
体の内側から元気になる「薬膳料理」|からこと体験部
からだにいいことアンバサダーが“健康や美容にいい”施設を訪れ、体験する連載。第2回のテーマは、「薬膳料理」。日々の食事から体調を整えるヒントがぎゅっと詰まった、薬膳料理体験をレポートします!
目次
薬膳料理とは?

薬膳料理とは、季節や体調に合わせて食材を選び、体の内側から元気にしていく料理のことです。
「薬」と聞くと特別なものに思えるかもしれませんが、実は薬膳で使うのは、私たちがふだんスーパーで手にするような野菜や穀物、香辛料が中心。それぞれの食材には「体を温める」「潤す」「巡らせる」といった働きがあり、それらを上手に組み合わせることで、食べながら体を整えていけるのが薬膳の特徴です。
薬膳料理教室体験に参加するのは

今回の薬膳料理教室体験に参加するのは、こちらの3名。それぞれが体の不調に悩みを抱え、薬膳に興味を持ちながらも「薬膳ってちょっと難しそう」「自分にできるのかな?」という思いがあったようです。
写真左から池田えりなさん(42歳):アンバサダー歴2年。冷え・自律神経の乱れが悩み。薬膳料理は気になりつつも、敷居が高い気がしてなかなか手が出せなかったのだそう。今回の体験にワクワク!
オリド マキさん(51歳):アンバサダー歴2年。更年期による眠りの浅さや夏の胃もたれが悩み。薬膳は以前から関心があり、簡単な料理経験あり。作ったことはあっても料理工程が難しいのでは……とちょっぴり不安も。
いずみさん(46歳):アンバサダー歴1年。肩コリ・便秘・睡眠不足など体の不調は盛りだくさん。薬膳料理に興味はありつつも、作るのは今回が初。
訪れたのは、大田ゆう子さん主宰「洗足薬膳お料理教室」

体験の舞台は、東急目黒線・洗足駅から徒歩約2分の「洗足薬膳お料理教室」。駅近ながら、この日は35℃を超える猛暑日。参加者3人は火照った体で教室に到着しました。
扉を開けると、明るく笑顔で迎えてくれたのは、大田ゆう子さん。国際中医師の資格を持つ薬膳の専門家です。
オリエンタルな雰囲気の部屋に通されると、「暑かったでしょ? まずは体の熱を冷ましましょう」と差し出されたのは、鮮やかな赤が美しいハイビスカスとヒースの薬膳茶。
一口飲むと、身体の芯から少しずつクールダウンしていくのを感じます。そう、実はこの瞬間からすでに“薬膳”は始まっていたのです。
洗足薬膳お料理教室では、中医学の考え方をベースに、食だけでなく呼吸や暮らし方までも含めた“整う暮らし”を提案。食材の力を活かしながら、体を内側から整え、美しくなるためのやさしい薬膳レシピを紹介しています。
まずは“体と季節”を知る座学から

体験は、薬膳の基本的な考え方を学ぶ座学からスタート。
薬膳茶を飲みながら、暑さによる体調の乱れを内側から整える「夏の薬膳養生メニュー」について約30分間講義を受けます。
今回の「夏の薬膳養生メニュー」
・冬瓜と白味噌の薬膳カレー
メイン料理は、体の熱を取り、潤いを補う食材として知られる冬瓜を主役にした薬膳カレー。冬瓜は「冬」という字があるので旬は冬だと勘違いされやすいのですが、実は夏が旬です。白味噌の自然なとろみとやさしい風味が、麹の働きとともに胃腸への負担を軽減。熱を冷ましつつも、必要以上に体を冷やさない工夫がされた一品。
・夏野菜のザブジ
副菜には、かぼちゃ、いんげん、とうもろこし、オクラなど、旬の野菜をスパイスとともに仕上げたザブジ。ザブジとは、野菜の水分だけで蒸し上げるインド料理のこと。濃厚にスパイスが香り立ちます。これらの野菜には、胃腸を元気にし、湿気を取り除く(健脾祛湿)作用があることから、夏の体調管理に適した組み合わせ。調理に使われるシナモンやマスタードシードの香りがアクセントとなり、食欲を心地良く刺激するのだそう。
・ハイビスカスとヒースの薬膳茶
食前には、ハイビスカス・なつめ・ヒースをブレンドした薬膳茶が供されました。潤いを与え、血の巡りを促すハイビスカス、精神を落ち着けるナツメ、美白成分とも言われるアルブチンを含むヒースの組み合わせで、内側から穏やかに整える一杯。
・杏仁アイスとスイカのデザート
デザートは、夏に不足しがちな「潤い」を補うための組み合わせ。杏仁のまろやかな甘さとスイカの瑞々しさが、体をクールダウンさせながら、五感に心地良く働きかけます。
季節の変化と体調の関係や、食材が持つ効能など、料理の前に「なぜこの食材なのか?」という背景を学ぶことで、薬膳への理解が徐々に深まっていきます。
「食材選びが、こんなに意味のあることだったとは……。ただ栄養があるから、ではなく、“体を温める”“巡らせる”といった中医学的な役割があることを改めて理解しました。夏に備えて汗のかける体になるなど、季節に応じて自身の体にも目を向けて、今後取り入れていきたい!」(下田さん)
先生の丁寧な説明に、最初は緊張していたアンバサダーさんたちも次第にリラックス。自身の体質や悩みと向き合いながら、日常に取り入れられるアイデアをメモする手が止まりません。
五感をフルに使う薬膳料理体験

