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免疫力アップ、冷え取り…冬の体調管理に!野菜まるごとバランス鍋

寒くなると出番が増える鍋は、おいしくて簡単に作れるだけでなく、作り方や食材の組み合わせ次第では冬の体調管理にぴったり。不調改善に役立つ、栄養満点の鍋レシピを紹介します。

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不調を改善する「野菜まるごとバランス鍋の食べ方」

栄養学にくわしいビタミン外来の専門医・佐藤務さんが、不調改善に役立つ「野菜まるごとバランス鍋」の作り方を解説。

料理酒を使った温め効果のあるスープ、栄養バランスがアップする食材の使い方などを紹介します。この冬の鍋作りの参考にしてみてくださいね。

1.「料理酒:水=1:1」のスープで温め効果アップ

料理酒をベースに使った鍋を食べる前と食べた後の比較画像。(※1)

スープは、市販品を使ったり、だしをとったりするのもいいですが、料理酒と水を「1:1」の割合で合わせたものをベースにすると、体の中からポカポカになり温め効果が期待できます。

料理酒を使った鍋と、一般的なだし汁を使った鍋を食べた人で、食後の体温変化を比較したところ、料理酒を使った鍋を食べた人の方が、手先の末端までしっかりと温まっていることが分かりました。(※1)

料理酒に合わせるのは、水の他に、豆乳、トマトジュースなどを使ってもOK。その場合も、「1:1」の割合で作りましょう。

お子さんがいるご家庭で、アルコールが気になる場合は、レンジで温めたり煮込んだりして、アルコール分をよく飛ばしてください。

(※1…2020年 調味料メーカーのキング醸造が行った「冷え性女子による日の出料理酒の温まり効果」の実験より)

2.具材は「タンパク質2+野菜2」でバランスよく!

次に大切なのは食材選び。鍋でバランスよく栄養を摂るには、タンパク質と野菜を、それぞれ2種類以上使うことがポイントです。

タンパク質1種類は、大豆食品(豆腐や豆乳)などの「植物性タンパク質」を入れ、もう1種類はお好みの肉や魚から選びましょう。

肉や魚などの動物性タンパク質を取り入れると、筋肉を増やすのに効果的な必須アミノ酸を補えます。また、1種類を植物性タンパク質にすることで、脂肪の摂りすぎを防ぎます。

野菜は、1種類はねぎ類(長ねぎ、玉ねぎ、にんにく、ニラ)を入れてください。ねぎ類には、疲労回復効果や殺菌作用がある「アリシン」という成分が含まれています。疲れからくる不調の改善や、免疫力アップにぴったりの食材です。

ねぎ類の他に使う野菜は、不調や目的別に選んで使うのがおすすめ。さらに、+αとしてきのこや海藻類を入れると、ミネラルと食物繊維をプラスでき、栄養のバランスが整います。

3.不調別に使う野菜をセレクト

不調別に効果的な野菜を紹介します。鍋の食材選びの参考にしてみてください。

免疫力アップ:ニラ、にんじん、長ねぎ、しょうが、かぼちゃ、大根

腸内環境を整える:玉ねぎ、ごぼう、キャベツ、レンコン、大根、里芋、シソ

疲労回復:長ねぎ、かぼちゃ、にんにく、ニラ、アスパラガス、ヤマイモ

冷え対策:長ねぎ、レンコン、唐辛子、ニラ、にんにく、セリ

ねぎ類はどれか1種類入れ、あとは自分の体調に合わせてもう1種類の野菜を選びましょう。もちろん、3種類以上になってもOK。

また、スープには、野菜から染み出た「水溶性ビタミン」や「水溶性食物繊維」がたっぷり。ごはんや麺を入れて最後のシメまで味わうのもいいでしょう。ただし、塩分の摂りすぎには注意を。

4.根菜類は栄養が詰まった皮ごと使う

野菜の皮はむいて使う人が多いと思いますが、実は栄養や食物繊維の宝庫。特に、にんじんやごぼうなどの根菜類はむかずに使うのがおすすめです。

例えば、にんじんの皮に多く含まれている「β−カロテン」は、体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健やかに保ってくれます。

ごぼうの皮には、抗酸化作用があるポリフェノールが豊富。疲れにくい体づくりに役立ちます。

野菜の皮がかたくて気になる人は、料理酒と一緒に煮込むとやわらかくなり、食べやすくなります。

免疫力アップ、冷え対策…目的別「野菜まるごとバランス鍋」レシピ

次からは、不調や目的に合う食材を使った「野菜まるごとバランス鍋」のレシピを紹介します。

・免疫力アップ
・冷え対策
・疲労回復
・腸活

の4つのレシピを紹介します。そのときの目的や体調に合わせて作ってみてください。

免疫力アップに! 「豚肉たっぷりキムチ鍋」

【栄養POINT】

豚肉や豆腐などに含まれるビタミンB1は、免疫細胞のエネルギー生成に役立ちます。また、ビタミンB1はニラや長ねぎなどの「アリシン」を含む食品と一緒に食べることで吸収率がアップします。

