1. Top
  2. >暮らす
  3. >家事・生活のコツ
  4. >お月見の夜は何をする?秋の夜空に映える「中秋の名月」を楽しもう
月見団子

お月見の夜は何をする?秋の夜空に映える「中秋の名月」を楽しもう

子供の頃から親しんできたお月見。「十五夜」と呼ばれることから、その日付を15日だと思っている人も多いのでは。知っているようで意外と知らない、十五夜の由来や風習をご紹介します!

この記事をシェアする

十五夜=中秋の名月っていつのこと?

カレンダー

秋の真ん中、という意味の「仲秋」。旧暦の秋は7、8、9月で、その真ん中の8月を「仲秋」、8月15日を「中秋」と呼びます。どちらも「ちゅうしゅう」と読み、今では区別なく使われています。

旧暦は月の満ち欠けが、新暦は太陽の動きが基準となっているため、そこには1カ月から2カ月のずれがあります。そのため、実際には新暦で毎年9月中旬~10月上旬の間に十五夜が来るといわれています。「十五夜」という名称は残っていますが、実は15日が十五夜になるとは限らないのです。

また、新月から満月になる日数が必ずしも15日にならないため、十五夜がいつも満月になるわけではありません。

2022年は、9月10日が十五夜です。

実はお月見は3回ある!?

月がきれいに見えるのは十五夜に限ったことではありません。

実は中秋の頃は台風も多く、実際に月を見るには十三夜のほうが良いとも言われています。「十三夜に曇り無し」という言葉があるくらいです。

昔は十五夜と十三夜のどちらかしか見ないことを「片見月」「片月見」と呼び、縁起が悪いとされました。実際に悪いことがあるわけではなく、「どちらの月も楽しむ」という意味合いがあったようです。

〈十五夜〉
別名「芋名月」。秋の豊作を祈願して、実る前の稲穂やススキ、いもなどをお供えします。旧暦で8月15日、新暦で2022年は9月10日。

〈十三夜〉
その年の収穫に感謝する日で、米粉の団子や、豆、栗で作ったものをお供えします。「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。旧暦で9月13日、新暦で2022年は10月8日。

〈十日夜〉
お月見の風習というより、稲刈りを終え、来年の豊穣を祈願する祭り、という意味が強い十日夜(とおかんや)。ついた餅などをお供えします。旧暦で10月10日。毎年1カ月ずらして11月10日に行う地域が多いですが、10月10日を新暦に換算して行う地域もあります。その場合、2022年は11月3日。

月とすすき

中国から伝わった十五夜の歴史

十五夜は、もともとは中国の「中秋節」が由来。家族や親しい人たちと月を見ながらお菓子を食べたり、食事をしたり、団らんを楽しむ日でした。「月餅(げっぺい)」は中華街のお土産として日本でも有名です。

日本に伝わったのは平安時代。貴族たちの間で、水に映った月や、酒の盃に映る月を見ながら、船上で詩歌を楽しんだり楽器を奏でたりと風流な催しが行われていました。

江戸時代には庶民にも伝わり、秋の収穫を感謝する行事になり、秋に採れた作物や団子などをお供えするようになりました。

何をお供えしたらいいの?

お月見のお供物には収穫のお祝いという意味があります。お供えした食べ物はもちろん食べてOKです。収穫に感謝をして食べることで、幸せにつながるとされています。

〈月見団子〉
お月見といえば、真っ先に思い浮かぶのが団子という人も多いのでは。十五夜にちなんで、15個を3段にするのが一般的ですが、団子の形や数は地方によって様々です。正式には三方(さんぼう)に半紙を敷いたものに供えますが、家庭ではお皿で十分でしょう。

今はセットになってスーパーなどでも売っていますが、家でも簡単に作れるので挑戦してみてはいかがですか。

米粉、上新粉、白玉粉などを水でこね、茹でたり蒸したりするだけで出来上がり。水のかわりに豆乳を使ったり、下の写真のように粉類と豆腐だけで作れば、モチモチ感が増します。きな粉をまぶして、黒蜜をトッピングしても美味。

月見団子とすすき

〈秋の草花〉
よく知られているのはススキ。切り口が鋭く、魔除けになるとされ、お月見の後に吊るしたりする習慣もあります。

本来は実りの象徴である稲穂をお供えしたいところですが、稲刈り前なので、稲穂に似たススキを使うようになったとされています。

摘んできた野草や、秋の草花も一緒に飾ると素敵です。

秋の草花

〈いも・栗類〉
秋は里いも、さつまいもなどが多くとれる時期。里いもで作る「きぬかつぎ(※)」をお供えしたり、里いもに見立て、餡子を巻いた月見団子を作る地域もあります。

きぬかつぎは、出始めの小さい里いもを蒸したもの。よく洗った里いもの土台部分を少し切り落とし、半分からやや上の部分に包丁をくるっと一周入れておきます。蒸し上がったら上の皮だけをするっと剥いて味噌やごま塩などで食べます。

きぬかつぎ

さつまいもや栗は生のままお供えした後、栗ご飯や焼きいもにして食べるのも良いですね。

栗ごはん

※ 平安時代、高貴な女性は外出の際、顔を隠すため布をかぶりました。薄い絹衣から白い顔を少し出す様子と似ていることから、「衣被ぎ(きぬかつぎ)」と言われるようになりました。

〈旬の野菜や果物〉
収穫に感謝して、季節の果物などもお供えに最適。ぶどうなどのツルものは、月とつながりが強くなるとされ、縁起を担ぎお供えされます。

ぶどうと梨

月でうさぎが餅つき? 国によって違う月の見え方

満月に浮かび上がる餅をつくうさぎの姿。黒く見えるのは「月の海」と呼ばれる低地で、白い部分はクレーターの多い高地です。

中国や韓国でも「うさぎ」は共通。ただし中国では餅ではなく、うさぎが薬草をひいている様子と言われています。

何に見えるかは世界各国で様々です。

月

〈中国〉
薬草をひくうさぎや、地方によってカニやヒキガエルというところも

〈アメリカ〉
横向きの女性、ワニやトカゲなど

〈カナダ〉
バケツを運ぶ少女

〈ヨーロッパ〉
大きなハサミのカニ、髪の長い女性

〈北欧〉
椅子に腰掛け本を読むおばあさん

〈南米〉
ロバ

〈中東〉
吠えるライオン

〈インドネシア〉
編み物をする女性

〈ベトナム〉
大きな木の下で休む男

空もだんだん高くなり、秋の虫も鳴き出すこの時期。そんな虫の声に耳を傾けたり、団子を食べたり、月見酒をたしなんだり……。月やうさぎをモチーフにしたグッズを飾ったりしても雰囲気がでそうです。

月を見上げながら、秋の夜長をゆっくり楽しんでみてはいかがですか。

この記事に興味を持ちましたか?
はいいいえ

この記事をシェアする

こちらの記事も読まれています

編集部オススメ記事

Recommend Article Recommend Article オススメ記事

オススメ記事をもっと見る