この記事では、クレンジングの種類とその特徴、効果について詳しく解説します。併せて、洗顔との違いにも触れているので、クレンジングについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

クレンジングとは？

クレンジングとは、日常のメイクや余分な皮脂をしっかり落とすためのスキンケア製品です。

メイクには油分がよく用いられるため、水だけでは落としきれません。そのため、クレンジングが必要です。

クレンジングにはクリーム、ジェル、リキッド（オイル）などの種類があり、それぞれ異なるクレンジング力を持っています。正しい使用方法と適切な使用量を守ることで、メイクを落とすだけでなく、肌への負担も軽減できます。

クレンジングは洗顔の前に行うものです。肌についた汚れやメイクをクレンジングで浮かせてから洗顔を行いましょう。メイクはもちろん、日焼け止めを塗った日もクレンジングは必要です。

クレンジングのタイプは10種類！特徴やおすすめの用途

ひとくちにクレンジングといってもさまざまな種類があります。市販のクレンジングは種類によって成分やテクスチャーが異なり、大きく10種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴や用途について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

（1）オイルクレンジング

オイルクレンジングは、名前通り油性成分を主要成分とし、スピーディーにメイクとなじむのが特徴です。

肌にのせてからのメイクを浮かせる時間が短く、効率的にメイクを落とせます。

ただし、オイルクレンジングの洗浄力は高いため、メイクだけでなく、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまう可能性があります。

クレンジング後は、十分に水（ぬるま湯）で乳化させ、しっかりとすすぎましょう。油性成分が肌に残ると、メイク汚れと混ざり、ニキビや毛穴の詰まりなどの肌トラブルの原因になる可能性があります。

（2）クレンジングジェル

クレンジングジェルは、独特のトロリとした滑らかなテクスチャーが特徴で、肌への摩擦を最小限に抑えながら効果的にメイクを取り除けます。

クレンジングジェルは、肌との間にクッションのような層をつくり出すため、肌への摩擦リスクの低さが大きなメリットです。その滑らかなテクスチャーは優しく伸ばしやすく、肌への刺激を軽減します。

また、クレンジングジェルは水性と油性の2つのタイプに分けられます。水性タイプにはオイルフリーとオイルインのバリエーションがあり、肌の状態やメイクに合わせて選びやすいのも特徴です。

クレンジングジェルにはオイルを含むものと含まないものがあるため、製品ごとに洗浄力が異なります。

（3）泡クレンジング

泡（炭酸）クレンジングは、泡状で出てきて顔に均一に広がり、こすることなく簡単にメイクを落としたい場合に適しています。

「炭酸」と聞くと刺激が強いとのイメージを持つ人もいるかもしれませんが、炭酸は水と反応すると素肌と同じ弱酸性になります。

炭酸が肌に触れた反応によって毛細血管が酸素の運搬を促進するため、血行が良くなります。結果として、肌の代謝が上がって肌のキメが整い、ハリやツヤがアップし、健康的な肌をサポートします。

ただし、一般的なクレンジングよりも価格が高めの場合があります。泡クレンジングは毛穴の黒ずみが気になる方やさっぱりとした洗い上がりを好む方におすすめです。

（4）クレンジングクリーム

クレンジングクリームは、こっくりとリッチなテクスチャーが特徴で、肌への摩擦を最小限に抑えます。

油性成分と界面活性剤がバランス良く調合されていることが多く、洗浄力が適度で肌に優しいのがメリットです。そのため、乾燥が気になる方や敏感肌の方にも適しています。クリームがメイクを浮かせ、肌を保護し、しっとりとした洗い上がりをもたらすのも特徴です。

ただし、一般的なオイルタイプやリキッドタイプのクレンジングと比べると、クレンジングクリームを肌になじませるのに時間がかかることがある点に留意してください。そのため、ゆっくりと時間をかけてクレンジングを行いましょう。また、洗浄力はオイルクレンジングやオイルを配合したジェルに次ぐ程度です。

（5）クレンジングミルク

クレンジングミルクは、乳液のようにしっとりとしたテクスチャーで、スキンケアのような軽やかな使い心地が特徴です。洗浄力は比較的控えめで、メイクを優しく取り除きながら、肌に必要なうるおいを保持します。

