1. Top
  2. >元気になる
  3. >体の健康
  4. >タンパク質
  5. >「朝たんぱく」は健康と美を支える新しい食習慣
朝たんぱく協会発表会トップ

「朝たんぱく」は健康と美を支える新しい食習慣

「朝たんぱく」が注目されているのをご存じですか? 先日開かれた「朝たんぱく協会」の設立発表会と同日に開催されたセミナーで学んだ、たんぱく質の大切さや朝に効率よくたんぱく質を摂る方法など、役立つ情報をお届けします!

この記事をシェアする

健康維持には筋肉とたんぱく質が必須

朝にたんぱく質を積極的に摂ることの重要性を広めることを目的とした「朝たんばく協会」が、9月3日に設立されました。

都内で開催された、朝たんぱくセミナーでは栄養学の専門家が登壇し、食事から摂るたんぱく質と筋肉の重要性や、時間栄養学からみた朝にたんぱく質を摂ることのメリット、そして、たんぱく質を摂れる朝食の工夫や具体的なメニューが紹介されました。健康的な体づくりに役立つヒントが盛りだくさんです。

朝たんぱく協会藤田教授スピーチ中
筋肉量とたんぱく質の重要性について話したのは、立命館大学の藤田聡教授。

「筋肉量が少ないと、食後の糖を取り込むことができなくなり、コレステロール値が上昇。結果的に糖尿病になりやすくなります。また、太ももの太さが細い(=全身の筋肉量が少ない)人の方が、実は心疾患による死亡リスクが高くなるという調査結果もあります」と、藤田聡教授。 

朝たんぱく協会藤田教授スピーチ中
筋肉量の減少と死亡リスクの増加について解説する藤田聡教授。

筋肉が多いほど代謝が活発になる

資料筋肉維持とエネルギー

筋肉を維持することは生活習慣病を防ぐだけでなく、太りにくく痩せやすいボディメイクにもつながります。筋肉が多い人ほど、体内でたんぱく質の合成に必要なエネルギーが多いため、単純に座っているだけでも脂肪を消費できる体に!

筋肉の維持には、食事から摂るたんぱく質が重要 

資料朝食でたんぱく質が摂れてない人の割合

国民健康・栄養調査のデータによると、男女や年齢に関係なく、朝食でのたんぱく質が不足していることが指摘されています。

さらに、たんぱく質を多く摂取している人は、筋肉量も多いことがわかっています。その一方で、朝食を抜いたり、1食あたりのたんぱく質が不足したりすると、筋肉が減少するリスクが高まります。

毎食20gのたんぱく質の摂取が目安

たんぱく質は20種類のアミノ酸からできていますが、そのうち9種類は、体内で作れないので、必ず食品から摂取する必要があるため「必須アミノ酸」と呼ばれています。必須アミノ酸は、卵や牛乳などの動物性のたんぱく質、そして、大豆製品などに多く含まれています。

「 たんぱく質の総摂取量だけでなく、摂取するタイミングもポイントです。 体重が50kgの場合、1食あたりのたんぱく質摂取推奨量は約20g(体重1kgあたり0.4gのたんぱく質が必要)。朝・昼・晩という3食で均等に20gずつを摂取するのが筋肉の維持に効果的です。1回の食事に含まれるたんぱく質の割合が少なく、糖質と脂質が多いと満腹感を得にくいため食事量が増えるリスクがあります。また、朝食でたんぱく質が不足すると、筋肥大が起きにくく、せっかくトレーニングをしても効果が減少する可能性があるので、効率良く運動効果を得るためにも『朝たんぱく』を心がけましょう」(藤田聡教授)

たんぱく質は、朝に摂りたい栄養素

朝のたんぱく質が大切な理由は、時間栄養学でも明らかです。時間栄養学とは、体内時計を考慮して「何をどれくらい食べるか」に加えて、「いつ食べるか」というタイミングも大切にする、新しい栄養学の考え方。

朝たんぱく協会田原教授スピーチ中
広島大学の田原優准教授は、時間栄養学に基づいて、朝食でしっかりたんぱく質を摂取することのメリットについて解説。

朝食で体内時計をリセット

人間の体内時計は地球の自転周期より少し長く、放っておくと乱れやすくなり、糖尿病や肥満になりやすいと言われています。体内時計をリセットするには、朝日を浴びることと朝食を摂ることが効果的。特に朝食で体内時計を整えることは、健康的な早寝早起きにもつながります。

