忙しくてもできる疲れをとる方法は?心と体を回復させる13のコツ
溜まっている疲れをなんとか解消したい…。でも疲れすぎていると、なかなか体が動かないですよね。今回は、そんな忙しい人でもできる、心と体の疲れをとる方法を紹介します。
「肉体的疲労」と「精神的疲労」など疲労の原因は?
仕事に家事、育児と忙しい現代女性は、多くの人が疲れています。寝ても疲れがとれない、やる気が起こらないなど、日々疲れを感じている人も多いのではないでしょうか。私たちが感じている「疲労」には、大きく分けて「肉体的疲労」と「精神的疲労」の2種類があります。
「肉体的疲労」は、文字通り体の疲労のことで、原因は体を動かすためのエネルギー不足。普段あまり運動をしない人が、久しぶりに体を動かすとヘトヘトになりますよね。
また、長時間同じ姿勢を続けることによるコリからも肉体疲労が生じます。この疲れを放置すると、消化力や血流を促進する力などが弱まり、胃の不調や肥満、むくみ、肌荒れなど、多くの不調につながります。
一方、「精神的疲労」は仕事や人間関係などによるストレスから生じる心の疲労。仕事の業務量が多いことや人間関係のほか、SNSが普及したことで他人の目を気にしすぎるなど、ストレスの原因はさまざまあります。
精神的疲労が溜まりそれが続くと、物事に対して無関心、無気力になることがあります。心の疲れは甘くみてはいけません。うつにつながることもあるため、以前興味があったものに関心がなくなるなどの自覚症状があれば、我慢せずに早めに対処しましょう。
肉体的な疲れをとる方法
肉体的疲労を解消するために、活力の出るエナジードリンクを飲んだり、マッサージに行ったりする人もいますが、その効果は一時的のことが多いです。
それよりも毎日の生活の中でできる方法で、手軽に疲れを改善することができます。次から、忙しくてもできる肉体的な疲れをとる方法を解説します。毎日続けることで、いまある疲れをとることはもちろん、疲れ知らずの体質になることが期待できます。
疲れをとる方法:少しぬるめのお湯に15分入浴する
溜まった疲労物質は血流に乗って体の外へ運び出されるため、疲労をとり除くために血流を促進することは必要不可欠です。
そのために効果的なのがお風呂。ただし、熱すぎるお湯は体を覚醒させて睡眠の妨げとなります。少しぬるめのお湯に肩まで入り15分浸かると、血流が促進されて疲労回復に効果的です。温度は38~40度を目安に。
疲れをとる方法:朝、太陽の光を浴びる
人間には、太陽が出る朝になったら起きて、太陽が沈む夜になると眠くなるという体内時計が備わっています。体内時計が乱れると寝つきが悪くなり、日中に疲労感を感じやすくなります。
体内時計をリセットするためには朝、太陽の光を浴びることが効果的。朝、カーテンを開けて自然の明るさを感じることで、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が分泌され、脳が活発に働き始めます。
メラトニンが分泌されると、夜になると自然と眠くなり、質の高い睡眠へ導いてくれます。それだけでも疲労回復に効果的ですが、できる人は外に出て15分程度のウォーキングを。軽い有酸素運動で血流が促進され、相乗効果が期待できます。
疲れをとる方法:就寝前のストレッチ
日中のデスクワークや家事で凝り固まった体をほぐすには、就寝前にストレッチを行うことをおすすめします。血流が促進し、疲労物質を体の外へ排出しやすくします。
また、副交感神経が優位になることで睡眠の質を向上させてくれるメリットも。ぐっすりと眠れた翌朝はすっきりと起きられるように、疲れをとるためには質の高い睡眠をとることが重要です。
股関節のストレッチ
疲れをとるために効果的なのが股関節のストレッチ。股関節には多くの血流が流れているため、ストレッチで効率よく全身の血流を促進。疲労物質の排出につながります。
【やり方】
- 床に座り、足の裏を合わせる。そのままひざを上下にパタパタと動かす。
- 足の動きを止め、胸を足に近づけるイメージで前屈する。背面のこわばりにも効果的。
