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職場でのストレスが軽くなる!面倒くさい「困ったさん」攻略法

メンタルアップマネージャ(R)の大野萌子さんが、ストレスをためない上手な人づきあいを教えてくれるこの連載。第5回のテーマは「職場の困ったさんとうまく付き合う方法」です。毎日、顔を合わせるだけに距離感がむずかしい面倒な人と、ストレスなく付き合うコツを教えてもらいます。

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どの職場にもいる、“困ったさん”たち

何かと扱いが面倒くさい職場の“困ったさん”。あなたの職場にもいませんか? 困ったさんの特徴を知れば、自分がイヤな思いをしないよう自衛することができますよ。からだにいいこと読者のみなさんの声をもとに、困ったさんを4タイプに分けて、解説していきます。

【1】手は動かず口ばかり動く「おしゃべりタイプ」

おしゃべり

【読者の声】
・職場におしゃべりさんが2人いて、その2人とシフトが一緒になるとうるさくて最悪……。
・「おしゃべりしている暇があれば働いてよ」と思うけれど、社歴は圧倒的に向こうが上。結局、何も言えない。
・上の人に注意してもらってもどこ吹く風で、全く直らない。誰が言っても無駄。

こんな「おしゃべりタイプ」は、仕事への意識が低い“かまってちゃん”。心が満たされていない寂しさが、みんなの注目を集めたいという「承認欲求」に。それが、職場での過剰なおしゃべりにつながっています。おかげでこちらの仕事への意欲も削がれてしまい、会社全体の士気も下がってしまいがちです。

【対策】「Iメッセージ」で、はっきり伝える

このタイプには、やんわり伝えても効果なし。はっきり伝えることが大切です。ポイントは、主語が「私」となる文章で話す、「Iメッセージ」で話すこと。相手を責めるのではなく、自分の思いを客観的に伝えることで、メッセージが伝わりやすくなります。

例えば、「すみませんが、“私”は人が話していると集中できないタイプなので、少しだけ静かにしてもらえませんか」というようなフレーズがおすすめ。「“あなた”がおしゃべりしていると、仕事に集中できないので〜」という言い方に比べて、相手も責められていると感じづらくなり、素直に受け止めやすくなります。

それでも続けるようなら、「申し訳ありませんが、今日中に終わらせたいので、急ぎの仕事を手伝ってもらえませんか?」と、仕事を振ってみるのも方法です。

仕事中のおしゃべりは、本来、上の立場の人にきちんと注意してもらうべきこと。ただし、この手のタイプは、上司もなんとなく注意しづらい、言ったところで効果なし、という場合が少なくありません。そういうときは、おしゃべりをしている姿を視界に入れないことで、自分がイライラしないように自衛を。同じ日にシフトに入らないようにしてもらう、オフィスなら席替えをお願いするなどを試してみるのも効果的です。

【2】仲間とつるんで「悪口・グチ大好きタイプ」

 悪口 愚痴

【読者の声】
・女性ばかりの職場なので、悪口と愚痴のオンパレード。悪口仲間と思われるのがイヤ。
・悪口を聞かされると、仕事に対するやる気が萎える。
・そんなに文句があるなら、直接会社や本人に言えばいいのにと、イライラする。

悪口やグチを言う人は、人一倍、どこかのグループに属していたい「帰属欲求」の強いタイプ。わざと「共通の敵」をつくり、悪口やグチを一緒に言うことで仲間意識を高めようとしているのです。

そのため、人のあら探しもお手のもの。仲間の絆を強める「敵」が必要なので、わざわざ人の悪いところを見つけて、ターゲットにします。

【対策】自分は内輪ではないことをアピール

悪口仲間として、お互いに依存する関係をつくろうとするのが、このタイプ。悪口を振られて、「あなたもそう思うでしょ」というムードに押されてしまうと、相手の思うツボです。一線を引いて、「私はよくわからないです」など、悪口の輪に同調しない姿勢をキープしましょう。悪口を通して自分の仲間をつくるのが目的なので、あなたが悪口の輪に入らない“テリトリー外の人”と判断したら、一瞬で興味を失うはずです。

その場のムードに流されて、「そうですね」と悪口に同意してしまうと、後から「○○さんもそう言っていたわよ」と言われかねません。誘導尋問にのせられないように気をつけましょう。会話をするときも、主語を自分ではなく、相手にするのが◎。「××さんはそう思ったんですね」などと言って、興味のないふりをしてやり過ごしてください。

【3】私は特別!攻撃的「マウンティングタイプ」

マウンティング

【読者の声】
・間違いを冷静に指摘したら、感情的に自分の意見を主張されて、げんなり……。そんなつもりじゃなかったのに。
・人のやり方を認めず、自分流に無理やりあてはめようとする。
・仲間と会話していても、自分が会話の主役じゃないと気が済まない。

こうした「マウンティングタイプ」は、プライドやこだわりが強いのが特徴。自分のこだわりが間違っていると指摘されると、感情的になり、なんとしても自分の主張を受け入れさせようとします。

パワハラ・モラハラ的な態度をとるのも、このタイプ。自分の気分次第や相手によって態度を変えるのが「モラハラ」、自分の立場を利用して高圧的に関わるのが「パワハラ」です。どちらにしても、付き合いがむずかしく、厄介なタイプといえるでしょう。

