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ほうれい線を気になる女性

ほうれい線を消す方法は?今すぐできるセルフケアを皮膚科医が解説

老け見えの大きな原因となるほうれい線。女性にとっては最も解消したい肌悩みではないでしょうか。今すぐできるほうれい線を消す方法を、皮膚科医が解説。今日からセルフケアをはじめてみましょう。

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ほうれい線とは

鼻の両側から口元に向かって“ハの字”に伸びるほうれい線。頬と口元の間にできる境界線のことをいいます。顔の印象を大きく左右するほうれい線は、はじめはうっすらと線が入りはじめ、年齢を重ねると共にだんだん深く刻まれていきます。

表情のクセによって刻まれた、目尻や眉間などの「表情ジワ」は、無表情でいるときはあまり目立たないのに対して、ほうれい線は真顔であってもくっきりと目立ちます。ほうれい線があるだけで口元がグッと老けた印象になります。

ほうれい線が目立つ主な原因

鏡を見る女性

女性なら誰しも気になるほうれい線。ほうれい線を消すために、まず「なぜほうれい線ができるのか」を確認しましょう。ここからは、ほうれい線が目立つ主な原因を4つ解説します。

加齢

ほうれい線の大きな原因は、加齢によるたるみです。皮膚は、表層から「表皮・真皮・皮下組織」といった3層で成り立っています。ハリや弾力は、肌の深い層の「真皮」にある美肌成分、コラーゲンやエラスチンによって保たれています。

コラーゲンは皮膚のしなやかさやハリを維持する、線維状のタンパク質。網目状に存在して肌を支えています。エラスチンは弾力性を持つタンパク質で、コラーゲン線維に絡みついてまとめる役割を持ちます。

エラスチンによりコラーゲン同士が結びつき、肌のハリや弾力をキープ。パンっと張った若々しい肌は、このコラーゲンとエラスチンのおかげといえます。

しかしコラーゲンやエラスチンは加齢によって減少。肌の土台ともいえる、真皮は弾力を失っていきます。その結果、真皮が表皮を支えられなくなり、上から下に皮膚が落ちて、ほうれい線が目立ちはじめます。

表情筋の衰え

パソコン作業をする女性

加齢とも関係していますが、表情筋が衰えることもほうれい線の原因となります。表情筋とは、目や口・頬・鼻などの周りにある顔の表情を作る筋肉のことで、30種以上あるといわれています。私たちは普段、さまざまな表情筋を使って“喜怒哀楽”を表現しています。

感情を表現するうえで欠かせない表情筋ですが、加齢や無表情が続くといった原因で次第に衰えていきます。腹筋がなくなるとお腹がたるむのと同じように、表情筋が衰えると顔の皮膚や皮下組織を支えきれなくなり、たるみにつながります。

表情筋の中でも口角を引き上げる筋肉の「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」、「小頬骨筋(しょうきょうこつきん)」が衰えると、口角が下がる原因に。頬や口周りの筋肉が全体的に衰えることで、ほうれい線につながります。

筋膜や靭帯の劣化

顔にある皮膚や表情筋の張りは、筋肉を包んでいる「筋膜(スマス/SMAS)」や、「靭帯(リガメント)」によって保たれています。これは顔の皮下組織における重要な構造です。しかし、筋膜や靭帯が年齢と共に劣化していくと、顔の皮下脂肪や筋肉を支えることが難しくなり、たるみやほうれい線の原因となります。

筋膜(スマス/SMAS)とは

顔の皮下組織の下層にある膜で、表情筋とそれに連なる筋膜が一つのシートのように広がっています。

靭帯(リガメント)とは

骨・脂肪・筋肉・皮膚をつなぎ合わせる接着剤のような役割を果たしている結合組織のことです。

どちらも若々しい見た目を保つために欠かせない構造といえます。

肌の乾燥

筋肉の衰えだけでなく、肌の乾燥もほうれい線をつくる原因になります。乾燥を感じやすいのは肌表面ですが、実は水分不足が続くとダメージは真皮までおよび、コラーゲンやエラスチンといった土台をつくる美肌成分が減少して劣化します。その結果、肌のハリや弾力が失われ、ほうれい線に。

紫外線

日差し

肌にさまざまなダメージを与える紫外線は、ほうれい線を目立たせる原因でもあります。紫外線には波長の異なる「UV-A」と「UV-B」の2種類があります。

このうち波長の長いUV-Aは、地上の紫外線の約9割を占めています。UV-Aは、肌の真皮まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊。傷ついたコラーゲンやエラスチンは表皮を支えられなくなり、たるみの原因に。このように、日常生活で少しずつ浴びている紫外線が、ほうれい線を悪化させているのです。

紫外線は春や夏以外にも1年中降り注いでいます。紫外線を多く浴びるとバリア機能が低下し、肌の乾燥を引き起こします。先に説明した通り、肌が乾燥することでますますほうれい線に拍車がかかります。