肩・首のストレッチ
デスクワークが多い方は肩や首のストレッチを。肩や首が凝っていると寝るときも力が入ってしまい、睡眠の質を低下させます。夜のストレッチで体をほぐし、凝りを溜めないことが大切です。
【やり方】
- 指先を肩に乗せる。ひじで大きく円を描くように前から後ろへぐるぐると回す。このとき、肩甲骨から動かすことを意識する。
- 頭の上を通るように右手を左耳にあてる。頭を右側に倒し、首の左側を伸ばす。次に頭を下に向けて、首の後ろ側を伸ばす。手を入れ替え、反対側も同様に。
疲れをとる方法:就寝2時間前までに食事を終える
質の高い睡眠は疲れをとるために欠かせません。それを実現するためには、就寝2時間前までに食事を終えることが大切です。
なぜなら食べ物を消化するには約2時間かかり、その間たくさんのエネルギーを使うためです。食べた直後に寝ると、睡眠の質を低下させてしまいます。仕事や家事で遅くなりどうしても夕食が遅れてしまうときは、スープや雑炊などの消化しやすいものをよく噛んで食べましょう。
疲れをとる方法:就寝2時間前以降のデジタルデトックス
就寝2時間前にはスマホやパソコンの電源を切りましょう。23時就寝であれば21時以降はデジタルデトックスの時間を。
私たちの生活で必要不可欠となっているスマホやパソコン、テレビからは脳を興奮させるブルーライトが出ています。そのため、寝る直前までスマホやパソコンを見ていると、ベッドに入ってからもなかなか寝付けない原因になります。寝る直前までスマホがあるという状況をやめるだけで、徐々に睡眠の質や翌朝の体調に変化を感じるでしょう。
眠れない、寝ても疲れがとれない、やる気が出ない……。その原因は脳にあるかもしれません。そのカギを握るのが、ご紹介する3つの物質。「脳を癒やす回復法」で、慢性的な疲れを改善させましょう。
精神的な疲労を取る方法
「気持ちが晴れない日が続く」「何をするのもめんどうに感じる」というように、心のモヤモヤ、気分の落ち込みが続く場合は、精神的な疲労が考えられます。そんなときは普段より少しだけ自分を労る時間を持ちましょう。続いて、精神的な疲れを取る方法を紹介します。
疲れをとる方法:休息して心を落ち着ける時間を持つ
「忙しすぎて休む暇もない」という方もいると思いますが、休息は体だけでなく心の疲労回復にも大切です。心が疲れていると感じたら、意識的に「何もしない時間」を確保しましょう。
慌ただしい日常から少し離れられるように、お風呂でリラックスする、ドラマや映画鑑賞を楽しむといった気分転換をするのもいいでしょう。そんな気分にもなれないときは、ソファやベッドにゴロンと横になる、何もせずカフェでぼーっとするだけでも効果的です。
疲れをとる方法:身の回りのごちゃごちゃしたものを収納する
意外かもしれませんが、心の疲れ解消には身の回りの整理も有効です。好きなものに囲まれて過ごすと癒されませんか? 反対に汚い空間で過ごすとストレスを感じやすくなります。
自分が目にするものとストレスは、密接に関係しています。そのため散らかった部屋で過ごしていると毎日少しずつストレスを感じ、精神的な疲労に。
とはいえ疲れていると片付けなんてできませんよね。そんなときは中身の見えない箱や紙袋を用意。ごちゃごちゃとしている洋服や小物類など、なんでもまとめて入れてみてください。心が疲れているときの一時的な対処法になりますが、視界に入らなくなるだけで随分と心が明るくなります。
疲れをとる方法:やらないといけないことをメモに書く
「仕事帰りにあれを買わないと」「メールの返事をしなきゃ」など、日々私たちはたくさんのことを思い出しては作業して、忘れないように意識しながら生きています。実はこの忘れないようにすることも精神的疲労の原因になっています。
本来であればリラックスできるはずの入浴や就寝の時間も、無意識のうちに脳が忘れないように働いてしまい、心の疲れにつながっています。
脳を思考から解放させるためにおすすめなのが、やらないといけないことをメモに書き出す方法です。スマホのメモ機能でもよいですが、寝る前はブルーライトは避けたいところ。それを考えると手書きが良いでしょう。焦っていた心がすっと落ち着きますよ。