肌への負担が軽減されるため、敏感肌や乾燥が気になる方に適しています。また、洗い上がりもしっとり感のある商品が多い傾向があります。

ただし洗浄力が低いため、メイク汚れとのなじみにやや時間がかかることがあります。また、脂性肌（オイリー肌）の方や毛穴の詰まりが気になる方は、物足りなさを感じるかもしれません。

クレンジングミルクは、洗浄力が低く、保湿力が高いため、ナチュラルメイクをする方や、肌に優しいケアを求める方に向いています。

（6）リキッドクレンジング

リキッドクレンジングは、軽やかでべたつきにくいテクスチャーが特徴です。最近では、オイルフリーやマイルドなタイプも増えています。

リキッドタイプのクレンジングは、濡れた手でも使用できる便利なものが多く、入浴中に手軽に使用可能です。すすいだ後にべたつきを感じにくいため、さっぱりと洗えるでしょう。

しかしながら洗浄力が強力であるため、薄化粧の方や乾燥肌の方の場合、過度な使用によって肌が突っ張る感覚になる可能性があります。

洗浄力は高くないため、濃いメイクを落とすには不向きでしょう。

（7）クレンジングウォーター（水クレンジング）

クレンジングウォーターは、化粧水のようなさっぱりとしたテクスチャーが特徴です。一般的にはコットンにクレンジングウォーターを含ませ、メイク汚れを拭き取るタイプのクレンジングとして知られています。

洗い流す必要がなく、メイクを拭き取るだけで簡単にメイクオフできるのが利点です。また、クレンジングウォーターには肌表面の不要な角質を取り除く成分が含まれていることが多く、肌を滑らかに整える助けにもなるでしょう。

ただし、クレンジングウォーターを使う際には、摩擦に注意が必要です。洗浄力は高くありませんが、クレンジング時に力を入れてしまうと肌に摩擦を与えてしまいます。

水クレンジングは、洗い流す手間を省きたい方や乾燥を防ぎたい方におすすめです。

（8）クレンジングバーム

クレンジングバームは、ワセリンのような質感を持つ固形のクレンジング製品です。肌に塗布すると体温で滑らかに溶け、メイク汚れを効果的に浮き立てるのが特徴です。一般的にはジャーに入った容器で提供されます。

油性成分が多く含まれており、メイク汚れとスムーズになじみます。そのため、肌への摩擦を最小限に抑えられ、洗浄力が高いことが大きなメリットです。また、多くのクレンジングバームには保湿成分も含まれており、洗顔後の肌がしっとりと保たれる傾向があります。脂性肌や詰まり毛穴の悩みを抱える方にもおすすめです。

ただし、クレンジングバームは水に濡れると洗浄力が低下するため、使用時には手と顔を濡らさないように注意しましょう。

（9）クレンジングシート（メイク落としシート）

クレンジングシートは、クレンジング成分が染み込んだシートでメイク汚れを拭き取るクレンジングアイテムです。これらのシートには、スキンケア成分が配合されたものやW洗顔不要のタイプもあり、手軽にメイクを落とせます。

外出中や疲れているときなど、手軽にメイクを落とせるのがメリットです。持ち運びができるため、特に旅行やレジャー時に重宝している方もいるのではないでしょうか。

一方で、クレンジング成分が浸透したシートを使うことにより、肌に摩擦を加えるリスクが増加します。

使用時は、肌に優しく接触させ、クレンジング成分とメイク汚れをゆっくりとなじませ、注意深く拭き取るように心がけましょう。

（10）ポイントメイクリムーバー

ポイントメイクリムーバーは、メイクのポイント部分、例えばウォータープルーフのアイメイクやティントタイプの口紅など、特に落ちにくいメイクを効果的に落とすためのリムーバーです。

ポイントメイクリムーバーは目元や口元などの特定の部分に使うものであるため、顔全体のクレンジングには適していません。洗浄力が非常に高く、肌に負担をかけ、肌荒れの原因になる可能性があるため、顔全体には使用しないようにしましょう。

