
草彅 剛さん「一緒に笑い、泣いてくれる人こそ価値がある」主演ドラマ制作発表レポート
草彅 剛さん主演ドラマ『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』の制作発表が行われました。豪華な出演メンバー11名が登壇。笑いが絶えない、和やかな会見の様子をレポートします。
目次
暑いなかでの撮影でも、学びの多い現場だった

10月13日(月・祝)よる10時スタート『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』で草彅 剛さんは、妻を亡くしたシングルファーザーの心優しい遺品整理人・鳥飼 樹を演じます。遺品整理会社の仲間とともにさまざまな傷を抱えた人々に寄り添い、遺品に込められた故人の最期のメッセージを解き明かすほか、切ない大人の恋も描かれるオリジナルストーリーです。

これだけの顔ぶれがそろって気になるのは、関係性や撮影現場の雰囲気。草彅さんは優しい笑みを浮かべながら、周囲を見渡します。
「このメンバーで主人公……すごいですね。みなさんとお芝居できて、本当にうれしい限りでございます。撮影は暑い夏でしたが、秋口から始まるドラマということもあって、衣装もそれに合わせたりするんですよ。そんななかで一緒にお芝居できたことが楽しくて。僕の先輩方からも、それと僕より若い方からも学びのある現場でした」(草彅さん)
絵本作家で本作のヒロイン・御厨真琴役は中村ゆりさん。次期社長夫人でありながらも価値観になじめず、居場所がないなかで、誠実で優しい樹に心惹かれていきます。

「1話を拝見しました。とても素晴らしいドラマになっているので、(制作発表では)その魅力をたくさんお伝えできればと思います」(中村ゆりさん)

元気いっぱいの“座長”のやわらかな空気で進行
草彅さんが「みんなしゃべらないの?」と、温かさがあふれる人柄が。MCを買って出て、緊張をほぐすように後輩の小澤竜心さんに「竜心、元気?」と話しかけます。小澤さんが演じる遺品整理人・高橋 碧は、鑑別所を出たばかりで保護観察中という背景がある役どころ。

「ドラマ自体、初めて今回出演させていただいて。とてもアットホームな現場でした。みなさんいろいろ教えてくださって、毎回刺激に楽しんでやっていましたね」(小澤さん)
遺品整理会社「Heaven’s messenger」の社長・磯部豊春を演じた中村雅俊さんは「草彅 剛という男はとにかく元気で。みんなをよく引っ張っていく、非常に良い主役の人だと感心しておりました」と話します。
「一番ドキドキしたのは、渡された台本を読むときだったんですよね。それくらい『いい話だなぁ』と思いながら演じました。ウチの社員(遺品整理会社)たちはみんな個性豊かでして。一緒に触れあってすごく刺激を受けて、(ベテランとの)マリアージュのような感じがあって微笑ましく見ていました」(中村雅俊さん)
さらに、フリーライター・波多野祐輔を演じた古川雄大さんについて、草彅さんは「どのキャラクターのセリフが多いか全部調べたんですけど、古川さんが一番しゃべってる。主役の僕よりしゃべってる(笑)。めちゃくちゃセリフ量があります」と、ねぎらいます。

「すごい説明のセリフとかも多くて。結構、緊張してたんですけど、草彅さんが本当に現場を温かくしてくださって。すごく助けていただきました」(古川さん)
続いて草彅さんが「絶好調?」と問いかけたのは、嗅覚障害のある新人遺品整理人・久米ゆずは役の八木莉可子さん。草彅さんは八木さんから誕生日にアメリカ製の扇風機をプレゼントしてもらい、この夏は大活躍だったいうエピソードも飛び出しました。

「そこまで気に入っていただけるとすごくうれしいです(笑)。そんなに喜んでいただけることはなかなかないですし。ドラマのお話が“死”についても扱うのでちょっと重たいところがあるけど、草彅さんがすごく明るく引っ張ってくださって。現場に行くのが楽しかったです」(八木さん)
照れながら「僕もなんか本当みんなに愛されてるような気がして。いや、愛されてますよね」とおどける草彅さんに、共演者たちはどんどんリラックスしていきます。
ストーリーも現場も草彅さんが“メッセンジャー”に
撮影で同じシーンがなく、この制作発表会見が初対面となるメンバーも。草彅さんが中心となってどんどん会話と縁を繋ぎ、スポットを当てていきます。

余命3カ月の宣告を受け、生前整理を依頼する真琴の母・鮎川こはるを演じたのは、風吹ジュンさん。今回の制作発表で、久しぶりの再会となった人も。
「(中村)雅俊さんも、本当にお久しぶりですね。セットはずっと見てたんですけど。今回は学びの多い役で、台本を読んだときに『思っていたものとずいぶん違う』という内容でした。『こういうふうに余命を過ごすことができるのか』という意外なストーリー展開もあります。考え方や心の持ちようで素晴らしい出会いもあるし、経験で日々が変わっていくので、角度を変えて観ていただけたら」(風吹さん)
「姫方とはよくお会いしていたけど……」と話す中村ゆりさんが初対面だったのは、塩野瑛久さん。現場歴10年のベテラン遺品整理人・矢作海斗を演じました。草彅さんによると、重要な役どころなのだとか。

