
セルライトの正体とは?原因や予防、セルフケアで減らす方法を解説
鏡を見るたび気になる、太ももやお尻のボコボコした「セルライト」。その正体は何なのでしょうか? セルライトの種類や原因、ケア方法や専門的な対策まで解説します。アンチエイジングの一環として、参考にしてみて。
目次
セルライトとは何?

セルライトとは何かというと、太ももやお尻などの皮膚に現れる、デコボコとした状態を指す言葉です。オレンジの皮のように見えることから、英語では「オレンジピールスキン」と呼ばれます。10代後半以降の女性の多くに見られ、太もも、足、お腹、お尻などに生じることが多いと言われています。
肥満や血行不良などが原因で肥大した脂肪細胞に老廃物が結合し、より大きな塊となったものがセルライトの正体。この塊が真皮の組織をぐっと押し上げた結果、肌の一部が盛り上がり、デコボコして見えると考えられています。
正式な医学用語ではなく、美容の世界を中心に用いられるようになった言葉です。医学的には、セルライトと普通の脂肪とに違いはないとして扱われています。
セルライトの主な種類
実は、セルライトにはいくつかの種類があります。それぞれ原因や特徴が異なるため、自身のセルライトがどのタイプに近いのかを知っておけば、解消法のヒントにつながります。
ここでは美容の観点から、主なセルライトの種類を紹介します。
脂肪が溜まった「脂肪型セルライト」

セルライトの約半数は、「脂肪型セルライト」と呼ばれるタイプです。これはその名の通り、脂肪の蓄積によって生じるもの。特に脂肪がつきやすいお腹やお尻、太ももによく見られます。
年齢を問わず、肥満によって脂肪細胞が肥大することで発生しやすくなります。食生活が乱れていたり、運動不足であったりする場合には要注意です。
むくみで生じる「浮腫型セルライト」

太ももやふくらはぎに見られることが多い「浮腫型セルライト」は、むくみ(浮腫)によって発生します。血液やリンパの流れが滞ってむくみが発生すると、脂肪細胞が余計な水分や老廃物を溜め込みやすくなり、セルライトにつながると考えられています。
デコボコが特に目立ちやすいのが特徴で、冷えやすい人や長時間同じ姿勢でいる人に起こりやすい傾向があります。痩せている人にも見られるセルライトです。
脂肪とコラーゲンが絡まった「線維化型セルライト」
「線維化型セルライト」は、脂肪細胞とコラーゲン線維が複雑に絡み合って硬くなった状態です。脂肪やセルライトを長い間放置してしまった場合に起こり得ます。
さまざまな部位に見られ、デコボコもはっきりと現れやすいのが特徴です。硬く定着している場合、つまむと痛みを感じることもあります。セルフケアでは改善が難しいケースが多いのも特徴の1つです。
筋肉量の低下による「筋肉質型セルライト」

スポーツ経験がある人に見られることが多いのが「筋肉質型セルライト」。過去の運動によってついた筋肉が、運動量が減ったことにより脂肪に変化し、その一部がセルライト化してしまったものです。学生時代に運動部に入っていた人などでも起こることがあります。
線維化型と同様に、セルフケアでは対策しにくいタイプと言われています。
セルライトができる原因

セルライトは、いくつかの要因が組み合わさって発生すると考えられています。年齢や体質だけでなく、日頃の習慣も大きく影響します。
ここでは、セルライトの原因は何かを解説していきます。心当たりがあれば、自身の生活を見直す機会にしてみてくださいね。
脂肪の蓄積
セルライトができる主要な原因の1つは、脂肪の蓄積です。
皮膚と筋肉の間にある皮下脂肪は、本来であればコラーゲンなどの繊維で構成された網目の中に並んでいます。しかし、さまざまな理由で肥大化した脂肪細胞は、この網目の内側に収まることができず、周囲まで押し広げるように膨らみます。するとセルライトを形成しやすくなってしまうのです。
特に短期間で急激に体重が増えると、周囲の組織が脂肪細胞の肥大に対応しきれず、セルライトができる原因になる場合があると考えられています。
血行不良