健康は朝からスタート!「朝たんぱく」のポイント 

朝にたんぱく質をしっかり摂ると、昼まで体温が高く、筋肉の合成や代謝の効率が上がります。また、自律神経も正常に働くため、日中の活動力や集中力の向上にもつながります。

資料朝に食べるべきたんぱく質

朝食を抜いて昼ごはんを食べると血糖値が急上昇する可能性があるので、朝食は血糖調整のためにも大切です。

「朝食を食べる習慣を身につけるには1カ月ほどチャレンジしてみてください。生活リズムが遅れやすい夜型は朝型に比べて、朝たんぱく質摂取量が少ないので、夜型な人ほど朝にもう1品追加してたんぱく質を積極的に摂るようにしましょう。食事のアプリなどを活用して、自分が今何gたんぱく質を摂れているのかを把握することも、朝たんぱくの習慣化への大きな一歩につながりますよ」(田原優准教授)

ちょっと工夫するだけ!朝たんぱく食材の選び方

続けて、体内でたんぱく質を作る必須アミノ酸が含まれる食材についてや、朝食で摂取できるたんぱく質の量を増やす「朝たんぱく強化プラン」を教えてもらいました。

朝たんぱく協会石渡教授スピーチ中
アミノ酸スコアの高い食材を朝食に取り入れて欲しい、と説明する跡見学園女子大学の石渡尚子教授。

質の良いたんぱく質とは?

実際にどのような食材を選べばいいのか、考え方の指標として「アミノ酸スコア」というものがあります。「アミノ酸スコア」とは、たんぱく質を含む食品に必須アミノ酸がバランスよく含まれているかどうかを表す指標で、スコアが高いほど、良質なたんぱく質と言えます。

アミノ酸スコア資料

「必須アミノ酸がすべて含まれていると100です。乳製品や卵、肉、魚などの動物性食品は必須アミノ酸がバランスよく含まれていますが、脂肪分も多くなります。大豆は100ですが、野菜はアミノ酸スコアが下がります。ただ、食物繊維やビタミンなどが豊富なので、動物性食品も植物性食品もどちらも摂るのがおすすめです」(石渡尚子教授)

朝たんぱくの摂取推奨量は、約20g。そこで忙しい朝でも、手軽にたんぱく質量を増やせる食べ合わせをご紹介します。

朝たんぱく強化プラン1.「トースト+コーヒー編」

朝たんぱくプラン資料1

卵1個とハム1枚でハムエッグを作り、パンにのせて粉チーズを振るだけで、たんぱく質は17gに。さらに、コーヒーをソイラテ(3.6g)に変えれば、合計で20g以上のたんぱく質が摂れます。

また、豆の仲間であるピーナッツもたんぱく質が豊富なので「ピーナツバターチーズトースト」も◎。チーズは、カッテージチーズやスライスチーズはOKです。牛乳にはバナナときな粉を加えると、たんぱく質量がぐんとアップします。

朝たんぱく強化プラン2.「卵かけご飯+インスタントみそ汁編」

朝たんぱくプラン資料2

普段の朝食が卵かけご飯とわかめのみそ汁の場合、納豆にちりめんじゃこを加えて少し醤油で味付けし、卵かけご飯にのせるだけで、たんぱく質20gをクリアできます。卵や納豆が苦手な場合は、サケフレーク(桜えびでも可)といりごまを混ぜたご飯にするのもおすすめです。また、みそ汁に生揚げや卵、高野豆腐などをちょい足しするだけで、意外とたんぱく質をしっかり摂ることができます。

ほかにも、ちょい足しに便利なのが水煮の大豆や冷凍枝豆です。枝豆なら10粒ほどで約3gのたんぱく質が摂れるので、スープやサラダ、煮物などに加えてみてください。

朝たんぱくを続けて、健康意識もアップ!

毎日しっかり朝ごはんを食べて「朝たんぱく」を意識した食習慣が身につくと、「自分で健康管理ができている」という自信がわいてきます。朝たんぱくをきっかけに、健康的な生活をスタートしてみましょう!

この記事に興味を持ちましたか?
はいいいえ

この記事をシェアする

編集部オススメ記事

Recommend Article Recommend Article オススメ記事

オススメ記事をもっと見る