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お風呂でリラックス

お風呂でストレスリセット!極上の入浴法「マインド風呂(フロ)ネス」

心を“今”に集中させる「マインドフルネス」。それをお風呂で行うのが、「マインド風呂(フロ)ネス」です。心と体をリラックスへ導くやり方を、マインド風呂ネスの第一人者である小林麻利子さんに聞きました。

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脳がとろける「マインド風呂(フロ)ネス」って?

公認心理師の資格を持つ、眠りとお風呂の専門家の小林麻利子さんが提唱する「マインド風呂(フロ)ネス」。これは、心を“今”に向けて集中する「マインドフルネス」を、入浴しながら行うことで心と体をリセットするものです。

そもそも入浴は、浴室というひとりだけの空間で過ごすことができ、今この瞬間の自分と向き合いやすい環境。入浴そのものにも副交感神経を優位にしてリラックスする効果があり、マインドフルネスを行うには最適です。

普段は外側に向いている意識を自分の内側に向けることで、それだけでストレスから解放されて心の安定を得ることができます。

そもそも「マインドフルネス」とは?

瞑想する女性

マインドフルネスとは、仏教で悟りを開くための瞑想をベースにしたものです。Googleなどの海外の人気IT企業がマインドフルネスを取り入れ、集中力が高まる、仕事のパフォーマンスが上がるなど、世界でもその効果が注目されています。

マインドフルネスにはさまざまな定義がありますが、“今、ここ”に集中して、“ありのまま”を受け入れることが基本です。

私たちが感じるストレスのほとんどは、過去に起きたことへの後悔、まだ起こってもいない未来への不安から生じています。そうした状態から抜け出し、心の意識を“今”に向け、ありのままの自分を受け入れることで、心がおだやかになり、イライラや落ち込みから解放されます。

マインドフルネスというと、「座禅を組んで瞑想をする」ことをイメージするかもしれませんが、“今、ここ(現在)”に集中できれば、いつでもどこでも行えます。

例えば、歩きながらでも食べながらでもOK。マインド風呂(フロ)ネスもそのひとつで、自分ひとりでリラックスできる浴室で“今、ここに集中する”ことで、より簡単に高い効果を得られます。

「マインド風呂(フロ)ネス」の効果

お風呂は、家族がいても家の中で唯一一人になれる空間です。服を脱いで開放感を味わいながら温かいお湯に浮かぶと、心身ともに非常にリラックスできます。湯船では、お湯の浮力で自然と体の力が抜けるため、呼吸にも集中しやすくなります。

そんなマインド風呂(フロ)ネスには、次のような効果が期待できます。

自律神経が整い免疫機能や睡眠の質が高まる

入浴そのものもマインドフルネスにも自律神経を整える効果があります。ふたつを同時に行うマインドフロ(風呂)ネスは、さらに効果的。ストレスにより交感神経が優位になった状態が和らぐと、体のさまざまな機能が正常に働きます。

また、マインドフルネスの研究で、免疫機能も高まるという報告があるため、効果が期待できるといえます(※1)。眠るときには副交感神経が優位になることで睡眠の質も向上します。

(※1)Davidson,Kabat-Zinn,Schumacher et al.,2003

ストレスからの解放

お風呂でリラックス

マインドフロ(風呂)ネスは、ストレスや緊張感からの解放も期待できます。過去の後悔や未来の不安から解き放たれ、ありのままの自分をじっくり感じて、心を穏やかに保つことができるでしょう。

うつ症状の改善や心が安定する

マインドフルネスの研究では、うつ障害や不安障害などの効果があることが報告されています(※2)。

「今、ここに集中する」ことで、過去のつらいできごとや将来への漠然とした不安など、ネガティブ思考をコントロールすることができるでしょう。自分の心にありのままに向き合うことで、次第に不安定だった感情も落ち着きます。

(※2)Geschwind,Peeters,Drukker et al .,2011
Anka,Zvolenskya,Bernsteina et al.,2007