ほうれい線を消すには? すぐできる4つのセルフケア

若見えのためは一刻も早く消したいほうれい線。ほうれい線を改善するためには、まずはセルフケアをはじめましょう。日常生活に取り入れやすい4つのセルフケアをご紹介しますので、スキンケアやメイクのタイミングにぜひ実践してみてください。

表情筋を鍛える

ほうれい線の原因となる表情筋の衰え。ほうれい線を消すためには、口元から頬に向かってななめ上につながる「大頬骨筋」のトレーニングを行いましょう。お風呂に入りながらや、テレビを見ながらでもOK。

【表情筋トレーニングのやり方】

  1. 猫背にならないように姿勢を正して座る。
  2. 「ウー」と声に出して、口を思いっきり前に突き出す。そのまま5秒間キープ。

頬の筋肉がしっかり使われていることを感じながら行います。「大頬骨筋」を鍛えると口角がキュッと引き上げられ、ほうれい線改善だけでなく頬もシャープになってくるでしょう。

ただし、表情筋を鍛えすぎると逆効果になることも。筋肉がクセづいたり、伸び縮みが繰り返されることでかえってダメージを受け、ほうれい線が定着する恐れもあります。表情筋トレーニングは1日1~2回程度にして、負担をかけすぎないようにしてください。

美顔器を使いハリ・ツヤをアップ

フェイスケア

美顔器の活用もほうれい線のセルフケアには有効です。美顔器の効果で肌のハリやツヤがアップすれば、ほうれい線が目立ちにくくなるでしょう。

美顔器には、振動で肌をケアする「超音波」、微弱な電流で美容成分を浸透させる「イオン導入」、表情筋を電流で刺激する「EMS」など、さまざまな種類があります。

中でもほうれい線対策におすすめなのは、「RF機能」がある美顔器です。RFとは、ラジオ波と呼ばれる高周波のことで、熱を発生させ肌内部を温めます。

ラジオ波は真皮まで到達して、一時的にコラーゲンを損傷。それにより生成が促され、肌のハリ・ツヤアップが期待できます。たるみが改善してハリのある肌になれば、ほうれい線がすっきりするでしょう。

なお、市販の美顔器は冷却機能が弱いものも多く、火傷のリスクがあり得ることも念頭に置いておきましょう。

ほうれい線に有効な美容クリームを使う

普段のスキンケアに、ほうれい線の改善に効果的な美容クリームを取り入れるのもおすすめです。おすすめの美容成分は、「レチノール」「ナイアシンアミド」「ビタミンC誘導体」などがあげられます。

これらの美容成分は、コラーゲンの生成を促す効果があり、継続して使用することで肌の内側からハリをもたらします。

なお、レチノールとビタミンC誘導体が含まれた化粧品を併用する場合は、先にビタミンC誘導体から使用を。混ぜて使用すると十分な効果が得られない可能性があります。

メイクテクでほうれい線を消す方法

ファンデーションを塗る女性

スキンケアや顔のトレーニングは効果があらわれるまでに多少時間がかかりますが、今すぐほうれい線を消したい場合は、ファンデーションでカバーすることもできます。

ほうれい線にファンデーションがたまると老けて見えるため、パウダータイプよりも伸びの良いリキッドの使用がおすすめ。次の手順でベースメイクをすると、ほうれい線を上手にカモフラージュできます。

【メイクでほうれい線を消す方法】

  1. 日焼け止めや下地を塗って肌を整える。肌全体にリキッドファンデを薄く塗る。
  2. 肌よりやや明るいトーンのコンシーラーを用意。ほうれい線を横切るようにコンシーラーで3本ほど線を描く。
  3. 指で口元から頬に引き上げるように、コンシーラーをなじませる。

頬と口元の影を消すようにコンシーラーをなじませると、口元がパッと明るくなり、ほうれい線が目立たなくなります。ほうれい線をカバーするには、ツヤ感のある肌に仕上げるのがポイント。リキッドファンデとコンシーラーがあれば簡単に老け見えポイントを消すことができます。

ほうれい線を予防するには?

できてしまったほうれい線のセルフケアと同時に、進行させないための予防も大切です。ここからは、これ以上ほうれい線を深くしないために、スキンケアや生活習慣で気をつけるべきポイントを解説します。

保湿を徹底する

スキンケアをする女性

ほうれい線対策に何より大切なのが、肌の保湿です。夕方になるとに、顔が疲れていつもよりほうれい線が深く刻まれていると感じた経験はありませんか。ほうれい線は乾燥するとさらに目立つため、保湿不足や水分不足は厳禁。

そのため、日頃から入浴後や洗顔後は肌が乾かないうちにたっぷりと化粧水や乳液をつけましょう。基本的なスキンケアが何より大切です。

また、エアコンが効いている部屋で乾燥を感じた場合は、メイクの上から使えるミストで保湿するなど、日中の肌ケアも欠かせません。

ちなみに肌の乾燥を防ぐ美容成分は、高い保湿力がある「コラーゲン」や「セラミド」がおすすめ。肌を保湿することで乾燥によるほうれい線を防ぐことができます。

紫外線対策をする

肌の土台となるコラーゲンやエラスチンを守るために、日常生活ではしっかり紫外線対策をしましょう。

真皮まで到達するUV-Aは波長が長く、窓ガラスを通り抜けます。家の中で長時間窓際にいたり、くもっているからといって日焼け止めを塗らずに外出したりすると、肌のダメージになります。