【材料(1人分)】 ※2人前は倍量を目安に。

キムチ…30g(お好みで調節)
豚肉(バラorロースお好みで)…100g
ニラ…5本
白菜…1~2枚
えのき茸…1/3袋
にんじん…1/3本
豆腐…1/3丁(100g)
A|料理酒…150ml
 |水…150ml
みそ…小さじ2

【作り方】

(1)鍋にAを入れて火にかける。
(2)ニラ、白菜、えのき茸は、3~4cmにカット。にんじんは皮を残したまま、薄切りにする。
(3)鍋に豚肉を入れて火が通ったら、(2)を入れる。
(4)にんじんがやわらかくなったら、豆腐を入れてひと煮立ちさせる。
(5)火を止めたら、みそを入れてかき混ぜ、最後にキムチをトッピングする。

冷え取り効果バツグン「石狩風粕汁鍋」

【栄養POINT】

鮭に含まれるビタミンEは、血流改善効果が期待できます。他にも、豆乳に含まれるビタミンB1は代謝を促進し、体を動かすエネルギー源に。食材に使われているレンコンは、温め食材の優等生です。

【材料(1人分)】 ※2人前は倍量を目安に。

生鮭…一切れ
レンコン…100g
にんじん…1/2本
大根…1/8本
油揚げ…1/2枚
A|料理酒…150ml
 |豆乳…150ml
みそ…大さじ1
しょうが(すりおろし)…1かけ
酒粕…30g

【作り方】

(1)酒粕はお湯で溶いておく。レンコン、にんじん、大根は薄切りにする。
(2)鍋にAを入れ火にかけ、生鮭と(1)、しょうがを入れて鮭に火が通るまで煮る。
(3)油揚げを千切りにして、鍋に入れる。
(4)火を止め、みそを入れてよく混ぜる。

元気を取りもどす! 「カレートマト鍋」

【栄養POINT】

鶏むね肉に多く含まれる「イミダゾールペプチド」は、疲労回復に効果的。かぼちゃの皮にはビタミンAが多く含まれ、疲労や老化の原因となる活性酸素を除去してくれます。

【材料(1人分)】 ※2人前は倍量を目安に。

トマト缶(カット)…1/2缶(200g)
鶏むね肉…80g
長ねぎ…1/2本
かぼちゃ…1/8個
豆腐…1/3丁(100g)
A|料理酒…150ml
 |水…150ml
カレー粉…小さじ1
塩、こしょう…各適量

【作り方】

(1)長ねぎは斜めの薄切りにし、塩、こしょうをふった鶏むね肉と一緒にフライパンで焼き目がつくまで炒める。
(2)Aを鍋に入れて火にかける。
(3)沸騰したら、トマト缶とカレー粉を鍋に入れ、塩で味を調える。
(4)(1)と薄切りにしたかぼちゃを鍋に入れる。
(5)かぼちゃがやわらかくなったら、豆腐を入れてひと煮立ちさせる。

腸内環境を整えてくれる「ゆずみそ鍋」

【栄養POINT】

ごぼうには、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の両方がバランスよく含まれ、腸内環境を整える効果が期待できます。水溶性食物繊維を逃さないように、シメでご飯や麺を入れてスープまで味わいましょう。

【材料(1人分)】 ※2人前は倍量を目安に。

鶏もも肉…80g
ごぼう…7~8cm程度
玉ねぎ…1/4個
しいたけ…1個
大豆もやし…1/3袋
小松菜…1/3束
ゆで大麦…大さじ1
ゆず(乾燥ゆずでもOK)…少々
A|料理酒…150ml
 |だし汁…150ml
しょうゆ…大さじ1

【作り方】

(1)ごぼうは皮ごとささがきに、玉ねぎは薄切りにしてそれぞれ15分程度水にさらす。
(2)鍋にAとしょうゆを入れて火にかける。
(3)鍋に鶏もも肉を入れて火が通ったら、(1)としいたけを鍋に入れる。
(4)ごぼうがやわらかくなったら、大豆もやしと小松菜を入れる。
(5)3~4分煮込んだら、ゆで大麦を入れて、ゆずを散らす。

温め効果のあるスープ作りや、不調を改善する食材選びを取り入れた「バランス鍋」で、この冬を元気に乗り切りましょう!

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