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巡らせ温活

血流を促して更年期症状やPMSを軽く「巡らせ温活」の手引き

更年期やPMS、生理による不調は、下半身を温めることで症状が和らぐことがあります。血流が滞ると、必要な栄養素が体を巡りにくくなり不調の原因に。そこで取り入れやすい「巡らせ温活」テクを紹介します。

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体を温めて血流を促し女性特有の不調を改善

「1957年の調査によると、日本人の平均体温は36・9度ほど。本来はそのくらいが理想ですが、エアコンの普及や運動不足による筋力低下などが原因で、現代では平熱が36度以下の人も珍しくなく、冷えによる不調が増えています」と、医学博士の川嶋朗さん。

体を温めて血液の巡りを良くするだけで、免疫力は上がるそう。「体温が下がると血流が悪化し、体じゅうに必要な栄養が巡りにくくなります。特に女性は下半身が冷えると、更年期症状やPMS、生理痛の原因にもつながります」

そこで、ちょっとした入浴テクやながら運動、温めドリンクなど、簡単にできる“温活”で、巡る体を目指しましょう!

「体を温めて血液やリンパが滞りなく巡れば、老廃物として毒素もしっかり排出され、不調が改善。肌もきれいになって若々しく見えるなど、いいことずくめですよ」

実は…更年期症状やPMSは下半身の冷えが原因

40代になると、女性ホルモンの分泌量が急速に低下し、脳が女性ホルモンを出そうとして交感神経が優位に。体が緊張状態になり、更年期の不調を感じる人もいます。

また、冷えて巡りが悪いと子宮が硬くなり、生理痛やPMSの症状が出やすくなることも。下半身を温めれば自律神経のバランスが整って緊張が解け、血液の巡りも良くなります。

すると、更年期の不調や、生理痛、PMSなどの症状が和らぐのです。

更年期症状やPMSに悩む女性

冷えケアのヒントが見つかる! 巡りに関するチェックリスト

冷えを自覚している人は、冷えがもたらす症状をチェック。冷えの自覚のない人でも、実は体が冷えている可能性があります。

冷えている自覚がない人はピンクのチェックリストを。冷えの自覚がある人はブルーのチェックリストを試してみてください。

冷えの自覚がない場合のチェックリスト

4つ以上当てはまる人は知らないうちに冷えが加速

パソコンやスマホの長時間使用や運動不足は、体を冷やしてコリや痛みを招きます。睡眠不足や不規則な生活によっても血流は悪化。

また、冷たい食べ物や飲み物は、内臓を冷やす原因になります。

冷えの自覚がある場合のチェックリスト

2つ以上当てはまると体が冷えて巡りが低下

平熱が36℃以下、手足が冷たいなど、冷えを自覚している人は基本的に冷えています。さらに、冷えていると顔色が悪い、体の不調やむくみ、生理痛やPMS、更年期症状が出やすい傾向も。

チェックリストの項目に引っかかってしまった人も次から紹介する「温活」テクを実践すれば、ポカポカに。普段の生活に取り入れやすそうなものからはじめてみましょう。

冷えた体を温める「温活テク」

冷えやすいお腹や腰まわり、足元などは集中的に温める工夫を! 入浴やグッズを上手に活用してください。

「昼間は湯たんぽや腹巻き、レッグウォーマーを使って、冷やさないようにして。夜はシャワーで済まさないで入浴を。ぬるめの湯に15分以上浸かりましょう」(川嶋さん)

入浴時には、好みの香りの入浴剤を使うのもおすすめ。発泡する炭酸ガス入りの入浴剤は毛細血管を刺激して、血流を促します。

38〜40℃のお湯に肩まで浸かる

熱い湯にさっと浸かるだけでは、体の芯まで温まりません。半身浴ではなく、肩まで浸かるようにして。

38〜40℃のぬるめのお湯に15〜30分程度ゆっくり浸かると、体の深部までしっかり温まります。

肩まで入浴する女性

【プラス1テク】脱衣所を温めておく
入浴でせっかく体を温めても、脱衣所が寒いと急速に冷えて体にも負担が。暖房器具などで、入浴前に温めておきましょう。

湯たんぽでお腹や腰、太ももを温める

昼間は小さめの湯たんぽで体を温めて。お腹に当てたり、腰と椅子の間に挟むなど、冷えやコリを感じる場所に当てましょう。大きな筋肉のある太ももにのせるのもおすすめ。

湯たんぽを使う女性

ふたがオレンジのホットタイプのペットボトルに約60℃の湯を入れれば、湯たんぽ代わりになります。

ペットボトル

体の先端から中心に向かって洗う

体を洗うときは、手先から脇の下へ、足先からお尻へ、血液やリンパの流れに沿った動きにすると、巡りが良くなります。肌に優しいボディスポンジやブラシでリズミカルに行うと◎

