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ごみマナー、騒音、ペット問題…。困った「ご近所トラブル」解決法

メンタルアップマネージャ(R)の大野萌子さんが、人間関係でストレスをためない上手な方法を教えてくれるこの連載。第10回目のテーマは、「困ったご近所さんとの付き合い方」です。引っ越しするのは簡単ではないだけに、ご近所との小さなトラブルは悩みのタネ。そんなちょっとした“困った…”に賢く対処して、ストレスなく暮らすコツを教えてもらいました。

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ご近所トラブルに対してのイライラを解消するには?

住んでいる地域によって、ご近所さんとの距離の近さはさまざま。都会ではご近所づきあいが少なく、隣の人と話したことがないということもありますし、反対に介入されすぎて困るということもあるかもしれません。

いずれにしても、ご近所トラブルで多いのが、騒音やごみ問題。その他、子どもやペット関係も立場によって価値観が違い、イラッとすることも。さらに、おせっかいオバサンなどの付き合いづらい人などもいます。

しかし、多少気になることがあっても、なかなか言い出しづらい…というのが本音。ご近所と面倒な関係にならないためにも心がけたいのが、次の4つのポイントです。

【ポイント1】あいさつがトラブル予防に

ご近所 あいさつ

当たり前のことですが、人間関係の基本はあいさつから。マンション暮らしで隣家のことはまったく知らない、という人もいるかもしれませんが、最低限のあいさつはしておくようにしましょう。

あいさつができる関係になると、ちょっとしたことなら話しをしやすくなりますし、常識的な人と思ってもらえるので、あなたの言い分にも耳を傾けてもらいやすくなります。まずは、自分から心を開いて習慣的にあいさつをして、それから具体的なアクションを起こすのがいいでしょう。

【ポイント2】トラブルが小さなうちに解決する

ご近所トラブル

ご近所トラブルで大事なのは、「ちょっと気になるレベル」のうちに解決してしまうこと。言い出しづらい…とガマンしすぎることで、自分の中にストレスがどんどん溜まっていきます。「もうガマンできない」というレベルに達してから解決方法を探っても、「私はこんなにガマンしてきたのに」という相手への不満が強すぎて、「絶対に許せない!」という気持ちになりかねません。そうなると、自分のメンタルバランスを崩してしまうことにも。お互い譲り合える気持ちがあるときのほうが、トラブルの解決も現実的になります。

【ポイント3】相手との適切な距離を保つ

ストレスを感じるご近所さんとは、距離をおくのが鉄則。家が近くて物理的に距離を空けられなくても、親しくなりすぎずあいさつだけにするなど、付き合い方を工夫することはできます。

大事なのは、相手のペースに巻き込まれないこと。話しかけたら相手をしてくれる、と思われてしまうと、聞きたくもない話につきあわされる場合もあります。言いがかりのような文句を言ってくる人には、普段から毅然とした態度でクールに接するなど、自分で相手との距離感を決めて付き合うのがポイントです。

【ポイント4】事情がわかると、イライラ減少に

人は、知らないことやわからないことには不安を感じ、それがイライラや怒りにつながります。立ち入り過ぎは要注意ですが、相手の事情を聞くことで、ムダなストレスがなくなることもあります。

音がうるさい

例えば、「上の部屋のうるさい足音は、発表会直前でダンスの練習が理由だった」とわかれば、「発表会が終わるまで」という期限が見通せるので、イライラも少なくなります。そういう意味でも、日々のあいさつでちょっとしたことを話せる関係づくりをしておくことが大事です。

ケース別 こんな“ご近所さん”、どうする?

“ちょっとした迷惑”にイライラ…。そんなやっかいなご近所さんへの対応、ケース別に考えてみましょう。

声、足音、楽器…「うるさい騒音」

騒音

・上の階の子どもの足音が昼夜問わずうるさい。「子どもだから仕方ない」とひたすらガマンしているが、本当に耐えるしかないの?
・日曜日の朝から楽器の練習をするマンションの隣人。直接、注意するのは角が立ちそうで、ポストにメモを入れたが、相手から無視されている。非常識な相手に怒りがとまらない!
・向かいの家の夫婦ゲンカがすごい。聞いていてこちらが怖くなるほど。放おっておいていいのかな…。


【対処法】証拠を用意して、具体的な要望を伝える

音に対する感覚は、個人差が大きいものです。自分は「うるさい」と感じても、相手は「これくらいなら大丈夫」と思っていることがよくあります。

普段から、相手と会話できるような関係なのであれば、悶々とするよりも、率直に「困っている」と話してみてください。ほとんど話したことがない相手の場合は、直接やりとりするのは避けるのが正解です。マンションであれば、管理会社を通じて問題を解決しましょう。一軒家の場合は、自治体の相談窓口、自治会の会長さんなどに相談を。騒音問題でよくあるのが、DVや児童虐待などが疑われる場合。そういう時は、「もし、違ったら…」など躊躇せず、まずは警察の安全課などに相談するようにしましょう。

第三者に相談する際のポイントは、感情的にならず客観的に「困っていること」を提示すること。証拠として、「いつ・どんなふうに・何回あった」などをメモや録音しておくのもおすすめです。証拠があることで、相談先もあなたの「困りごと」を真剣に受け止めやすくなります。

