心位置がずれ、姿勢が悪化していきます。
特に、O脚やX脚といった骨格のタイプと骨盤のゆがみが合わさると、お腹から脚のラインが崩れ、太く見える可能性が高まります。全体的に姿勢が悪くなるため、不健康な人に見えるかもしれません。
骨盤のゆがみは、日々の習慣や姿勢、運動不足などによって起こります。デスクワークなどで座っている時間が長い人や、普段の姿勢が悪い人は要注意。脚を組んで作業するほか、脚を広げて座るのも崩れを助長するので気をつけましょう。
脚の太さを解消するための対策
脚の太さを改善するためには、原因に合わせた様々なアプローチがあります。
生活習慣を見直したり、体をケアしたりすることで、むくみや血行不良を改善し、理想の脚に近づくことが期待できます。
マッサージでリンパの流れを改善

マッサージは、リンパの流れや血行を促進するのに役立ちます。
リンパのマッサージを行うときは、最初と最後に「鎖骨」をさするのがおすすめ。鎖骨部分は“リンパの出口”と言われ、ここが滞ると、足先をいくら入念にマッサージしても意味がありません。そのため、マッサージの最初と最後に鎖骨部分を流すと良いでしょう。
股関節の付け根の「鼠径部」、「ひざ裏」にもリンパ節があるので先にマッサージします。ここまで終えたら、ようやく脚をマッサージしていきましょう。特に、足の指や足裏、足首からひざ裏、ひざ裏から脚の付け根にかけて優しくマッサージすれば、老廃物や余分な水分の排出を促し、むくみの改善につながります。
温かいお風呂で血行を促進する

美脚を手に入れたいなら、シャワーだけでなく、湯船に浸かる習慣を取り入れてみてください。
温かいお風呂にゆっくり浸かれば、体の中を循環する血液量が増えるので、血行を促進することになります。脚のむくみや冷えの改善に効果的な方法です。
湯船の中で足首を回したり、足の指を開閉したりすると、脚の血流がより改善しやすくなります。入浴前後で水を1杯飲み、汗で失われる水分を補給することも大切です。
正しい歩き方を意識する

正しい歩き方を意識すれば、脚にかかる負担が軽減。筋肉をバランスよく使えるようになります。
背すじを伸ばし、目線をまっすぐ前に向けて、頭のてっぺんから糸で引っ張られているような意識で歩くのがポイント。足首をチョコチョコと動かして歩くのではなく、脚の付け根の股関節を動かすイメージで歩くと良いでしょう。
想像しづらい人は「自分の後ろに人がいる」とイメージしてみて。「後ろの人に靴底を見せる」ように歩くと、股関節をしっかりと動かすことができます。
いつもより少し大股で、下腹部に力を入れて歩けば、より正しい歩き方になります。ファッションモデルの歩き方とは異なるので、注意してみて。
着圧ソックスを活用する
着圧ソックスやタイツは、ふくらはぎに適度な圧力をかけることで、下半身の血行を促進します。むくみの予防や軽減に役立ちます。
むくみ改善目的で着圧ソックスをはくなら、夜寝るときではなく日中がおすすめ。立ち仕事やデスクワークなど、長時間同じ姿勢でいることが多い場合に活用するのも良い方法です。
ただし、締めつけが気持ち悪くストレスを感じるようであれば、無理せずに中止してください。
食生活の見直し

食生活も、脚のむくみや脂肪の蓄積に影響します。塩分の摂りすぎはむくみを引き起こしやすいため、意識して控えめにすることが大切です。特にジャンクフードや甘いお菓子には十分に注意しましょう。
また、バランスの取れた食事を心がけ、高カロリーな食事やアルコールの過剰摂取に注意することも、脚の太さ対策につながります。
最近の食生活は、パンや麺類といった炭水化物の摂取量が多い人が増えている傾向があります。このほか、ダイエット中だと野菜ばかりを多めに摂る人もいるかもしれません。しかし、張りのある元気な筋肉を作るには、肉や魚、豆腐といったタンパク質を意識して取り入れることが大切です。
適度なトレーニングを取り入れる
適度なトレーニングは、筋力アップや血行促進に効果があり、脚の引き締めやむくみ改善をサポートします。激しい運動である必要はありません。はじめのうちは、運動して「少し疲れたな」と感じる程度で十分です。
まずは、日常生活の中に無理なく取り入れられる簡単なトレーニングから始めてみましょう。また、正しい姿勢を意識し「座る・立つ・歩く」だけでも、普段使っていない筋肉が刺激されます。
デスクワークや家事をしながらでも行える運動は多数あるので、まずは日々意識していきましょう。

