1. Top
  2. >楽しむ
  3. >エンタメ
  4. >芸能人インタビュー
  5. >柿澤勇人さん|ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』…作品への想い、「俳優」の横顔
柿澤勇人さん

柿澤勇人さん|ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』…作品への想い、「俳優」の横顔

ミュージカルからテレビドラマまで幅広く活躍中の俳優・柿澤勇人さんに、2022年3月21日より上演されるミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』にかける意気込みや、役者というお仕事について伺いました。

この記事をシェアする

柿澤勇人さん

柿澤勇人さん
かきざわ・はやと
1987年生まれ、神奈川県出身。劇団四季公演『ジーザス・クライスト=スーパースター』で初舞台。『春のめざめ』などで主演。退団後は舞台・映像と幅広い分野で活動。日本テレビ新日曜ドラマ『真犯人フラグ』に出演中。

柔らかく空気を揺らすシルキーボイスの持ち主・柿澤勇人さん。その声を生かし、『メリー・ポピンズ』や『フランケンシュタイン』といったミュージカル、『スルース~探偵~』『愛と悲しみのシャーロック・ホームズ』といったストレートプレイから、ロックバンドのボーカルを演じたテレビドラマ『群青領域』(2021/NHK)まで、作品のジャンルを問わず活躍中です。そんな柿澤さんが、ウエンツ瑛士さんとともに主演を務めるのが、30年もの長きにわたり世界中で愛されてきたミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』。3月21日より東京国際フォーラムほか全国上演を前に、役者というお仕事について、また作品にかける意気込みについて、お話を伺いました。

俳優をめざした高校時代とライオン・キング

高校生の時にミュージカルを観て、俳優を目指されたそうですが、まずは、その頃のことについて教えてください。

「僕はもともと清元(三味線を伴奏に物語を節で語る浄瑠璃の一つ)の家系で、芸をやっている家に生まれました。でも、映画は好きでけっこう観ていましたが僕自身は芸能界には全く興味がなかったんですよね。だから自分が今こんなふうに仕事をさせていただいているのは本当に不思議です。きっかけは高校生のときに劇団四季の舞台を観たこと。あれは本当に雷に打たれたような体験でした。学校の課外授業だったんですが、例年は歌舞伎や能なのに、僕の代だけ劇団四季だったんです。その運命的な出会いで、舞台に立ちたいという思いが募って劇団四季を受け、本当に、ただ純粋に努力していたら、今ここにいる、みたいな感覚ですね」

「芸能界に入る」ではなく、「ミュージカルをやりたい」と言い出した柿澤少年に対する、友人たちの反応は?

柿澤勇人さん

「すごく周りに恵まれていたと思います。当時の僕らは確かに、『ミュージカルってなんだよ?』という感じでした。でも観たらクラスのみんなが『ライオン・キング』のファンになって、僕がハマっているのを知る友人たちは、『勇人、おまえ劇団四季に行けるんじゃないの?』って煽ってくれました。それを真に受けて歌ったりすると、みんな喜んでくれる。そのときの血が沸くような感覚は、畑は違いますが、もしかすると祖父や曽祖父のやっている清元ともつながっているのかもしれないと、歳を重ねるごとに感じます」

ようやく叶った夢の舞台をウエンツ瑛士さんと

柿澤勇人さん
都内のスタジオでウエンツ瑛士さんと一緒にプロモーションビデオの撮影。

今回の舞台『ブラッド・ブラザーズ』は、もともと大好きだった作品で、10年かけてやっと演じられることになったと伺いました。

「知人から誘ってもらい、何の予備知識もなく観に行ったんです。そうしたら『めっちゃ面白い!』と。運命の出会いでした。すごく泣いたし、『もう一回観たい!』と思い、Wキャストだったのでもう片方のキャストの方でも観て、プロダクションが変わって上演されたものも観て、計6回くらい観に行きました。以来、自分でも演じたいと言い続け、念願が叶ったところです」

柿澤さん演じるミッキーと、ウエンツ瑛士さん演じるエドワードは、生き別れた二卵性双生児。やがてミッキーと結婚する幼なじみのリンダ(木南晴夏)を含めた3人は、育った環境に翻弄され、数奇な人生を送ります。ドラマチックな物語ですが、柿澤さんが気に入られたのはどんな部分ですか?

「1幕は7歳から始まるんですが、子役は使わずに、僕やウエンツ、木南ちゃん自身が7歳になり切って演じます。そこがまず役者に課される大きなハードル。よく『役者は裸にならなきゃいけない』と言われますが、本当に心を裸にしなければできない役なので、とてもやりがいがあります。2幕は生き別れた双子の運命を辿る場面。信頼するウエンツ、木南ちゃんとの稽古で積み重ねたものを出せれば、そこは等身大でやれると思うので、1幕が鍵かなと思います」

柿澤さんが考える『裸になる』とは?

柿澤勇人さん

「一般的に、齢を重ねるごとに、周りの目を気にしたり、恐れていることから自分を守るために、殻をまとっていたりするような気がします。『裸になる』とは、その殻の中にあるピュアな部分をいつ何時も自在に引き出せること。今回のように、7歳の子どもを演じるにあたっては、子どもの好奇心や無邪気さを引き出せれば、年齢や容姿など関係なく、観客の皆さんにかわいいと思わせることができる。時に殺人鬼や冷酷な人間という、自分とは全然違う役の人生を歩むこともありますが、そこが役者の目指す根本だと思うんです。でも演じている時間より日常のほうが長いので、殻はついつい厚くなりがち。今回に限らず、殻の中にあるものを引き出す作業はすごく重要で、それができたら面白くなるんですよね」

吉田鋼太郎さんのこと、共演者のこと

柿澤勇人さん

最初にこの作品を観たとき、ミッキーとエディどちらを演じたいと思いましたか?

