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人も植物も、本来持つ可能性を尊重して育てよう

社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。 新しい年が始まりました。この機会にあらためて人や植物を「育てる」ことについて、自然の営みから見つめ直してみましょう。

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ジョン・ムーア

この記事の監修:ジョン・ムーアさん

ジョン・ムーア
社会起業家、オーガビッツアンバサダー。英国公認教師、オーガニックフード・ガーデニング教師。英国シェフィールド大学卒業後、教師を経て、電通に入社。その後、パタゴニア日本支社長などを歴任。現在は一般社団法人シーズ オブ ライフ代表理事として活動中。

「育てる」ことは、制御することではない

もうしばらくすると、春がやってきます。土壌から、植物の芽が元気よく顔を出すのを見て、「いつの間に?」そんな風に思ったことはありませんか? 彼らは冬の間、眠っていたのでしょうか?

そうではありません。種は土の中でその時をじっと待っていたのです。月の満ち欠けのサイクルに合わせて、最高の太陽、最高の雨、最高の土壌・栄養が揃った時が来るのを。そして見事なベストタイミングで生命力を爆発させ、光に向かってぐんぐんと成長していきます。

あの小さな小さな種の、どこにこの素晴らしい知恵が隠されているのでしょうか? 種から種へと受け継がれた情報は、DNAの中にインプットされています。

そして、その土地に根付いている土壌微生物に包まれた種は、お互いの命を支え合う共生関係者として、一緒に次の生命を育んでいきます。

本当の「育てる」とは、どういう行為なのか? 私たちには野菜を栽培したり、子どもたちを教育したり、会社で後輩を指導したり、「育てる」という役目があります。

その時、どんな方法を選択していますか? 誰かのために良いこと? おいしいから? 自分のため? 遺伝子に従って? もともと「種」にある可能性を育てるのではなく、自分の都合でコントロールしていないでしょうか。

ジョン・ムーア

この数十年のうちに、私たちは遺伝子や微生物をコントロールして、人間の都合で野菜を栽培してきました。多種多様な品種の多くが消失し、味も変わっていきました。

おばあさんやおじいさんに聞いてみてください。昔の野菜の味を。昔の野菜より甘くなったと答える人が多いでしょう。甘味が増えた分、植物の栄養価は下がりました。もし、人間が手を加えずに、そのまま自然の中で育まれていたら、どんな野菜になっていたでしょう。

自然には、いつも独自の道があり、知性があります。それは、地球が生まれてから数十億年の間に培われた、人間の知識よりも賢いものです。私たちは新参者なのです。私たちは今も学んでいる最中。自然に従えば、自ずとあるべき姿になるはずです。

ジョンさんからの一言

ジョン・ムーア

ジョンさんがアンバサダーを務めるオーガビッツとは?

orgabits

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日本で最も多くのアパレルブランドが参加するオーガニックコットン普及プロジェクト。オーガニックコットン100%にこだわらず10%の商品を100倍の人に届けるという「逆転の発想」で現在約100ブランドが参加。一枚の服を通しておしゃれに参加出来る社会貢献活動としても注目されている。

取材・文/坂田奈菜子

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