疲れをとる食事のとり方
エナジードリンクやサプリメントなど、疲労対策アイテムはたくさんありますが、それよりもまず大切なのが食事です。疲れにくい心と体をつくるためにも日頃の食生活がカギになります。具体的に気をつけるべき食事のポイントをまとめました。
肉や魚をしっかりとる
疲れをとるためには、まずしっかりタンパク質をとること。タンパク質を摂取して、トレーニングを行うと筋肉量が増え、疲れにくい体質になることが期待できます。
また、肉や魚に多く含まれる動物性タンパク質は成長ホルモンの働きを活発にし、疲労回復を手助けしてくれます。豆腐や納豆などの植物性タンパク質だけに偏らず、動物性タンパク質もバランスよく摂取。1食の中で肉や魚の主菜を必ず入れることを心がけてみてください。時間がないときはスーパーやコンビニで売られているサラダチキンなどの高タンパクの商品を活用しましょう。
1日4色の野菜・果物の摂取
疲れをとるために食事で意識したいのは「1日4色の野菜・果物を摂取する」ことです。疲労回復に効果的な栄養素はたくさんありますが、日々の生活の中でどの栄養素をとるのかを考えるのは大変。
そんなときは、朝食にバナナ(黄色)、昼食にトマト(赤)とレタス(緑)、夕食に大根(白)のように1日を通じて4色の野菜・果物を摂取することを目標にするといいでしょう。葉物はビタミン、根菜は食物繊維など、野菜や果物は色によってさまざまな栄養素が含まれているため、1日にバランスよく食べることで疲労回復や疲れにくい体質づくりにつながります。
朝食前に白湯を飲み腸の調子を整える
一見関係なさそうに見えますが、疲れをとるためには朝食前に白湯を飲むことも有効です。なぜなら、疲労のサインを体に送る「脳」と、「腸」とはお互いに影響しあっているため、腸の調子を整えることで脳もそれを感じ取り、疲労回復につながります。朝食前に白湯を飲むことは、腸のウォーミングアップにぴったり。朝の排便はもちろん、日中の腸の働きをサポートします。
即効性のある疲労回復法
疲れが溜まってヘトヘト…でもすぐには休めない! そんなときに頼りになる即効性の高い疲労回復法を紹介します。ひと段落ついたらゆっくり休むことを忘れずに。
足湯
湯船に浸かる時間がない、でも疲れをとりたいというときに効果的なのが足湯。洗面器や足の入るバケツにお湯をはって浸かるだけなので比較的手軽です。
体の末端が温まることで全身の血流を良くし、体内に酸素を行き渡らせることで疲労回復の手助けになります。また、副交感神経が優位になることでリラックス効果も期待できます。
深呼吸
忙しいと呼吸が浅くなりがちです。疲れを感じたら作業を一度やめて深呼吸を。体に酸素が行き渡り、自律神経が整う効果があります。
自律神経は、バタバタしているときは活動モードになる交感神経が、リラックスしているときは副交感神経が優位になります。深呼吸をして副交感神経に切り替えることで、心身の疲れが少し軽く感じられるでしょう。
まとめ:疲れをとるには血流と自律神経がカギに
疲れは蓄積すればするほど、簡単な方法ではどんどん解消しにくくなります。仕事や家事、育児に忙しい毎日の中で自分の疲れに気づき、小さなうちに取り除くことが何より大切です。だからこそ簡単で続けやすい疲れをとる方法で、心身のコンディションを整えることが重要です。
ご紹介したように、疲労回復のカギになるのは血流と自律神経です。そのためには次のような生活を心がけましょう。
- 睡眠:デジタルデトックス、夜遅い食事を控えるなどして質の高い睡眠をとる。
- 食事:肉、魚でタンパク質を補給。いろいろな色の野菜をバランスよく。
- 入浴や運動:ウォーキングなどの有酸素運動、入浴で血流をよくしてリラックスすることを習慣に。
私たちは忙しさのあまり自分の体や心から疲れのサインを見落としがちです。日々のセルフケアを通じて、その日の疲れはその日のうちに回復できる生活リズムを作りたいですね。まずはご紹介した方法を1つでも良いので試してみましょう。
[ 監修者 ]