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HSPの人が“人嫌い”になる原因って?人間関係に疲れない方法

繊細で共感性の高い気質を持っているHSPは、人間関係に気を使いすぎてとても疲れやすく、人嫌いになる傾向があります。HSPに詳しい精神科医が、その原因や心が疲れないための工夫、人づき合いのコツを解説します。

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周囲の人に影響されやすい人は、HSP(※)の気質を持っているかもしれません。

そのためHSPの人は、他人の問題に巻き込まれる、嫌な思いをさせられる、人間関係の泥沼に引きずり込まれるなど、深く付き合うはめになってしまう傾向があるそうです。

今回は、その理由を精神科医の長沼睦雄さんに伺いました。

※HSP…Highly sensitive person(ハイリー・センシティブ・パーソン)

HSPの人が人嫌いになってしまう理由は?

HSPの人が人嫌いになってしまう理由は、大きく分けて3つあります。

・自分を理解してもらえないと感じる
・自分の感受性にふたをしてしまう
・他の人と同じような働き方ができない

この3つの理由についてくわしく説明します。

自分を理解してもらえない

自分を理解してもらえない

HSPの人は、感情や言葉や行動を表に出せず抑えてしまう性質があります。

いつも相手に合わせて「いい子」でいようとしてしまうため、周りの人はそれになかなか気づけません。

「誰にもつらさをわかってもらえない」と感じ、気持ちを抑圧してしまうのです。この抑圧が続くと、マイナス感情が溜り精神的に追い詰められてしまいます。

優れた才能を持ちながら、生きづらく困っていることが多いのです。

自分の感受性にふたをしてしまう

HSPの人は、周囲の人の気分や感情に左右されてしまうことがあります。

そのため、人の「監視」や「評価」、時間制限があることなどが苦手で、優れた感受性にふたをするようになります。

集団の中では無口になってひとりになり、自分の感情を抑え込んでしまうので、次第に自己肯定感が低くなっていきます。

他の人と同じような働き方ができない

他の人と同じような働き方ができない

HSPの人は、そうではない人と比べて、真面目で責任感が強いと言えます。

優れた性格に思えますが、完璧主義で正義感が強いので、仕事では「ミスをしたらどうしよう」「できなかったらどうしよう」と常に不安がつきまといます。

例えば仕事では、自分にとって負担が大きいのに、相手のことを考えすぎて嫌だと言えなかったり、一度にたくさんのことができないため、仕事を要領よくこなす同僚と比べて、精神的に追い込まれてしまいます。

また、できない自分を隠すために、必要以上に頑張りすぎてしまいます。

そのため、HSPは人と関わるのを恐れて、コミュニケーションや人づき合いが苦手だと感じるのです。

HSPでも人間関係で心が疲れないようにする方法

HSPは、相手からの拒絶や攻撃、見捨てや押しつけを恐れたり、自分が相手を攻撃したり嫌いになることを拒んだりします。そのため、人間関係でとても神経が疲れやすいのです。

次から、「心や体が疲れないための方法」を3つ紹介します。

嫌なことからは逃げる

嫌なことからは逃げる

HSPの人は、自分にとって嫌なことがあっても相手のことを考えすぎて嫌だと言えません。

正義感や恐れのために、たとえ嫌いな人でも優しく接したり、苦手なことを頼まれても断れなかったりして、嫌なことにも気を使い、神経を高ぶらせることに。その結果、体のあらゆる機能をコントロールする自律神経をすり減らすことになります。

今後は、嫌なことに直面しても、自分を優先して自律神経を安定させることを考えてみましょう。

例えば嫌な人と過ごさなければいけないときは、

・仕事以外では接点を作らない
・席をずらして視界に入れない
・ひとりになる時間や空間を作る

などの工夫をしてみてください。

嫌だなと感じても、自分の本音を隠して相手に合わせるのではなく、相手も自分も立てる“Win-Win”の方法を考えてみましょう。

ストレスを抱えたときに、闘うか逃げるか、凍りつくか固まるかしなくても、相手と仲良くする方法がきっとあるはずです。

嫌ならばすぐに逃げたってOK。

自律神経の凍りつきや固まりを解くには、安心で安全な居場所に逃げて、好きなことを自由にするように心がけましょう。そうすることで、ストレスから解放されてのびのびと過ごせます。

