筋トレの回数やセット数の目安は?ダイエットに効果的な設定とは?
筋トレは、どれくらいの回数がいいの? 効果が出るセット数とは? 気になる筋トレの疑問を、フィットネストレーナーが解説。ダイエットや筋力アップなど、目的に合わせた回数や、ポイントをまとめました。
目次
筋トレの回数とセット数、負荷は?
筋トレを始めたものの、何を何回やれば効果が出るのか、目安は何回程度なのかなど、ふと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
最適な筋トレの回数は、“目的”によって違います。ダイエット目的なのか、筋肉を発達させて体を大きくするのが目的なのかにより、必要な回数やセット数、負荷が変わるからです。
そもそも私たちの筋肉には、細くて持久力系の運動で使われる「遅筋(ちきん)」と、太くてパワーのある「速筋(そっきん)」の2種類があります。
マラソン選手のように細身で持久力のある体には「遅筋」が多く、重量挙げ選手のように瞬発的に大きな力を出せる体には「速筋」が多いとイメージしていただくと、分かりやすいでしょう。
2種類の筋肉が持つ特徴から考えて、ダイエットや引き締めが目的なら「遅筋」を、逆に体を大きくする筋肥大や筋力アップが目的なら「速筋」を鍛えるのがおすすめです。
この遅筋を鍛えるか、速筋を鍛えるかを左右するのが、筋トレの「回数と負荷」の設定です。理想のボディメイクができるように、目的にあわせて効果的な回数と負荷を設定しましょう。
ダイエット目的の場合
ダイエットや引き締めが目的の場合は、スリムな体へ導く「遅筋」を鍛えます。
遅筋は「インナーマッスル」と呼ばれる体の深層部に多い筋肉です。小さな力で継続的に動かすことで鍛えられるため、軽めの負荷で回数を多く設定するのがおすすめです。
低負荷×15~20回×2~3セット(セット間は30秒~1分休む)を目安にしましょう。
負荷は自分の体力に合わせて、15~20回が限界(ギリギリできる)と感じるように調整しましょう。プランクなどの姿勢キープの場合は、10~30秒が限界と感じる程度です。
低負荷の筋トレでおすすめなのが、自分の体重だけを負荷にして行う「自重トレーニング」。例えば、スクワットや腕立て伏せ、プランクやヒップリフトなど。
ただし、20回×3セット行っても楽に感じるようならば、負荷を加える必要があります。ダンベルをもってスクワット、バランスボールに両足を乗せて腕立て伏せ、プランクやヒップリフトの際に片足を浮かせるなど、バリエーションを加えて調整してください。
効果のある腕立て伏せのやり方は?女性にうれしい二の腕やせも!
筋肥大、筋力アップが目的の場合
大きな筋肉をつくり、各パーツをはっきり見せたい場合や、筋力・瞬発力をつけるのが目的の場合は「速筋」を鍛えます。
速筋は「アウターマッスル」と呼ばれる、体の表面に多い筋肉で、太くてパワーがあるのが特徴です。瞬発的に大きな力で動かすと鍛えられるため、重い負荷で少ない回数で設定するのがおすすめです。
高負荷×8~12回×1~3セット(セット間は1~2分休む)を目安にしましょう。
負荷は自分の体力に合わせて、8~12回が限界(ギリギリできる)と感じるように調整しましょう。
高負荷の場合は、マシンやバーベルなど器具を使って重さを加えながら行う「ウエイトトレーニング」がおすすめです。 マシンを使って胸を鍛えるチェストプレスや、脚を鍛えるレッグプレスなど、部位ごとにトレーニングしても良いですし、バーベルを使ってスクワットをするなど総合的にトレーニングすることもできます。
ただし女性の場合、体力によってはマシンや器具を使わない自重トレーニングでも、12回×3セットが限界と感じるようであれば、それも高負荷といえます。ジムではなく自宅で行う際は、自重トレーニングも試してみてください。
筋トレをしても女性に筋肉がつきにくいのはなぜ?原因と対処法を解説
筋トレの効果を出すためのポイント
筋トレは、適切な回数や負荷に加え、ポイントをおさえて行うことも大切です。効果を最大限にするために、次のようなことを注意しながら行いましょう。
正しいフォームで続けられる回数に設定