【対策】表面的に相手を立てて攻撃をかわす

「マウンティングタイプ」には、正論をぶつけるほど、自分にダメージが跳ね返ってきます。本人の基準に合う・合わないで判断するので、いくらこちらの言っていることが正しくても、決して受け入れません。わかってもらおうと深入りするほど、逆に強く攻撃されてしまうことに。

例えば、仕事を進める前にひとこと「こういうやり方で大丈夫ですか?」と、お伺いを立てて確認をするのもうまく付き合う方法。

ポイントは、相手のこだわりを冷静に見極めること。そのこだわりを表面的に受け入れて相手を立てることで、他の部分は柔軟に対応してもらうといった交渉もできるようになります。向こうはあなたが自分に一目置いていると思い、攻撃することがなくなるはず。反発した態度は逆効果、と覚えておきましょう。丁寧な対応で「しっかりした人」という印象を与えることも大切です。

【4】暖簾に腕押しの「やる気ゼロタイプ」

やる気ゼロ

【読者の声】
・こちらが丁寧に教えているのに、気のない返事ばかり。どう付き合っていいのか戸惑う。
・やる気がないなら辞めればいいのに、そういう人に限って会社に居座っている。
・何度教えても同じミスをする。教え方が悪いのかと、さすがに落ち込む。

本人にやる気がなく、こちらがガッカリさせられる「やる気ゼロタイプ」。このタイプは、そもそも仕事への熱意がなく無気力。自分に自信がないので、コミュニケーションを積極的に取ることもしません。お互いに信頼関係を築き、人の期待に応えようという気持ちがそもそも薄いのです。人から学んで成長しようという意欲もないので、注意したりほめたりしても、反応なし。こちらが虚しくなりますが、本人はそんな相手の気遣いが理解できません。

【対策】具体的な内容で相手をほめる

やる気がない人の相手をしていると腹立たしくなりますが、声のかけ方ひとつで相手が変わる可能性もあります。対策は、具体的なプロセスを上げて相手をほめること。例えば、「書類をまとめてくれて助かった」と漠然というよりも、「きれいな字でまとめてくれたので、読みやすくてすごく助かった」というのが正解。

具体的にほめられる経験を積み重ねることで、“人の役に立つことの喜び”や“やりがい”が本人の中に芽生えます。ただし、あまり先回りした声掛けは、“指示待ち人間”になってしまうので、気をつけましょう。「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」というように、相手に考えさせる問いかけを意識して。

“困ったさん”の共通点と付き合い方

4つのタイプ別に職場の困ったさんを分析してきました。そんな人たちには、次のような共通項があります。覚えておくと、もっと職場での人づきあいが楽になりますよ。

優遇してほしい「自己チューさん」

職場で嫌われる人、扱いづらい人は、たいてい自己中心的なもの。人に配慮することはなくても、自分は気遣ってもらいたいというワガママな性格が特徴です。こだわりが強くて融通がきかない、プライドが高い割に自分に自信がない、というのも困ったさんの共通点。人とうまく関係をつくれない一方で、他人から認められたい“承認欲求”が強すぎるため、あちこちで人間関係のトラブルを引き起こしてしまうのです。

そんなトラブルメーカーの困ったさんには、上司に適切に対処してもらいたいものですが、現実にはなかなかそうはいかないことも。困ったさんが会社のお局として君臨し、仕事上のことも聞かないとわからない、というケースもよくあります。結果として、その人が原因で何人も会社を辞めていき、業績も下がってしまうことも少なくありません。

物理的距離をおくことが、ストレス減に

ストレス減

そうは言っても、仕事をすぐに辞めるのも難しいし、困ったさんに関わること以外は、今の職場にも仕事にも満足している……。それなら、まずは物理的に距離を置いて、対策をとるのが一番です。

オフィスなら席替えを申し出て、イヤな相手と離れるだけでもストレスから解放されます。直接の理由が言いにくい場合は、「エアコンの風があたるので」「業務の効率化のために」などの理由をつけて、上司に提案するといいでしょう。シフト制なら、「家の事情で」と、困ったさんとシフトが分かれるような工夫をしてみてください。これだけでもずいぶんストレス度合いが違いますよ。

「仕事だから」とガマンするのはNG

職場の人間関係がストレスでも、「仕事だから」とか「収入のために」と、女性はガマンしがちです。友だちならば、会わないという選択肢もありますがが、逃げ場がないのが職場です。自分が感じている以上に、心はストレスを溜めていることもあるので、注意しましょう。

悩んでいるなら上司に相談するのも方法ですが、その際は、冷静に問題点を指摘すること。感情論で「あの人が嫌」と言うだけでは、ただのわがままと取られてしまいがちです。「何に困っているのか」「仕事にどんな悪影響があるのか」という客観的な事実を伝えることで、理解が得やすくなります。

また、寝付きが悪い、眠りが浅いといった不眠や、家を出た後に鍵を閉めたか、火の元は大丈夫か気になって引き返してしまう、心の不安……。こうした症状は、精神的にかなり参っている“ストレス・サイン”。そうなるもっと前に、無理をせず、何らかの対処をすることが肝心です。ストレスを溜め込まず自分の心と体守るためにも、困ったさんとの距離を探ってみましょう。

取材・文/工藤千秋 イラスト/地獄カレー

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