心のデトックスをする

HSPは、正義感や怖れのために自分の本心を出せないことが多く、周囲のネガティブな気分や感情を無意識に取り込んで心の中に溜めやすいのです。

言い方を変えれば、インプットすることが多く、反対にアウトプットするのがとても苦手です。

他人のものでいっぱいになった心の解放のためにも、インプットした感情を「デトックス(浄化)」して吐き出すようにしましょう。

溜まったネガティブな気持ちを、受け取ってくれる人に吐き出すのもいいですが、できない場合は、次のような方法でも心をデトックスしアウトプットできます。

・出かける
・運動する
・書く、描く
・眠る
・何かを作る

人はご飯を食べたら、必要な栄養を吸収して、不要なものは便として出します。同じように、受け取った負の感情も必要なければ、しっかりデトックスしてくださいね。

いつでも「自分ファースト」に考える

いつでも「自分ファースト」に考える

自律神経を疲れさせないために、何事も「自分ファースト」に考えるようにしましょう。

下記のようなことで、悩んだり困ったりしていませんか。

・他人から攻撃されると、理不尽な言い分でも「自分が悪いのでは?」と思い込んでしまう。
・他人から注意されると、つい謝らなくてもいいことまで謝ってしまう。

これらは育ちや過去のトラウマにより、自尊心が傷ついているためです。心に傷を負ったときに自責感や罪悪感を持ったからなのです。

そのために「他人ファースト」になっている可能性があります。

自尊心を回復し「自分ファースト」になるためには、心の傷を癒す必要があります。

ミスや過ちは誰にでもあること、あのときは仕方がなかったんだと「開き直り」、自分も相手も「許す」ことが大切です。

他人に攻撃や注意されても、心の中で「ミスや失敗はつきもの、やり直せばいい」と開き直ってみてください。自分を責めたり悔やんだりしても、前には進みません。

それでも「やはり自分にも非があるのでは?」と思えてしまうのなら、“人”と“事”を分けて考えてみましょう。自分や相手の“人格”を問題にするのではなく、「反省すべき点」や「相手の言い分」などの“事実”を冷静に切り分けて考えてみましょう。

嫌な目にあっても、「何事も経験、失敗から学ぶ、ダメなことはない」と考え、自分という人格を責めたり罰したりしないことです。それだけで気持ちがラクになるはずです。

人づき合いで疲れないようにするコツ

敏感な気質を持つHSPは、心がとても繊細です。自律神経が敏感で高ぶりやすいゆえに疲れてしまいやすいのです。

最後に、人づき合いで疲れないようにするコツを紹介します。

本音を抑圧しない

自分の本当の気持ち(本音)を抑えて、他人に振り回されてばかりいたり、好きなことを我慢して嫌なことを続けていたりする人は要注意です。

そんな本音を抑圧した生活を送っていると、自分に嘘をついたり、気持ちを誤魔化したり、感情にふたをしたりするのに慣れてしまい自分がわからなくなってしまいます。

人づき合いで、次のようなことを感じたことがありませんか?

・嫌なことを嫌と言えない
・気が進まないことを強要される
・話しに耳を傾けてもらえない
・感じ方や考え方を強要される
・束縛や支配され、決めつけられる
・人格を否定されたり、罵倒されたりする
・相手の不機嫌をなだめないといけない

これらに当てはまる人は、相手にあなたの安心・安全を脅かされている可能性があります。

優しくて、気が弱くて、人に嫌われるのが怖くて、「嫌なことは嫌」と伝えることができない人も多いのでは?

他者に認められたい、分かってもらいたいと思い続ける限り、自分の生き方を貫くことはできません。

自由であるとは、他者から嫌われてもいいから、“自らを由し”とすること。一緒にいても話していても、脅かされることはなく居心地のよい人を選ぶ。そして誰に言われたからではなく、自分がやりたいからやるようにしてください。

自分の本音を抑圧せず、素直に振る舞い、伝えられる環境の中で、自分が育っていけるのです。

人に好かれようとしない

人に好かれようとしない

HSPは、自分と他人を区別する境界線や、自分を優先する自分軸が弱いために、無意識に「いい人」でいようとしがちです。

人に好かれようとすればするほど自分が好きでなくなり、本音がわからなくなってしまいます。その結果、自分がなくなり、自己肯定感も生まれなくなります。

自分らしさを抑圧し、周囲の評価で気持ちが浮き沈みするので、気分や気持ちのコントロールができなくなることも。

HSPは、自分が他人とは違って、感覚に敏感で神経が高ぶりやすい気質であることを受け入れましょう。そして、他人に分かってもらえないことを前提に、無理しすぎないことが大切です。

また、そうではない人と比べて感情や感覚のインプットが多く神経が過敏で反応しやすいと言えます。すぐに自律神経が容量をオーバーヒートして心が凍りついたりシャットダウンしてしまいます。

神経が高ぶってしまう前に安心で安全な場で自分らしく過ごし、心のデトックスをしたり、アウトプットしたりして、本音に向き合ってみてください。そうすることで、自分を好きになることができます。

イラスト/ササキサキコ

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