
新美容トレンド「成分買い」で肌悩みを解決!若肌が復活【前編】
今話題の、化粧品の配合成分にこだわって製品を選ぶ「成分買い」。若々しい理想の肌を手に入れるための、成分買いをする際のポイントや注意点を専門家が分かりやすく、徹底的にガイドします。
目次
化粧品は何を買えばいい?今、「成分買い」がトレンド

年を重ねるとともに、シミやシワなどの肌悩みが増えてくると、今まで使ってきた化粧品やスキンケア方法が肌に合わなくなったり、新しい化粧品を試したくなったりしませんか。
昨今、化粧水や美容液、クリームといったスキンケア商品を選ぶとき、「成分」を重視する傾向が広がっています。
自分の肌悩みに合った成分を意識して製品を購入する「成分買い」が新美容トレンドになり、一部の美容マニアだけでなく広く浸透しつつあります。
82%が購入時に成分を意識
からだにいいことアンバサダー182人に、「スキンケア製品を選ぶとき『美容成分』を意識していますか?」と聞いたところ、最も多かったのは「ある程度意識している」で42%。次に「意識している」が40%、 「あまり意識していない」が15%、「全く意識していない」が3% でした。成分を全く意識していない人は少なく、成分への注目度の高さがわかります。

SNSによる成分知識のシェアが急拡大し、成分買いブーム到来
成分買いが増えている背景と理由について、スキンケア成分ハンター・竹岡篤史さんはこう言います。
「化粧品メーカーの場合、化粧品は薬機法の制約により製品の効果を直接的に謳えない代わりに、成分に関する研究内容や技術力をプレスリリースや発表会を通じて発信しています。
また、医薬部外品を中心とした効能表示や韓国美容・K-beautyの影響を受けて、スキンケア成分の公開情報の拡大も後押しして、「ビタミン」や「CICA」などを中心に、成分買いブームが起こっています。
SNSや動画メディアでは、美容成分のプロやインフルエンサーがメーカーの技術や成分について情報を発信。成分知識のシェアが急拡大したことにより、化粧品成分検定の受験者の増加、成分レビューアプリの登場なども目立ちます」
“セルフブランディング”の手段として成分買いを活用

成分表示を消費者がチェックする習慣が広がり、化粧品のパッケージには「〇〇フリー」「○○配合」といったラベル訴求が定着。特に40~50代は肌悩みが増えるため、成分への関心が高い傾向があります。
最近では、美容効果よりも「成分に詳しい自分=“美意識の高い自分”」というブランディングの一部になっています。情報感度の高さを発信したり、美容好きであることをアピールしたりと、自分の価値を高めるセルフブランディングの手段として“成分買い”を活用していると考えられます。
成分買いのメリット・デメリット
化粧品成分を意識することはメリットがありますが、特定の成分の過信によるデメリットも見逃せません。
メリット…無駄な買い物や肌トラブルを回避できる
成分を知ることで、肌質や肌悩みに合わせた選択ができれば、化粧品選びの失敗が減り、無駄買いを予防。科学的根拠に基づいた選択が可能になり、自己解決力が高まる上に、成分という共通の軸があることで、人におすすめしやすいというメリットもあります。
また、成分に敏感になることで、肌が弱い人が肌に刺激を与える成分を避けることができるので肌トラブルを回避しやすくなります。
デメリット…成分を過信し“肌ニーズ”を見落とすことも
SNSなどで話題の成分が良いと過信すると、本来の肌悩み改善のためのニーズから逸れ、効果を実感しづらくなります。
例えば、敏感肌の人が「人気だから」という理由でビタミンCを成分買いすると、肌がピリピリするなど刺激を感じることがあります。また、効果を期待して高濃度配合の化粧品を選んだことで、かえって本来解決したかった肌悩みが解決されない場合もあります。
どんなに良い成分も、肌の状態によって「合う・合わない」があります。成分を過信せず、肌の状態をよく観察し、化粧品と肌の相性にも目を向けて、スキンケア全体として捉えることが大切です。
失敗しない!成分買いをする際のポイント

