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ストレッチする女性

座ったままできる3つのお尻ストレッチ|腰痛改善&ヒップアップに

改善しない腰痛の原因は、お尻の筋肉が原因かもしれません。放っておくと、スタイルの崩れにも影響します。今回は、腰痛改善とヒップアップを叶えるストレッチをパーソナルトレーナーの藤本千晶がお伝えします。

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お尻ストレッチの効果は? 柔らかくなるとなぜいいの?

元気で若々しい体を保つためには、お尻の筋肉を柔らかく保つことが大切です。お腹や脚は自分で触れやすいですが、自分のお尻が硬いかどうかは分からない人も多いのではないでしょうか。

お尻のストレッチをする主なメリットには、腰痛改善効果やヒップアップ効果、姿勢改善効果があります。

腰痛改善効果

お尻ストレッチの一つ目の効果は、腰痛改善です。

お尻の筋肉は、骨盤の傾きを正常に保つ働きがあります。お尻の筋肉が柔らかく、骨盤が正しい位置にあると、その上に乗っている背骨も正しい並びに整います。反対に、お尻の筋肉が硬いと骨盤や背骨が傾いてしまいます。

日頃から座りっぱなしの時間が多いと、股関節をほとんど動かさない状態に。すると、股関節を動かす働きのあるお尻の筋肉が硬くなり、骨盤が傾いて背骨への負担も増加。その結果、腰痛などの症状があらわれます。

お尻のストレッチで筋肉が柔らかくなれば、骨盤の傾きが改善され、背骨への負担が軽減。お尻の筋肉の機能が戻り、腰痛改善効果が期待できます。

ヒップアップ効果

鏡でお尻のチェックをする女性

お尻ストレッチの二つ目の効果はヒップアップ効果です。

お尻が下がって見える理由は、最も後ろに出っ張っているお尻の「トップの部分」が下がっているから。骨盤が過度に後傾すると、この部分が下を向き低くなります。

後傾とは、骨盤が正常な範囲を超えて後ろに傾いている状態のこと。お尻の筋肉が硬くなることなどによって後方に引っ張られ、後ろ側に倒れてしまうのです。

分かりやすく体で試してみてみると、椅子に座って、思い切り猫背のように腰を丸めてください。骨盤が大きく後ろに倒れましたよね。これが骨盤の「後傾」です。

お尻ストレッチで筋肉をほぐし、正常に働くようになると、後傾した骨盤は正常な位置に戻ります。するとお尻のトップの位置が上にあがり、キュッと上向きに。このように、お尻が柔らかくなることで、ヒップアップにつながります。

姿勢改善効果

お尻ストレッチの三つ目の効果は、姿勢改善です。

先にご説明した通り、お尻の筋肉が硬いと骨盤が後傾し、背骨の位置がズレてしまいます。そのズレから連鎖的にズレが生じることで、気づかないうちに体全体の姿勢が悪くなっています。

お尻ストレッチで筋肉がほぐれると、骨盤や背骨が正常な位置に戻ります。連鎖的にズレが生じていた部分も元に戻り、姿勢が美しく改善されます。猫背で悩んでいる人もお尻を柔らかくすることはおすすめです。

お尻が硬いとなぜだめなの?

お尻の筋肉は、座りっぱなしや運動不足などで、放っておくと硬くなります。お尻が硬いと、姿勢が悪化する、関節への負担が大きくなる、お尻が垂れるなどの影響があります。

これらすべてに関係しているのが、骨盤の傾きです。次から、お尻が硬くなると起こる影響について解説します。

骨盤が傾き、姿勢が悪化

猫背の女性

お尻の筋肉が硬くなると、筋肉に骨盤が引っ張られて傾き、姿勢が悪化します。

骨盤の上には背骨がのっているため、土台となる骨盤が傾くと必然的に背骨も影響を受けます。

例えば、骨盤が後ろに倒れると体の重心は後方に移動し、体のバランスをとりにくくなります。すると人間は、バランスをとるために自然に重心を中心に戻そうとするため、背中が丸まった猫背に。

