
肌・免疫・肥満予防に大活躍!話題の新腸活「発酵性食物繊維」とは
腸活の常識が変わってきた今、新しい腸活として「発酵性食物繊維」が注目されています。腸内細菌のエサになって作り出す物質は、肌・免疫・肥満予防に大活躍!その秘密をまるっと解き明かします。
目次
大切なのに足りていない…ますます高まる食物繊維の重要性
食物繊維はかつては「食べ物のカス」で不要なものとされていましたが、現在ではさまざまな健康効果が認められ、「第6の栄養素」と呼ばれています。
食物繊維は摂取量が多いほど心筋梗塞や乳がん、胃がんなどの発病率や死亡率が低くなることが認められ、1日25に~29gの摂取で生活習慣病リスクを低下させるという報告があります。
WHO(世界保健機関)でも、「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)でも、1日25g以上が食物繊維摂取の基準ですが、日本人の食物繊維量は年々少なくなっており、男女ともに1日5~10g、平均すると「1日6g」が不足しているのが現状です。

腸活の「常識チェンジ」でますます高まる食物繊維の重要性
一方、近年の調査・研究によって、腸活の常識が大きく変わってきました。「第2の脳」といわれる腸は、腸内フローラの状態が全身の健康やメンタルにも影響を及ぼすことから、さまざまな「腸活」がブームになりました。
これまでの腸活は、発酵食品を食べて善玉菌を体に取り入れる「プロバイオティクス」が中心で、さらに食物繊維など腸内細菌のエサを食べて善玉菌を元気にする「プレバイオティクス」や、善玉菌と食物繊維を同時に取り入れる「シンバイオティクス」などが行われていました。ところが、最近、そうした善玉菌の働き以上に注目されているのが、腸内細菌が作り出す物質「短鎖脂肪酸」です。

新腸活のカギは「発酵性食物繊維」
「短鎖脂肪酸」は長寿で健康な人の腸内に多い物質で、日本でも100歳を超える方の割合が全国平均の3倍以上という京丹後地域に住む人を対象とした研究で、血管や免疫などの若さが維持できている人には「短鎖脂肪酸」を作る菌が多いことがわかりました。
そして、この「短鎖脂肪酸」は、こうした菌が「発酵性食物繊維」をエサにして発酵(代謝)させて作り出すことがわかってきたのです。

短鎖脂肪酸は大腸に直接作用する以外にも、血流にのって全身に運ばれ、さまざまないい効果を発揮します。短鎖脂肪酸は世界中で研究が進み、次々と新しいエビデンスが報告されています。
つまり、「短鎖脂肪酸をいかに作り出すか=発酵性食物繊維をいかに摂取するか」が、腸活の新常識なのです。
食物繊維はこれまで「水溶性食物繊維」か「不溶性食物繊維」かで分けられてきましたが、今後は腸内細菌によって発酵しやすい「発酵性」と「難発酵性」で分けることがスタンダードになるといわれています。なお、発酵性食物繊維の多くは水溶性食物繊維です。

肌・免疫・脂質代謝etc. 発酵性食物繊維のすごいパワー
発酵性食物繊維を摂ることで、下記のようなさまざまな作用が期待できます。

【腸】
・腸管のバリア機能を高める
・善玉菌がすみやすい腸内環境を作る
・悪玉菌が繁殖しづらい腸内環境を作る
【肌や全身】
・肌のうるおいや弾力
・過剰な免疫反応を抑える
・血糖値上昇を抑制
【肥満予防】
・脂質代謝改善
・脂肪のため込みを防ぐ
・食欲抑制
・基礎代謝アップ
・交感神経活動を高めエネルギー消費を促進
最新エビデンス:発酵性食物繊維で肌が変わった!
発酵性食物繊維を6週間摂取した30~40代女性に、「シワの数が減少」「キメが整う」「毛穴の状態の変化」が見られ、「肌バリア」と「肌のキメ」の向上が統計的に証明されました。
●発酵性食物繊維を摂ることでシワの数が減少

●発酵性食物繊維を摂ることで、肌表面の凹凸が減少→キメが整う

●発酵性食物繊維を摂ることで、毛穴の状態が変化

資料提供/一般社団法人発酵性食物繊維普及プロジェクト
試験監修:山崎まいこ先生/まいこ ホリスティック スキンクリニック 院長 皮膚科医
あなたは足りてますか?発酵性食物繊維チェック
実は、「食物繊維は摂っているつもり」という人も、発酵性食物繊維は摂れていないことが多いもの。早速下記をチェックしてみましょう。
□生野菜のサラダをよく食べている。
□果物をよく食べている。
□炭水化物を控えている。
□わかめやこんぶなどの海藻はあまり食べない。
□豆類や根菜を食べることが少ない。
□肌の調子がいまひとつ良くない。
□腸活しているのに体調の変化を感じられない。
発酵性食物繊維は穀物や豆、芋などに多く、生野菜のサラダや果物をよく食べていても十分に摂ることができません。また、炭水化物を控えるダイエットなどをしていると、発酵性食物繊維が不足しがちになります。
便通はよくても、肌や心身の調子がいまひとつと感じる場合は、もしかすると発酵性食物繊維が不足しているかもしれません。
専門家が勧める1日の発酵性食物繊維摂取量は、「いつもの食事に+3g以上」。下の表を参考に、発酵性食物繊維を摂るように心がけましょう。
●食品中の発酵性食物繊維量(1食あたり)