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美脚を目指すためのおすすめトレーニング
ここでは、美脚を目指すために効果的なトレーニングを、男性・女性を問わず取り組みやすいもの中心に紹介します。ご自身の体力に合わせて無理なく行ってみてください。
ワイドスクワット

ワイドスクワットは、内ももと言われる「股関節内転筋群」やお尻の「殿筋群」を鍛える動き。太ももの内側を引き締めたい方におすすめです。
姿勢が崩れている人は、股関節内転筋群をうまく使えていないことが多く、脂肪がついてたるんだようにみえます。内ももを鍛えればたるみやO脚が改善し、お腹の引き締めにも効果的です。
<やり方>
- 脚を肩幅より大きく開いて立ち、つま先を外側に向ける。ひざとつま先は同じ方向に向ける(ねじるとひざを痛めるおそれがあるので注意)。
- 背すじを伸ばし、息を吸いながら、下腹部に力を入れてゆっくりと腰を下ろす。このとき、ひざがつま先よりも前に出ないように注意し、内ももが伸びるのを感じながら行う。腰が反りすぎないように気をつけ、お尻の穴を締めるイメージで。
- 息を吐きながら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。腰を下げるときと同じスピードで行うと◎。
- 息を止めないように注意ながら、無理のない範囲で繰り返す。
ランジ

ランジは、太ももの前側とお尻の筋肉を一気に鍛えるトレーニング。スクワットが両脚同時に鍛えるならば、ランジは片脚ずつ鍛えるメニューです。脚全体の引き締めのほか、ヒップアップに役立ちます。
ランジは太ももの前面の「大腿四頭筋」や「殿筋群」などの大きな筋肉を鍛えるので、基礎代謝アップにも向いています。基礎代謝がアップすると、脂肪燃焼しやすくなります。
また、体がぐらつかないように体幹をキープする必要があるため、体幹筋力のアップも目指せます。太ももが太くなることを心配する人もいますが、脚にメリハリがつくので、かえって細く見えやすくなりますよ。
<やり方>
- 脚を腰幅に開いて立ち、片足を大きく一歩踏み出す。
- 前のひざが90度になるまで、ゆっくりと腰を下ろす。後ろのひざは床につかないように。視線はまっすぐ前を見て、腰をそらさず、体が左右にぐらつかないようにキープする。
- 前の足で地面を押し返すようにして、ゆっくりと元の体勢に戻る。
- 左右の脚を入れ替え、同様に行う。
カーフレイズ

ふくらはぎの「腓腹筋」「ヒラメ筋」を鍛えて引き締める、取り組みやすいトレーニングです。
ふくらはぎを鍛えると血行が良くなるので、むくみやすい人にもおすすめ。ふくらはぎの太さが気になっている人も、足首がキュッと細くなるため、メリハリのある脚を目指せます。
ふらつく場合は、壁などに手をついてバランスを取って行いましょう。反対に物足りない人は、つま先から足の前半分程度を階段にのせて行うと、鍛えている部分を実感しやすいです。
家事の合間にも行いやすいため、時間がない人もぜひ取り入れてみて。
<やり方>
- まっすぐに立ち、脚は肩幅程度に開く。
- かかとをゆっくりと持ち上げ、つま先立ちになる。ふくらはぎの筋肉が収縮するのを感じる。このとき、頭は糸で釣り上げられるようにまっすぐと上げる。下腹部は引っ込めておく。
- 一番高い位置で1〜2秒キープし、上げる時と同様でゆっくりとかかとを下ろす。この動作を繰り返し行う。
内ももを鍛える脚パカ

