毎月生理が憂鬱。生理痛や衛生面で快適に過ごすコツは?|教えて! 山村菜実先生
女性特有のお悩みに医師が答える連載。回答者は、優しく丁寧なカウンセリングで人気の東京美容クリニック理事長で産婦人科専門医でもある、山村菜実先生です。今回は生理期間を快適に過ごすコツについて教えてもらいました。
目次
生理中を少しでも快適に過ごしたい

生理中は、腹痛や頭痛、イライラストレス、体がダル重く感じたり、心も体もゆらぎやすくなってしまいますよね。家事や仕事に支障が出たり、旅行やお出かけの予定をズラしたりと、悲しみや諦めも伴います。1ヵ月のうち1週間(以上の方もいらっしゃるかと)も不調の日が続くなんて、“慣れ”で済ますわけにはいきません。
そこで、生理期間中を少しでも快適に過ごせるコツを、産婦人科専門医の山村菜実先生に伺ってみました。
生理周期と体調周期を知りましょう

生理期間中は憂鬱ですよね。まずは自分の生理周期を知りましょう。生理周期を管理しながら、気分が下がったり不快になるタイミングはいつもどの時期なのか?を確認してください。生理3日前にお腹が張る、生理2日目に腹痛がくる、など、ちょっとした体の変化もしっかりカレンダーに記録してみてください。今は生理周期の管理ができるアプリも充実しているのでそれを活用するのもいいでしょう。
女性特有の病気や医療に関する悩みに医師が答える連載。回答者は、優しく丁寧なカウンセリングで…
生理痛や頭痛などの痛みは薬や医療に頼るのも一手

クリニックに来られる方で、生理痛や頭痛があるのに鎮痛剤を飲まずにガマンしている方が実は多いんです。薬漬けになってしまうのではないかと心配している方もいますが、日本人特有のガマンをする文化も影響しているのかもしれません。毎日飲むわけではないですし、生理痛のある時に飲めば楽になるので、耐えないで欲しいです。
鎮痛剤を飲んでも痛みがひどい場合は、婦人科を受診してください。医療的な治療や、ピルの服用も選択肢のひとつです。昔はホルモン剤の使用に抵抗のある方が多かったのですが、今は女性の社会進出もあり、不調とうまく付き合っていく方法としての選択や、今後妊娠を考えている方にもピルなどで体調を整えておくことは大切です。
においやムレ予防など衛生面で快適に過ごす方法
デリケートゾーンのにおいとムレ予防には、通気性のよい環境にすることと、正しい洗浄を行うことです。次を参考にしてください。

デリケートゾーン専用の洗浄剤を使用する
デリケートゾーンの皮膚は薄く、他の皮膚とは違ってやや酸性度が高く敏感なので、専用のものを使用してください。デリケートゾーン専用のフェムケアグッズはたくさん販売されているので、口コミなどをみながら自分に合うものを選ぶとよいでしょう。
通気性の良い下着を身に着ける
普段から着用するのがおすすめですが、生理中はなるべく綿素材などの通気性のよい下着や吸水ショーツを身に着けるようにしましょう。デリケートゾーンだけでなく皮膚全体が繊細になることもあるので、上下とも下着は肌にやさしいものを選ぶとよいでしょう。
生理用品にもこだわりを
ナプキン、タンポン、月経カップなど、自分に合ったものを使用するのがよいですが、それでにおいやムレ、かぶれなどがある場合は、素材の違うものに変えてみてください。オーガニックコットンを使ったものやノンポリマーのものがよいでしょう。肌にやさしくかぶれの少ないものがおすすめです。香料がないものの方が肌にはいいですが、においが気になる方は香料がついているものを選ぶ場合もあるかと思います。
ビデの適度な使用もおすすめ
ビデの使い過ぎはよくないですが、生理中は膣まわりや毛についた経血を洗浄する目的で使用するとよいでしょう。ただし、膣内の洗浄はデリケートゾーンの常在菌のバランスを崩す可能性があるので避けましょう。
精神面で心穏やかに快適に過ごす方法
生理中はホルモンバランスの影響で心を穏やかにキープするのが難しい時期です。それでも、少しでもリラックスできるように自分が気持ちイイと思うことをしましょう。おすすめの3つをご紹介します。

お腹をさする、自分を抱きしめる
自分のお腹をやさしくさすってください。手の温かさでさすった箇所が温かくなるだけでなく、手を当てることで幸せホルモンが分泌されます。自分を両手で抱きしめてあげることも大切です。
肌触りのいいものに触れる

ふわふわの毛布、もこもこのぬいぐるみ、昔から手放せない色あせたブランケットでもいいのです。自分が心地いい、肌触りが好きだと思うものに触れている時は幸せを感じる時間で、不快から遠ざかることができます。
オキシトシンを積極的に増やす

この連載で幾度か登場するオキシトシンですが、別名「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれています。実はこのホルモン、生理痛やPMSなど、生理による不調を軽減する効果もみとめられています。お腹をさする、自分を抱きしめる、肌触りのいいものに触れる、といった行動もオキシトシンを分泌してくれるんですよ。
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生理期間中はホルモンの影響で、気持ちや体調に大きなゆらぎがあります。当たり前のことと受け止めて、自分の体調周期に合わせて幸せになれることをしながら過ごしてください。決してガマンはせずに、いつでも私たち医師がお話をききますので、気軽に受診してくださいね。
山村菜実先生への質問を募集中!
この連載では、産婦人科専門医で美容クリニック理事長でもある山村菜実先生への質問を受け付けます。ご応募いただいた質問の中から選ばせていただき、連載の中で山村先生からお答えします。
産婦人科や美容医療に関するお悩みや質問をぜひお寄せください!
[ 監修者 ]
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