監修:青江誠一郎先生(一般社団法人日本食物繊維学会 理事長/大妻女子大学 家政学部 教授)
発酵性食物繊維の摂り方ポイント3つ
発酵性食物繊維の摂り方のポイントは以下の3つです。
■いろいろな種類の食材から摂る
発酵性食物繊維と一口に言っても、オリゴ糖(大豆、玉ねぎなど)、アルギン酸(昆布、ワカメなど)、イヌリン(ごぼうなど)、β-グルカン(大麦、オートミールなど)など、いくつかの種類があります。その多くは水溶性食物繊維で、腸内細菌によってエサにする発酵性食物繊維が異なります。「ばっかり食べ」をせず、幅広い食材から摂るようにしましょう。
■主食の穀類から摂ると効率が良い
ごはんやパン、麺類など、主食から摂取すれば食物繊維量を無理なく増やすことができます。
■発酵食品と一緒に摂る
発酵性食物繊維は発酵食品に含まれる善玉菌のエサになるので、あわせて摂ることでよい効果が期待できます。
ドラッグストアで買える!発酵性食物繊維が摂れる商品
発酵性食物繊維に注目し、発酵性食物食品を普段の食生活の中で無理なく「ちょい足し」できる商品も販売されています。その一部をご紹介しますので、気になるものから取り入れてみては。
ミツカン「Fibee」むぎゅっとワッフル(アールグレイ)

全粒粉やおからを使って焼き上げた、むぎゅっと食感のワッフルです。アールグレイが華やかに香る、やさしい甘さ。おからベースの生地なので腹持ちが良く、小腹満たしにぴったりです。
ミツカン「Fibee」むぎゅっとワッフル(ココア)

全粒粉やおからを使って焼き上げた、むぎゅっと食感のワッフルです。やさしいココア味で、甘さ控えめ。おからベースの生地なので腹持ちがよく、小腹満たしにぴったりです。
ミツカン「Fibee」ほろあまバウム プレーン

おからと玄米を使用し、やさしい風味にこだわったバウムクーヘンです。食べ飽きない甘さに仕上げました。
ミツカン「Fibee」ひとくちビスキュイ オレンジとカカオニブ

オレンジとカカオニブを練りこんだ、さくっと食感が特徴です。ほんのり広がるバターの香りと、かりっとほろ苦いカカオニブの風味をひと口サイズで楽しめます。
ミツカン「Fibee」完熟トマトのキーマカレー

炒め玉ねぎに完熟トマトを加えて煮込んだキーマカレーです。厳選した11種のオリジナルスパイスが味の引き立て役。さっぱりとしながらも旨味と満足感の感じられる味わい。レンジでそのまま温めるだけなのもうれしい。
DELCO(デルコ)

整腸作用が期待できる「ビフィズス菌BB536」と発酵性食物繊維のイヌリン(菊芋抽出物)を配合。食生活に取り入れることで腸内環境を良好にし、腸の調子を整えるサポートを期待できる機能性表示食品です。60粒/約30日分
丸彦「おてがる腸活おかき」

こだわり素材3つの味が美味しい!足りない食物繊維を1日2袋(個包装)で補えます。発酵性食物繊維のイヌリン入りの新米菓。一般的な「おかき」より糖質が38%オフで化学調味料不使用。気軽に美味しく腸活できて珈琲にも合うおかきです。
日清オイリオ「食事のおともに食物繊維入り緑茶」

難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)が含まれた機能性表示食品。難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)には、食事から摂取した糖の吸収を抑え食後の血糖値の上昇をおだやかにする機能や、食事から摂取した脂肪の吸収を抑え食後の中性脂肪の上昇をおだやかにする機能があることが報告されています。朝食・昼食・夕食時に食事とともにどうぞ。
小林製薬「イージーファイバー乳酸菌プレミアム」

腸内の善玉菌(ビフィズス菌)率を増やし、難消化デキストリン(水溶性食物繊維)を配合して腸内環境とお通じを改善。1日1パックまたは2パックを目安にお好きな飲み物や料理に混ぜて、いつもの食事を簡単腸活メニューへ!
発酵性食物繊維入り商品が買える店頭コーナーへGO!
発酵性食物繊維の宝庫・北海道で「サツドラ×からだにいいこと」店頭コーナー展開中
北海道を中心に展開するドラッグストアチェーン「サツドラ」では、発酵性食物繊維コーナーを展開中(2025年7月7日~)。記事内で紹介した商品も購入できます。イベント開催中には、からだにいいことアンバサダーによる店頭レポートも予定しています。どうぞお楽しみに。
資料提供・協力/一般社団法人発酵性食物繊維普及プロジェクト https://hakkousei-fiber.org/
撮影/大槻夏路
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