秋から冬へと移る今は気温差に要注意!|からだにいい天気
さわやかな秋晴れの日も、夜にはぐっと冷え込むこの時期は、まさに「季節の変わり目」。寒暖差による体調不良だけでなく、季節性の「うつ」にも注意が必要です。秋から冬にかけての体調管理のコツをお伝えします。
「秋の日はつるべ落とし」ってどういうこと?
秋が次第に深まり、日が暮れるのが早くなって来ました。「秋の日はつるべ落とし」と言います。夕方になると、井戸の水をくみ上げるつるべがカラカラと真っ逆さまに井戸を落ちるかのごとく、あっという間に暗くなって、あわてて家路を急ぐ……そんな季節になりました。
この「つるべ落とし」、まるで夕方になると太陽が速度を上げて沈むかのような表現ですが、そんなことはありません。夏至の後、日は少しずつ短くなっています。ただこの時期、太陽の沈む時刻が加速度的に早まり、例えば東京では、9月1日から10月31日の2カ月では、日没時刻はなんと約1時間20分も早くなります。その変化に脳が追いつかず、「急に日が沈んだ」と錯覚するのです。
実際、毎日同じ時刻に帰宅していると、日が暮れるタイミングがぐんぐん早くなり驚きます。日没前後の交通事故の発生が一年でいちばん増える季節でもあります。夕暮れ時に運転する方は、早めのライト点灯を意識してくださいね。
日照不足が招く季節性の「うつ」って?
日が短くなるにつれて「冬季うつ」を発症する人がちらほら現れ始めます。冬に向かって日差しを浴びる時間が短くなることで、セロトニンが不足することが原因と考えられています。木々の葉が落ちて舞う景色に、もの寂しいと感じるだけでなく鬱々とすることはありませんか?
通勤中、洗濯物を干す時、ランチタイムなど、積極的に太陽の光を浴びるように心がけましょう。ポイントは、太陽を直視しないよう気をつけつつ、目から光を入れるイメージで明るい空を見上げることです。
木枯らしと朝晩の冷え込み 風邪に気をつけて
さて、晩秋から初冬にかけては、冷たい北西の風「木枯らし」が吹くようになります。昔の人は、木々が紅葉し葉を落とすのを、この風が吹き荒れるせいだと思っていました。
木枯らしが吹く日は急激に気温が下がります。朝の気温がいちばん高く、日が昇っても冷たい風で気温が下がる一方だった、などという日もあります。またこの時期、高気圧に覆われて晴れると夜間の冷え込みが強まります。気温差で風邪を引きやすくなるので、服装や寝具で調整しましょう。月の美しい季節、冷えに気をつけつつ秋の夜長を楽しんで。
木々が姿を変えるように、私たちの体もゆっくりと冬支度に入ります。
keyword「木枯らし」
晩秋から初冬にかけて吹く北西の季節風。気象庁はその年初めて吹く木枯らしを「木枯らし1号」として東京・近畿地方で発表する。条件は、気圧配置が西高東低の冬型で、観測される風が風速8m/秒以上であること。この時、日本海側では冷たい時しぐれ雨になり、北日本や標高の高い山では初雪・初冠雪も。
木枯らしが吹くと気温が下がる
日中に冷たい「木枯らし」が吹くと気温が上がらず、夜まで下降し続ける日もあります。
イラスト/中村加代子
(からだにいいこと2018年12月号より)
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