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遠井先生サムネ

家族みんなの”かかりつけ医”として地域医療を支える|名医図鑑#6

埼玉県北本市にある「my CLINIC」は、年齢や疾患を問わず、幅広い健康問題に対応するクリニックです。「病気でないときも気軽に相談してほしい」と語る院長の遠井敬太先生に、お話をうかがいました。(取材日 2025年3月29日)

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父のような“なんでも診る”医師像に憧れて

遠井敬太先生
日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医。埼玉医科大学医学部卒業後、神奈川県川崎市の診療所所長を5年務める。埼玉医大総合医療センター救急科、東京医大総合診療科外来医長を経て、2021年にmy CLINICを開業。

医師を目指したきっかけは?

父親が開業医で、その姿を見て育ったことが大きいですね。外科医で入院もやっていたんですが、小さな子どもからお年寄りまでなんでも診るというスタンスで、往診もしていました。そんな父親のような医師を目指したいと医学部に進んだものの、現実は理想と違っていて。日本の診療科は、肺は呼吸器科、心臓は循環器科など臓器別に専門が細分化されており、自分が考えているような横断型の診療科がなく、進路に悩みました。そんなとき、医学生向けの新聞で家庭医療専門医の特集を見て「これだ!」と思ったんです。

家庭医とは、どのようなものなのでしょうか

総合診察医とも呼ばれ、患者さんの幅広い健康問題に対処し、患者さんを中心にご家族みなさんの健康も見守る“家族のかかりつけ医”です。まずは私たち家庭医が診察し、より専門的な診療が必要と判断した場合は専門医と連携します。プライマリ・ケアといって、欧米諸国では一般的なんです。患者さんやそのご家族と長期的な関係性を築きながら、病気を予防することにも力を入れているのが特徴ですね。

気軽に立ち寄ってほしいとカフェスペースを設置

myCLINIC外観
スタイリッシュな外観で、地域のシンボルに。

クリニックの特徴を教えてください

病気ではないときも気軽に立ち寄って健康相談してもらいたいという思いから、カフェスペースと緑の芝生エリアを設けています。お子さんの診察を終えたお母さんが帰りにカフェスペースに寄っていったり、パンを買いに来たお年寄りがクリニックの存在を知ってくれたり、開放感のある、リラックスした空間になっていると思います。

どのような患者さんが多いですか?

このエリアは小児科が少ないため、お子さんが多いですね。お子さんの受診をきっかけに、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんとご家族に広がってきています。また、自分が生まれ育った場所なので、子どもの頃にお世話になってた近所の方々や、小学校の同級生が来てくれることもあります。昔話に花を咲かせつつ、健康相談に乗るのも楽しい時間です。

診察にあたって心掛けていることは?

いま現れている症状を診るだけでなく、これまでの病歴やご家族の状況など、背景も考慮しながら診察しています。また、他に抱えている健康問題がないか探るのも大事な仕事です。例えば、思春期のお子さんが風邪を引いて久しぶりに来院したら、必要な予防接種を済ませているか確認したり、普段の学校生活で困ってることがないか聞いてみたり。病気を予防する、という観点からも、何かあれば気軽に相談できるよう、クリニック全体で患者さんのお話に耳を傾けるということを大切にしています。

患者さんの一生を見届けていきたい

今後の展望を教えてください

患者さんが生まれてから亡くなるまで診るのが家庭医の醍醐味だと考えているので、ゆくゆくは在宅医療もカバーしていきたいですね。現状、私一人ではそこまで手が回らないので、人を増やしていくことが目下の課題です。

ご自身のケアのために取り入れていることは?

休むのが得意ではなく、ついつい働きすぎてしまうので、意識的にぼーっとする時間を作るようにしています。コーヒーが好きなので、豆からひいて淹れるのもリフレッシュになりますね。

my CLINIC
埼玉県北本市石戸5-158-1
TEL:048-590-2211
診療時間:8:15~11:00、14:45~18:30
水曜日、土曜午後、第5土曜、日祝休
https://myclinic-k.com/

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