脳科学で“語感”を分析 「令和」はこんな時代になる!
最新脳科学によると、言葉の持つ「音」には、人間の潜在意識に働きかける力があることがわかってきました。新元号の「令和」の語感は、私たちにどんな影響を与えるのでしょうか。専門家に伺いました。
好感度の背景には「レイワ」の音も貢献?
5月1日0時から元号が改まりました。新元号の「令和」は発表された当初から大人気。共同通信社の電話世論調査によると、73.7%が「好感が持てる」と答え、その理由として「新しい時代にふさわしい」(35.6%)、「耳で聞いて響きがよい」(35.5%)などの回答があったそうです。
「令和」が好感をもって受け入れられたのには、出典が万葉集であることや、「Beautiful Harmony(美しい調和)」といった意味ももちろんですが、「レイワ」という音の響きも一役買っているようです。
それでは、「レイワ」という音から、人はどんなイメージを受けるのでしょうか。人間が「音」を発するときの小脳の働きに注目し、音と潜在意識下で呼び起こされるイメージを結びつける「語感分析法」を確立した、感性アナリストの黒川伊保子さんに、「レイワ」という音の語感について伺ってみました。
「涼しい顔で大胆な展開」が令和のイメージ
「レイワは、クール(レ)にして力強く(イ)、華やかに広がるダイナミックなイメージ(レ、ワ)を持っています。
レは舌を広くして翻す音。舌を大胆に動かすと共に、舌の裏を空気にさらすので発音体感は冷たく、クールな余韻を残します。
ワ(ウアを一拍で発音する二重母音)もまた、奥まったウから、大きく開放するアへの変化なので、大胆な口の動きを伴っています。
レイワは、息は放射されないものの、筋肉の動きそのものが大胆でドラマティック。『涼しい顔をして、華やかな展開を起こす』、そんな語感です」(黒川さん)
科学技術や経済が大きく発展する予感
私たちは音を聞くと、ある一定のイメージを抱きます。わかりやすい例が名前です。たとえば「ダイゴロウ」と「シュンスケ」という名前の男性がいたとすると、なぜかダイゴロウは男っぽくて頼りになるタイプ、シュンスケはスマートでさわやかなイメージがわいてきませんか?
「言葉のもつ『音』には、人間の潜在意識に訴えかける力があります。音を声に出した時、大脳では『音の意味をとらえる』という処理を行いますが、小脳では発声したときに口の中で起きる、舌、のど、唇、息などの身体感覚を感じ取り、瞬時に、しかも無意識のうちに、イメージの記憶を呼び起こしているのです」(黒川さん)
そのため、自分の名前は、呼んだり呼ばれたりしているうちに、性格や印象に影響を与えるのだとか。同じように元号も、多くの人が日々発声することになるので、時代の雰囲気に影響を与えると考えられます。
音から見たレイワの時代はどんな時代になるのでしょうか?
「レイワ、という音を人々が使うと、『クールで大胆』な気持ちになっていくので、科学技術の発展や経済効果をもたらす予感がします」(黒川さん)
ただし人の名前としては生きづらいかも
ちなみに、令和は元号としてはいい言葉ですが、人の名前としてはちょっと冷たすぎるので、あやかって人の名前とするのはあまりおすすめしないとのこと。
「クールで華やかな男性の芸名としてはいいと思いますが……。語感としてはショーワくんのほうがずっと生きやすいはずです」(黒川さん)