筋トレで一番大切なのが、正しいフォームで行い、自分が続けられる回数にすること。トレーニングを始めてモチベーションが高いうちは、ついたくさん回数をこなしたくなりますよね。しかし回数を増やす前に、「正しいフォームで筋トレできているか」を確認することが大切。また、スピードが遅すぎたり速すぎたりしてもいけません。
特に、疲れてくると筋トレのフォームが崩れ、スピードが速くなる人が多いのではないでしょうか。勢いにまかせて崩れたフォームで続けていると、効果も出づらくケガのリスクも高まります。
正しいフォームで、ゆっくり行うとつらいと感じるかもしれませんが、それが筋肉に効いている証拠です。なおかつ、ケガもなく安全に行えます。先にご紹介したような目標回数ができなかったとしても、正しいフォームで1回1回を丁寧に行いましょう。
回数を多くするのではなく負荷で調整を
次に大切なのが、自分に合う負荷の調整です。「もう少しできそう」と思ったときは、回数をこなすよりも、負荷を上げることをおすすめします。
ダイエットや引き締めが目的なら20回まで、筋肥大や筋力アップが目的ならは12回までとして、「もうできない!」と限界になるくらいの負荷をかけましょう。
目標以上の回数ができてしまうということは、負荷が軽すぎるということ。筋肉が成長するための刺激が与えらず、あまり効果も期待できません。
ダンベルやバランスボールなどの道具を使う、重りを増やす、筋トレメニューにややきついバリエーションを加えるなどして、「これ以上の回数・秒数はこなせない」と感じる負荷をかけるのがポイントです。
同じ負荷で続けると効果が薄れてくる
筋トレを続けていると、次第に筋肉がついて同じ回数でも以前より楽に感じるはずです。 15回が限界だった人が20回までできるようになったり、1セットが限界だった人が2セットできるようになったりします。
そのまま体型や筋力を維持させたいのであれば、負荷を変えず回数やセット数をキープしてもOK。 しかし、そこから「もっとシェイプアップしたい」「さらに筋力をつけたい」のであれば、同じ回数・負荷ではそれ以上の効果は期待できません。
そんなときは、セット数を2~3セットまで増やします。3セット行っても余裕があれば…
- ダンベルやバーベルで重さを加える
- バランスボールやバランスディスクなどのアイテムを使う
- 片足でやってみるなど、筋トレにバリエーションを加えてみる…
このような工夫をしてみてください。体がレベルアップした分、さらに効果を高めたい人はセット数や負荷も少しずつ増やしていきましょう。
筋トレで効果を出すための頻度は?
筋肉が鍛えられるのは、筋トレによって「筋繊維が損傷→回復」するからです。これを繰り返すことによって効率よく筋肉がついていきます。
筋トレの頻度は、損傷した筋繊維が回復するタイミングでまたトレーニングするのが理想ですが、部位によってその回復時間が違います。
「部分的に筋トレをするのか」「一度に複数の部位をトレーニングするのか」によって、筋トレの頻度を変えましょう。
筋トレする部位を変えれば、毎日やってもOK
腹筋やふくらはぎは、約24時間で筋繊維が回復するため、筋肉痛がなければ毎日トレーニングしてもOK。それ以外の部位は、回復に約48~72時間かかります。
そのため、筋トレする部位を変えれば、前日に使った筋肉は休ませられるので、毎日行っても問題ありません。例えば、「月曜日は背中、火曜日はお尻、水曜日は腕…」など、同じ部位が続かないように行います。
短い時間でも毎日コツコツ筋トレしたい人におすすめです。 また、毎日行うことでモチベーションが保ちやすく、運動習慣もつきやすいでしょう。
一度に複数の筋肉を使うなら週2~3回
1日のうちに複数の部位をトレーニングする場合や、スクワットなど1種目でもたくさんの部位を使う筋トレの場合、腹筋やふくらはぎ以外の筋肉を使っているため、筋繊維が回復するまで約72時間かかることになります。
一度の筋トレで複数の筋肉を使うのであれば、筋トレのあと2日休ませて、週2~3回行いましょう。毎日はできないけれど、時間がある日に集中してトレーニングしたい人におすすめです。
筋肉が育つためには、休めることも大切。筋肉痛など疲労が蓄積した状態でトレーニングを続けてしまうと、オーバーワークになります。脂肪を燃やすどころか筋肉が消耗してしまい、逆効果に。効果的に筋トレするために、やりすぎにも気をつけましょう。
筋トレをするおすすめの時間帯は?