身体の洗い方

【プラス1テク】シャンプーしながら頭皮マッサージ
シャンプーするときに指の腹で地肌を動かすようにもむと、頭皮の血流アップ。顔のたるみの改善にも。

お腹と足を温める

お腹には内臓や太い血管が集中。冷えると体調不良の原因になるので、締めつけのないゆったりした腹巻きなどで温めて。足元もレッグウォーマーや5本指ソックスなどで冷やさないようにしましょう。

腹巻き、レッグウォーマー

【プラス1テク】つま先はアルミホイルで保温
10cm角のアルミホイルでくつ下の上からつま先を包み、もう1枚くつ下を重ねて。驚きの温かさ!

つま先はアルミホイルで保温

冷えない体を作る「温活テク」

冷え対策と同時に、体質の改善も図りましょう。

体温は筋肉で作られるもの。年齢とともに筋肉量が減っていけば、体温も下がります。生活習慣を見直し、根本的に“冷えない体”を目指して。

「よく歩き、ながら運動も取り入れて下半身の筋肉を鍛えましょう。特にふくらはぎの筋肉を動かすと、血液やリンパの流れがよくなります」(川嶋さん)

規則正しい生活をしてよく眠って自律神経のバランスを整えるのも大切です。冷えやすい体には、ツボを押したり、ツボを温めたりするのもおすすめです。

“ながら運動”でポカポカ筋トレ

上りはもちろん、下りも筋トレ効果が。洗濯物を干すときも、立ったりしゃがんだりすればスクワットに。階段を見たら“おトクな無料ジム”と思って。

ながら運動

夜10時からの「陰」のときに休息

東洋医学では22時〜2時までの「陰」の時間に体を休めることを大切に考えます。21時を過ぎたらリラックスし、できるだけ22時までに就寝を。朝は5時〜7時の間に起きましょう。

足の冷えツボを押す

足のツボ押しも、血流アップをバックアップ。
特におすすめは、内くるぶしの指3本ほど上にある三陰交というツボ。生理痛や更年期症状、消化器系の不調にも効く、女性に万能のツボです。

三陰交

【プラス1テク】ドライヤーを使って温める
ツボにドライヤーの温風を近づけるとお灸代わりに。熱さを感じたらドライヤーを離す動きを5回繰り返して。無理せず火傷には気をつけて。

温め食材を使った「温活テク」

毎日の食事やドリンクでも、体を温めるものを意識して摂ることで、体はリセットできます。温かい飲み物に“温活食材”をプラスし、内臓までポカポカにしましょう。

「朝起きたら冷たい水ではなく、50℃ぐらいの白湯を飲んで内臓を温めて。梅干しやしょうが、はちみつなど、温め食材やわずかな塩け、甘みなどを加えると、飽きずにおいしく温活できます」(川嶋さん)

食事も東洋医学の「温熱性食品」を積極的に摂り、温かいみそ汁などを添えてみて。

温活ドリンクで血流をとことんアップ

のどが渇いたら、温かいドリンクで水分補給を。体を温める作用のあるしょうがや、巡りをよくする梅干しやレモン、はちみつなどを加えると、究極の温活ドリンクに!

温活ドリンク

しょうが湯
温め効果の高いしょうがをすりおろし、少量のはちみつやオリゴ糖とともに湯に溶いて。

しょうが湯

【プラス1テク】しょうがを料理に加える
胃の調子を整え、温め効果のあるしょうがは、料理に加えて積極的に活用。炒め物やスープ、肉の下味などに。

はちみつレモンティー
温かい紅茶に、レモンとはちみつをプラス。レモンの香りとクエン酸、はちみつの柔らかな甘みでリラックス。

はちみつレモンティー

【プラス1テク】レモン汁を料理に
から揚げなどいつもの料理にレモン汁を搾ると、クエン酸で免疫力アップ。レモンの香りには気を巡らせる効果も。

梅干し白湯
梅干しの香りと塩けで巡りを促進。沸騰後弱火で約10分沸かし続け、火をとめて約50℃に冷ました白湯に、梅干しを加えて。

梅干し白湯

体を温める「温熱性食品」を摂る

東洋医学では体を温める「温熱性」と、体を冷やす「寒涼性」の食品があると考えます。白米より玄米など、色の黒いもののほうが体を冷やしにくいとされるので、積極的に食べましょう。

温熱性食品
寒涼性食品

【プラス1テク】スパイスを加えれば温まる
シナモンやクローブ、こしょうなどのスパイスは、血行を促進する温め食材。料理にちょい足ししてみて。

イラスト/ネコポンギポンギ
(からだにいいこと2023年2月号より)

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