1. Top
  2. >連載
  3. >つらい思いをしないために性の知識をアップデート┃ホームドクター(12)
ホームドクター12

つらい思いをしないために性の知識をアップデート┃ホームドクター(12)

重い生理痛などは治療できるのに、“我慢が当然”と苦しむ女性が多くいます。生理をはじめ、女性の体や妊娠、性行為時の注意など、産婦人科医・坂本愛子先生が性に関する最新情報を幅広い世代に伝える理由とは。

この記事をシェアする

「からだにいいことホームドクター」とは?
「この健康法は自分に合っているのかな」「どうしてこんな不調が起きるんだろう」など、自分ではわからないけれど病院に行くほどではない“セルフケア以上、診療未満”のお悩みを、各科の名医と一緒に解決していく、健康応援プロジェクトです。

大人にこそ、性知識のアップデートが必要

sakamotoaiko
坂本愛子先生

坂本愛子先生が産婦人科医になったきっかけを教えてください

坂本先生 幼いころから母親に「医者になれ。手に職をつけて、一人でも生きていけるように」と言われていました。親の言いなりで医師になると決めたのではと葛藤する時期もありましたが、早く自立したい思いが強く、医学部へ。内科的治療と外科的治療の両方に携われるため、責任を持って総合的に女性の体と向き合えると思い、産婦人科を選択。根底には、幼いころから女性の立場の弱さを感じていたことや、女性の味方でいたい、そのためにももっと性の知識を得たいという願いもありました。今では産婦人科医になったことを、心底良かったと思っています。

婦人科治療のほか、性教育活動にも力を注いでいるのはなぜですか?

坂本先生 私は研修医時代に第一子を出産し、子育てをしながら市中病院で産婦人科医としてのキャリアをスタート。市中病院では中高生の飛び込み出産や身近な人の暴力による妊娠に遭遇することも多く、性教育の大切さを感じてきました。

生理についても「痛くてつらいのは仕方ない」という認識がいまだに根強いですが、今はピルで症状を緩和できる時代。とはいえ、親世代にはなかった治療で知られていないばかりか、「ピルを飲むなんて、はしたない」という誤った見方をされることも。生理のつらさを訴えられず、一人で抱え込む女性がなんと多いことか。それもこれも、性に関する知識不足やオープンにすることへのためらいからくるものです。

子どもたちが将来、悲しい思いをしないよう、性についての理解を深め、話せる場が必要と感じています。そこで千葉県内の中学、高校に産婦人科医として、教師が話しにくい“性知識”を伝える活動もしています。

大人である私たちが知っておくべき性知識もありますか?

坂本先生 大人にこそ、性知識のアップデートが必要です。「イヤも好きのうち」とか、ボディタッチは冗談だと済ませていた時代もありましたが、今は違います。イヤなことを我慢して受け入れることはありません。

「同意なしの性行為=性犯罪」という認識に改めて。また、いまだに婦人科系疾患で悩んでいることを、夫やパートナーに言い出せない雰囲気があります。手術前の説明で初めて妻の病状を知る夫も多いもの。

女性自らが触れてはいけない聖域を作らず、困っていることは男性にも伝えて一緒に乗り越える社会になってほしいです。なお、更年期障害はホルモン補充療法で症状を大幅に緩和できます。女性特有の痛みやつらさを仕方がないものと我慢せず、婦人科をもっと頼ってくださいね。

心に刻んでいるメッセージ

メッセージ

坂本先生が第一子を出産したときに、患者さんからもらった手紙に書かれていたメッセージ。育児をするなかで、大切にしている言葉です。

取材・文/江山 彩 協力/メディコレ
(からだにいいこと2023年2月号より)

この記事に興味を持ちましたか?
はいいいえ

この記事をシェアする

編集部オススメ記事

Recommend Article Recommend Article オススメ記事

オススメ記事をもっと見る