「回を重ねるごとに大事になってくる役。『初めまして』になる人が多いんですけど、不思議とそういう感じがしないくらい台本の内容がぎっしり詰め込まれていて。一体感のある、でもそれぞれに物語のある作品だなと思います」(塩野さん)
次に草彅さんが「しゃべってないね。どう?」と振ったのは、月城かなとさん。大企業・御厨ホールディングスの長女で真琴の親友を演じています。

「出演者のみなさまに感情を引き出していただいて、挑戦できたなと。たくさんのステキなみなさまに出会えたことが貴重な体験でした。ポスターや予告を見るだけでは『Heaven’s messenger』に対して御厨家がどう存在していくのかとか、未知の部分がたくさんあると思うので。楽しみに観ていただけたらと思います」(月城さん)
緊張や謎が多くても、その瞬間にしかないことにワクワクする
点と点がつながり、どのような物語を紡ぐのかも見どころの1つ。撮影現場でもつないでいたのは、主人公を演じた草彅さん。中村ゆりさんにとって子供のころからずっと見ていた大スターですが、想像していた印象とは大きくかけ離れていたようです。

「いい意味でイメージが違いました。ずっとふざけてるし、本当に明るくて(草彅)剛さんがいらっしゃるだけで現場が華やかに明るくなって、ずっと楽しくて笑いが絶えなかったです。何よりも『こんなに紳士でレディファーストな男性が日本にいるのか!』というくらい、細かいことに気付いて褒めてくださるんですよ。『イタリア人かな?』みたいな(笑)。優しくて、『全男子は見習ったほうがいいよ!』と思うところがたくさんありました」(中村ゆりさん)
その一方で草彅さんが見習っているのは、大企業・御厨ホールディングスの長男で真琴の夫・御厨利人を演じた要 潤さん。「一緒にお芝居するのが怖かった」というほど強烈な役柄ですが、普段は紳士なのだとか。

「作品ではすごく卑劣なことばかりいつも浴びせているけど(笑)。本当に苦しかったですね、ずっと。(狂気が)入っていましたね。草彅さんの現場は何度か共演させていただいて、いつも楽しいんですよね。現場を華やがせてくれて、スタッフのみなさんもすばらしいし、テンポを作ってくれるんですよ」(要さん)

真琴の担当編集者・森山静音役は、国仲涼子さん。制作発表会見の冒頭で草彅さんが国仲さんのお名前をうっかり間違えてしまうというハプニングがあり、空気がゆるんだシーンも。その空気感とは裏腹に、国仲さんが演じた静音は冒頭から謎が多く、物語の伏線になっています。

「1話から怪しくて『なんだ、この女性は』というふうに登場しますが、強い思いを持っているので、探り探り観ていただけたらうれしいです。最後は『あぁ、そうだったのか』という役になっていると思います。私がどんどん怪しさを増していくところが見どころです」(国仲さん)
出演者の緊張をほぐし、魅力を引き出し続ける草彅さん。人柄を絶賛する声が出続けるなかで、照れ笑いします。
「自分が楽しんでいるだけなんですよね(笑)。とにかく現場が楽しいから、この仕事してるんですけど。その瞬間にしかないことにワクワクして、みなさんが微笑ましく受け入れてくださるから『優しいな』と思います。笑ってくれるとどんどん調子に乗って言いたくなるんだけど、メリハリつけてやるところはやらないといけないし。職人の集まりみたいなところですから、そういう現場の空気が好きだな」(草彅さん)

影響力が大きい「会いたくなる存在」
ドラマのサブタイトル(もう二度と、会えないあなたに)にかけて「いつでも会えるけど、やっぱり会いたくなっちゃう存在」について聞かれると、一呼吸おいて草彅さんがつぶやいたのは、以前訪れていた東京・西麻布の中華料理屋のおじさん。料理を出す際にかける言葉が「お待ちどうさま」ではなく、独特なのだそう。
「『おまっちゃさま~』って言うんですよ。餃子持ってくるときとか『おまっちゃさま~』って。あのおじさんに会いたいですね。その『おまっちゃさま~』を聞きたくて、餃子をたくさん頼んだんですよ」
草彅さんの琴線に触れているようで、現場でも「おまっちゃさま~」口にしているのだとか。このエピソードに古川さんも「僕もそのおじさんに会いたくなってきちゃった」と影響が広がっていきます。
「『おまっちゃさま~』で満足してたんですけど……中華屋で言うと、おいしいラーメンは1時間並ぶ覚悟が必要なんですね。そういう意味ではなかなか会えないけど会いに行っちゃうっていうのがラーメン」(中村さん)

