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お金に縛られる人生は「豊か」と言える?

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。 すべてをお金で買うようになってしまった私たちのライフスタイル。それは本当に豊かな暮らしと言えるでしょうか? 自然界で行われている「エクスチェンジ=交換」にならって、一度立ち止まって考えてみましょう。

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ジョン・ムーア

この記事の監修:ジョン・ムーアさん

ジョン・ムーア
社会起業家、オーガビッツアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

買うことが当たり前の暮らしに、少しの工夫を

私はもう何年も前に財布を持つことをやめました。ポケットが財布がわりです。しかも利き腕のほうのポケットには、お金ではなく、いつも種が入っています。私にはお金よりも種のほうが価値があるのです。

現在の私たちの暮らしは、すべてのものがお金によって手に入ると言っても過言ではありません。24時間365日、コンビニエンスストアに行けば、だいたいのものが購入できます。しかし、これは本当に便利な世の中なのでしょうか? そして、未来を守る仕組みなのでしょうか?

私が都会に住む若者を引き連れ、田舎の農家の元を訪ねたときのこと。その農家のおじいさんは、私に言いました。「この若者たちは、全然笑わないね。私の家には1年分のお米がある。でも、この子たちは毎月給料をもらうために働かなくてはいけない。だから、笑顔になれないんだろうね」と。私たちの人生は、いつしかお金というものに束縛されるようになってしまったのです。

自然界を見てみましょう。蝶が花に留まりキスをしているとき、蝶は花から蜜をもらい、人生のエネルギーを受け取ります。そして花は蝶と花粉を交換して種をつくるのです。自然界では、一方通行ではなく、いつも双方向。エクスチェンジ(交換)するルールがあるのです。

人間社会はどうでしょうか? 買うことが当たり前になり、需要と供給という名の下に、過剰な生産や資源の搾取が行われています。この、一方通行で返還しない経済システムによって、私たちは自らの手で地球を苦しめているのです。

しかし、少し生活を工夫すれば返還することはできます。例えば、私はYシャツを着ずにTシャツにすることで、アイロンをかける電力を返還しています。他にも、車を使わず自転車にしたり、バルコニーで野菜をつくったり。誰にでも返還する方法はあるのです。買ったり、もらった分は返すように心がける。すると、お金の価値も変わり、笑顔になれる時間も増えるはずです。そして、その笑顔は未来の地球へと返還されることでしょう。

ジョン・ムーア

ジョンさんからの一言

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ジョンさんがアンバサダーを務めるオーガビッツとは?

orgabits

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日本で最も多くのアパレルブランドが参加するオーガニックコットン普及プロジェクト。オーガニックコットン100%にこだわらず10%の商品を100倍の人に届けるという「逆転の発想」で現在約100ブランドが参加。一枚の服を通しておしゃれに参加出来る社会貢献活動としても注目されている。

取材・文/坂田奈菜子

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