衝動買い、サブスク…チリツモ出費を止める「家計のムダ金カット術」
節約しているつもりでもお金が貯まらないのは、無意識のうちにムダ買いしているからかもしれません。チリツモ出費を抑える貯金術をファイナンシャルプランナーの大竹のり子さんが解説します。
目次
ムダ使いをやめる習慣で老後の生活も安心!
いざというときや老後に備えて貯金しようと思っても、何から節約すべきかわからない人も多いのでは?
「何にお金を使っているのか把握できていない場合、日々の習慣が家計を圧迫している可能性があります。お金の使い道を把握し、行動を少し見直せば、自然とムダ金が削れて貯金を増やせます」と、ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さん。
節約しているつもりでもお金が貯まらないのは、無意識のうちにムダ使いをしているケースが大多数。自分の性格に合った方法でチリツモ出費を防げば、自然と“貯金体質”になれます。
「とはいえ、節約一辺倒では気持ちが沈みます。ムダは省きつつ本当に好きなことにはお金をかけるなど、メリハリをつけることが大切です。また、コロナ禍の収入ダウンなどにより節約してもお金が足りないときは、緊急小口資金や総合支援資金などの貸付制度があります。自治体の窓口に相談しましょう」
知らないうちにお金が消える3つのケース
気がつくとお金がないという人にありがちな3つのケース。自分の性格に当てはまるものをチェックして。
【ケース1】むとんちゃく
計画性がなく財布を開く回数が多い
何に使ったか覚えていないのにお金がなくなっています。ペットボトルの飲料水を飲みきらないうちに次を買う、用事がなくてもコンビニに寄ってしまう、雨が降るたびにビニール傘を買うといった行動に身に覚えのある人は気をつけて。
【ケース2】めんどくさがり屋
使っていないサブスクやクレジットカードがある
使っていないクレジットカードの年会費を払い続けている、飽きてしまったサブスクも解約がめんどうでそのまま、加入している保険の内容を把握していないなど、手続きが面倒でほったらかしがちな人は要注意。チリツモで出費がかさんで、意外と大きな金額になります。
【ケース3】残念な節約家
“安い”や“おトク”に弱く結局ムダ使いをしがち
1円でも安いものを求めてスーパーを巡る、ポイントアップ期間にまとめ買いするなど、節約の意識は高いのに浪費している場合も。原因は“おトク”に惑わされて必要ないものを買っていたり、まとめ買いしても使いきれなかったり……。節約にも落とし穴が。
「むとんちゃくタイプ」は小さな出費が多い
大きな買い物はしていなくても、毎日のコーヒー代や雨が降るたびに買うビニール傘代、疲れて乗ったタクシー代は、合計するとかなりの額になります。お金を使っている意識が薄いのが特徴。
これで解決! ムダ買いを自覚し、行動のクセをリセット
むとんちゃくタイプは、お金を使うことを“意識化”すれば、みるみるムダな出費が減るはず!
テク1:なんとなくお店に入らない
コンビニに行くのは買いたいものがあるときだけにする、カフェに寄るのは3日に1回など、お金を使うルールを決めて。お店に入らなければ、自然と出費は抑えられます。
テク2:ムダ買いの上限額を決める
ムダ買いをゼロにするのはストレスがたまるもの。たとえばコーヒー代は月に¥3,000までと決めてプリペイドカードを使うなど、上限額を設定すると、無理なく出費を削れます。
テク3:何にいくら使っているかを把握する
短期間でもいいので出費を書き出して記録すると、意識改革に◎。「マネーフォワード ME」などの家計簿アプリを使うのがおすすめ。レシートを撮影するだけで記録できます。
「めんどくさがり屋タイプ」は払わなくて済む出費が多い
何年も見直していない携帯電話のプラン、使っていないサブスク、内容を把握していない保険など、“垂れ流し”の出費は意外とかさむもの。めんどうでも1回見直せば出費は抑えられるので、効果は絶大。
これで解決! 年に一度、固定費を見直す日を決める
めんどくさがり屋タイプは、固定費をまとめて見直す日を決めましょう。休みの日を有効活用すると◎。
テク1:スマホ通信費の削減
契約時につけたオプションが有料になっていたり、料金プランが現状に合っていないことも。明細をチェックし、必要に応じてプランの変更手続きをしましょう。
テク2:クレジットカードの見直し
クレジットカードはよく使うものだけ2枚ほどに厳選。それ以外は「次に年会費を払う直前に解約しよう」と考えていても忘れてしまうので、すぐに解約して。“思い立ったが吉日”です。
テク3:使っていないサブスクを解約
ほとんど見ていない動画配信サービスや惰性で続けているサプリメントなど、やめてもいいと思えるサブスクは解約の手続きを。それぞれは少額でも積み重なるとかなりの金額になります。
テク4:保険料を定期的にチェック
保険は保障内容の重複や不要な特約がついていないか確認を。また、同じ保障でも安い保険もどんどん出てきています。ネットの比較サイトなどを利用して2〜3年に1回でも見直せば、金額が大きな固定費を節約できます。
「残念な節約家タイプ」はトクするつもりが損している
少しでも安いものを探してスーパーをはしごしたり、安いからとまとめ買いしたり。いくら安くても結局は使い切れなかったり、たくさんあるからと余分に消費したりしてしまうことも。
これで解決! 時間と労力を考えて賢く買い物
残念な節約家タイプは、目先の安さに惑わされず、本当に必要かどうかを購入の基準に。お店を回る労力も考慮しましょう。
テク1:安いものを買うより買い物の回数を減らす
安さを基準に買い物をすると「送料無料」や「セール」などのキャッチコピーに惑わされて、結局ムダな買い物が増えがち。買い物自体の回数を減らし、必要なものだけ買う習慣を。
テク2:好きなことにはお金をかける
つい衝動買いをしてしまうのは、“がまんの反動”が一因。自分が本当に好きなこと・やりたいことには、上限を決めてお金をかけるなど、お金の使い方にメリハリをつけて。
お金がないのに衝動買いしてしまう人は……
衝動買いすると、節約の努力が水の泡に。クレジットカードのボーナス払い、リボ払いはNG。リボ払いは年利14%程度と、消費者金融並み。お金を貯めてから買う習慣をつけましょう。
これで解決! 小さな幸せを見つけてストレスをためない
気分が上がるアイテムでストレスを解消すると、衝動買い防止に◎。お気に入りの入浴剤を使うなど、自分にとって小さな幸せを見つけて。
イラスト/るるん
(からだにいいこと2022年4月号より)
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