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だるそうな女性

糖質不足による体と心の症状は?極端な“炭水化物抜き”が不調に

最近感じる不調や症状は、糖質不足が原因? ダイエットのために極端に炭水化物を制限すると、体や心にとって逆効果になることも! 糖質制限による症状や注意すべきポイントを、医師の松本和隆さんに聞きました。

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糖質が不足しすぎることで起こる症状とは?

糖質とは、ごはんやパン、麺などの「炭水化物」から「食物繊維」を除いたものをいいます。ダイエットや体型維持、健康のために、炭水化物を抜いている、控えているといった女性も多いのではないでしょうか。

糖質不足で起こる「体の症状」

糖質は体にとって必要な栄養素です。急に摂らなくなったり、極端に糖質不足になったりすると、体に次のような症状があらわれることがあります。

体がだるい、疲労感が続く

体は、食事から摂るブドウ糖をエネルギーとして活動しています。ブドウ糖を多く含む炭水化物が極端に減ることで、エネルギー源となるものが不足。その結果、体がだるくなったり、疲労感が続いたりします。

ボーっとする

脳はブドウ糖しかエネルギー源にできません。糖質制限によるブドウ糖不足により、脳の活動が低下。頭がボーっとする、何だかすっきりしない、仕事に集中できない、思考ができないといった状態になります。

疲れている女性

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異常な汗

さらに体のコントロールが効かなくなると、異常に発汗することがあります。体はホルモンを作り、不足している糖をなんとかひねり出そうとします。「アドレナリン」というホルモン分泌により興奮状態になり、汗が止まらなくなることがあります。

手の震え

同じく「アドレナリン」による興奮状態が続くと、手の震えにつながります。無意識に手が震えているときは要注意。体のコントロールが効かなくなり、危険信号を出している状態ともいえます。

めまい

極端な糖質不足により、血糖値が正常よりも下がり過ぎると、めまいを引き起こします。健康な人では少ないかもしれませんが、不調に気づかずに過度な糖質制限を続けると、こうしたひどい症状につながります。

口臭

ごはんやパンなどの炭水化物には適度に水分が含まれています。糖質制限で炭水化物を抜くと、同時に水分も不足。口が乾きやすく、口臭の原因になります。気づかないうちに、糖質不足で“臭うお口”になっている可能性も。

口臭が気になる女性

便秘

糖質制限は、水分だけなく、ごはんやパンに含まれる食物繊維も不足し、一時的に便秘になる場合があります。これまで便秘体質ではなかった人も、排便がスムーズにいかなくなり、便が出にくくなることがあります。

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糖質不足で起こる心(メンタル)の症状

糖質不足が原因による症状は、体だけではありません。心(メンタル)の健康にも影響が出ることが考えられます。

うつっぽくなる

ブドウ糖不足で脳の活動が落ちて判断力が低下したり、自分が思うように体が動かなかったりすると、当然メンタルにも影響が出ます。こうした状態が慢性的になると、不安感、気分の落ち込み、焦りなどが激しくなり、うつのような症状につながる人もいます。

正しい糖質制限のやり方とコツ

白米を食べている女性

ダイエットや健康のために始めた糖質制限も、極端にやりすぎたり、体質に合わないにもかかわらず長く続けたりすると、慢性的な症状につながる可能性があります。

糖質の摂り過ぎはもちろんNGですが、極端に制限するのも危険です。おすすめは、“ゆるやか”に糖質制限をすること。次からくわしく解説します。

1日に摂取する糖質量はどれくらい?

炭水化物(ごはんやパン、麺)を一切排除するのではなく、いつもより減らして食べるのがゆるやかな糖質制限のコツ。1食の糖質量は20~40g(ごはんは半膳程度)、1日で70~130gに抑える食事を心がけましょう。1日1食、2食に減らさず、糖質はおさえつつ“3食”しっかり食べます。

糖質制限中の食事内容は?

ごはんは茶碗半膳(1/2杯)にして糖質を抑え、肉や魚、卵、豆腐などのタンパク質はしっかり摂りましょう。ビタミンやミネラル豊富な野菜や海藻類も摂り、バランスの良い食事を心がけてください。

糖質制限で気をつけることは?

糖質制限を始めると、水分が不足することがあります。水やお茶など、日常的に水分をしっかり補給するようにしましょう。特に、糖質制限を始めたら便秘になったという人は、水分を多めに摂ってください。

糖質不足による症状を感じたらどう対処すべき?

ご紹介したような体や心の症状を感じたら、無理して糖質制限を続けることは避けましょう。いったんやめてみて、自分に合うのか、合わないのかを見極めることも大切です。

低血糖かも…と感じたらジュースか飴を

オレンジジュース

血糖値が正常値よりも下がりすぎる「低血糖」になると、フラフラする、ボーっとする、立てなくなるといった状態になります。糖質不足によるものかを判断するためにも、すぐにジュースを飲む、飴を舐めるなどしてブドウ糖を摂ってください。吸収が早いため、10~15分安静にしていると体調が戻ってきます。

15分以上経っても症状が改善されない場合は、低血糖が原因ではない可能性があります。

不調が続く…と感じたら糖質制限の見直しを

だるい、疲労感が続く、めまい、汗など、病気ではないけれど不調が続く場合は、糖質制限のやり方が合っていないのかもしれません。無理して続けるのではなく、いったんストップしていつも通りの食事に戻してください。

極端に糖質をセーブしている場合は、ご紹介したようなゆるやかな糖質制限をおすすめします。

糖質制限で不調が出やすい人の特徴

次のような人は、糖質制限で不調が出やすくなる場合があります。個人差はありますが、不調を感じたらなるべく無理して続けないようにしましょう。

  • 極端な糖質制限と糖質を摂る生活を、何度も繰り返している人
  • 糖質を制限してダイエットしたもののリバウンドを繰り返している人
  • 運動習慣がなく、ダイエットや健康管理を極端な糖質制限ばかりに頼っている人

まとめ:糖質不足で症状が出たら、糖質制限のやり方を見直す

糖質は、摂り過ぎても良くないですし、かといって極端に排除するのも体に影響があります。糖質制限によって体や心に症状が出た場合は、いったんやり方を見直してみましょう。

糖質制限をストップしたり、やり方を変えたりしても体調不良が続く場合は、別の不調や病気の可能性も考えられます。かかりつけ医やお近くの医師に相談してみてください。

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