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今日から実践したい!研究でわかった「“噛むこと”のエビデンス」4

“噛むこと”は、お口の健康や消化吸収だけでなく、脳や心、全身の健康にも大きな影響を及ぼします。近年の研究で明らかになってきた“噛むこと”のメリットをまとめて紹介します。

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提供/ロッテ

ガムを噛むことが毛髪にも影響の可能性?頭皮血流の増加が明らかに

薄毛が気になる女性

年齢とともに気になる頭髪。最近では睡眠時間や生活習慣の乱れから、若い人でも薄毛・抜け毛を気にする人が増えています。薄毛・抜け毛のおもな原因は、頭皮の血流低下。頭皮の血流が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素が毛根に行き渡らず、健康な髪が生えにくかったり、抜け毛が増える要因となります。

ガムを噛むことで、脳への血流や頸動脈の血流が増加することは知られています。ならば咀嚼(そしゃく)は頭皮血流の増加にも影響が与えられるのではないか? という仮説のもと、ロッテ中央研究所では、「ガム咀嚼習慣と毛髪径に関する観察研究」と「ガム咀嚼による頭皮血流への影響」を検証しました。

その結果、普段ガムを噛んでいる時間が長い人は、少ない人に比べて、頭頂部の毛髪が有意に太いという結果が得られました。一方、側頭部の毛髪では有意な差は見られませんでした。

頭頂部と側頭部の毛髪径の変化
「噛むこと研究室」より

※本研究はあくまで調査研究であり、ガムを噛む習慣と毛髪の太さに関る因果関係を証明したものではありません。

また、ガムを噛んだ時は、ガムを噛んでいない時と比べて頭頂部および前頭部の頭皮血流が有意に増加することも確認され、頭皮血流は頭頂部で44.0%、前頭部で47.1%の上昇が認められました。

これは、噛むことによる咀嚼筋の収縮やお口周りへの刺激により、頭皮につながる顎動脈の血流が増加した結果、頭皮血流の増加につながった可能性が考えられます。

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噛む力で目の機能が活性化。ピントが合わせやすくなる!?

ピントを合わせている女性

人が物を見る時にピントを合わせるのは目の筋肉です。一方、目が疲れてピントが合わせにくくなるなどと言いますが、目の筋肉自体が疲労するわけではなく、血流や自律神経など複雑な要因が絡み合っています。

北里大学医療衛生学部 視覚機能療法学 准教授の浅川賢先生は、自身がパソコン作業で目を酷使した時にガムを噛んだら目がスッキリした経験があり、咀嚼と脳血流についての報告が多数あることから、「噛むことで眼血流も増加するのではないか」という仮説を立て、ガムを用いて咀嚼による変化を実験で確認しました。

その結果、噛むことで白目や目の周りの血流がよくなることが確認できました。また、噛むことで瞳孔が小さくなることも確認されました。

噛むことで眼輪筋の血流がよくなった
「噛むこと研究室」より

瞳孔は副交感神経が優位だと小さくなり、遠くから近くにピントを合わせる時には副交感神経の支配を受ける毛様体輪状筋が働きます。

噛むことにより、血流がよくなったことで眼が疲れにくくなる可能性や、副交感神経が優位になって近くにピントを合わせる毛様体輪状筋が働きやすくなり、ピントが合わせやすくなる可能性が考えられます。

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噛むことでセロトニンが分泌、ストレスフリーに!?

リラックスしている女性

「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」は、心の安定に欠かせない脳内物質です。ストレスや睡眠不足、昼夜逆転などの不規則な生活を続けていると、セロトニンの分泌は減少してしまいます。

セロトニン不足になると、不安になったり、落ち込みやすくなったり、集中力が低下するほか、目覚めが悪くなる、よく眠れないなど睡眠への影響も及ぼし、うつ状態にもつながります。

日常生活の中でセロトニン分泌を促す方法の一つが“噛むこと”です。東邦大学名誉教授でセロトニンDojo代表の有田秀穂先生が行った実験では、20分間ガムを噛むと、被験者のセロトニンの分泌が上昇し、緊張・不安および抑うつといったネガティブな気分尺度が改善されました。

一定のリズムで同じ動きを繰りかえす運動を「リズム運動」といい、セロトニン神経はこのような運動で活性化されることがわかっています。“噛むこと”もこのリズム運動の一つ。無意識に噛んで食べるのではなく、意識して噛むことがセロトニン分泌には大切です。

セロトニンが増えると、目覚めがよくなり、頭がスッキリしてポジティブな気分で過ごせるようになります。朝、昼、夕の食事を意識してしっかり“噛むこと”を毎日の生活に取り入れて、ストレスフリーを目指しましょう。

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「噛む+ウォーキング」で消費エネルギーアップ

ウォーキング

継続すればさまざまな健康効果が期待される身近な運動として、どんな年代にもすすめられるのがウォーキングです。一方、より効果を得ようと早歩きをするなど負荷をかけると、続けられなかったり、身体を痛めたりすることも。

そんな時に取り入れたいのが“噛むこと”です。早稲田大学スポーツ科学学術院 教授の宮下政司先生が行った実験によると、ガムを噛みながら歩くと、噛まない時と比べて心拍数が上がり、運動リズムが向上。同じ時間内で歩く歩数が増えるので歩く距離が長くなり、エネルギー消費増につながりました。

ガムを噛みながら歩くことで、普段の散歩程度のウォーキングが、より効率的なエネルギー消費の機会になります。今後は噛みながら歩くことでエネルギー消費などの身体機能が具体的にどう変わるのか、より詳細な研究が期待されます。

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噛むことで得られる効果についてはさまざまな角度から研究が進んでおり、簡単にできて継続できることが最大のメリット。今日から“噛むこと”を意識して、心身の健康づくりに取り入れてみませんか?

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