脳の疲労が回復し、集中力が高まる

緊張して交感神経優位の状態が続くと、細胞がダメージを受け、脳疲労に繋がります。入浴との相乗効果があるマインド風呂(フロ)ネスで、お湯の温かさや呼吸に集中することで副交感神経を優位にし、自律神経を整えます。緊張状態の脳を休めて疲労の回復にも役立つといえます。また、集中力も高まります。

痛みや不定愁訴を軽減する

さわやかな女性

特に原因がないのに肩こりやめまい、腰痛など、なんとなく体調が悪いときも、症状が改善することがあります。マインドフルネスの研究では、慢性疼痛に効果的であるという報告があります(※3)。

(※3)Kabat-Zinn,1982

小林麻利子流「マインド風呂(フロ)ネス」のくわしいやり方

マインド風呂(フロ)ネスは、浴槽の中で浮力を感じながら呼吸に意識を集中させるのがポイント。

過去にマインドフルネスを体験したことがあっても「これであっているの?」「できているかどうか分からない」という声を耳にします。

マインドフルネスは、「合っているか分からないという自分に気づけた」というだけでOK。こうした“気づき”の積み重ねで心を解放していきます。

次から、マインド風呂(フロ)ネスの具体的なやり方を解説します。

暗い浴室

(1)浴室を暗くする

浴室の明かりは消して、脱衣所の明かりだけにするか、キャンドルを持ち込んで、ほの暗い明るさにします。

(2)体を洗う

浴室に入ったら、まずは軽くシャワーかかけ湯をします。お湯に浸かりたければ、さっと短い時間、湯船につかって体を温めてもOK。マインド風呂(フロ)ネスを行う前に、頭と顔をいつも通り洗います。

(3)お湯につかり浮力を感じる

最初は下半身もしくは腰のあたりまで湯船につかり、お湯の温度になれたら全身をお湯に沈めて、マインド風呂(フロ)ネスを始めます。

上半身は力を抜いて、頭は浴槽のふちにもたれかけて安定させます。タオルを重ねて首の後ろにあてるか、あればお風呂用枕を使いましょう。足を軽く曲げ、手を前に浮かせるようにして浮力を感じます。

(4)呼吸に集中する

お風呂の中で眠らないように注意して目は閉じるか、薄目で水面の1点をぼんやりと見つめます。口はポカンとかけて、のどや奥歯、眉間など顔全体を脱力します。

一度、口から「はーっ」と吐き出した後、その反動で、自然に胸やお腹にしっかり空気が入るように3秒かけて鼻から息を吸い、同じく3秒かけて鼻、もしくは口から静かに息を吐き切ります。

息を吐くときに「はぁ」と声を出すとさらに脱力できます。このとき、吸うとお湯に「ぷくっ」と浮かび、吐くとお湯に沈んでいきます。終始、この呼吸に集中をします。

(5)“今、ここ”に集中する

“今、ここ(現在)”に集中するため、ゆったりとした呼吸に意識を向けます。このとき、仕事の心配事ややり残した家事など、何かと気になる雑念が浮かんでくるでしょう。頭に浮かんでも否定せずに「雑念があるな」と受け止めて、再び呼吸に集中します。

雑念だらけで集中できないという人は多いのですが、それに自分が気づけただけでOK。「雑念に気づいたら、呼吸に意識を戻す」を繰り返し返します。

15分ほど、3、4、5を続け、マインド風呂(フロ)ネスをしたら、お風呂から上がります。皮脂の多い部分だけ、手短に体を洗って流します。気分がスッキリしている感覚を味わえるでしょう。

マインド風呂(フロ)ネスの応用編

マインド風呂(フロ)ネスに慣れてきたら、その応用として手で気になる部分を触ったり、音に集中することを試してみてください。自分自身と向き合う時間により、さらに心の安定効果を感じられるはずです。