内もものたるみ改善に特化したエクササイズです。寝ながらでもできる簡単な動きですが、太ももの内側の「股関節内転筋群」をしっかり刺激できるので、続ければしっかりと効果を感じられるでしょう。
普段、脚を広げて座っている、脚を組んでいる人は股関節内転筋群が弱っている可能性が高いため、ぜひ取り入れてほしいトレーニングです。
脚パカで股関節を大きく動かすと、血液やリンパの流れがよくなり、むくみや冷えの改善に効果があります。また、股関節の柔軟性を高めれば、筋肉を大きく動かせるように。筋力アップや脂肪の燃焼を促せます。
<やり方>
- 仰向けに寝て、ひざを立てる。かかとはできるだけお尻に近づける。手は体の横に置く。
- 腰が反らないよう注意しながら、両脚を天井に持ち上げてひざを伸ばす。腰が浮いてしまう場合、丸めたタオルなどを腰の下に置いて調整する。
- 息を吐きながらゆっくりと、両脚を左右均等に開く。このとき、ひざが曲がらないように気をつける。
- 息を吸いながらゆっくりと脚を閉じる。反動を使わないようにして、3~4を繰り返す。
プランク

「腹筋群」や「背筋群」などの体幹を鍛えるトレーニングとして知られるプランク。正しいフォームで行えば、お腹まわりだけでなく、脚の筋肉も安定させる効果が期待できます。最初は20秒から始めて、徐々に時間を延ばしていきましょう。難しい人はひざをついた状態で行ってもOKです。
体幹を鍛えると、骨盤のぐらつきが減り、下半身の安定を図れます。姿勢の改善にもつながるので、ぜひ行ってほしい運動です。
プランクを行う時は、腰を反ると痛める原因になるので注意しましょう。また、頭が下がったり、お尻が上がったりすると腹筋群への負担が減り効果が激減するので「一直線」を意識して。
<やり方>
- うつ伏せになり、床にひじをつけて上体を起こす。このとき、肩の下にひじがくるように置く。お尻を上げ、つま先で体を支える。
- 頭からかかとまでが一直線になるように、お腹を引き締める。お尻が上がりすぎたり下がったりしないように注意しながらキープ。呼吸は止めないように意識して。
ヒップヒンジ

ヒップヒンジは、もも裏の引き締めや、ヒップアップにも役立つ動き。お尻と太ももの裏側の筋肉「ハムストリングス」に効果的なトレーニングです。
太ももの前側が張っている人はハムストリングスの筋力低下を起こしている可能性があります。立っているときに腰を前に突き出している人や、歩いているときに“チョコチョコ歩き”をしている人は、ハムストリングスを鍛えた方が良いでしょう。
スクワットによく似ており、動きがわかりにくく鍛えにくいので注意してください。手と手を組んでおくと、無駄な動きが入らないのでおすすめです。
<やり方>
- 脚を肩幅に開き、ひざを軽く曲げて立つ。
- 背すじを伸ばしたまま、お腹をへこませ、股関節から体を前に倒す。ひざを曲げたままお辞儀をするイメージで、お尻を後ろに突き出すようにするとやりやすい。つま先よりも前にひざが出ないよう注意する。
- ひざを曲げたまま、お尻からもも裏に伸びを感じる範囲で倒したら、伸びを意識しながらゆっくりと元の体勢に戻る。
習慣を見直して美脚を手に入れよう!

痩せているのに脚だけが太く見える原因は、体質や骨格だけでなく、姿勢の乱れやむくみ、間違った歩き方、運動不足による筋力低下など、様々な要因が考えられます。もしかしたら、気づかないうちに脚が太くなる習慣を続けていたのかもしれません。
生活習慣の見直しでむくみを改善し、下半身のトレーニングで引き締めていけばメリハリのある美脚に近づくことができます。筋肉が引き締まるまでは少し時間がかかりますが、諦めずに日々続けるうちに徐々に効果を感じられるようになるはずです。コツコツと継続して、女性らしい、スラッとした脚を手に入れましょう!
[ 監修者 ]