柔らかな空気を作ったのが、風吹さんと国仲さんの“ご縁”について。
「芸能生活を何年も続けていますけど、本当にみなさんご一緒する機会がなくて。『やっと会えたな』と思ったのが、草彅さんでした。(中村)雅俊さんも久しぶりでしたけど、絡みはなかったですし。だからこうやってご一緒するのって大変なんだな、『またお会いしたいです』って本気で思います」(風吹さん)
「よく共演する方と、一度しか会わない方がいるので、何度か一緒にお仕事できるってすごくいいご縁だなと思うので、うれしく感じています」(国仲さん)
その場にいずとも通じ合っている関係性

「この場で伝えておきたいこと」を聞かれたのは、草彅さんと何度も共演がある要さん。撮影の後半でプレゼントをいただいたというエピソードを披露してくれました。
「(草彅さんの)古着好きに影響されて着始めて、ネルシャツを探してたんですよ。そのときにちょうどいただきまして。なんか恋愛に似た気持ちになりましたね。『通じ合ってるのかな』なんて。まだ袖を通す機会がなくて、これから育てていきたいなと思っています」(要さん)
草彅さんがたまたま自分の買い物をしていたら「このサイズは要さんだなと思いまして。色も、違う作品で着ていたTシャツの色と一緒だったんですよ」と、自然と“そこにいる”状態になっていたようです。
八木さんが気になっていたのは、ダンスが上手だと話題の小澤さんについて。「キレキレのダンスを生で見てみたいです」と伝えると、撮影の合間に小澤さんは草彅さんと目が合った瞬間に「ダンスバトルをしよう!」と声をかけられていました。
「音もなしに急にダンスバトルが始まるという、あの緊張感は……味わえないですね」(小澤さん)
お披露目前は“おいしい食事を食べる前”のような気持ち
草彅さんにとって、今作がカンテレ連続ドラマ10作目の主演。作品にもスタッフに恵まれていると、しみじみと語ります。
「僕は運がいいことにいつもいい役で、人生を学ばせていただいているんですよね。人生に寄り添っていてくれているドラマをターニングポイントと思えるのは、愛のあるスタッフの方とキャストのみなさんと作品を作り上げることができたから。今後も精進して『また次の作品に出演したいな』と早くも思えてくる。撮影が終わるとどことなく寂しくなっていくような……。今回はすごく温かいお芝居が多くて、また次のステージに立って“大人っぽく”という形でできたんじゃないかと思います」(草彅さん)

撮影は暑いなかでも1人も倒れることがなく、助け合いながら進行。そして、1つの作品が完成し、「初回放送前の今が一番緊張」していました。
「みなさんがこれから観てくれるというときが幸せ。お披露目できるというのは“おいしい食事を食べる前”みたいなんですよね。ワクワクして、ドキドキしてる段階で。そこにかけた僕らの情熱を『どうやってみなさんが受け取ってくれるんだろう』と思うんですよ。100人いたら100人とも感じ方が違うので、どうやってこの温かいドラマを受け取ってくれるのか、1人ひとりいただいた役をどうやって感じてくれるのかなっていうのが……ここにいるみんなも同じ気持ちなんじゃないかなと思います」

そして、この一体感あるチームで生み出された今作の初回放送はもう間もなく。
「このドラマを通して届けたいのは、人生において一番価値があるのって、いつもそばで笑ってくれたり泣いてくれたりする人がいるということなんじゃないかなということ。このドラマを通して感じる部分が多かったんですよね。もちろん生きていて楽しいこともあるけど、悲しみのそばには必ず誰かが優しさを生んでくれるというか。そういう気持ちがたくさん芽生えたドラマです。観ていただけると心が温かくなる作品ですので、ぜひ期待ください」
心揺さぶる世界に浸れば、感情を解放できること間違いなし。秋の夜長のおともにおすすめのドラマです。
【INFO】草彅 剛さん主演ドラマ『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』
2025年10月13日スタート 毎週月曜よる10時(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)※初回15分拡大

5年前に妻を亡くした鳥飼 樹(草彅 剛)は、男手一つで小1の息子を育てるシングルファーザー。磯部豊春(中村雅俊)が社長を務める遺品整理会社『Heaven’s messenger』で遺品整理人として、遺品に残された故人の思いを遺族に伝え、寄り添う仕事をしている。そんななか、生前整理の見積もりのために清掃会社に勤める鮎川こはる(風吹ジュン)の自宅を訪ねると、事情を知らない娘・御厨真琴(中村ゆり)が帰ってきて……。心温まるヒューマンドラマ。
【出演】
草彅 剛 中村ゆり
八木莉可子、塩野瑛久、長井 短、小澤竜心、石山順征、永瀬矢紘/要 潤、国仲涼子、古川雄大、月城かなと/大島蓉子、小柳ルミ子、村上弘明、中村雅俊、風吹ジュン

妻を亡くし、シングルファーザーとして生きる遺品整理人・鳥飼樹(草彅剛)。彼は遺品に刻まれた“最期の声”に耳を傾け、残された者へのメッセージを解き明かす。真実の想いに、心を揺さぶられる——感動の物語。
https://www.ktv.jp/shumaku-rondo/
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