便秘は何日続いたら病院に行くべきか解説。下剤は飲んでいい?
何日もお通じがないと、不安になるもの。下剤を飲んで対処しても問題ないのでしょうか? 便秘が続くときに注意すべきポイントと、下剤を使うときの注意点を解説します。
目次
便秘が何日も続いて不安……
皆さんは普段、どのくらいの頻度でお通じがありますか?
「毎日」という人もいれば、「2日に一度程度」「不定期で、日によって出たり出なかったり」という人もいるでしょう。
便が何日も出なかったり、これまで毎日出ていたのがいきなり2日出なかったりすると、気になるのは当然のことです。
でも、「出なくて不安」「1日出なかったのが心配」と悩みすぎる必要はありません。
「出さなければ」と考えすぎると、むしろストレスになってしまうのです。
何日も便が出なくても、「便秘」とは限らない
毎日排便しなければ! と思ってトイレに行っても、なかなか出ない。あるいは踏ん張ったら少し出たけれど、スッキリした感覚がない……。
こうした理由で、「自分は便秘かもしれない」と思う人は多いものですが、毎日出ないからと言って心配になる必要はないんです。
便は本来、肛門のすぐ手前まで降りてこなければ、いくら踏ん張っても出ないもの。「出さなきゃ」といきんだからといって出てくるものではありません。
「スッキリしない」「いきんでも出てこない」のは、多くの場合、出すべき便が十分に作られていないから。
よく言われる「便が腸内に溜まって腐ってしまっている」ような状況はめったにないので、心配しなくて良い場合も多いのです。
便が出ないときは「何日目か」より「つらさ」で判断を
とはいえ、何日もお通じがないと不安になるもの。そんなとき、「2日出ていない」「3日出ていない」といった日数よりも大事な判断基準があります。
それは、「自分がつらくないか」ということ。
毎日あったお通じが1日おきに減ったとしても、ただ回数が減っただけでほかに困った症状がないなら、それほど心配する必要はありません。
一方、つらいと感じるときは、便を“出す”ことよりも“作る”ことを意識するのがおすすめ。
発酵食品や、食物繊維を含むゴボウやきのこなど、便の材料となるものを積極的に摂るようにしましょう。
便秘のときに下剤を使ってもいいの?
便秘がつらいとき、便を人工的に出す「下剤」を服用したことがある人もいるでしょう。
便秘があまりにつらいときは、下剤を服用するとラクになることがあります。
ただし、下剤を使った後は、便の形を必ず確認してください。
便の形(硬さ)は、含まれる水分量によって変わります。この水分量を決めるのは、腸内を進んだ速さです。
便が腸内をゆっくり進むと、水分が吸収されて硬くなります。一方、素早く進むと水分はほとんど吸収されず、やわらかい便に。
下剤にはいくつかの種類がありますが、もっとも多く使われているのは、腸が動くスピードを速める効果を持つものです。
下剤を使った結果、ちょうどいい硬さの便が出たのであれば、便が腸内で滞ってしまっていたことによって便秘になっていたということ。
一方、泥水のような便が出たとしたら、出すべき便がそもそも腸内に溜まっていなかったことを意味します。
つまり、便が出なかったのは「出すモノがなかった」から。下剤を飲み続けると、ないモノを無理やり出すことになってしまうので、服用を中止しましょう。
まとめ:つらいときや、便意が3~4日ないときは病院へ
便秘は多くの場合、「出すべき便がまだ十分作られていない」ことによるものと考えられます。
この場合、まずは便の材料となる食物繊維をしっかり摂り、「便を作る」ことを意識しましょう。
また、便秘がつらいときは下剤を使ってもOKですが、使った後は便のチェックを忘れずに。やわらかすぎる便が出たら、下剤の服用はやめましょう。
ほとんどの便秘は、食習慣を整え、材料となる食物繊維をきちんと摂れば改善にむかいます。ただし、あまりにつらい便秘が長く続くときは、腸の病気が原因となっている可能性もゼロではありません。
また、3~4日ほど便意をまったく感じない場合も要注意。長時間いきんでも便が出るわけではなく、痔などほかの不調を招くこともあります。無理やり出そうと踏ん張るのはNGです。
こうした場合は一度、消化器内科で相談することをおすすめします。
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