このように、お尻の筋肉が硬いことでバランスが崩れ、知らぬ間に姿勢が悪くなっている可能性があります。

関節に負担がかかり、痛みがでてきやすくなる

お尻の筋肉が硬いと関節に負担がかかり、痛みが出やすくなります。

姿勢の悪化同様に、骨盤が傾いて背骨の位置がズレ、関節に負担のかかる姿勢が続くからです。骨盤が後傾して背骨が丸まることで、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)への負荷が大きく増加。

常に関節に負担がかかって腰などにダメージを受けるようになり、痛みがあらわれる可能性が高まります。

骨盤が後ろに倒れ、ヒップダウンに

硬くなったお尻の筋肉は、骨盤を後ろに引っ張り、ヒップの若々しさにも影響します。骨盤が後傾すると、お尻のトップが下を向くため低い位置に下がり、ヒップダウンに。

お尻のトップが高くなるのは、骨盤がやや前傾から正常な傾きのとき。キュッと引き締まった上向きのヒップを手に入れたいなら、柔らかいお尻が必要になります。

お尻の筋肉を鍛えてヒップアップ!効果的な筋トレとストレッチとは?

お尻の筋肉が凝り固まる原因

デスクワークで肩こりしている女性

「自分のお尻が硬いかも」と自覚のある人は少ないのではないでしょうか。お尻が凝り固まる原因は、座りっぱなしや立ちっぱなしの時間が長いほか、運動不足やストレッチ不足、悪い姿勢をとりつづけることが考えられます。

次からそれぞれの原因について解説します。

座りっぱなしや立ちっぱなし

お尻の筋肉が硬まってしまう大きな原因は、座りっぱなしや立ちっぱなしの時間が長いこと。股関節が動かされないことで筋肉が伸び縮みする機会が減り、硬まってしまいます。

関節が動くことで筋肉は伸び縮みし、柔軟性が保たれますが、デスクワークや立ち仕事であまり歩かないでいると、股関節はほとんど固まったままに。

筋肉の伸縮不足でお尻の血液やリンパの流れが悪化。むくみや老廃物質がたまり、お尻が硬くなってしまいます。

運動・ストレッチ不足

日常的な運動・ストレッチ不足も、お尻の筋肉が硬くなる原因になります。歩いたり、座ったりといった日常動作程度では、お尻の筋肉を十分に伸び縮みさせることができません。歩くとお尻の筋肉は少しだけ伸びますが、硬さがほぐれるほど十分に伸びているとは言えません。

お尻の筋肉が大きく伸びるのは、ひざを高く上げたとき。例えば坂道や階段を上るときには伸びるのですが、毎日十分に動かせている人は少ないのではないでしょうか。

そのため、運動やストレッチ不足が続くと、どんどんお尻の筋肉が硬くなっていきます。

悪い姿勢をとり続けること

悪い姿勢をとり続けることも、お尻の筋肉が硬くなる原因に。例えばデスクワーク中の悪い姿勢。背もたれに思いっきり寄りかかり、お尻は座面の前方に置く座り方をやってしまいがちですが、この姿勢では骨盤は後ろに傾き、お尻の筋肉は縮まってしまいます。

これが長時間続くと、血液・リンパの流れが悪くなり、お尻の筋肉がカチコチに。座りっぱなしなどで関節を動かさないことも原因になりますが、このように悪い姿勢を続けることも、お尻の筋肉を強く縮め、硬くしています。心当たりのある人は、気をつけてみましょう。

お尻を構成する筋肉

女性の後ろ姿

お尻は大きな一つの筋肉と思われがちですが、実は「大臀筋(だいでんきん)」「中臀筋(ちゅうでんきん)」「梨状筋(りじょうきん)」といった筋肉で構成されています。この機会にそれぞれの筋肉の働きについて解説します。

大臀筋(だいでんきん)

お尻の筋肉の中で最も重要な筋肉が大臀筋。骨盤の傾きや、お尻の形に大きな影響を及ぼします。

大臀筋は、お尻全体を包み込むように骨盤の上部の後ろ側から太ももの骨の上部側面にかけてくっついています。お尻全体を包み込めるくらいですから、お尻の中では最も大きな筋肉で強い力を発揮します。