また、解決への近道は、何に一番困っていて、具体的にどう解決してほしいのかを伝えること。漠然と「うるさいから静かに」と言っても、相手はどうしていいのかわかりません。例えば、「週末は、朝10時までは楽器の使用は控えてほしい」など、焦点を絞って話すのが肝心です。

うわさ好き、ゴミマナー違反…「ご近所の要注意人物」

ゴミマナー

・ゴミの分別が毎回、適当な人がいる。なんとなく誰かはわかるが、確信がないので注意できずにモヤモヤ。
・近所のうわさ話ばかりするおばさんに、話しかけられるのが苦痛。プライベートを見張られているようで、自分も陰で言われてそう…。
・突然大声を出したりして、挙動不審な人がウロウロしている。子どもが怖がっていて心配。

【対処法】近寄らない。深刻な場合は第三者に相談を

このような要注意人物とは、そもそもコミュニケーションで解決しようと思わないほうがいいでしょう。下手に直接注意すると、逆恨みを買ったり、攻撃をされたりして、より大きなトラブルを引き起こしかねません。

ゴミマナーが悪い人は、回覧板や張り紙、自治会で話し合うなど、個人で物申さずに地域全体で対策を。よくあるゴミ屋敷も地域の問題なので、自治体の相談窓口へ。1回で解決しなくてもあきらめずに相談実績を重ねておけば、窓口の対応に差が出たり、法的な解決となったときに有利になったりします。

大声を出す、非常識な迷惑行為をする人は、近寄らないことが一番ですが、子どもへの説明には配慮が必要です。「あの人は変な人だから」など、不用意なことを言うのではなく、「大声を出されて怖いと思ったら、すぐに家に入るように」など、具体的な対処法を伝えておきましょう。もし、「どうして?」と聞かれたら、「ママがあなたのことを心配だから」と親の不安な気持ちを伝えると、子どもも素直に納得してくれます。

うわさ好きな人は、自分の人生に満足できずに不満のはけ口となる相手を探しています。うっかり話し相手になると、どんどん距離を縮めて依存してくるかもしれません。そういう相手とは境界線をしっかり引き、余計な話しは聞かないという一貫した態度を示しましょう。

しつけやマナーに疑問…「子ども&ペット問題」

・車の通る道で子どもがボール遊びをしていて危険。ママたちはおしゃべりに夢中でほったらかし。しつけがなってないのでは?
・野良猫にエサをやるおばあちゃん、家の軒先に犬のウンチをさせて持ち帰らないおじいちゃん。ペットの飼い主のマナーが悪くてストレス!

ペットマナー

【対処法】自分のストレスを整理してみる

子どもやペットのトラブルは、立場が違うと受け止め方が全く違います。子どものいる人といない人では、遊び声ひとつでも気になる、ならないに差があります。まずはそうした立場の違いを認識したうえで、本当に「許せないレベル」のストレスかどうかを、冷静に判断してみましょう。

子どもの行為にイライラして、親に「家庭のしつけがなっていない」と言うのは考えものです。人の家庭に口出しをしても、効果が得られるどころか遺恨を残すことになりかねません。勝手に敷地内に入るなど、あきらかに注意すべきときは、感情的に怒鳴らずに「何がいけないのか」という事実を子どもに伝えるに留めましょう。

ペットの飼い主のマナーが悪いのは、もはやモラルの問題といえます。そういう人に直接、注意をしたところで、理不尽に言い返されたり関係が悪くなったりして、さらにストレスになるだけ。張り紙や看板などで自衛するほうが賢明です。また、匂いがついてしまうと、その場所が排泄の場所として固定されてしまう場合もあるので、面倒だとは思いますが、早めに水や洗剤を使って洗い流すことも有効です。

注意するときは、デメリットも考える

ご近所さんがどうしても気になってストレスを感じるのは、自分の心に余裕がないタイミングということもあります。「ちょっとイヤだな」という小さなイライラならば、自分の生活を充実させることに集中するのもひとつの方法です。

これまでケース別に困ったご近所さんへの対処法を紹介してきましたが、トラブル解決に共通するのは、ご近所さんたちとの良好な関係性があるかどうかにかかっています。普段から日常会話をするような間柄なら、“ちょっとした迷惑”もさらりと伝えやすいもの。いつもにこやかにあいさつをしていれば、困ったときに相談にのってくれたり、味方になってくれたりする人もいるはずです。

ほとんど付き合いのないご近所さんには、クレームを言うときは慎重に。相手の出方が予想できず、その後の関係に影響するかもしれないというデメリットもあります。こうしたご近所問題は、何か行動を起こす前に、それによるメリット・デメリットを冷静に判断するようにしましょう。

気持ちが追い詰められると、冷静な判断に欠くこともあるので、一人で抱え込まずに第三者に相談することも大切です。上手にご近所さんと付き合い、ストレスのない暮らしを送りたいですね。※相談場所は、自治体によって異なる場合があります。相談前にお住まいの自治体のホームページなどで確認しましょう。

取材・文/工藤千秋 イラスト/地獄カレー

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