紫外線は1年を通して降り注いでいるため、夏以外も対策は必須。UV-Aが強くなる4月から9月末は、特に注意が必要です。

紫外線はほうれい線だけに限らず、シミやシワなどあらゆる肌老化を招きます。季節や天候にかかわらず日焼け止めを朝からしっかり塗り、こまめに塗り直すなど、対策を徹底しましょう。

無理なダイエットをしない

食事をとっている女性

「やせてきれいになりたい」。女性なら誰しも思うものでしょう。しかし、無理なダイエットはほうれい線を深くする要因になります。

急激なダイエットによって、タンパク質が不足するとコラーゲンの生成が減少し、肌のハリが失われます。その結果、顔にたるみがあらわれ、ほうれい線が進行。

またタンパク質は、肌だけでなく筋肉もつくっています。そのためタンパク質が不足すると、皮膚を支える表情筋が衰えやすくなり、ますますほうれい線を目立たせます。

過度なダイエットは、ほうれい線にとってデメリットしかありません。美しくやせたいならば、バランスの良い食事と運動で健康的にダイエットすることをおすすめします。

食生活や睡眠習慣を整える

食生活や睡眠習慣を整えて、体の中から健康を保つこともほうれい線予防に欠かせません。注意したいのが、炭水化物や甘い物などに含まれる、糖の摂り過ぎで起こる「糖化」。糖化とは、体の中で余った糖がタンパク質と結合して細胞にダメージを与え、老化を促進させる現象です。肌が糖化すると、コラーゲンやエラスチンが劣化し、ハリや弾力を失いたるみを引き起こします。

糖化予防のためには、炭水化物に偏らないように肉や魚、野菜もバランスよく食べること。お菓子やジュースといった甘い物はできるだけ控えましょう。食事の際、野菜から食べる「ベジファースト」も効果的です。

また、睡眠不足や睡眠の質が低下すると肌のターンオーバーが乱れやすくなります。すると肌のバリア機能が低下して乾燥を招き、ほうれい線につながります。

スムーズな入眠のためには入浴で体を温めることがおすすめ。38~40℃ぐらいのぬるめのお風呂に入り、体をリラックスさせてから眠りましょう。質の良い睡眠のために寝る直前のスマホ操作も控えてください。

このように食生活や睡眠習慣もほうれい線と密接に関わっています。生活習慣を今一度見直してみましょう。

即効性を求めるなら美容医療も

笑顔

セルフケアでほうれい線を消す方法や、予防のための方法を解説しましたが「今あるほうれい線をすぐに消したい」と考えている方は、美容医療も一つの方法です。ほうれい線に効果が期待できる美容医療の施術をご説明します。

ハイフ

真皮より奥の皮下組織にある筋膜(SMAS)に、超音波を照射してたるみ改善を目指す施術が「ハイフ」です。ハイフの熱エネルギーによってコラーゲンやエラスチンの生成が促進され、リフトアップ効果はもちろん、肌のハリやツヤ改善の効果も期待できます。

ハイフはダウンタイムと呼ばれる、施術してからいつも通りの生活を送れるまでにかかる期間がほとんどないため、はじめての美容医療として受ける方も多い施術です。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入は、天然の保湿成分であるヒアルロン酸を皮膚に注入してボリュームを持たせ、肌の内側からシワや溝を目立たなくする施術です。

注入してすぐに効果を感じられるため、即効性が高い施術といえるでしょう。デメリットは、効果が永久ではないこと。注入したヒアルロン酸は徐々に肌に吸収されていくため、持続期間が限られます。

フェイスリフト

フェイスリフトは、皮膚を切開して肌のたるみを取り除き、物理的にリフトアップさせる施術です。

ハイフやヒアルロン酸注入では対応できないほうれい線を消す場合に高い効果を発揮します。持続期間も長くおよそ10年といわれています。

フェイスリフトは切開を伴う外科手術のため、ダウンタイムが長くリスクもあります。検討する場合はしっかり医師と相談しましょう。

まとめ:ほうれい線を消すにはセルフケアと生活習慣の見直しが大切

ほうれい線の原因は主に加齢によるものです。それ以外に肌の乾燥や紫外線によるダメージがあげられます。年を重ねるほど、ほうれい線は深くなっていくため、気になりはじめたら早めにセルフケアを取り入れるほうが効果的です。

ほうれい線を消すためには、ご紹介した表情筋トレーニングや効果的な美容成分を使用するなど、すぐできるセルフケアからぜひ試してみてください。あわせて、食生活を変える、睡眠をしっかり取るなど、生活習慣を整えて体の中から健康の基礎をつくることも必要です。

セルフケアと規則正しい生活習慣を実践して、年齢に負けないハリのある肌を手に入れましょう。

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