
おやつも味方に!たんぱく質を効果的に摂るコツとは?
美容や健康を支えるたんぱく質は、しっかり摂るのが意外に難しく、不足しがちな栄養素。上手な摂取のコツは少しずつ食べる「ちょこ食べ」にありました。その理由を管理栄養士が解説します。
目次
たんぱく質は動物性+植物性をバランス良く
「たんぱく質は筋肉をはじめ、臓器や皮膚、毛髪など、体を構成する成分をつくる大切な栄養素。それだけでなく、ホルモンや酵素、抗体など、体の調節機能成分の材料にもなります。病気になりにくく太りにくい体のためにも、たんぱく質はしっかり摂ることが大切です」と言うのは、管理栄養士の清水加奈子さん。
一方、たんぱく質の摂り方には知っておくべきポイントがいくつかあるのだとか。
「以前はたんぱく質といえば肉、という時期もありましたが、動物性たんぱく質を摂りすぎると脂質の摂りすぎにもつながるので、最近では植物性たんぱく質を上手に組み合わせてバランスよく摂ることが勧められています。また、たんぱく質は一度に摂っても代謝できる量が限られているので、少しずつ摂ることが大切。たんぱく質を摂っただけでは筋肉にならないので、運動や活動の合間にちょこちょこ摂るのがおすすめです」
たんぱく質が不足するとどうなるの?
1日に摂りたいたんぱく質(推奨量)は、18歳以上の女性で50g(日本人の食事摂取基準2025)。一方、日本人のたんぱく質摂取量は2000年頃から減り続けており、たんぱく質不足の状態に。たんぱく質不足が進むと下記のように心身にさまざまな影響を及ぼします。
筋力が低下し、太りやすくなる
筋肉量が減少すると基礎代謝量や活動量が低下するため、太りやすくやせにくい体に。
肌や髪のツヤ・うるおいがなくなる
肌をつくるコラーゲンや、髪をつくるケラチンの生成が減り、カサカサ、パサパサに。
骨がもろくなる
たんぱく質はカルシウムの吸収を助けるため、たんぱく質が不足すると骨密度の低下のリスク大。
食欲が増してドカ食いに
たんぱく質は食欲抑制ホルモンの分泌に関わるため、不足するとドカ食いにつながる可能性が。
疲れやすくなる
たんぱく質が不足するとホルモンや神経伝達物質を作れなくなり、疲労を感じやすく。
更年期症状がつらくなる
たんぱく質不足は女性ホルモンの分泌にも影響し、月経や更年期症状も重くなりがちに。
認知症になりやすくなる
認知機能に関わるホルモンもたんぱく質から作られるため、認知症の進行に影響する場合も。
たんぱく質を効果的に摂るコツは?
動物性と植物性をバランスよく摂る

肉や卵、乳製品などの動物性たんぱくに偏ると脂質の摂りすぎにつながり、植物性たんぱく質に偏るとアミノ酸不足になることがあります。1:1を目安にどちらもバランスよく摂りましょう。
毎日少しずつ摂って、たんぱく質を積み上げる

主菜だけで摂ろうとせず、副菜やドリンク、おやつなどでこまめに摂ることで、無理なく多様なたんぱく源から摂ることができます。1日単位、1週間単位でたんぱく質を積み上げると考えて。
一緒に摂る栄養にも気を付けると◎

運動前にたんぱく質を摂る場合は糖質を適度に摂り、たんぱく質が効率よく使われるようにすると◎。大豆や鮭、バナナなどに豊富なビタミンB6は、たんぱく質の合成を助けます。
【知っておきたい!身近な食品のたんぱく質含有量】
食品の重さイコールたんぱく質量ではありません。身近なたんぱく源に含まれるたんぱく質について知っておきましょう。

たんぱく質の上手な摂り方を知って、元気とキレイの味方にしましょう!
イラスト/熊本奈津子
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