主な役割は骨盤を正常な位置に保ったり、脚全体を後ろに振ったりするときに使われます。また、お尻の最も外側にある大きな筋肉のため、お尻のトップの位置にも関係する筋肉です。

大臀筋が硬くなると、骨盤が後ろ側に引っ張られて傾きます。後ろに傾くと、腰に負担がかかるような姿勢になったり、お尻のトップの位置が下を向いたりして、“垂れ尻”に。大殿筋はスタイルの維持に重要な筋肉です。

中臀筋(ちゅうでんきん)

お尻の横側にあるのが中臀筋。ここも硬くなりやすく、大臀筋同様に骨盤の傾きに関係する筋肉です。

中臀筋は骨盤上部の側面から後面にかけて始まり、太ももの骨の上部側面にかけてくっついています。

主な役割は脚全体を外側に上げたり、大臀筋と協力して脚を後ろに振る動きをしたりするほか、骨盤を正常な位置に保つ役割があります。

中臀筋は体を横に倒したり、脚を交差したりしたときに最も伸びるのですが、日常生活ではこのような動きは少ないため、硬くなりやすい筋肉といえます。そして、硬くなると大殿筋同様に骨盤を後ろに引っ張り、姿勢の悪化やヒップダウンに影響します。

梨状筋(りじょうきん)

お尻の奥のほうにあるのが梨状筋。奥にあるため伸ばされにくく、すぐに硬くなります。

梨状筋は骨盤の中央下部から、太ももの骨の頂点にかけてくっついている筋肉。主な役割は太ももの骨を外側に回転させます。

梨状筋は、太ももを内またにしたときに伸びますが、日常生活で必要以上に内またになることはほとんどないでしょう。そのため、伸びる機会が少なく、梨状筋も硬くなりやすい筋肉といえます。

座って行うお尻のストレッチ

ご紹介した筋肉すべてが、何もしないと固まりやすくなります。お尻の筋肉は、柔らかいほど腰痛予防やスタイルアップに繋がります。そのため日頃からストレッチを取り入れるのがおすすめです。すきま時間に、座ったままできる3つの簡単ストレッチをご紹介します。

前屈ストレッチ

イスに座ったまま体を前に倒していくだけのシンプルなストレッチ。主に大臀筋を伸ばすのに効果的です。

【やり方】
(1)イスを用意する。足が床にベッタリとくっつく高さに座面の高さを調整し、イスの前半分に座る。
(2)息を吐きながら体をゆっくりと前に倒し、肩をひざに近づける。
(3)息を吸いながら体を起こす。これを10回繰り返す。

ツイストストレッチ

脚を組んで体をひねるストレッチ。特に中臀筋を強く伸ばすことができます。

【やり方】
(1)イスに座り、右脚を上にして脚を組む。
(2)左手で右ひざの外側を持ち、左側に引っ張る。同時に胸は右側に向けて体全体をひねる。
(3)そのまま30秒間キープする。脚を入れ替えて反対側も同様に行う。

脚組みストレッチ

普通に脚を組むよりも浅く組んで行うストレッチです。片方のくるぶしをもう片方のひざの上に乗せて体を前に倒し、大臀筋と梨状筋をしっかり伸ばします。

(1)イスに座り、右脚の外くるぶしを左ひざの上に乗せる。右手で右ひざを下に軽く押す。
(2) 軽く胸を張り、鼻から息を吸う。口から息を吐きながら、伸びる感じがするまで体をゆっくりと前に倒す。
(3) 倒せるところまで倒したら30秒間キープする。脚を入れ替えて反対側も同様に行う。

後ろ姿

まとめ: お尻の筋肉をストレッチでほぐして、腰スッキリ!

お尻の筋肉が硬くなると、姿勢が悪くなり腰痛などの痛みが出る、お尻が垂れるなどのスタイルの崩れにつながります。

長時間のデスクワークや運動不足、姿勢が悪いという自覚のある人は、お尻が硬くなっている可能性があります。

生活の中のすきま時間に、ご紹介したようなお尻をほぐすストレッチを取り入れて、腰痛改善&ヒップアップを目指しましょう。

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