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老眼はあきらめなくていい 眼科手術の最先端を行く|ホームドクター(2)

普段なかなか知ることができない医師の素顔に迫る連載の第2回。今回は、老眼の最新医療を扱い、多くの手術を手がける眼科専門医の荒井宏幸先生です。

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「からだにいいことホームドクター」とは?
「この健康法は自分に合っているのかな」「どうしてこんな不調が起きるんだろう」など、自分ではわからないけれど病院に行くほどではない“セルフケア以上、診療未満”のお悩みを、各科の名医と一緒に解決していく、健康応援プロジェクトです。

手先の器用さを生かして眼科の手術専門医へ

荒井宏幸先生

眼科のなかでも荒井宏幸先生は手術専門の眼科医でいらっしゃるそうですね

荒井先生 もともとは、レーシックなど近視・遠視を治す屈折矯正手術が専門です。今では老眼の方向けの手術も行っています。

なぜ医師に、そのなかでもなぜ眼科医になられたのですか?

荒井先生 進学した高校が、みんな3年生の夏まで運動部などの部活に熱中して、浪人するのが当たり前のようなところで。浪人しても評価に関わらない職業といったら医者だろう、と(笑)。

眼科を選んだのは、医学生のときに白内障の手術を見て、白く濁っていた目が術後きれいに透明になっているのが印象的だったためです。また、眼科の手術は外科手術と違い、自分の指先の感覚だけを頼りに1人で行います。私は木工職人の父親ゆずりなのか小さいころから器用だったので、指先の器用さも生かせますし、自分に向いているなと。初手術のとき、先輩に「手術したのは本当に初めて?」と驚かれました。

眼科の手術には手先の器用さも大切な要素なのですね

荒井先生 型通りの手術ならそうでもありません。しかし予想外のことが起きたときなどには機転と指先のセンスが重要です。メスを入れたときの黒目の硬さの違いを敏感に感じ取って、その人に合うように手術を進めるとか。こういうセンスは言葉では伝えられないものです。

老眼はあきらめなくていい。治したい人に手段の提供を

レーシック
「私もレーシックの手術を受けています。1998年サンタモニカにて」(荒井先生)

先生は老眼も「あきらめないで」とおっしゃっています

荒井先生 老眼は目のズーム機能が加齢で衰えることが原因なので、正確に言うと治療できません。ですが眼内レンズの進化により、手術でズーム機能を補えるようになりました。

白内障手術のように、老眼用レンズを目に入れる「多焦点眼内レンズ手術」のことですね

荒井先生 当初は老眼を想定せず近視・遠視の手術をしていましたが、手術を受けた患者さんが次第に老眼になる。これを医師として見過ごせなくなり、老眼治療に向き合うようになりました。この手術は2005年ごろ世界的にポピュラーになりました。それ以前のものより眼内レンズが改良されて注目が集まり、私も取り組むようになりました。今ではその奥深さがおもしろく感じられています。

この手術は広がるでしょうか?

荒井先生 健康保険が適用されないので、難しいかもしれません。それに、老眼は手の施しようがないとあきらめてしまう人が多い。ですが、そこから自分で調べて「治るなら治したい」と思った人のために私は門戸を開いています。

ドクターズアドバイス

老眼になったばかりの人は眼鏡なしで少しがんばってみて

荒井先生 眼鏡に頼りすぎると筋肉と脳がさぼってしまいます。だから老眼になっても、最初は眼鏡なしでがんばってみてください。眼精疲労にならない程度に。裸眼で作業を始め、ある程度疲れを感じてきたら眼鏡をかけるとか。照明を明るくするのも、瞳孔が小さくなってよく見えるようになるのでオススメです

協力/メディコレ
(からだにいいこと2021年6月号より)

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