筋トレに最も効果的な時間帯は、今のところはっきりしていません。朝・昼・夜の個人の生活リズムや体調によっても、できるタイミングが違うことでしょう。
朝・午後・夜、それぞれでメリット・デメリットがありますのでご紹介します。
筋トレは、「この時間に行うからやせる」というよりも、続けることが大切です。今の生活スタイルに合わせて、自分が続けやすいベストな時間を見つけましょう!
朝に筋トレをするメリット・デメリット
朝に筋トレをすると、代謝が上がり1日の消費カロリーがアップします。脳の血流も良くなり、集中力や仕事効率が上がるというメリットがあります。
また、運動をすると幸せホルモンといわれる「セロトニン」が分泌。朝の陽ざしを浴びることでさらに分泌が促進されるといわれています。このセロトニンは、夜になると睡眠を促すホルモン「メラトニン」の原料となり、熟睡をサポートします。
朝の筋トレは、早起きの習慣がつく、決まった時間に起きるといった生活リズムの改善にもつながります。
デメリットとしては、朝は夜に比べ筋肉が温まっていないのでケガのリスクが高く、人によっては心臓や血管への負担も大きくなります。筋トレ前にストレッチなどのウォーミングアップをしっかり行いましょう。
寝ぼけた状態でトレーニングすると、足を滑らせたり、ダンベルを落としたりと、ミスからケガにつながる危険性も。睡眠中に水分も奪われているので、脱水症状を防ぐため水分補給を忘れないようにしましょう。
さらに、朝からハードなトレーニングをすると、人によっては疲労で午後眠くなる可能性もあります。早起きが苦手な人にとっては、習慣化するまでが大変かもしれません。
昼~夕方に筋トレをするメリット・デメリット
昼~夕方は体が機能的になるピークで、とても動きやすい時間帯です。脂肪細胞を蓄えようとする時計遺伝子「Bmal1(ビーマルワン)」が減少し、脂肪分解しやすいといわれるため、ダイエットにもおすすめの時間です。
しかし、平日は仕事をしている人が多い時間帯。筋トレの時間がとりづらいことがデメリットになるでしょう。
イスに座ったまま足を上げ下げする「ニーレイズ」など、オフィスで座りながらできる筋トレを取り入れる、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上るなど、仕事中に“ながら”でできるトレーニングを行うのもおすすめです。
夕方~夜に筋トレをするメリット・デメリット
夕方~夜は比較的に時間がとりやすく、仕事や家事を済ませて集中しやすい時間帯ではないでしょうか。
この時間帯は、筋肉の分解を促すホルモン「コルチゾール」が減少し、筋肉の増加を促す「テストステロン」の割合のほうが高まるため、効率のよいトレーニングとなるでしょう。
デメリットとして、ジムに行って筋トレする場合は混雑している時間帯であること、自宅で行う場合はやろうと思っても、昼間の疲れが影響してやる気が起きないなどがあげられます。
また、寝る直前まで運動をしていると、興奮作用のある「交感神経」が優位に働き、寝つきに影響が出てしまうことも。就寝2時間前には筋トレが終わるようにして、入浴してリラックスしてから眠りましょう。
まとめ:筋トレの回数やセット数、負荷を調整して効果的にダイエット
筋トレの回数は、目的によって変えることが効果的です。
ダイエットや引き締めが目的の場合は、「低負荷で15~20回×2~3セット」の筋トレを。筋肥大や筋力アップが目的の場合は、「高負荷で8~12回×2~3セット」が目安です。どちらも正しいフォームでゆっくり行いましょう。
また、筋トレは使った筋肉を休ませることも大切。腹筋とふくらはぎ以外の部位は、連続しないように週2~3回の頻度で行います。
筋トレは、朝昼夜、いつでもいいので、自分が続けやすい時間を選んでコツコツ続けることが大切です。無理なく続けられること、モチベーションを保つことも、効果を出すためのポイントとなります。
自分のメンタルの弱さをどうにかしたい。そんな女性にこそ、筋トレがおすすめです。今回は、筋トレがメンタルに与える効果や理由、いい影響をもたらすやり方などについて解説します。
[ 監修者 ]
- https://www.instagram.com/ayu.fitfit/