応用編1:体の気になる場所を手当してみる

お風呂でリラックス

ゆったりと呼吸を繰り返しながら、体に意識を向けてみます。このときに、何か痛みや違和感のある場所があれば、お湯で温めた手をその部分にそっと当ててみましょう。

呼吸をしながら、手を当てている場所の痛みがどのように変化するか、じっくりと観察してみてください。

手を当てて意識を集中することで痛みが和らいだり、感じにくくなったりすることもありますが、もし違和感がそのままであったとしても落胆することなく、その様子もまた感じながら、ゆったりと呼吸を繰り返していきます。

応用編2:水の音に集中する

お風呂で呼吸に集中するのがマインド風呂(フロ)ネスの基本ですが、耳に聞こえる音に集中するのもおすすめです。

目を閉じて、体の動きに合わせてサラサラとお湯が波打つ音や、水滴が滴る音などに耳を澄まして、意識を集中させます。今まで感じたことのない、様々な音に驚かれることもあるでしょう。頭に雑念がよぎったら、否定せずに、また音に耳を傾けて集中します。

「マインド風呂(フロ)ネス」を行うときの大事なポイント

マインド風呂(フロ)ネスは、毎日続けるほど集中しやすくなり、慣れてくるほど効果が高まります。その効果を実感するためにも、次のポイントに注意して行いましょう。

(1)浴室はほの暗い明るさで

リラックスしながら集中するために、浴室の明るさは暗めにするのがおすすめ。浴室の電気は消して脱衣所の明るさだけでも十分です。

アロマキャンドルなどを持ち込んでもいいですが、冬などの換気扇を消して入る際は少し危険ですので、お風呂用のライトなどを使うと安心です。

眠りホルモンといわれる「メラトニン」は、明るいと分泌されず暗いほど分泌されます。ほの暗さの中での入浴は睡眠の質も高めます。

(2)たっぷりとぬるめのお湯で全身浴を

マインド風呂(フロ)ネスは、お湯にふわふわ浮かんでいる状態を感じることが最大のポイントです。お湯の量は、浮力を感じるためにも、半身浴ではなく、お湯が流れ出ない程度に全身が浸かるたっぷりのお湯を用意してください。

お湯の温度は40℃以下のぬるめに設定を。副交感神経を優位にさせ、リラックスモードに切り替えるだけでなく、スムーズな入眠にも効果的です。

(3)お風呂にスマホは持ち込まない

スマホ

お風呂にスマホを持ち込む人が多いですが、マインド風呂(フロ)ネスをするときは、これはNG。ほかの情報が気になって意識がそがれてしまいます。

どうしてもスマホが手放せないなら、入浴の前半だけ持ち込んで、後半は脱衣所などの目に入らないところに置いてマインド風呂(フロ)ネスに集中します。

(4)一人で入浴する

マインド風呂(フロ)ネスは“今、この瞬間”に集中して、自分にじっくり向き合う時間です。

普段は子どもと一緒に入浴している人も、マインド風呂)ネスをするときは、家族やパートナーに子どもをお願いするか、子どもと一緒に入ったあと、ご自身だけ浸かる際などに行い、一人時間を堪能しましょう。就寝前に行うのがおすすめです。

毎日一人で入浴するのが難しい場合は、「今日だけは自分の時間」と決めて週1回はやってみるなど、できるペースで行ってください。

まとめ:マインド風呂(フロ)ネスは、ぐっすり眠れてストレスから開放される時間

ストレスを感じることが多い現代人にとって、お風呂は心と体をリラックスさせる大切な時間です。ふだんはやろうと思ってもなかなか習慣化できないマインドフルネスも、無条件で一人になれるお風呂で行うと集中しやすく、続けやすくなります。

「心配事が多くていつも不安」「忙しくていつでも気持ちが焦っている」「どうしてあのとき…という後悔にとらわれる」など、心が不安定でお疲れ気味の人に試してほしい入浴法です。

ぜひ、マインド風呂(フロ)ネスを毎日のお風呂のお供にして穏やかな心と健やかな体を手に入れてください。

取材・文/工藤千秋

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