
【下腹部引き締め】足上げ腹筋「レッグレイズ」の正しいやり方・効果
ぽっこりした下腹部、気になっていませんか? 「足上げ腹筋」とも呼ばれる「レッグレイズ」は、特に下腹部の引き締めに効果的なトレーニングです。このレッグレイズの正しいやり方や期待できる効果を紹介します。
目次
足上げ腹筋「レッグレイズ」ってどんな運動?
レッグレイズは、仰向けに寝たまま行う腹筋のトレーニングです。特別な器具は必要なく、自宅で手軽に取り組めます。
主に腹筋の下部を集中的に鍛える運動で、ぽっこりお腹の改善をサポートしてくれます。
普通の腹筋「シットアップ」との違い

普通の腹筋運動と足上げ腹筋の違いは、筋肉の「収縮様式」、つまり“力をどう発揮するか”です。
筋肉の収縮には、次の3つの種類があります。弱い順にご紹介します。
- 求心性収縮:筋肉を縮めながら力を発揮する。
- 等尺性収縮:関節を動かさず、筋肉自体の長さは一定のままで力を発揮する。
- 遠心性収縮:筋肉が引き延ばされながら力を発揮する。
いわゆる普通の腹筋「シットアップ」では、上体を起こす際に筋肉を縮める「求心性収縮」という様式を使います。
一方レッグレイズでは、足を上げるときには「求心性収縮」を、足を下すときには「遠心性収縮」という様式を使います。要するに、強い収縮力を必要とする、つまりより高い負荷をかけられるのはレッグレイズということです。
「普通の腹筋でもキツいのに……」という声も聞こえてきそうですが、ご安心ください。レッグレイズはシットアップと比べて負荷量の調整をしやすいのも特徴の1つです。
ひざを曲げたり、片脚ずつレッグレイズを行ったり、あるいは「片脚ずつ、ひざを曲げて行う」といった方法で負荷を下げることができます。
トレーニング選びや負荷の調整は、自分の体力に合わせて行っていくことが大切です。
レッグレイズで鍛える筋肉

レッグレイズでは、主に次の2つの筋肉を鍛えることができます。「どこに効くか」を意識すれば、効果も感じやすくなることでしょう。
腹直筋
腹直筋は、体幹の前面にある筋肉。「腹筋」と言ったときに、多くの人が最初に思い浮かべることができる筋肉です。
この筋肉は日常生活で使うことが多く、次のような役割を持っています。
- 体幹を前に曲げる
- 起き上がる
- 姿勢を維持する
レッグレイズでは、特にこの腹直筋の下部(下腹の部分)に効果的に働きかけます。腹直筋下部を鍛えることで、ぽっこりお腹の改善につながるでしょう。
腸腰筋

腸骨筋、大腰筋、小腰筋の3つを合わせて「腸腰筋」と呼びます。腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐインナーマッスルです。表層からは確認しづらいものの、下記のような働きを担っています。
- 股関節を曲げる
- 骨盤の傾きをコントロールする
- 体幹を安定させる
レッグレイズでは、腹直筋とともにこの腸腰筋もトレーニングすることが可能です。腸腰筋を鍛えると、姿勢の改善や腰痛の予防にも役立つと言われています。
レッグレイズの正しいやり方

レッグレイズに限らず、筋トレの効果をしっかり得るためには、正しいフォームで行うことが何より大切です。ここでは、レッグレイズの基本的なやり方から、トレーニング効果をより高めるためのコツまで見ていきましょう。
基本的なやり方

レッグレイズ(足上げ腹筋)はその名の通り、脚を上げ下げする運動です。ベースとなる「基本のやり方」を解説します。
- 床に仰向けになり、手は体の横に置いて手のひらを下向きにする。
- 脚を揃えたまま、ゆっくりと両脚を天井に向かって持ち上げる。足が床と垂直になるくらいまで上げる。
- ゆっくりと脚を下ろす。この時、完全に床につける手前で止める。
1~3を繰り返します。目安として、10回を1セットとし、3セット行うことから始めましょう。
※腹筋が弱い方は足を下ろすときに腰が反ってしまい、痛みが出ることもあります。負荷量を調整しながら、自分の体に合った方法や頻度を見つけましょう。
効果を高めるためのポイントと注意点

