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渡邊雄介先生

のどの老化を食い止めるカギ “声筋”を鍛えてツヤ声を維持┃ホームドクター(21)

声のプロに幼いころから楽しませてもらった経験と、のどのケガをきっかけに、声を専門にする医師を目指した渡邊雄介先生。のどの若さを保つことが、全身の老化を防ぐという意外な事実を教えてくれました。

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「からだにいいことホームドクター」とは?
「この健康法は自分に合っているのかな」「どうしてこんな不調が起きるんだろう」など、自分ではわからないけれど病院に行くほどではない“セルフケア以上、診療未満”のお悩みを、各科の名医と一緒に解決していく、健康応援プロジェクトです。

歌好きの少年が“のどを診る”医者へ

渡邊雄介先生
渡邊雄介先生

耳鼻咽喉科のなかでも音声言語医学※を専門にした理由は?

渡邊先生 私が‘‘のど’’を専門にする医師を目指した理由は2つあります。父親が「ヤンタン」として有名なラジオ番組「MBSヤングタウン」のプロデューサーで、有名歌手やタレントさんがよく自宅を訪れていました。そのため、幼いころから楽器の生演奏や生歌唱に触れる日々。そんな恵まれた環境で歌が好きにならずにはいられませんでした。もう1つは、小学2年生のときに、のどに有刺鉄線が刺さる大けがをしたことです。痛みのあまり「死ぬかもしれない……」と怖くなったほど。でも、縁あって、のどの名医が手術をしてくださったおかげで大事には至らず、後遺症も残りませんでした。声を出す職業への深い関心と医療への感謝の気持ちを持って目指したのが、のどを診る医者だったわけです。「音声言語医学」という医学分野を知ったときには、自分の進むべき道と確信しました。

※音声言語医学…言語、コミュニケーション、発声、聴覚などの障害に対する評価、診断、治療、およびリハビリテーションを専門とする医学分野。

“のどが老ける”とどんな健康トラブルが起こりますか?

渡邊先生 女性は女性ホルモンが減る40~50代から声帯がむくんで太くなり、声がかすれたりピッチが下がったりする変化が見られるようになります。伸びやかで甲高い、いわゆる‘‘黄色い声’’は出せなくなるんですね。つまずきやすくなるのも、のどの老化が影響しています。体を安定させるには、のどをしっかり閉じて肺をパンパンに膨らませることが必要です。しかし、老化によってのどが十分に閉じないと踏ん張れず、転倒しやすくなるのです。さらに「食道」と「気道」という2つの重要なルートの入口を兼ねているのどが衰えれば、命に関わることもあります。高齢者が誤嚥(ごえん)をきっかけに肺炎を起こしたり、気道を詰まらせて呼吸困難に陥ったりするのは、のどの老化が原因になっています。

のどを若く保つために行うと良いことを教えてください。

渡邊先生 “歌う”のが一番ですね。「声筋」と呼んでいるのどの筋肉は左右に5つずつありますが、日常会話だけ筋肉を満遍なく使うことはできません。高い声、低い声、長く伸ばす、スタッカートなど、さまざまな声出すことで声筋を鍛えられます。カラオケに行かずとも、入浴中に好きな歌を歌うことをおすすめします。プロの歌い手も実践する「チューブ発声法」も、ツヤのある声を維持するために有効です。ストロー1本を口にくわえて、出しやすい音で「う一」と5秒以上発声。10回繰り返します。それができたら「う一」を低音から高音へ、さらに高音から低音へ発声しましょう。少し古い情報ですが、お坊さんと政治家は長生きするというデータがあります。声に出してよくしゃべることは、長生きの秘訣かもしれないですよ。

野球応援でも楽しく歌声を轟かす

渡邊雄介先生

健康の秘訣は睡眠時間の確保と体型維持だという渡邊先生。阪神タイガースの応援に精を出すことが楽しみのひとつで、今シーズンも‘‘アレ’’を期待して「六甲おろし」を熱唱しているそう。

取材・文/江山 彩 協力/MedicalF2F
(からだにいいこと2024年8月号より)

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