血液の流れが悪くなると、体に必要な酸素や栄養が十分に行き渡りにくくなるだけでなく、体内で不要になった老廃物をスムーズに運び出す機能まで低下。溜まった老廃物は脂肪細胞と結びつき、セルライトとなることがあります。
特に下半身は、重力の影響もあり、血行が悪くなりやすい部位。下腹部や太ももなどにセルライトができやすいのはこのためです。
体のむくみ
体のむくみは、「浮腫型セルライト」の形成に直結します。
むくみは、体内の余計な水分がうまく排出されず、細胞間に溜まってしまう状態。この水分には老廃物も含まれているため、結果として脂肪細胞が水分や老廃物を取り込んで肥大化し、セルライトにつながることがあります。
冷え性の人や、長時間同じ姿勢でいることが多い人は特にむくみやすい傾向が見られます。心臓から遠い太ももやふくらはぎは、むくみよるセルライトができやすい部位です。
運動不足

運動不足によって筋肉量が減ることも、セルライトができる原因の1つと考えられます。
体を動かす機会が減ると、筋肉量は低下の一途をたどります。筋肉は血行を促進するポンプのような役割も果たしているため、筋肉量が減ると血行が悪くなり、老廃物が溜まりやすい状態になってしまうのです。
また、運動不足は消費エネルギーの低下にもつながるため、脂肪が蓄積しやすくなるという側面もあります。こうした要因が複合的に作用し、セルライトが発生しやすくなります。
加齢の影響
年齢を重ねると、セルライトはできやすくなると考えられています。
加齢とともに、安静にしていても消費するエネルギー量である「基礎代謝」は低下しやすくなるもの。若いころと同じように食事や運動をしていても、脂肪は燃焼しにくくなる傾向が見られます。筋肉量も加齢によって減っていくため、脂肪はより蓄積しやすくなります。
さらに、肌の弾力やハリを保つコラーゲンやエラスチンの生成も衰えていくため、皮膚がたるみ、セルライトのデコボコが目立ちやすくなることも。特に50代以降など、体質の変化を感じる年代でセルライトが気になり始める人もいます。
ホルモンバランスの乱れ

女性は、生理周期や妊娠、更年期などにより、ホルモンバランスが大きく変動しやすい時期があります。ホルモンバランスの乱れは体の冷えやむくみを引き起こすことがあり、これがセルライトの形成につながる可能性が考えられます。
特に、生理前に分泌される「プロゲステロン」は、水分を溜め込む性質を持つホルモン。むくみを引き起こし、セルライトができやすい状態を作る可能性があります。脂肪細胞の肥大やセルライトの形成にも関わっていることが示唆されています。

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セルライトの予防・対策方法
一度できてしまったセルライトを完全に解消するのは、セルフケアでは難しいと言われます。一方、毎日のケアや生活習慣の見直しによって、予防したり目立たなくしたりすることは可能です。
「セルライトは自力ではどうにもならない」と諦めず、まずは自身のペースでできることから始めてみましょう。
毎日の食事を見直す

セルライトの対策として、毎日の食事を見直すことはとても大切です。バランスの取れた食事を心がけ、特に脂っこいものや糖分の多いものの摂りすぎに注意しましょう。
塩分の摂りすぎもむくみの原因となるため、控えめにすることがセルライトの予防につながります。
また、食物繊維を豊富に含む野菜やきのこ類、海藻類を積極的に摂ることで、体の巡りをサポートし、老廃物の排出を助けてくれます。体の中からケアしていく意識が大切です。
体を動かす習慣をつける
有酸素運動や筋トレなどで体を動かす習慣をつけることは、セルライトの予防や対策としておすすめです。適度な運動は血行を促進し、代謝を高めることで、脂肪の燃焼や老廃物の排出をサポートしてくれます。
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼に役立ちます。また、スクワットなどの筋力トレーニングで筋肉をつければ、基礎代謝が上がり、セルライトができにくい体づくりにつながります。
無理のない範囲で、継続できる運動を見つけてみましょう。
マッサージを取り入れる

セルライトの悩みを抱えているなら、リンパマッサージを取り入れてみるのも一手。老廃物の排出を促し、むくみの改善を図ることで、結果的にセルライトの予防にもつながると考えられます。
まずは、リンパが集中する鎖骨あたりをしっかりとさすってほぐします。その後は、気になる部位を手のひらでなでるようにさするほか、軽く揉みほぐしてみると良いでしょう。
マッサージクリームやオイルを使うと、肌への負担を減らし、よりスムーズに流しやすくなります。継続することで、肌のハリやなめらかさに変化を感じられることがありますよ。
湯船で体を温める