「ミッキー一択です。僕にエディはできない。ウエンツのエディはイメージできるんですが、客観的に見たときにエディとして立っている僕は想像できません。嘘っぽくなる気がするんですよ(苦笑)。恵まれない環境で育ち、常に何かを欲しているミッキーのほうがすごく理解できるというか。僕は恵まれていないわけじゃありませんが、満たされている感覚がない。ミッキーを見ていてそこに共感し、やらせてもらえるならミッキーだなと」

演出は、舞台『スルース〜探偵〜』(2021)でもご一緒された吉田鋼太郎さんですね。

「当時はお酒を酌み交わして、役者としての相談はもちろん、プライベートなことも相談しました。なので、僕のことはいい部分もダメな部分も全部見抜いていると思います。鋼太郎さんはおうちでは酔っ払うと、常にギターを弾いて一人で歌っているような人なので、音楽も好きだろうし、何より1991年の日本初演でミッキーの兄のサミー役を演じたこともあって作品を熟知している。100%信頼しています」

エディ役のウエンツ瑛士さん、ミッキーの妻となるリンダ役の木南晴夏さんとは、それぞれ共演されている盟友ですね?

「ある意味これは運命かもしれないですが、蜷川(幸雄)さん演出の『海辺のカフカ』(2015)のフランス公演を、僕と木南ちゃんで公演していたときに、ちょうどロンドンにいたウエンツが観に来てくれて、3人でご飯を食べたり、買い物に行ったりしたことがありました。でも3人での共演は今回が初めて。しかも『ブラッド・ブラザーズ』はエディとリンダ、ミッキー、3人の物語。特に、めちゃくちゃクレバーで、歌もすごくうまい木南ちゃんのミュージカルの才能をもっと知ってもらえるチャンスなので、楽しみでしかないです」

お客さんも一緒に楽しんで!

柿澤勇人さん

パリで演じた『海辺のカフカ』の反応は、日本とはまた異なりましたか?

「全然違いますね。当時はコロナもありませんでしたし。一番の違いは日本で公演した『海辺のカフカ』には笑い声がなかったこと。もちろん、みなさん真剣に観てくださったんですが、フランスではそこにゲラゲラという笑い声が加わっていて、それがモチベーションになって僕らも楽しくなるという、すごくいい経験をさせてもらいました。ここ数年、お客さんにもっと楽しんでもらえたら、と改めて思っています。実際、日本も変わってきていますが、コロナ禍においてはいろいろ規制もある。拍手だけでも伝わるので、一緒に楽しんで、一緒に泣いてもらえたらいいなと思います」

今回は舞台ですが、演じるうえでは映像を含め、さまざまな表現手段があります。今、一番興味を持っているのは何ですか?

「一番やってみたいのは映画ですが、芝居という根本は、舞台も映像も一緒なんじゃないかと思っています。実は今回の『ブラッド・ブラザーズ』は、2年ぶりのミュージカルなんです。この2年間は、映像でも、舞台でも、ミュージカル以外の演技をとにかく勉強する、という年にしたかったので。でも2年間、ミュージカルをやっていないと、やっぱりやりたくなるんですよね(笑)」

久々のミュージカルということで準備されていることや、何か「からだにいいこと」はされていますか?

「体調面や体力的なことは、食べ物で気を付けています。あとは大きくなりすぎないことくらいですかね(笑)。変に筋トレをして体を作る役でもないので」

最後に、観劇される方にひと言お願いします。

「僕も役者人生の中でいろいろな作品を観てきましたが、ターニングポイントになった作品は数作品しかありません。『ライオン・キング』ももちろんそうですが、『ブラッド・ブラザーズ』もそんな作品の一つ。コロナの大変な時だからこそ、ご覧いただいた方々にとって、『あの時に観た作品がなんか刺さったんだよね』と言っていただける作品になったらいいなと思います」

取材・文/関口裕子 写真/沖田 悟

柿澤勇人さんのインタビューの続きは2月16日発売の雑誌『からだにいいこと』4月号へ。
Amazon

Amazonで 雑誌『からだにいいこと』2022年4月号 を購入
からだにいいこと 2022年4月号 [雑誌]

からだにいいこと キャンペーン | 雑誌/定期購読の予約はFujisan

【終了】ミュージカル「ブラッド・ブラザーズ」
2022年3月21日(月祝)東京国際フォーラムほか全国公演

リヴァプール郊外で生まれた双子のエドワード(ウエンツ瑛士)は裕福な家に引き取られ、ミッキー(柿澤勇人)は実の母親のもとで貧しくも逞しく暮らしていた。幼い二人はお互いが双子であることを知らないまま意気投合し義兄弟の契りを交わす。貧しさから犯罪に手を染めたミッキーを議員になったエドワードが助けようとするが、運命は二人を容赦しなかった…。

公演スケジュール

<東京公演>2022年3月21日(月祝)~4月3日(日)
会場:東京国際フォーラム ホールC

<愛知公演>2022年4月9日(土)・10日(日)
会場:刈谷市総合文化センター アイリス大ホール

<久留米公演>2022年4月15日(金)~17日(日)
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール

<大阪公演>2022年4月21日(木)~24日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

ブラッドブラザーズ宣伝

ミュージカル「ブラッド・ブラザーズ」ホリプロステージ公式サイト

この記事をシェアする

Recommend Article Recommend Article オススメ記事

オススメ記事をもっと見る