春の肌荒れ「花粉皮膚炎」対策|気象病ドクター久手堅司先生の連載
気象病ドクター・久手堅 司先生の連載。今月のテーマは「花粉皮膚炎」です。この時期、急な肌トラブルが起こっていませんか? 花粉はくしゃみ、鼻水だけでなく、肌荒れの原因にも。その対策をお伝えします。
目次
花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」を知っていますか?
花粉の多いこの時期、急に顔や首にかゆみや赤み、ヒリヒリ感が出たら「花粉皮膚炎」かもしれません。

花粉皮膚炎は、花粉が皮膚に付着して炎症を起こす、肌のアレルギー反応です。
春は、寒暖差や強くなる紫外線などで、肌を守るバリア機能が低下しやすい季節です。そのため、花粉性皮膚炎になりやすく、症状が悪化しやすいのです。
特に、アトピー性皮膚炎の人は、もともとバリア機能が弱いため、花粉にも反応しやすい傾向があります。
症状としては、かゆみや赤みの他、ブツブツとした湿疹が出ることがあります。また、化粧品がしみることも。
花粉シーズンにだけ肌荒れが起こるなら、花粉性皮膚炎の可能性があります。くしゃみ、鼻水などの花粉症の症状がなくても、肌だけに反応が起こる人もいます。まぶたやほお、首、手などの露出部位は、花粉が直接つきやすく、反応が出やすいのです。
自律神経の乱れが花粉皮膚炎を悪化させる
花粉は皮膚炎の原因になりますが、花粉によって誰もが肌荒れするわけではありません。そのきっかけや、悪化の原因となるのが、自律神経の乱れです。
季節の変わり目は、朝晩と日中の寒暖差が大きく、自律神経のバランスが乱れやすい時期。自律神経の乱れで血流が悪くなると、肌のターンオーバーが遅れます。すると、肌のバリア機能が低下して、花粉皮膚炎などの肌トラブルが起こりやすくなるのです。
体も肌も不調…重なるとツラさがさらに増す
この時期、気象病による体調不良と肌トラブルが重なり、つらさを感じていた40代女性の体験談をご紹介します。

【体験談】気象病対策をしながら、肌トラブルも改善
Aさんは、天気の悪い日に頭痛や倦怠感、めまいなどの症状が出ることがあり、気象病外来を受診しました。ちょうど花粉シーズンで、目の周りやほおにかゆみも出ていました。気象病に効く漢方薬「五苓散(ごれいさん)」と、肌のかゆみ対策として「ヘパリン類似物質」配合の保湿剤が処方されました。さらに生活習慣を見直し、睡眠不足の改善にも取り組むことに。すると気象病の症状が軽くなり、かゆみやくすみなどの肌トラブルも改善しました。
それでは、自分でできる花粉皮膚炎の対策をご紹介していきましょう。
花粉対策と保湿ケアで、花粉皮膚炎を防ぐ
花粉を付けない、残さない
花粉皮膚炎の予防には、まず花粉を肌に付けないこと。ふつうの花粉症対策と同じように、外出時はメガネやマスク、帽子を着用し、肌の露出を控えましょう。服は花粉が付きにくいツルツルした素材がおすすめです。
帰宅後は、すぐに洗顔したりシャワーを浴びて、花粉をしっかり洗い流すことが大切です。
肌を保湿してバリア機能をキープ

肌のバリア機能がしっかり働いていれば、花粉の侵入を防ぎやすくなります。それには、肌表面にある角質層がうるおいで満たされることが重要です。
保湿力を高めるには、まず化粧水で水分を補うこと。さらに、保湿クリームやワセリンなどで水分の蒸発を防ぎましょう。
ただし、美白効果など高機能で成分が多いものは、バリア機能の低下した肌には負担になります。シンプルな処方のスキンケアコスメを使って。
また、皮膚科で処方される「ヘパリン類似物質」は、高い保湿力があり、皮膚炎の炎症を鎮める成分です。配合された軟膏やクリーム、乳液などがドラックストアでも購入できます。
腸活や快眠習慣で花粉に負けない肌に!
花粉皮膚炎によい食品や、自律神経を整える習慣で、体の内側から肌の回復力を高めることができます。肌だけでなく、体の不調にも効果があるので、ぜひ行って!
アマ二油で炎症を鎮め、腸活で美肌力を底上げ!

花粉皮膚炎の対策としておすすめなのが、アマニ油とヨーグルトを摂ること。
アマニ油やえごま油に多く含まれる「オメガ3脂肪酸」には、アレルギーによる炎症を抑制する作用があります。また、保湿力アップにも効果的で、花粉皮膚炎の予防に◎。さらに、オメガ3脂肪酸には腸活効果もあります。
腸の状態は、アレルギー反応や自律神経に深く関わることがわかっています。腸活は、花粉皮膚炎や季節の肌荒れを防ぐために効果的です。
そこで、腸活によいヨーグルト(200g)にアマニ油を小さじ1加えて、1日1回摂るのがおすすめ。美肌をサポートするパワーフードに!
睡眠の質をよくする工夫で、肌の回復力をアップ

肌は睡眠中に新陳代謝を行い、ダメージを回復します。花粉皮膚炎の改善には、質のよい睡眠をとることが大切です。よい睡眠で、自律神経のバランスも整い、肌トラブルを防ぐ循環が生まれます。
そこで、睡眠力を上げるのに効果的なのが入浴習慣。38~40度くらいのぬるめのお湯に、10~15分間、首までしっかり浸かりましょう。寝つきがよくなり、朝もすっきり目覚められるように。
また、就寝1~2時間前のスマホの使用は控えて。ブルーライトの覚醒作用で、入眠の妨げになります。
ご紹介した対策で、花粉皮膚炎だけでなく、寒暖差や紫外線による肌荒れも予防・改善していくはず。ただし、症状が強いときは、早めに皮膚科専門医を受診して。
毎日の生活習慣を整えて、春をイキイキ美肌で過ごしましょう!
イラスト/Aikoberry
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