手の親指の付け根が痛い!効果的な3つのツボと予防のための生活習慣
本記事では、親指の付け根の痛みに効果的な3つのツボと、押し方を解説します。痛みを予防する生活習慣についても触れていきますので、手の親指の付け根の痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。
目次
親指の付け根が痛む原因は?
親指の付け根が痛んでいる場合、さまざまな原因が考えられます。ここでは、代表的な2つの原因について見ていきましょう。
筋肉や腱を使いすぎている

親指の付け根の痛みの原因のひとつが、筋肉や腱の使いすぎです。スマートフォンを長時間操作したり、パソコンのマウスを頻繁に使ったりすることで、親指周辺の筋肉や腱に負担がかかります。特に、腱鞘炎になると、ツボの周辺を押すと痛みを感じることも珍しくありません。
また、裁縫や料理といった手作業での同じ動作を繰り返すことでも、親指の付け根には負担がかかります。ツボの周りの筋肉や腱に負荷が蓄積すると、炎症を起こしやすくなるため注意が必要です。
関節症になっている
親指の付け根の関節が変形したり、軟骨がすり減ったりすることで痛みが生じることもあります。これは、中高年の女性に多く見られる「母指CM関節症」と呼ばれる状態です。
母指CM関節とは、親指の付け根にあり、親指が他の指と向き合ってつまむ動作をするときに動く部位です。使いすぎや加齢に伴って、関節軟骨の摩耗が起きやすくなります。
母指CM関節症の場合は、ビンのふたを開ける、ハサミやホチキスを使うといった動作で痛みを感じることもあるでしょう。
親指の付け根の痛みを放置するとどうなる?

親指の付け根の痛みを放置すると、症状が悪化して毎日の生活に支障をきたす可能性があります。軽い痛みだからと我慢を続けると、炎症が慢性化して治りにくくなることもあるため注意が必要です。
また、無意識のうちに痛みをかばい、他の指や手首に余計な負担がかかって、痛みが出てくる場合も珍しくありません。痛みやしびれが長引いたり、指が動かしにくくなったりする前に、早めに対処することが大切です。
手の親指の付け根の痛みに効果的な3つのツボ
東洋医学では、ツボを刺激すると、痛みの緩和や体調の改善が期待できると考えられています。ここでは、親指の付け根の痛みに効果的といわれる3つのツボをご紹介します。
(1)合谷(ごうこく)

合谷は、「万能のツボ」とも呼ばれ、手や腕の痛みだけでなく、頭痛や歯痛、ストレスなどさまざまな症状に効果があると考えられています。
特徴
親指と人差し指の骨が交わる部分で、手の甲側にあるツボです。親指の付け根の痛みには、手のひら全体の血流を改善し、筋肉の緊張をほぐす効果が期待できます。デスクワークの合間や通勤中など、いつでも気軽に刺激できる便利なツボです。
ほぐし方
反対側の手の親指で、合谷の位置をゆっくりと押していきましょう。3〜5秒かけてゆっくり圧をかけ、同じくらいの時間をかけて力を抜いていきます。
これを5〜10回程度繰り返します。痛気持ちいいと感じる程度の強さを保ち、無理に強く押さないことが大切です。
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(2)陽谿(ようけい)

陽谿は、手首の親指側にあり、親指を反らせたときにできる腱の間のくぼみにあります。手首から親指にかけての痛みや腱鞘炎に効果的とされるツボです。
特徴
親指の動きに関わる腱や関節の付け根にあり、親指をよく使うと痛みが出やすいツボです。また、手首の可動域を改善する働きもあるとされています。
ほぐし方
親指を手の甲側に反らせて、手首にできる2本の腱の間のくぼみを見つけましょう。そのくぼみに反対側の手の親指を当て、やや手首の中心に向かって押し込むようにします。
3〜5秒かけてゆっくりと圧をかけ、同じ時間をかけて緩めていく動作を5〜10回繰り返してください。手首を少し動かしながら刺激すると、より効果的な場合があります。仕事の休憩時間など、こまめに刺激することで症状の緩和が期待できるでしょう。
(3)魚際(ぎょさい)

魚際は、手のひらの親指の付け根部分、親指の膨らみの中央あたりにあるツボです。親指の腱鞘炎や母指CM関節症による痛みに、特に効果的とされています。
特徴
魚際は、呼吸器系と関わりが深いとされているツボです。また、母指球筋という親指を動かす筋肉の中心にあるため、使いすぎや疲れが溜まると、魚際を押すと痛む感覚が出ることがあります。
ほぐし方
魚際は、手の平の母指球の盛り上がりの部分、その中心のやや外側あたりにあります。反対の親指の腹でゆっくりと押します。
5秒かけてゆっくり圧をかけ3秒キープし、同じように5秒かけて力を抜いていきます。これを5〜10回程度繰り返しましょう。
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手の親指の付け根のツボ押しをするときの注意点