座学のあとは、いよいよキッチンへ。
大田先生が食材の切り方の見本を見せてから、3人も同じように手際良く切っていきます。
「冬瓜の皮まで丸ごと使うなんて! 今まで捨てていたのがもったいないと思いました」(オリドさん)
「先生の段取りが上手で、戸惑うことなくスムーズにできました」(池田さん)
調理中、特に驚きの声が上がったのが、無加水調理で作る夏野菜のザブジ。カレー粉と塩だけのシンプルな味付けにもかかわらず、素材のうまみが凝縮され、色味も鮮やか。
「無加水調理は初体験でした。蒸す・焼くはしても、水を加えない調理って盲点。すぐ取り入れたい!」(下田さん)
参加者同士で手を動かしながら、「おいしいって、体が喜ぶ感覚だね」「この調理法、家でもできそう!」と自然と会話が弾みます。
薬膳料理を食べて感じる、整う感覚

仕上げは、完成した料理を囲んでの試食タイム。この時間こそ、薬膳の真髄とも言える“食で整う”体感の瞬間でした。
まずは、3人ともカレーをひと口。同時にみんな目を見開いて「おいしい!」と大感動。食べ進める度に3人の感動が深まります。

「カレー粉と白味噌って合うんですね。まろやかで奥行きがありつつ、味噌っぽさを感じない。不思議!」(池田さん)
「胃腸が弱い私でももたれずに食べられました。市販のルーとの違いに驚き。これが“体にやさしい料理”なんだと実感」(オリドさん)
「冬瓜のおいしさに驚き!淡白で水っぽい食材、料理に取り入れるのが難しいという認識でいたので、『冬瓜のカレーは大丈夫かな?』と思っていたのですが、口当たりがとろりと柔らかく、一気に認識が変わりました」(下田さん)
食材の選び方、調理の工夫、そして食後の体の変化。一連の流れを体験したことで、アンバサダーさんたちは五感で“自分の体と向き合う食事”の意味を実感していました。
食後のデザートにまたもや大感激

実は、今回初めて会ったアンバサダーさん同士。薬膳料理作りを通して、気づいたらお互いに仲良くおしゃべりしていました。食後は、みなさんが待ちに待っていたデザートタイムが始まります。
冷やしたグラスに杏仁アイスを入れたら、金魚の形のスイカを乗せて完成!
「杏仁アイスと、スイカが混ざったクリーミーなおいしさに感激しました」(池田さん)
「『デザートで最後に体を冷やして』という先生のお言葉通り、デザートまでいただいた後は鎖骨下あたり、胸の前が涼やかに感じられて驚き」(下田さん)
「『食事で体を温めて、デザートでひんやり落ち着かせる』という、メニュー全体を通して体を整えるという考えを学びました。ただ単に、“甘いもので〆る”ということではないということを知り、目からウロコでした」(オリドさん)
大満足で3人の“薬膳スイッチ”がオン!
参加した3名とも口をそろえて、「また作りたい!」と話しながら体験は終了。体験後、2人の参加者が早速その日にザブジを作ったと聞き、満足した様子が伺えました。
「先生の優しいお人柄でリラックスでき、とても楽しい時間であっという間でした。体への健康意識が高い方とご一緒でき、普段なかなかできない女子活で、心身ともにリフレッシュできました」(池田さん)
「先生がとても優しくお話も面白く、普段スーパーで手に入る食材だけを使ったので、“難しいもの”と、身構えなくても良かったのが嬉しかったです」(オリドさん)
「薬膳は知識がないとできないと思っていたけど、日常に取り入れられるヒントがたくさんありました。“健康で丁寧な暮らし”にアップデートしたいです!」(下田さん)
【募集中!】薬膳料理体験メニューを限定2日間でレッスン開催

今回、アンバサダーさんと一緒に体験した「夏の薬膳養生メニュー」を、「洗足薬膳お料理教室」と「からだにいいこと」のコラボ企画として、特別料金にてレッスンを開催します! 薬膳料理にチャレンジしてみたいけど、なかなか勇気が出なかった方にもおすすめですよ。お申込みは、下記の「洗足薬膳お料理教室」のHPにて。先着順になりますのでお早目にお申込みください。※「からだにいいこと」で募集をしていませんのでご注意ください
<体験レッスン詳細>
日程:8月12日(火)11:00~14:00、8月13日(水)11:00~14:00 どちらか
内容:「夏の薬膳養生」薬膳座学+調理+試食
定員:各日8名様まで(4名様から開催)
料金:5,000円(税込)
※事前の振り込みとなります。※振り込み後のキャンセル対応はいたしかねます
申し込み:からだにいいことコラボ 薬膳体験レッスン 申し込みフォーム
問い合わせ先:洗足薬膳お料理教室(からだにいいことではございません)
今回「薬膳料理」を体験した施設
洗足薬膳お料理教室
最寄り駅:東急目黒線「洗足駅」(詳細は参加者にご案内します)
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