ウォータープルーフのアイメイクやティントタイプの口紅を落とす際に使用すると、メイクを残すことなくきれいに落とせます。

クレンジングと洗顔はどう違う？

以下では、クレンジングと洗顔の相違点について説明します。それぞれ目的が異なるため、洗顔方法を見直すためにもぜひチェックしてみてください。

クレンジングと洗顔の違いは落とせる汚れの種類

クレンジングと洗顔は、ともに肌の汚れを取り除くものですが、落とせる汚れに違いがあります。

クレンジングは、主に油性の汚れやメイク、そして頑固な毛穴の詰まりを効果的に取り除くのが特徴です。一方で洗顔料は、水性の汚れや古い角質、皮脂などを効果的に取り除く洗浄成分を含んでいます。

夜は、クレンジングでメイクや油性の汚れを取り除いた後、洗顔料で洗い流します。朝は洗顔料のみを使い、夜間に分泌された皮脂や寝汗、寝具から発生するホコリやダニを取り除き、清潔な肌を保ちましょう。

クレンジング＋洗顔のダブル洗顔が基本

クレンジングと洗顔は異なる役割を果たしますが、両者を組み合わせて行う「ダブル洗顔」が基本的なスキンケア手順です。

クレンジングは主に油性の汚れやメイクを取り除きますが、洗顔は水性の汚れや皮脂、古い角質を洗浄します。そのため、どちらか一方だけでは完全に汚れを落とし切ることが難しく、ダブル洗顔が重要です。

クレンジングだけでメイクが完全に落ちたように見えることもありますが、実際にはメイク以外の汚れや雑菌、汗、ホコリなどが肌に残っていることがあります。ダブル洗顔を行うことで汚れを徹底的に洗い流すと、清潔な肌を保てるでしょう。

ダブル洗顔（クレンジング＋洗顔）の正しい手順

ここでは、ダブル洗顔の正しい手順を紹介します。肌に負担をかけないようにするためにも、クレンジングと洗顔は適切な方法で行うことが大切です。

クレンジングの手順

1. ポイントメイクは先に落とす
   アイメイクやリップなどの落ちにくいポイントメイクは、ポイントメイクリムーバーなどで先に落としておきましょう。
2. クレンジングを温める
   肌にのせる前に手のひらで温めてからなじませましょう。皮脂は低温になると凝固し、効果的に取り除きにくくなります。
3. クレンジングをなじませる
   手をしっかりと肌にフィットさせ、クレンジングを肌に滑らせます。力を入れてゴシゴシこすらないようにしましょう。
4. 水かぬるま湯ですすぐ
   最後に、水かぬるま湯で丁寧に洗い流します。

洗顔の手順

1. しっかりと泡立てて洗う
   洗顔料は十分に泡立て、顔全体を包み込むように洗うのが重要です。少しずつ泡立て、細かな泡をつくりましょう。
2. 水かぬるま湯ですすぐ
   洗顔後は、水かぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。特に髪の生え際やフェイスラインなど、すすぎ残しがないように注意が必要です。
3. タオルで優しく拭き取る
   肌に負担をかけないようにタオルで優しく水分を拭き取りましょう。
4. 保湿ケアを行う
   洗顔後の肌は水分を失いやすく、乾燥しやすい状態です。したがって、化粧水などで迅速に水分を補給しましょう。

クレンジング＆洗顔が1回で済むダブル洗顔不要の洗顔料とは？

クレンジングと洗顔は肌のケアにおいて欠かせないステップですが、肌への負担が気になる方もいるのではないでしょうか。ダブル洗顔による肌ダメージを解消するには、ダブル洗顔不要のクレンジングがおすすめです。

1本で2つの役割を果たせるため、洗いすぎによる乾燥や肌への負担を軽減し、さらに時間も節約できます。肌の水分量が減少し、ターンオーバーが乱れやすいエイジングケアにも適しています。

ダブル洗顔不要のクレンジングは、洗浄力が強いだけではなく、洗浄成分（界面活性剤）の種類とバランスが考慮されています。

油分と水分の両方の汚れを効果的に取り除け、水にも流れやすい特性を持つため、ダブル洗顔をしなくても汚れを落とすことが可能です。

まとめ

クレンジングとは、メイクや汚れ、皮脂を落とすためのスキンケアアイテムです。クレンジングにはオイルタイプやミルクタイプなどさまざまな種類があるため、メイクの濃さや肌状態に合わせて選びましょう。

ダブル洗顔不要の商品もありますが、基本的にクレンジング後は洗顔することが大切です。クレンジングはやり方を間違えると肌に負担がかかってしまうため、正しい方法をチェックし、肌を健やかに保ちましょう。