ツボ押しは手軽にできるセルフケアですが、誤った方法で行うと逆効果になることもあります。ここでは、ツボ押しをする際に気をつけるべき4つのポイントをご紹介します。
同じ場所を過度に刺激しない
早く効果を実感したいからといって、同じツボを何度も繰り返し刺激するのは避けましょう。過度な刺激は、かえって筋肉や腱に負担をかけ、炎症を悪化させかねません。
一つのツボに対して5〜10回程度の刺激で十分です。強く押すことよりも、毎日継続することを優先しましょう。一日に何度も押す場合は、朝・昼・晩など時間を分けて、短時間にとどめておくことをおすすめします。無理のない範囲で、ツボ押しを続けていきましょう。
強く押しすぎない

ツボ押しは、痛気持ちいいと感じる程度の強さに留めておくことが大切です。痛みを我慢して強く押すと筋肉が緊張してしまい、かえって症状が悪化する場合があります。
特に、炎症が起きている部分は敏感になっているため、優しく刺激することが大切です。力加減の目安として、爪が白くならない程度の圧を心がけましょう。
また、押したあとに赤くなったりあざができたりする場合は、強すぎるサインです。体の様子を注意深く観察しながら、自分にあった強さを見つけていきましょう。
食後や入浴後すぐは避ける

消化器官が活発に動いている食後や、血流がよくなっている入浴直後は、ツボ押しをするタイミングとしては向きません。体全体が敏感になっているため、強い刺激を与えると、不調につながる恐れがあります。
また、飲酒後や発熱時、極度に疲れているときも避けましょう。体調が優れないときは無理をせず、コンディションが整ってから行うことをおすすめします。
1日で終わりにせず継続する
ツボ押しの効果は、1回だけでは十分に実感できない場合が多いため、毎日継続することが重要です。最低でも2〜3週間は続けてみることをおすすめします。
毎日決まった時間にツボ押しをする習慣をつけると、続けやすくなるでしょう。例えば、朝起きたときや寝る前、仕事の休憩時間など、生活のリズムに組み込むことがポイントです。カレンダーに記録をつけるなど、継続を意識するのも効果的です。一度症状が改善したとしても、予防のために続けていきましょう。
手の親指の付け根の痛みを予防する生活習慣
親指の付け根の痛みは、毎日の生活習慣を見直すことで予防できる場合があります。ここでは、痛みを防ぐために意識したい5つの生活習慣をご紹介します。
体を冷やさない工夫をする

体の冷えは血流を悪化させ、筋肉や腱の柔軟性を低下させてしまいます。特に、手先は冷えを感じやすいため温めることを意識しましょう。
サポーターやアームウォーマーを活用したり、こまめに手を動かして血流を促したりすることも大切です。入浴時には湯船にしっかり浸かり、全身を温めましょう。冷えは全身の不調にもつながるため、日頃から体を温める習慣をつけることが大切です。
手首や指の使いすぎに注意する

スマートフォンやパソコンを長時間使用すると、親指や手首に大きな負担がかかります。1時間に1回は休憩をとり、手を休ませましょう。
スマートフォンは片手で操作するのを避け、両手で持つと負担を分散させることができます。また、作業の合間に手首を回したり、指を開いたり閉じたりするストレッチもおすすめです。重い物を持つときは、親指だけでなく手のひら全体を使うことを意識しましょう。
姿勢を改善する
実は、姿勢の悪さも手の痛みと関係している場合があります。姿勢が悪いと肩が前に出て、腕や手首に余計な負担がかかるためです。背筋を伸ばし、肩の力を抜いた正しい姿勢を心がけましょう。
スマートフォンを見るときも、顔を下に向けすぎず、できるだけ目の高さに近づけて使用することをおすすめします。
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バランスのとれた食事を心掛ける

身体が傷んだ部分を回復させるためには、栄養バランスの整った食事が欠かせません。例えば、ビタミンB群を含む豚肉やレバー、マグネシウムが豊富なアーモンドやひじきなどは、筋肉を良い状態に保ちたいときに積極的に取り入れたい食材です。
毎日の食事の中で、栄養バランスを保つことにも意識を向けてみてください。
質の良い睡眠を意識する
睡眠中は、疲れをリセットする大切な時間です。親指まわりの痛みを軽くするためにも、ぐっすり眠れる習慣作りを意識しましょう。
就寝前はスマートフォンやパソコンの操作を控え、ぬるめのお風呂やストレッチなどで心と体を落ち着かせてから布団に入るのがおすすめです。また、手首や指に負担がかかりにくい姿勢で眠ることもポイントです。
起きる時間と寝る時間は、平日・休日を問わず、できるだけ毎日同じくらいの時刻にそろえるようにしましょう。体内時計が整い、自然と眠りやすく目覚めやすいリズムがつくられていきますよ。
手の親指の付け根の痛みには合谷・陽谿・魚際のツボを

この記事では、手の親指の付け根の痛みに効果的なツボと、予防のための生活習慣について詳しく解説しました。また、ツボ押しに加えて体を冷やさないなどの生活習慣を心がけることで、痛みの緩和や予防が期待できます。
ツボ押しは毎日継続することが大切ですが、強く押しすぎないなどの注意点も守る必要があります。今回紹介した3つのツボ押しを取り入れながら、手の健康に役立ててください。
[ 監修者 ]

