レッグレイズの効果をさらに高めるためには、3つのポイントを意識することが大切です。
- 動作中は常に腹筋に力を入れておく
- 腰が反って背中が床から離れないように意識する
- 脚を上げ下げさせるときは、反動を使わない
動作に慣れていない方や、体が硬い方、筋力が弱い方がレッグレイズを行うと、腰が反ってしまうことがあります。すると腹筋に正しく刺激が入らないだけではなく、腰痛の原因になってしまう場合があるので、注意が必要です。
負荷を調整しながら取り組んでみてくださいね。
いつ行うのがおすすめ?

レッグレイズをはじめとする、筋トレの効果を最大化するためには、午後から夕方にかけて行うのが効果的です。
どうしても生活リズムが合わない方に向けて、ここでは朝・夜に筋トレをするメリットとデメリットをまとめます。
<朝に行う場合>
メリット
- 脂肪燃焼効果が高い
- 一日の代謝量が上がる
- 男性ホルモン「テストステロン」の分泌が活発化し、活動的な一日になる
デメリット
- 体温が低く筋肉が固まっているため、ケガのリスクが高い
- 空腹状態のため栄養状態が悪く、筋肉の分解が進むリスクがある
<夜に行う場合>
メリット
- 体温が高く、筋肉の柔軟性が高い
- ケガのリスクが低い
デメリット
- 睡眠の質が下がるリスクがある
- 後回しになりやすく、継続できないリスクがある
頻度としては週に2〜3回を目安に行えば、筋肉が回復する時間とトレーニングのバランスが取れ、効率よく鍛えることができます。
できれば空腹時や満腹時の筋トレは避け、栄養状態の良いときに取り組むようにしましょう。
レッグレイズの効果

レッグレイズを続けることで、ダイエット効果をはじめ、さまざまな良い効果が得られます。お腹まわりの引き締めだけでなく、姿勢の改善やそれに伴う運動効率の向上などの効果も期待できますよ。
お腹まわりの引き締め効果

レッグレイズでは腹直筋や腸腰筋を中心に、お腹まわりの筋肉を効率よく鍛えることが可能。そのため、ぽっこりお腹の引き締めに効果的です。
また、インナーマッスルを目覚めさせることで内臓を支える力が強まるため、お腹がすっきり見えるようになります。
代謝が上がる
筋肉量が増えると、基礎代謝(安静時の消費エネルギー量)が上がりやすくなります。
腹筋は体の中でも比較的大きな筋肉なので、レッグレイズで腹筋をしっかり鍛えれば代謝アップをサポート。痩せやすい体づくりにもつながります。
姿勢や腰痛の改善
反り腰など姿勢の乱れは、見た目の印象だけでなく、腰痛の原因になることも。こうした悩みを改善するにも、レッグレイズはぴったりのトレーニングです。
レッグレイズで腹筋や腸腰筋が鍛えられると、体幹が安定。すると徐々に、意識しなくても自然と正しい姿勢を取れるようになります。腰への負担が減るため、腰痛の改善にも役立ちますよ。
疲れにくい体作り

レッグレイズを続けるうちに、長時間の作業や立ち仕事のときなど、姿勢を保持することに対する疲労感が軽減することがあります。これは、レッグレイズで体幹が安定することが関係しています。
体幹の筋肉、特にインナーマッスルである腸腰筋がしっかり働くようになると、日常生活での体のブレが少なくなり、運動効率が向上。これにより、長時間同じ姿勢でいたり、少し体を動かしたりする際に、疲れを感じにくくなると考えられるのです。
レッグレイズでお腹まわりをすっきり引き締め!

ぽっこりとした下腹部を引き締めたい方にぴったりなのが、レッグレイズ(足上げ腹筋)です。お腹は特に脂肪のつきやすい部位のため、食生活を見直すことでお腹の引き締め効果を最大化させることができます。
腹直筋の下部や腸腰筋を効果的に鍛えれば、お腹まわりが引き締まるだけでなく、姿勢が良くなったり、代謝アップにつながったりと、様々な良い変化が期待できます。正しいフォームを意識しながら続けて、理想の体に近づいてくださいね。
[ 監修者 ]