成分は自分の肌に合った化粧品を選ぶための、有力な手がかりとなるもの。肌悩みの改善に向けて、成分買いで失敗しないために押さえておきたいポイントはこちら。
【ポイント1】成分の有無だけでなく、肌質との相性を大切に
化粧品メーカーは、シミに効くなどの特定の効果を発揮するために、「その成分がどのように肌に浸透して作用するのか」メカニズムの研究し、成分の組み合わせや配合量など処方を調整しています。
気になる成分が見つかったら、成分だけなく、肌に負担にならない配合濃度であるか、今のスキンケア習慣に合うかなど、肌質との相性を大切に。
成分はクリームやローションといったベース処方によって、期待される効果が変わってきます。肌に合う成分があったら、その成分を軸にスキンケアを選んでいくのもおすすめ。
例えば、「CICA」を軸にして、CICAシートマスクやクリームなどを試すことで、肌と相性が分かるようになり、より効果を実感できるスキンケアを見つけることができます。
【ポイント2】成分の組み合わせ、相性に注目
例えば、効果や副作用が比較的よくわかっている「レチノール」は、「レチノール+ナイアシンアミド」など、単一成分より他の成分と組み合わせたほうが、より高い効果を見込める場合もあります。
近年、心に響くスキンケアという意味の「エモーショナルスキンケア」という概念が提唱されています。心地良いと感じる相性の良いスキンケアを使用することで、心理的な安定にもつながるというもの。成分だけでなく、香りや使用感も重要な要素です。
【ポイント3】1カ月以上使い続けられる成分
シワなど美容効果を実感するには2週間から1カ月ですが、新しいスキンケアの使用期間は最低でも28日(ターンオーバー1周期)は継続するのが基本。
シミの場合は簡単には薄くならず、1カ月以上継続して使用する必要があります。3~6カ月は余裕を見たほうがよいでしょう。
SNSの情報は参考程度にとどめて、使用感の心地よさや続けやすい価格かどうか、見極めて選ぶことが大切です。
化粧品への思い込み、効果の“即効性”への過度な期待は禁物

「オーガニック=安全」「無添加=肌にやさしい」「流行りの化粧品は効果がある」というのは思い込み。
オーガニックだから安全とは限らず、天然成分の中には刺激物質を含むものもあります。防腐剤は、化粧品の腐敗を防ぐためにはとても重要。海外でも注目を集めるヴィーガンコスメも、動物アレルギーを持つ人にとっては選択肢のひとつになるものの、“ヴィーガンだから”効果が高いというわけではありません。
また、効果の“即効性”に期待しすぎるあまり、途中で使用をやめてしまう方も多いですが、スキンケアは肌本来の代謝に合わせて「様子を見ていく」ことが大切です。効果を実感しやすくするためには、朝/夜、使うタイミングなども肝。
「思い込みにとらわれず、年齢や季節で変わってくる肌の状態と、洗顔や保湿といったスキンケア習慣など全体を振り返ることが、失敗しにくい化粧品選びの鉄則。より自分に合った製品を見つけ、上手に使い分けて美容をアップデートしましょう!」(竹岡さん)
新成分を正しく取り入れる3つのヒント

新しい美容成分が肌に合う・合わないを判断する方法や、朝/夜の使い分けなど、正しく取り入れて使いこなすためのヒントをご紹介します。
【ヒント1】 マスクや洗顔料、低濃度・ミニサイズから試す
例えば、「コラーゲン」の再生を促し、シワの改善に有効な「レチノール」のように刺激が強い成分は、いきなり美容液を購入するのではなく、マスクなどで試しましょう。
また、高濃度美容成分は刺激も出やすいので、配合濃度が低い洗顔料を使うのも手。さらに、最初はミニサイズを選べば現品サイズを購入するよりも、肌に合わなかった場合のリスクを減らせます。
「レチノール」の場合は0.01%程度、シミを予防する作用のある「ナイアシンアミド」の場合は1%程度の濃度のものから試すのがおすすめです。
【ヒント2】1種ずつ試しながら肌との相性を確認
一度に複数の成分を試すと、どの化粧品の成分が肌に合っているのかわかりづらくなるので、1種類ずつ試すようにしましょう。例えば、普段トラブルなく使っている化粧水、美容液、クリームのなかで、化粧水だけ新しい成分の入ったアイテムに変えてみてください。
また、新しい化粧品は肌が安定している月経後に試すようにしましょう。季節の変わり目は、朝晩の寒暖差が大きくカサつきや肌トラブルが増えやすいので、初夏・晩秋が望ましいです。
【ヒント3】抗酸化系は朝、再生系は夜
朝は紫外線などのダメージから肌を守るために、「ビタミンC」や「ナイアシンアミド」など、抗酸化作用のある成分を使うのが効果的。
紫外線に弱い「レチノール」は、夜に使用することで、肌の再生を促す効果を発揮できます。その他、鎮静効果のある「CICA」や、肌バリアを再生する力のある「ナイアシンアミド」は、夜に使用するのもおすすめです。
「保湿成分は、朝晩ともにしっかり使用しましょう。就寝1時間前に保湿マスクをすると、朝起きたときの肌の水分量が3倍上がるので、ぜひ、取り入れてみてください」(竹岡さん)
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