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ヤシの木

衣食住に欠かせないアフリカのココナッツ|岡崎優子さん アフリカ的健康生活のすすめ5

西荻窪でアフリカ雑貨店を営む岡崎優子さん。仕事や遊びで訪れて見聞きした現地の健康法を連載でお届けします。第5回は古くからアフリカの生活に根付くココナッツの利用法についてご紹介します。

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黒い肌を輝かせるココナッツオイル

実のところ、ココナッツの生産量第1位はインドネシアで、世界シェアは27.4%(2019年、国際連合食糧農業機関発表資料より)。第2位はフィリピン、第3位はインドと、この3カ国だけで世界生産量の約75%を占めます。

アフリカ諸国はベストテンにも入っておらず、最高位は14位のガーナ。以下、16位のタンザニア、18位のモザンビーク、19位のナイジェリアと、恐らくアフリカ諸国の生産量を合わせても数%にしかならないでしょう。

とはいえ、アフリカの海岸地域にはココナッツの並木道があったり、ココナッツの実を自転車やリヤカーに積んで売っていたり、ココナッツの葉を葺いた屋根の家があったりと、ココナッツが生活の一部になっている原風景が至るところにあります。

ココナッツの葉の屋根
風通しのよいココナッツの葉の屋根は、船着き場でもよく利用されています。

バオバブの種から抽出されたバオバブオイルや、モロッコ南西部に生育するアルガンツリーの実の種から採取されるアルガンオイル、南アフリカに生息するマルラの木の実から採れるマルラオイル……。最近でこそ、これらのオイルには保湿やアンチエイジング効果があると注目されていますが、昔から村人たちが使っていたのはココナッツオイル。

ココヤシの実から抽出されるオイルは料理に使われるほか、日焼け止め(紫外線カット)、保湿、血行促進に効果があると、重宝されてきました。

海に行く時はみな体に塗るので、黒い肌がより美しく光り、甘い匂いがほのかに香るなど、男っぷりをあげてくれます。そんな観光客相手のツアーガイドに色めく女性たちもたくさんいました。

彼らも自分の肌の美しさへの自覚があるのでしょう。「肌の命はきめ細やかさ」と保湿に気を遣い、「いかに美しく肌を焼くか」が若い男の子たちにとっては重要課題のようでした。

よく「すごくきれいに日焼けしただろう?」と聞かれ、その判断基準が分からず、返答に困った記憶があります。同様に、「酔っ払っているから顔が赤いでしょ」と言われた時も困りました。

ココナッツオイル精製
アフリカの人々に欠かせないココナッツオイルの精製過程。

搾り汁で炊いた絶品の米

毎日の食事にもココナッツは欠かせない食材の一つ。料理油としての活用のほか、お米をよく食べるケニアの海岸地方では、必ず茶色く成熟したココナッツの実の白い果肉(胚乳)を削って粉にし、その搾り汁と一緒に米を炊き上げます。

ナイロビなど都会のスーパーではカリフォルニア米など、おいしいお米も売られていますが、流通しているのはアフリカで生産されるお米かインディカ米。昔はパサパサして、日本米に慣れている私には厳しい日々でした。

ところが海岸地方で食べたお米はかなり品質の悪いインディカ米を使っているにもかかわらず、日本米にも劣らない甘さとつややかさ。ココナッツの粉のしぼり汁を使用するとしないとでは雲泥の差がありました。

また、かねてから一般家庭で使われているその専用削り器を欲しいとは思っていましたが、恐らくインドからアフリカに渡ってきた道具なのでしょう。偶然、インドで見つけて購入。やはりおいしいものを食べるコツは世界に広がり、道具も流布していくんですね。

削り器
なんとも素朴なココナッツの削り器。日本ではめったにお目にかかれません。

もちろん成熟果にも青い未熟果(生ココナッツ)と同じく、ジュースは含まれていますが、料理に使うメリットはさほどないのか、無造作に捨てられていました。時々、水筒がわりにこの実をもっていく子どもたちもいて、上手に穴を開けて飲んでいたのも驚きでした。

伝統儀式、医術にも使われるヤシ酒

また、バナナ同様、ココナッツ(厳密にいえばヤシの木)から作られたお酒も、アフリカでは伝統的に飲み継がれています。ケニアの海岸地方で飲んだココナッツ酒は単にココナッツジュースを微発酵させたもので、よりジュースに近いものでしたが、アフリカ文学によく出てくる「ヤシ酒」はヤシの樹液を採集し、2~3日放置して自然発酵させたもの。飲みやすく、多くの部族の儀式で振る舞われます。

イスラム教徒でもバナナ酒、ハチミツ酒と同じく、禁じられた飲み物ではなく、日常的に飲まれていました。

薬草などを扱って治療する伝統的呪術師ウイッチドクターもこのヤシ酒を患者の体に吹きかけたり、飲ませたりして使用。薬草の効果を上げるためのもの、と説明をしてくれました。

そして、コナッツの外皮からは強靭な天然繊維が採取されることから、ロープやゴザなどに加工されます。葉は屋根として使われ、殻は燃料として消費されるなど、まさに捨てるところなし。

アジアでは殻を加工したボタンが有名で日本でも流通していますが、ケニアで作られるココナッツビーズはまた独特な風合いがあり、アフリカ全土に流通。トンボ玉に代表されるアンティーク・ビーズや琥珀と合わせたアクセサリーが人気を集めています。

ビーズ
ビーズはパーツでも売られているので、オリジナルのアクセサリーを手作りしてみては。

アフリカの生活や文化に根付いた植物、食べ物はまだまだたくさんあります。その話もまた追って。

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