セルライトを防ぐ方法の1つとして、お風呂にゆっくりつかって体を温めるのもおすすめです。体が温まると血行が促進され、老廃物の排出をサポートします。シャワーだけで済ませずに湯船につかる習慣をつければ、体全体の巡りが良くなり、セルライトの形成を防げることも。
お気に入りのアロマオイルや入浴剤などを活用し、リラックス効果を高めるのも良いでしょう。体の内側から温めると、冷えによるむくみの改善にも役立ちます。体を洗うついでに、マッサージを取り入れてみても良いかもしれません。

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質の良い睡眠をとる
私たちの体は、睡眠中に修復され、ホルモンバランスを整えています。睡眠不足が続くと、血行不良や代謝の低下を招きやすくなり、セルライトができやすい体質になることがあります。
毎日決まった時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠を心がけましょう。質の良い睡眠は、体の機能を正常に保ち、セルライトのケアにもつながります。
水分をこまめに補給する

水分をしっかり摂ると、血液やリンパの流れがスムーズに。体内の老廃物を排出しやすくなるため、セルライトの対策としても取り入れてほしい習慣です。
ただし、一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度を数回に分けて飲むようにしましょう。特に運動をするときやお風呂上がりなどは、意識して水分補給をすることが大切です。
冷たい飲み物よりも、常温か温かい飲み物を選ぶと、体を冷やすリスクを下げられます。
脚を組む癖をやめる

無意識に脚を組む癖がある人は、意識的に改善することがセルライト対策につながります。
脚を組む姿勢は骨盤の歪みにつながるだけでなく、太ももの付け根やお尻を圧迫し、筋肉を緊張させます。すると血行やリンパの流れを滞らせる原因となることも。これが、セルライトの発生や悪化につながる可能性が考えられます。
座るときには、両足をしっかりと床につけ、正しい姿勢を意識しましょう。セルライトのケアだけでなく、全身のバランスを整えることにもつながりますよ。
セルライトはプロによるケアで対処できる?
「一刻も早くセルライトを消したい」「セルフケアだけでは限界があるかも……」と思っていたり、効果を実感したかったりという場合、プロによるケアを検討してみるのも1つの方法。セルライトの種類や状態によっては、専門的なアプローチが有効な場合もあります。
エステサロンでの施術

エステサロンでは、セルライトに対してさまざまなアプローチの施術が行われています。マッサージでリンパを流す方法や、セルライトに特化した美容機器を使ったケアを行うサロンが多く見られます。
エステでのケアは、体への負担が比較的少なく、リラクゼーション効果も期待できるのがうれしいポイント。ストレス軽減や代謝向上につながる場合もあるでしょう。
ただし、エステサロンでの施術は医療行為ではないため、受けられる施術には限りがあります。セルライトをすぐに消すというよりも、見た目の改善や体の巡りを良くすることを目的としたケアと捉えてみて。
美容クリニックでの治療
美容クリニックでは、セルライトに対して医療的なアプローチが可能。脂肪吸引や脂肪溶解注射、衝撃波を用いた治療など、さまざまな方法があります。
脂肪吸引は、脂肪細胞を直接吸引して取り除く施術方法。脂肪溶解注射は、特定の部位の脂肪細胞を溶解させることを目指す治療です。衝撃波治療では、硬くなったセルライトにアプローチし、分解や代謝を促進する効果が期待できます。
「セルライトは取れない」と悩む場合、クリニックでの相談を通じて改善への道が開ける可能性があります。ただしそれぞれの治療に副作用やダウンタイムがあるので、美容医療を受けるときには、医師とよく相談のうえで治療法を選びましょう。
原因を知り、セルライトの対策を行おう

セルライトは、多くの女性が経験する体の変化の1つです。脂肪や老廃物が溜まり、肌の表面がデコボコとした状態を指します。セルライトの原因は脂肪の蓄積、血行不良、むくみ、運動不足、加齢などさまざまで、それぞれの原因によってセルライトの種類も異なります。
セルライトは簡単に消えるものではありませんが、毎日の食事や運動、マッサージといったセルフケアで予防したり、目立たなくしたりすることは十分に可能です。自身のセルライトの状態や原因に合わせて適切な対策を行い、気になるデコボコと上手に付き合っていきましょう。
[ 監修者 ]