
自律神経を乱す“悪習慣”を断って不調をふきとばそう!
現代人のほとんどが自律神経が乱れているといいます。見直してみると、何げない生活習慣が、自律神経を乱す根源で、さらには悩みや不調のモトでした。いつもの生活を振り返って、悪習慣をやめてみましょう。
目次
自律神経の上手な切り替えが不調改善のカギになる

「現代人の9割は自律神経が乱れているといっても、過言ではありません」と、神経内科専門医の久手堅司さん。交感神経と副交感神経がバランスよく切り替わるのが理想ですが、“興奮モード”のときに働く交感神経がオンになりっぱなしの人が多いそう。
「日中は自然と心身が緊張状態に。さらに、帰宅後もベッドの中でスマホを見たり、不安やストレスを抱えていたりと、交感神経が優位になっている時間が長いのです」
特に、生理周期によってホルモンの影響を受けやすい女性は、自律神経の乱れによる症状がでやすいとも。肩コリや疲れ、だるさ、冷え、重い更年期障害といった不調が、自律神経のバランスを整えることで改善するケースは多いといいます。
「“気のせい”とか“仕方ない”などとあきらめず、ぜひ自律神経のメンテナンスを。ただし、完璧を目指すのは禁物。プレッシャーになって逆に自律神経が乱れるので、できる範囲で行ってみてください」
心あたりはありませんか? 自律神経が乱れる生活習慣
片方の肩や腕ばかりで荷物を持つ

肩かけかばんの場合、荷物をかけているほうの肩を無意識に上げがち。手提げかばんは持つ側の腕が下がりやすく。どちらも自律神経が通る脊椎のゆがみにつながります。
早食いや満腹になるまで食べる

早食いや食べすぎは、消化を司る自律神経に負担をかけます。食事は、よく噛んで腹八分目までに。特に寝る1~2時間前のドカ食いは睡眠の質を下げるので控えて。
湯船につからずシャワーで済ませる

入浴で体の芯から温まると、お風呂上がりは体温が下がり、眠気が訪れます。シャワーだけで済ませてしまうとリラックスできず、 疲れを翌日まで引きずることに。
寝る直前までスマホざんまい

スマホのブルーライトには脳を興奮させる作用が。深夜までスマホを見ていると副交感神経が優位にならず、眠れなくなったり睡眠の質が低下する原因に。
自律神経とは内臓や血管などのコントロール役

自律神経とは、息を吸う、汗をかく、心臓を動かすといったあらゆる生命活動に関わる神経で、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。危険やストレスを感じたときなどに強く働く交感神経と、睡眠時やリラックスしているときに優位になる副交感神経が、うまくバランスを取り合うのが理想です。
現代人は交感神経が興奮しすぎ
交感神経は心身が興奮モードのときに働く自律神経です。先に挙げた“悪習慣”の多くは、交感神経を優位にするもの。つまり、私たちは常に緊張しっぱなしで、リラックスできていないといえます。
自律神経が整うと体も心もラクになる!
不安やイライラ から解放される

不安やイライラを感じやすくなるのは交感神経の影響。副交感神経に上手に切り替えられれば、 必要以上に焦りや不安を感じることがなくなります。
肩コリ・頭痛が軽くなる

頭や肩は自律神経の通り道になるため、影響を受けやすい部位。 自律神経のバランスが整うと、症状がラクに。逆に、肩コリをとると自律神経が整うことも。
お腹のハリと便秘が改善

「腸に不調がある人の多くは自律神経が乱れている」と久手堅さん。脳と腸は密接に結びついているため、自律神経の働きが改善すれば便秘やガス腹がスッキリ。
睡眠の質が上がる

「眠り始めの90分が睡眠の質を決める」と久手堅さん。寝入りばなで副交感神経がしっかり優位になると、 就寝中に心身がリセットされ、疲労も回復。
つらい冷えが改善する

冷えは、交感神経が血管を収縮させることで起こるといいます。ストレッチなどで体をリラックスさせ、副交感神経をオンにすれば、慢性的な冷えも軽くなるはず。
更年期の悩みが減る

更年期の不調は、ホルモンバランスが崩れて起こる内臓などの機能低下によるもの。自律神経が低下した機能をサポートすることで、症状は軽減できます。
「支配」ではなく「仲良し」を目指す

「自律神経は敵ではなく、味方。無理に切り替えようと考えるとストレスがたまるので気楽に付き合って」と久手堅さん。100%支配しようとせず、“仲良くする”くらいの気持ちでケアを。
(からだにいいこと2021年4月号より)
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